■ 夫婦別姓・事実婚Q&A ■

■ 夫婦別姓って何?

日本では、婚姻届を提出する際、どちらか一方の姓に統一しなければなりません。民法750条の「夫婦同姓原則」です。男女どちらの姓を選ぶかは自由ですが、現実には98%もの夫婦が夫の姓に変わっています。

「夫婦別姓」とは、読んで字のごとく「結婚しても夫婦別々の名字を使用すること」です。現時点では法律的に認められていませんが、1996年以降、「選択的夫婦別姓」(結婚する際に夫婦同姓か別姓かのいずれかを選べる)導入へ向けた民法改正への動きが活発化しています。

なお、夫婦別姓は大きく3つのタイプに分かれます。

□通称タイプ
入籍を済ませ、法律上はどちらか一方の姓に変わった上で、通称として旧姓を使い続けているタイプ。職場での通称使用はかなり広まってきていますが、使える範囲が限られていますし、戸籍姓と通称との使い分けも面倒です。

□ペーパー離再婚タイプ
通称タイプと同じく、法律婚をしながら普段の生活では旧姓を使用しますが、住民票や戸籍抄本、実印などが必要な時には、いったん離婚届を出し、手続きが済めばまた婚姻届を出すという、その時々に応じて「離婚・再婚」を繰り返す人達のことを言います。

衆議院議員の水島広子さん達が、インターネットやテレビを通じて全国に広めた「ペーパー離再婚」ですが、その都度市役所に足を運ばねばならず、手間がかかりすぎるのが難点です。

□事実婚タイプ
婚姻届を出さず、法律上の姓を変えないまま夫婦生活をしているタイプ。仕事上の不都合も無く、各種手続きも必要ありませんが、子供の非嫡出子問題や扶養家族になれないなど、法律婚に比べて不利な点が少なからずあります。

■ 諸外国では夫婦別姓なの?

アメリカ、イギリス、フランス、スウェーデン、カナダなど、法律的に夫婦別姓を認めている国はたくさんあります。ちなみに、アジアでも中国や韓国などが夫婦別姓を採用していますが、これらの国の別姓は、男尊女卑の色濃い儒教の教えに基づくものと言われており、嫁は「よそ者扱い」で、血族として認められないという上での別姓だとか。日本の「別姓=男女平等」とはその意味合いがかなり違います。

■ どうして夫婦別姓にこだわるの?

別姓を実践しているカップルにこのような質問をした場合、たくさんの答えが返って来るでしょう。

「働いているので名前が変わると都合が悪い」 「戸籍制度に反対だから」 「別の名前で呼ばれると違和感がある」 「自分の名前に愛着がある」 「自分が自分でなくなるみたいで精神的に苦痛だ」 「名前を変えると主従関係が生まれそうだから」 「紙切れ一枚に特別な意味を見出せない」 「共働きなので、どうせ扶養家族に入られないから」 「改姓の手続きが面倒」 「向こうの家の人間になったみたいで嫌」 「家と家が結婚するのではなく個人と個人が結婚するのだから」 「別れても籍が汚れないから」 などなど。

別姓を支持している人達の中でも考え方の違いは見られます。例えば、夫婦別姓が法律的に認められたら、すぐにでも籍を入れようと思っている事実婚カップルは少なくありませんが、同じ別姓支持者でも、結婚制度自体に価値を置いていない人達の中には、夫婦別姓が成立したとしても入籍しないという人もいます。

■ 事実婚と同棲って同じじゃないの?

婚姻届を出さずに一緒に暮らしているという点では、事実婚も同棲も同じですが、重要なのは「結婚する意志があるかどうか」ということです。

法律婚の場合、「結婚する=入籍する」ですが、事実婚の場合は、「結婚する=相手の人生に対して責任を持つこと」。漠然とした言い方ですが、例えば、子供が産まれたらどうするのか、お互いの両親をいつ会わせるのかなど、将来のことをきちんと考えているかどうかがポイントになります。

また、住民票の続柄を「未届の妻(夫)」とすることで、事実婚と同棲とをはっきり区別させることもできます。同棲カップルの中には、住民票を移動させていない人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、単なる同棲は法律的にも保護されておらず、別れても慰謝料の請求などはできません。

■ 事実婚してる女性って昔で言う「内縁の妻」?

ひらたく言えばそうです。ただ、「内縁の妻」は、いわゆる「2号さん」や「お妾さん」のように、正妻の影でひっそりと生きている愛人的イメージが強く、一般的にはあまり良い印象は受けません。(あくまで一般論で、愛人の方を差別しているわけではありません)

「結婚したくてもできない日陰の身」という消極的なニュアンスの「内縁の妻」に比べ、「事実婚」は、「結婚しようと思えばいつでもできるが、自分達の意志であえて婚姻届を出さない」という積極的なイメージがするので、好んで使われるのでしょう。「離婚」より「バツイチ」という方が抵抗無く使えるように。

■ 配偶者控除は受けられますか?

受けられません。配偶者控除や配偶者特別控除は、「配偶者」がいなければ受けられません。配偶者は、婚姻届を出して初めてなることができるので、婚姻届を出していない事実婚では受けられないのです。

■ 相手の健康保険には入れるの?

入れます。被保険者の収入で生計を立てていれば大丈夫です。年金保険の受取人にもなれます。

■ 遺産相続できるの?

法定相続権はありませんが、遺言を書いてもらえば相続できます。法律婚には相続税、事実婚には贈与税がかかってきます。いずれも額によって控除はありますが、贈与税の方が税金は高くなります。

■ 慰謝料はもらえるの?

もらえます。先にも書いたように、事実婚は婚姻届を出していないだけで、実質的には法律婚と何ら変わりはありませんから、貞操を守り、同居し、互いに協力し、経済的にも助け合わなければならないという義務があります。その関係が不当に解消された場合、慰謝料請求権・財産分与請求権・年金受給権が民法によって認められています。

■ 生命保険の受取人にはなれるの?

なれます。が、保険会社によっては、公正証書を提出させられたり、法律婚と違って余分な手続きをしなければいけない場合もあります。

■ 住民票はどうなるの?

世帯主はどちらにしても構いませんが、一般的には、主に生計を支えている方にすることが多いみたいです。世帯主との続柄は、「同居人」もしくは「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されます。

■ 会社の各種手当てはもらえるの?

企業によっては、事実婚でも家族手当などを支給してくれるところがあります。

■ 子供が産まれたらどうなるの?

「非嫡出子」になります。子供は母親の姓になりますが、父親の認知を受けた場合、家庭裁判所で「子の氏の変更許可」がおりれば父親の戸籍に入り、父親の姓に変わることができます。親権も、原則的には母親の単独親権ですが、認知されていると父親の単独親権にすることもできます。

ただし、続柄は「非嫡出子」のままなので、事実婚カップルの中には、いったん入籍した上で出生届を出し、手続きが終わった後でまたペーパー離婚するという人もいます。

法定相続分は、嫡出子と非嫡出子がいる場合、非嫡出子は嫡出子の2分の1となりますが、他に法律婚による子供がいなければ問題ありません。 非嫡出子しかいない場合は平等に相続できます。

なお、非嫡出子に対する相続分差別に対して、国連人権規約委員会から、人権侵害であるから撤廃するようにと是正勧告を受けています

■参考サイト
*「福島みずほ公式ホームページ」
*「衆議院議員 水島広子のコミュニケーション正常化作戦!」

トップページへ