九四式水上偵察機(E7K1〜2)

 日支事変のほとんど全期間と太平洋戦争の中頃まで、複葉の水偵と
しては最も広範囲に活躍した長距離水偵で、鈍速にもかかわらず実用
性能が優れていたため好評であった。最初の1号型(E7K1)は水冷式で
あったが、日支事変の末期以降は、空冷式の2号型(E7K2)が使用され、
その航跡は中国大陸沿岸、ミッドウェー、アリューシャンまでに及び
旧式の感が強くなった複葉機でありながら、長期にわたり抜群の働き
をした。


九四式水上偵察機各型(E7K1〜2)

九四式1号水上偵察機(E7K1)後に九四式水偵11型と改名
九四式2号水上偵察機(E7K2)後に九四式水偵12型と改名


  九四式水上偵察機(E7K1〜2) 要目表



九四式1号水上偵察機(E7K1)


九四式1号水上偵察機(E7K1)
九四式水上偵察機11型(E7K1)

製作記号 E7K1 試作名 7試水上偵察機  コート゛ネーム Alf

寸 度   全幅 13.990m  全長10.500m(水平) 全高 4.735m(水平)
    主翼弦長 1.600m(中央)〜1.315m(翼端)
    補助翼幅 2.850m×2   フラッフ幅    m×2
   水平尾翼幅 4.700m     垂直尾翼高    m
    主輪間隔 3.500m     主翼上半角 −−°

面 積   主翼 43.600屐 水平尾翼 −−−屐/眥照翼 −−−
     補助翼 −− 屐滷押  フラップ −− 屐滷押
     昇降舵 −− 屐滷押  方向舵  −−

重 量     自重  1,970圈   〜軆杜漫3,000

発動機   広廠91式 600 hp2型     水冷W形 12気筒×1
      離昇馬力 750 hp/2,300rpm/ −−m(初期形は91式500hp)
      公称馬力 600 hp/2,100rpm/1,000m

プロペラ  木製固定ピッチ 4枚羽根(初期形は2枚) 直径 3.900m

燃 料   1,235 函 〜槽 −− 函 ヽ衞 50

性 能   最大速度 140.0kt(259km/h)/2,000m
      巡航速度 −− kt(− km/h) 着水速度−−kt(−km/h)
      上昇時間 3,000m〜10分45秒 実用上昇限度 6,520m
      航続距離(時間) 14h

武 装   胴体後上方及び下方   7.7mm旋回機関銃 2門
                  7.7mm固定機関銃 2門
             爆弾  30kg×4 又は 60kg×4

乗 員    3   初号完成 昭和 8年 2月 6日
           正式採用 昭和 9年 5月

設 計 川西  製作会社 川西 日本飛行機 1、2号機計 530機
    川西(試作2機含む) 473機    日本飛行機 57機生産

備 考 94式1号水偵は太平洋戦争に参加した軍用機中最古参の機体
    にもかかわらず好評。安定の良さを利用し無人標的機 MXY3
    MXY4の母機や其の他の各種の実験機有り。




九四式2号水上偵察機(E7K2)


九四式2号水上偵察機(E7K2)
九四式水上偵察機12型(E7K2)

製作記号 E7K2   試作名 7試水上偵察機  コート゛ネーム Alf

寸 度・面積は1号(11型)に同じ
重 量   自重 1,984圈   総重量 3,000(正規)

発動機   三菱 「瑞星」12型   空冷星型複列 14気筒×1
      離昇馬力 870 hp/2,540rpm
      公称馬力 780 hp/2,450rpm/2,300m

プロペラ   木製固定ピッチ 2枚羽根  直径 3.200m

燃 料    1,235 函      ヽ衞 50

性 能    最大速度 149.0kt(268km/h)/2,050m
       巡航速度 100.0kt(185km/h)
       着水速度  53.5kt( 99km/h)
       上昇時間 3,000m〜9分06秒 
     実用上昇限度 7,520m
       航続距離(時間) 11.36h

武 装    胴体後上方及び下方   7.7mm旋回機関銃 2門
                   7.7mm固定機関銃 2門
            爆弾  30kg×4 又は 60kg×4

乗 員  3   初号完成 昭和 8年 2月 6日
         正式採用 昭和13年 8月

設 計 川西  製作会社 川西 日本飛行機 1、2号機計 530機
    川西(試作2機含む) 473機    日本飛行機 57機生産

備 考 94式1号水偵の水冷式発動機を、空冷三菱「瑞星」12型に換装。
    安定の良さを利用し無人標的機 MXY3 MXY4の母機や其の他各種
    の実験機有り。


九四式2号水上偵察機(E7K2)三面図


九四式水上偵察機(E7K1〜2)の解説

 昭和7年、海軍は九〇式3号水偵の後継機として長距離用の、7試
水上偵察機の試作を愛知と川西の両者に指示をしたが、関口英二技師
を主務者として設計された川西機の方が優れており、昭和9年5月に
九四式水上偵察機(E7K1)の名で制式採用になった。昭和13年11月に
(E7K1)の91式発動機を空冷式「瑞星」に換装した性能向上型(E7K2)が
採用され、前者を九四式1号水偵(後に11型と改名)、後者を2号水偵
(後の12型)と称した。
 三座水偵の主力として、昭和16年1月まで生産され、日華事変から
太平洋戦争の初期まで活躍し、複葉三座水偵の最高傑作機で、艦載用
から基地用の両方で長期間使用された。又、先進国の独国が製造権の
購入を考えていたというほどの優秀機であった。