
「古希の同級会」(2010・11・4)
同級会のお誘いがあったのは、いつだったろう?
即往復ハガキ返信用に「参加します。よろしくお願いします」と、投函した。
何でも早い方がいいと・・迷わない。
多分、私が一番だったろう。
「今年の同級会は古希の祝いも兼ねてやり、これで最後にしたいと思います」
ふるさとの幹事役の人は大変だったろう。
「同級会で会いましょう。
それまではお互いに充分身体に気をつけて」
そんな手紙交換を何人もの同級生と交わした。
当日は東京方面からの参加者2人と岡山から「特急しおかぜ」に乗った。
2人は全部指定席・私は自由席だから、同じ車両というだけだったが・・嬉しかった。
最後の特急停車駅に下りたら、やっと3人一緒になった。
そのホームで10分の待ち時間で鈍行列車が来た。
普通列車に乗ったら、なんと同級会へ向う3人が乗っていた。
各駅停車はのんびり予讃線を走った。
見慣れた風景の中に田舎の駅はあった。
駅から歩いて、数分のところに同級会を催す宴会場がある。
午後4時から同級会は始まった。
時間はたっぷりあった。
久しぶりに会う同級生と積もる話は山ほどある。
それでもひとりひとりとの会話はじっくり出来なかった。
「中学校を卒業して丁度55年に当たる今年は、古希でもあります」
開会の辞で、男性が挨拶した。
なるほど55年になるのかと改めて勘定した。
次々に運ばれてくるご馳走を食べながら、ビールを飲みながら、主役になったり観客になった。
東京からのウクレレの彼と、私のハーモニカで合奏した。
「合わないわ!」私が何度も言った。
終わって彼が言った。
「よっこちゃん、合っていたよ!」
どうもマイクを通した音は、違って聞こえるから不思議だ。
プロ級のカラオケ歌手が数人居て、何曲も自分の歌に酔いしれていた。
早い時間から始まって、遅い時間まで騒いだので片付けを始めた仲居さんに悪かった。
その夜は宴会場になった旅館の別館で寝た。
泊まったのは女性5名と男性4名だった。
別館に移動して女5人で深夜まで語った。
「そろそろ寝ようか?」午前零時過ぎていた。
ところが、布団に横になって天井を見た友が叫んだ。
「蜂が飛んでいる」
なんとかやっつけようとしたが、明かりの周りを飛んで休んでいる。
「電気を消したら大丈夫かも?」
「でも寝ている時に刺されたら?」
「頭を出して寝るのだから、刺されるのは頭だよね」
そこで玄関に置いてあったここの旅館の名刺に気が着いた。携帯で電話した。
「夜遅くに申し訳ありませんが、別館に蜂が居て・・」
「すぐ参ります」
別棟になっている別館にはゆっくりくつろぐためにテレビも何もない。
女将さんは間もなくハエ叩きを持って2階にやって来た。
ハエ叩きで負ったがうまく逃げる。
「踏み台を持って来ます」
踏み台に登って蜂を叩こうとするが、電灯の裏側に隠れてじっとしている。
「電灯の下側を叩いてみたら?」ひとりが言った。
女将さんはハエ叩きで電灯の底を叩いた。
上に居た蜂はびっくりして飛び出した。
そこをぴしゃり。
ところがイッキにオダブツとはいかない。
ハエ叩きで叩いて、気絶させティッシュで包んで、ナムアミダブツになった。
翌日は元気な人達で別子マイントピアに行った。
昔、銅山やまとして栄えた東平(とうなる)の遺跡を見た。
ここは別子銅山として銅を堀り出した。「あかがね」・・銅のこと。
そこにはそこで働く人や家族のための学校・病院・娯楽場・社宅がたくさんあった。
「東洋のマチュピチュ」と銘打って、観光客を呼んでいる。
資料館に入って昔使った懐かしい道具や写真を見た。
駐車場の周辺や向こうの山の紅葉の素晴らしいこと!
昭和43年に東平坑休止によって無人の地になったらしい。
今はその跡地に教育研修宿泊施設である「銅山の里自然の家」も建っていた。
東平から下って、登ってトンネルを越えて「住友の森」へ出た。
ここの紅葉も素晴らしかった。
この森の遊歩道を一周した。
そこにあるフォレストハウスの前の黄葉の大木の下でデュエットで歌っている女性。
それを取り囲むカメラマン・音響係りの人。
しばし聞きほれていた。
一曲終わったところで、美人の歌手が言った。
「よろしかったら、もう一曲アカペラで歌いますから聞いて下さい」
私達にサービスしてくれたようだ。
森の中の静寂の中でその歌声は澄んで、鈴を振るような音に聞こえた。
残念ながら、聞いたことのない歌だった。
地元のテレビの収録だったようだ。
「紅葉は最高だし、おまけに素晴らしい歌声を聞かせてもらって大満足だわ!」
こうして故郷の同級生のお陰で楽しい古希祝いになった。ありがとう。
この思い出は消えはしない。

宿のとなりの蔦 別子マイントピア

とうなるの駐車場 とうなるの遺構

とうなるの遺構 一の森

とうなるの遺構 駐車場の紅葉

住友の森 テレビ撮影

フォレストハウス フォレストハウス