スラヴ系雑学講座

スラヴ(・・・というより、主にユーゴスラヴィア)に関する
雑多な豆知識を集めてみました

注:筆者は専門家でも研究家でもありません
これらは本やネット読んだこと、人から聞いたことです
誤りがありましたら、どうぞご指摘くださいませ


−スラヴ系とは?−
ヨーロッパの東部からロシア平原にかけて住み、スラヴ系言語(印欧語族)を母語とする人々。
東スラヴ・・・ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ(白ロシア)人
西スラヴ・・・ポーランド人、チェコ人、スロヴァキア人、ソルブ人、カシューブ人
南スラヴ・・・セルビア人、クロアチア人、スロヴェニア人、マケドニア人、ツルナゴーラ(モンテネグロ)人、ブルガリア人

「Slav」とは本来「誉れ、栄光」を表す言葉。神聖ローマ帝国のオットー大帝以来、ドイツ人がスラヴ人を多く奴隷としたことにより、英語で「slave=奴隷」という意味になってしまった。

参考:「世界の歴史11・ビザンツとスラヴ」、「ヨーロッパ人名語源事典」


−なんとかヴィッチ−
旧ユーゴ系の姓によくある「〜ヴィッチ(〜vic)」は、「〜の息子」という意味の父称辞。 「ic」に「息子」という意味があり、これに所有を表す「-ov」か「-ev」を付けたもの。 ケルト系の「Mac〜、Mc〜」、アングロサクソン系の「〜son」などに相当する。

名前(姓)〜の息子※Stojkoは
stati(=立つ、止まる)の
命令形stojから来た名前
長寿を祈る気持ちが
込められている
Stojko※ovicStojkovic
MihajloovicMihajlovic
KovacevicKovacevic

参考:「エクスプレス セルビア語・クロアチア語」、「世界人名ものがたり」、「ユーゴスラビアの民話U」、「誇り」


−スラヴ的男性名−
ドラガンdragan恋人、愛しい人
プレドラグpredragとても愛しい
スロボダンslobodan自由な
ゴランgoran山の人
ヴラディミール※vlada+mir支配+世界、平和
ミロスラフmir+slav世界、平和+栄光
イヴィツァivicaふち(縁)
スラヴェンslaven栄光ある、スラヴの、スラヴ人
ズヴォニミールzvono+mir鐘+平和
イヴァン、ヨヴァンIvan,Jovan洗礼者聖ヨハネ(ジョン)
ジョルジェDjordje聖ゲオルギウス(ジョージ)

※「Vladimir」はロシアでは「ウラディーミル」、
セルビアやチェコでは「ヴラディミール」と発音する

参考:「NOVI STANDARDNI RECNIK」、「ヨーロッパ人名語源事典」


−正教−
ユーゴで信仰されているのは、正教(オーソドクス)。正教を信仰しているのはロシア、ギリシャ、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナなど。 11世紀にカトリックと分離し、一般に東方正教会と呼ばれる。イコン(聖像画)に特別の敬意が払われ、「受難」よりも「復活」に重きを置く。
・・・正教ではユリウス暦(旧暦)を用いているため、祝祭日はカトリックとは13日のずれがある。よって、クリスマスは1月7日、新年は1月14日になる。
十字・・・カトリックでは十字を切る時、額から胸、次いで左肩から右肩だが、正教では右肩から左肩へ逆に切る。その際、親指、人指し指、中指を重ねる。 この3本指をたてるサインをユーゴ人はよくやるが、これは「父と子と聖霊」を表すらしい。
指輪・・・正教では結婚指輪は右手にはめるのが正式(カトリックは左)。正教を信仰している国の選手が既婚か否かを確かめる時は、右手を見ないといけません(笑)。
参考:「キリスト教の本・下」、「キリスト教文化の常識」

左:洗礼者聖ヨハネのイコン
正教では翼のある天使のような姿で表される

下:3本指のサイン



−聖人−
セルビアの守護聖人は「聖サヴァ Sveti Sava」。中世セルビア王ステファン・ネマーニャの末子で、正教をセルビアの国教とした。 サヴォ・ミロシェヴィッチを「Sveti Savo」と呼んだのは、この聖人に由来するのかもしれない。現在ベオグラードに建設中の大聖堂Hram Sveti Saveは 聖サヴァに捧げられている。


[参考図書リスト]

Back