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Pは××のP 2

 激しい特殊部隊訓練は、毎日手が抜かれることはない。ホワイトカラーの制服であるロイたち仕官にとっては、それに加えての作戦会議やミーティングも頻繁に行われる。
 国家がどうの、他国の情勢がどうの、というものものしい雰囲気の中で、ロイは一人別の世界にいた。
「本当のところはどうなんだろうか?」
 思わず呟いたロイに、バーク大佐が頷いた。
「本当のところは、やはり、ばかでかいってことだ。今やそういうのがうようよいる」
「ばかでかい…うようよ……」
 つまり、とロイは考えた。あのものすごいものを持っている人間がうようよいるのだ。
「というか、相当な数だといっていい」
 ロイははっとして、バーク大佐の顔を見た。
「そんなに?」
「テロリストたちは、特にこの地帯に集中してでかい組織を作り上げつつある」
 間の抜けた顔をしているロイをいぶかしむように、大佐はテーブルの地図を指差した。
 みるみるロイの顔が赤くなっていくのを、会議に参加していた全員が不思議そうに見ている。
「君、熱があるんじゃないか? 休憩してきたまえ」
 司令官が心配そうに言った。
「は、いえ……。ええ、確かに。失礼します」
 ロイは頭を押さえて部屋を出て行った。確かにぼうっとしている。だが、熱があるわけではない。あの日の余韻が置き火のように、躰の芯を焼いている。

「どうした? ぼんやりして。 珍しいな。…ってか、なんか色っぽいぜ、今日は特に」
 ビリーが、一人でビールを飲んでいるロイの横に座った。
 ロイが将校クラブで飲むのは久しぶりだったが、ビリーは手馴れた調子で酒を注文している。
 ビリーはすぐに酔ってしまう。酔うといずれ寝てしまうのだが、それまでさんざん賑やかにしゃべる。ロイはぼんやりとした顔で、その返事を適当に返していたが、話題が今夜は一緒にどうだとか、すみずみまで愛してやるだとか、下品なことに移りだした。
 ロイは思いついたようにビリーの顔を見た。
「聞きたいことがある」
 ロイの真剣な表情に、ビリーが怪訝な顔をする。
「俺に質問なんて珍しいな? なんだ?」
「お前、男を抱くとき、どうやるんだ?」
 ビリーは口に含みかけた酒を噴きだして、げらげら笑い出した。
「どう…って、あんたを抱く前には手順を説明して、綿密に計画をたてろってか? 任務じゃないんだぜ」
「……もし、俺を抱くとしたら、どういう手順になる?」
「その気ありか?」
 ビリーは舌なめずりをして、ロイの顔をしげしげと眺めた。なんだか知らないが、こんなことをこの生真面目な上官と話すことはそうはない。
「まずキスだろ。これは当然だ。それから全身を嘗め回して。相手が男なら大切なものを愛撫してあげなきゃな。一回いかせておいてもいい。気持ちは醒める可能性はあるが、身体は敏感になるからな。キスしたり、撫でたりして。女ならあそこ……」
「女性の話はいいから!」
 ぴしりとロイが言う。額に青筋がたちそうな勢いで、なぜだか怒っているらしい上官を、ビリーは小首をかしげて眺めた。
「ああ、男、男と。男を抱く話だったな。別に区別はないよ。どっちにしても、それから膝を割って股を思い切りこう……」
 ロイはビリーの口を塞いで、あたりを伺った。賑やかな音楽と、ざわめきでカウンターの端にいる人間の声は聞こえないのを確認すると、ロイはビリーから手を離した。
「……んだよ、もう」
「もう少し小さな声で話せ」
「……ええと、どこまで話したっけ? そうそう、ケツだよ、ケツ。やさし~く嘗め回してさ。舌でほぐしてやって、ああ、入れるんならその前に中も洗わなきゃな。糞が詰まってたら苦しいだろ、入れたとき」
「いいから、その辺はとばせ」
 ロイは目を伏せて、必死で耐えている。
「とばせったって、あとは指で慣らしてさ。広がったところをこう、ずぶっとな。…ずぶっと……あんた、入れて欲しくなってない?」
 ビリーが額の髪を触ろうとするのを、やんわりと跳ね除け、ロイは続きを促した。
「…そ、そんな…もの…ぜ、ぜんぶ……」
「あん? 聞こえねえよ!」
「だから、そんな時、全部挿れるのかどうか聞いている」
 はっと口を押さえ、ロイはあたりを見回した。バーテンがおかわりですか? というように合図をするのを押さえ、ロイは真っ赤になってグラスを呷った。
 ビリーはにやにや笑いながら、面白そうにロイを見ている。
「なんでそんなこと、聞きたいんだ? あんた」
「もういい。答える気がないなら向こうで飲め」
 あっという間に出来上がっているビリーは、すばやくロイにキスをした。
 ぎょっとしてロイは身を引いた。
「馬鹿なことをするな、将校クラブだぞ」
「へーき、へーき。みんなやってるって。このくらい」
「帰る」
 ロイが立ち上がると、ビリーが後を追ってきた。ドアの外に出ると、ビリーはロイの肩に手をかけて、楽しそうに話を続けた。
「ぜ~んぶってさあ、根元までぶちこむかどうかってことだろ? 当然だろ? 俺の腹に相手の尻がぶつかるくらいにな。女とやるのと変わりないぜ」
 ビリーは下品な腰の動きで実践してみせる。
「そんな、壊れないか?」
「馬鹿いえ、こわれるもんか。あんなもんはゴムと一緒よ。伸ばせば伸ばすだけ広がって、最後には腕や足を入れる奴だっていんだからな。あ、頭ってのもありらしいぜ。俺はみたことないけど。いくらなんでも、そりゃぶっこわれちまうだろうなあ」
 ロイは一瞬で、躰から血の気が引いたようによろめいた。
 強烈な吐き気が襲ってきたが、必死で踏みとどまった。
「大丈夫か?」
 あまり心配そうじゃない声で、ビリーが聞いてくる。
「…じゃあお前がそれを、半分も挿れられないような相手だったら?」
「そんなの、無理だね。ねじ込んででも挿れるてやる。満足できるか、そんなもんで」
「けど、実質的に無理な場合だってあるだろう?」
「そりゃあるさ。がきが相手だったり、初心者だったり。そういう時は訓練するのさ。拡張調教とかいうな。指や道具使って。何事も訓練訓練。それもまた一興だけどな。よほどの相手じゃなきゃ、そんな面倒なやつ、俺は抱きたくないけどね」
「訓練……?」
「未熟ってことだろ? あんた、どっちかというと要訓練なんじゃないか? 未熟そうな身体だもんなあ」
 ビリーは、下品に含み笑いをしながらロイの腕をつかみ、揺さぶり始めた。
「遠回りに誘ってないで、行こうぜ。あんたが相手なら、未熟でも俺はかまわないぜ。じっくりねっとり、俺が調教してやるからさあ」
 大きな声で叫んでいるビリーを突き放し、ロイは足早に駐車場へと向かった。













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