[その男]of [金の砂銀の砂]

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その男

ひとり、ふたり、と男は指を折る。
 三人か、と舌打ちをし、小窓の覆いに開けた穴から目を外した。
 広々とした敷地に建っている、ロイの隣の家の屋根裏からなら、双眼鏡も必要ない。楽な見張りだと、ペイジは埃だらけの古いマットの上にごろんと横になった。
 ロイの家を突き止め、家を覗いていたとき、この家の女に姿を見られた。ペイジは口に人差し指を当てて、顔を出したロイが誰か来ませんでしたか? という問いに首を振らせた。
 彼女が慌てて家にかけこもうとしたのを通せんぼし、「誰かに私のことをいったら、ただではすまない」と脅した。
 彼女は頷き、一時間もしないうちに車で家を出て行った。再び家に戻るつもりがあるのなら、警察へは行かないだろうという、勘は外れなかった。
 以来、警察も来ず、彼女が戻ってくる気配もないことを知り、他に誰も住んではいないらしいと、ここに忍び込んだ。
 他に短期で借りているホテルがあるにはあったが、隣からロイを見張るのには好都合だと、頻繁に出入りしている。
 敷地が広く離れているとはいえ、隣なのだ。

 今夜ロイの家には大きな図体の男が三人もいる勘定になる。
 カーターと、ジムという部下と、介護士だ。夕べ鞭を届けたせいで、警戒しているのだろう。
 休暇らしい男たちがいる間は、どっちにしても手を出すつもりはない。それも間もなく終わるだろうし、そうなればいたとしても素人の介護士だけだ。
 図体はごついが、役にはたつまい。
 昼間に現れるとは思っていないだろうから、それを待つつもりでいた。
 長年の仕事で身についた人を探るという行為自体は、少しも苦にはならないし、他人の秘密を探るのは楽しいものだ。
 あの仕事が気に入っていたのに、それを台無しにしてくれたのは、あのオレンジの屋根の下にいる男だ。
 ここしばらくは、大男のジムというのが泊まり込んでいる。
 それまではカーターだった。
 今、ペイジはロイが幾人もの男と関係を持っているのだと確信していた。
 かつての自分の恋人のように、男たちを翻弄し、手玉にとって愉しんでいるのだ。ペイジの恋人は美しい男だったが、性悪だった。いまではすっかり、その恋人とロイが重なっていることに、ペイジは気づいてはいなかった。

 数年前、出会ったその瞬間から、その美貌に目を奪われた。
 トラウマに悩んでいた男は、精神的に崩壊して幼児そのものとなっていて、どうしても欲しくなったが、手に入れるのを失敗した。
 しかも、そいつはすっかり元に戻ったとたん、別人のように獰猛さを剥き出しにし、自分の罪を過去までほじくり出して、社会的な制裁を受けざるを得なくなってしまった。
 それでも、仕事上関わったつてを頼り、メキシコに渡ってから、裏の世界ではあるものの、麻薬と人身売買を扱うことで金には不自由しない身になった。
 新しい人員が必要になり、これまでの関係者で身を持ち崩した使えそうな男を捜しに、久々に戻ったついでにこのノーフォークまで足を伸ばしてみたのだ。もちろん、恨み募る男の顔を見るのが目的だ。
 “それ”は、ますます磨きがかかったかのように光を放ち、どこにいても一目で見分けることができた。だが、この獲物が本来手強いことを知ってもいる。
 うっかり近寄るのは避け、なにか痛い目に遭わせる方法はないだろうかと思いつつも、今回は諦めるしかないだろうと思っていた。
 まもなく今の住処であるロスへ戻ろうかと思い始めた頃、せっかく来たのだからと旧友に会った。
 海軍病院の医師であるハルトマンを訪ねたとき、看護士に「フォードに痛み止めを与えておいてくれ」と指示を出した医師のことばに驚喜した。
 そして病室を探して、満身創痍の“それ”を目にした。
 手足に包帯を巻かれ、力なく眠る姿を見て、ツキが戻ったような気分になった。買っていた飛行機のチケットを一度解約することにした。
 こないだは連れ出すことには失敗したが、それでも充分愉しんだ。
 傷だらけにしてしまったものの、精神的にはかなり効いたはずだ。このまま捨てておくつもりはなかった。
 絶好のチャンスというものがあるならば、それは今しかないと男は分かっていた。

 ここ数日大人しくしていたのは、ロイの蹴りが思い切り急所に入り、噛まれたこともあって、しばらくしくしくと痛んだおかげで寝込んでしまったからだ。
 医者に診せるわけにもいかず、その痛みを感じるごとに、なんとしても連れ出してやるという決意をより強く固めていた。
 捕らえたら、しばらくの間はぞんぶんに楽しみの相手をさせようと決めていた。
 いろいろ過去を思い出せば憎しみもあるものの、痛めつけてやりたいというよりも、できればしばらくは手元に置いておきたい気もする。
 以前から持っていた、質の良くない愛し方が、裏の家業に身を落としてからはなおいっそう残忍にもなっている。
 飽きたら誰かに売ればいい。あれなら高く売れるに違いない。ペットとしては少し年齢が過ぎているが、なんなら海軍のドレススーツを一緒に盗んで着せてやれば、変わり種として価値も上がるかもしれない。
 くくっと喉から笑いが漏れた。

 ペイジはバッグから銃を取りだした。
 あのか弱い風情に騙されて、ペイジはいつもいつになく焦ってその場で手を出しかけて、すでに二度も失敗している。
 一度目はもう数年前だが、あの時も焦って自宅へ連れ込む前に手を出そうとしたのが敗因だった。
 ロイ以外に、こんなミスはしたことはない。いつも綺麗な青年や少年を見つけると、充分に下見をし、状況を調べて生活行動を確認し、一回で確実に連れ去っている。
 それら“商品”と、ロイの違いがどこにあるかは分からないが、ロイはペイジに理性をなくさせてしまうらしい。
 今ペイジが持っているロスの隠れ家の地下には、いくつもの檻があり、そこで思い切り淫らになる薬を与えつつ、役得をいただいてから売り飛ばす。
 好事家達は麻薬ともどもその薬を欲しがり、リピート商品となって結構な収益となってペイジは潤っているのだ。
 人殺しまではしたことはないものの、すでに充分すぎるほどの罪状を抱えているのも承知している。
 あれを手に入れたら、しばらくは大人しくしておくことにしよう、とペイジは思った。
 あれが力尽きて使い物にならなくなる頃までには、ほとぼりも醒めるだろう。
 噛まれた箇所が、まだ鈍く痛んだが、ペイジはそこをそっと撫でて気を落ち着かせた。

 やがて、いつもの時間に、介護士の男が車に乗って立ち去っていった。
 それから三十分程度のうちに、ロイのものであるはずの赤いジープですら、あのカーターという男が乗り込み、走り去っていった。
 どうやら、今夢中になっているらしいのは、やはりあのジムという男なのだな、とペイジは笑い、外へ出てみることにした。
 今頃、ふたりでいちゃついているのだろう。
 その写真を撮って、軍部にばらまいてやるのもいいかもしれない。いつか自分を殴った、あの巨人の男にも仕返しができるというものだ。かつてジムに殴られ、差し歯にするしかなかった恨みを。
 忍び寄って、寝室を覗く手段はないだろうかと考えながら、家の近くまで来たとき、怒鳴り声がした。

 大男が家から押し出されるようにして、ベランダに出てきた。
「夕べの品物を見ただろう? ロイ。あいつはまだこの辺りにいるんだ。ちゃんと警察に警備を頼んで……」
「だめだ、警察には絶対にいうな。何度いえば分かるんだ」
 ロイの姿はないが、いつになく荒い調子の声が中から聞こえた。
 まだ警察にこのことを話してはいないらしいのは、ここ数日の様子で分かっている。あの澄ました男にはいえやしないというのが、ペイジの読みでもある。
「出ていけ! おまえなんか嫌いだ!」 
 おやおや、痴話げんかか、とペイジは微笑み、暗がりに身を寄せた。
「分かった。今夜は帰るよ。だったら、デインに戻ってきてもらうよう頼んで……」
「昨日脅しをかけて、今夜来るとは思えない。だから余計なことをするな」
「……分からず屋め。どうなっても知らないからな」
「おまえといるよりはましだ」
 ああ、そうかそうかとジムは自分の車の方へ歩いてきて、さっさと乗り込んだ。
 携帯を開き、ドアを開けたままで誰かに電話をかけかけて、「くそ、勝手にしろ。分からず屋め」とそれを放り、ドアを閉めた。
 巨人の男は派手にエンジンを響かせて帰って行く。
 ロイが乱暴にベランダのドアを閉め、やがて辺りは静かになった。

「ひとりか……」
 ペイジは舌なめずりをしそうなほどの笑みを浮かべた。
 かなり長い間身を潜めていたが、物陰の暗がりからそっと出て、ペイジは辺りを見回した。
 冬の夜のせいで、どこの窓もカーテンが下ろされ、早いところではもう灯りさえ消えている。だとしたら今夜決行するために、道具を取ってこないといけないといったん遠くに駐めている車に戻り、準備をしてから車ごと戻ってきた。
 ビーチハウスも、さっきまで煌々と明るかった窓は薄暗く、ロイはもう寝室へ入ったらしい。
 あの夜、抵抗できないことを悟り、あれは大人しく自分を受け入れるそぶりすら見せたのだ。自分という男を知っているならば、諦めてなどいないことは分かっているはずだと思う。
 鞭を窓にぶら下げて、そう脅しをかけもした。
 そういう行為が、ペイジは好きだった。
 守りは堅くなるだろうが、逆に昨日の今日、現れるとは思ってもいなかったのかもしれない。実際、ペイジもそのつもりではあったのだ。
 だが、守ってくれるはずの男とけんかをして、不覚にもひとりになってしまうとは、案外自分を舐めている、いやもしかしたら潜在的には自分を待ってすらいるのかもしれない。
 ロイ・フォードという男は、案外そういうタイプなのではないかと、ずっと思っていたのだ。
 皺ひとつない制服が、眩いばかりに綺麗な男だったが、あのレイプまがいの拷問や、その後の自分の手によって見せた姿を思い出すにつけ、あの男の本性はそういう乱暴な扱いに歓びを感じるタイプなのではないかと思えるのだ。
 かつて夢中になった、同じように美しかった恋人は少なくともそうだった。
 虐めて虐めて、泣かしてやるだけで達してしまうような性癖の持ち主だったのだ。ご清潔に生きているように見えたとしても、裏の顔など誰にも分からないではないか。

 寝室の灯りが消えてからもしばらくペイジは動かなかった。銃の扱いに長けた相手が、不自由な手であっても、それを使わないとは限らない。
 油断はできないと、眠るまで待つつもりだった。

 小一時間ほども待ってからドアに手をかけると、鍵がかかっていた。
 先日と同じように薄い硝子を肘で押すようにして割って、手を差し入れて鍵を開けた。役に立たないドアだと笑いが漏れる。
 もっとも、入ろうと思えば窓などいくらもある。
 寝室のドアの下から薄い灯りが漏れているが、常夜灯だと思われた。
 音をさせないようノブを回して、細めに開けてみた。

 薄暗いフットライトの明かりの中で、すでにベッドに入ってロイは寝息を立てていた。
 そっと足下の上掛けを剥ぐと、まだ分厚く巻かれたギプスがしてあるように見えた。右足だけでなくペイジが瓶で殴ったときに痛めたらしく、左の足までが包帯でぐるぐるに巻いてある。
 いずれにしても杖すらも使えない状態とは、けっこうなことだとほくそ笑んだ。
 だが、さすがに気配にはっと目をあげ、男の姿を確認すると、ロイは「おまえは……」と呟いて慌てたように辺りを見回した。
 ロイは枕元に置いてあった本を掴んで投げつけてきた。
 その左の手も、包帯で巻かれ、思うように動かないのだろう。本はペイジに届きもしなかった。
「来るな! そばに寄るな!」とむなしい叫びを上げて、銃を探しているのか、枕の下に手を突っ込んだところを髪を掴んで引き起こした。
 ロイが痛さに悲鳴を上げた。
 枕の下にはでかいナイフがあったが、ペイジはそれを床に落として俯せたロイの背中にのし掛かった。
「お願いだ、連れて行くな。たの、む。なんでもいうことをきくから……」
 哀れな声で訴えるロイを、ペイジは無視した。
「その手はもう、こりごりなのでね、ロイ」
 早くここを立ち去るつもりだった。
 こないだのように邪魔が入らないとも限らない。用意していた布をポケットから出し、それを鼻と口を塞ぐように押し当てた。
「いやだ、……どこへも連れて行く……な……」
 ロイは身もだえをして逃れようとしたが、それを膝で押さえ込んでなおも離さなかった。やがてかくん、と力が抜けてベッドの上に頽れたが、念のためにさらに押し当てたまま様子を見た。
 青白い瞼はぴくりとも動かず、完全に昏睡している。
 用意していた紐を出したが、両足が分厚い包帯の下なので、巻きようがなく、どっちにしても必要ないように思えた。
 ギプスのない細くなった右の二の腕を掴み、ペイジはくすくすと笑った。
 すっかり身動きがとれないならば、戒める必要すらない上に、気がついてももう逆らいようもないだろう。それでも、手首をひとまとめにしてくくった。
「毎日、君の周りには豪華な花を飾ってあげますよ、ロイ。ベッドに繋いでね」
 そのまま担ぎ上げ、そろそろとリビングを出て外に出た。
 簡単な仕事だ、と男はほくそ笑んだ。
 こいつの泣き言に惑わされず、最初からこうして運び出せば良かったのだ、と思いながらも満足感に笑みが漏れた。
 車のドアを開け、トランクにそっと下ろして一瞬、微笑が浮かび、細い顎に指を滑らせた。
「すぐに出してあげますよ」
 トランクを閉じかけたとき、いっせいに明るい光に包まれた。
 ぎょっとして目を細めると、たくさんの警官に囲まれていることに、やっと気づいた。
「FBIだ」
 慌ててトランクからロイの上半身に腕を回して、その頭に銃を突きつけた。

 ぐったりとしたロイの身体を引き寄せ、トランクから引っ張り出して運転席に進みかける。
 意識のない身体は、引きずられるようにしてペイジの意のままについてくる。
 警官隊から、「動くな」と幾度も声がかかったが、人質がいるためにどうすることもできずにいる。力の抜けた身体を立たせるように抱え上げ、警官隊に向かった。
「誰か運転しろ。でないとこいつの頭を吹っ飛ばす」
 どうすれば逃げ切ることができるだろうか、と焦りつつもペイジは怒鳴った。
 そのとき――
 銃を持った腕に白いものが絡まったと気づいた瞬間、右手首に激痛が走り、脚がかくり、と傾いた。
 銃がなぜだか手から離れた。
 自覚が来る前にペイジの巨体は一回転せんばかりの勢いで宙に浮き、落ちたときには警官たちからものすごい数の銃を、目と鼻の先に突きつけられていた。

 ロイが関節を捻ったのだと分かったのは、脚を踏ん張れなくて共々倒れ込んだロイの指が、まだしっかりと手首のあたりを掴んでいたからだ。
 白いものはロイの指だった。
 こんな指で、しかも縛られたまま、たかが手首を掴まれただけなのになぜ銃を落としたのか、なぜ身体が一回転もして手首が折れたかのように痛んでいるのか、ペイジには理解できなかった。
 そもそも、充分に麻酔を効かせていたはずなのに。
 警官のひとりに権利を暗唱されながら引き立てられてパトカーまで進む間に、いつの間に戻ってきていたのか、友人どもと共にロイが支えられて立っているのが見えた。

「……眠ってなかったのか」
 罠にかけたな、とペイジが悔しそうにいうとロイは微笑んだ。
「俺は最長五分の潜水記録があるんだ」
 つまり、それくらい長く息が止められるということか、とペイジはがっくりと肩を落とした。折れたと思っていた手首は、すでに痛みも引きはじめ、ちゃんと動かすことができる。どういう仕組みなのか、分からない。
 いわゆる関節技をかけられたのだろうと見当はついたが、満身創痍でありながら、やはり侮れない男だったのか、とペイジは思い知った。
「おまえには、今日の誘拐未遂だけでなくたくさんの容疑がかかっているらしいからな、しかも現行犯だ。覚悟するんだな、ペイジ」
 カーターが、楽しげに声をかけた。
 ハンサムなくせに獰猛そうなこの男が、ペイジは好きではない。
 けんかして出て行ったはずの隣に立つ大男は、もっと好きではないが、今夜は口を出すこともなく、ただただものすごい目で睨んでいる。
 自分が今、警官に守られていて良かった、とペイジが本気で感謝したくなるほどの殺気を、この大男は発していた。
「この方法を選んだロイに、感謝するんだな」
 大男はそれだけいうと、ロイの右足からギプスをすっぽりと抜いて傍らに捨てた。
 細い右足首を庇うように、ペイジのものになるはずだったロイの肩を抱いた。ロイは支えられてはいるものの、ちゃんと歩いている。
 寄り添って家に戻りながら、ロイは左腕の包帯をほどき始めていた。
 その後ろ姿を未練がましく眺めていたペイジは、頭を押さえられてパトカーに押し込まれた。

 走り出したパトカーの窓から、離れた空き地に止められたロイのジープや、他の車が並んでいるのを見て、自分が今夜彼らの打った芝居にまんまと引っかかったことを悟った。
 ロイはすでにギプスを外し、左の包帯すらフェイクだったのだ。
 さっきの大男は、“この方法”といっていた。
 この罠を仕組んだのはロイに違いない。
 大男なら、間違いなくリンチを選んだだろうし、ハンサムで獰猛な将校ならば途中まで自分たちで制裁を下し、ぼろぼろにしてから警察に引き渡したに違いない。
 仲間の手を汚させることなく、まっすぐに社会的処罰を選ぶのは、ロイのやり方だ。それも今回は絶対に逃れようのない、現行犯だ。
 この件では大した罪にはならないだろうが――

「彼はすべてを話してくれたぞ。観念するんだな。おまえが今回の暴行と誘拐未遂でムショにいる間に、他の誘拐事件と麻薬の売買を立件する用意がある。手抜かったな、ペイジ。周到なおまえらしくない。うかうかと、またあの男の元に戻るとはな」
「……まさか、警察を呼ぶとはね」
 ペイジが呟いた。
 恥も外聞もなく、ペイジを退治したい一心だったらしいと、どこかであの美貌の将校を舐めていた自分を罵った。
 どれほどの罪状を暴かれるのか、どれほどの証拠集めがなされているのか、自分がやってきたことを思い返すと、今回の遊びがいかにまずいものだったかを思い知らされた。
 隣に座っていた捜査官が続けた。
「しかし、海軍将校殿を誘拐とは呆れたもんだ。特殊部隊の男だと知らなかったのか? さっきの技を見たか? あれでまだ病み上がりだぞ。相手が悪かったな、ペイジ」
「よくまあおまえ、殴られなかったもんだな、あれだけのことをしでかして」
 運転していた刑事が、バックミラーを見ながら嗤った。
 ペイジは苦く笑った。
「知ってはいましたがね。いつもそんなことを忘れるほど、彼は魅力的でね……」














硝子の破片

哀しみの追憶

後日憚―哀しみの追憶―

観客

おもちゃ屋探検

おもちゃ談議

キャンディーバー

Pは××のP

金の砂銀の砂第一部

金の砂銀の砂第二部

金の砂銀の砂第三部

僕が彼を憎んだわけ

ロイとジムの映画評