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2005/1/9
「米国相場逆張り法」は使えるか?

日本の株式相場が、前日の米国相場の影響を受けているのは、皆さんの認識が一致する所だと思います

購入したい株がある場合、前日の米国相場が上昇していると、あせってすぐにでも買いたい気持ちになります。逆に、手持ちで売却したい株がある場合、前日の米国相場が下落していると、今すぐにでも手放したい気持ちが加速します。

その「あせる気持ち」を上手に利用して「前日の米国相場が上昇しているなら売りから入り、下落しているなら買いから入ると良い」「米国相場逆張り法」の記事をよく見かけます。

では本当の所はどうなのでしょうか。「米国相場逆張り法」は実際に利益を生み出す戦略なのでしょうか。早速調べることにしましょう。

最初に、米国相場の「上昇・下降」の定義を明確にしておきましょう。ここでは、ダウインデックスが前日比でプラス/マイナスのどちらで終了したのかを基準とします。

「米国相場逆張り法」を実践するのは、日経平均に連動したETF(1321-日経225連動型上場投資信託)で行います。日経平均値を利用しても良さそうなものですが、気配値でも算出してしまうため、実践向きではありません。

よって、ダウが前日比プラス(上昇)で終了した場合、「ETFを始値で売り、終値で買い戻す(売りオペ)」ことを行い、逆にマイナス(下降)で終了した場合、「ETFを始値で買い、終値で売る(買いオペ)」ことを行い、「米国相場逆張り法」を実践します。前日に祝日等によって米国市場取引がない場合は行いません。

それでは実践結果を表にしてみます(「上昇日」には「売りオペ」、「下降日」には「買いオペ」を行うことになります)。

上昇日数 下降日数 買いオペ利益 売りオペ利益 月別利益
1月 9 9 1.96% 4.15% 6.11%
2月 7 11 2.64% 5.16% 7.80%
3月 10 13 1.97% -0.74% 1.23%
4月 11 9 -2.12% 0.82% -1.31%
5月 7 11 -5.31% 1.91% -3.40%
6月 11 9 3.58% 0.61% 4.18%
7月 10 10 1.19% 3.35% 4.53%
8月 12 10 2.86% 2.05% 4.90%
9月 11 8 -0.07% 3.39% 3.32%
10月 9 11 -0.08% 0.00% -0.08%
11月 14 5 -2.36% -1.82% -4.18%
12月 12 8 2.17% -2.08% 0.09%
合計 123 114 6.43% 16.78% 23.21%
1日平均利益 0.0523% 0.1472% 0.0979%

素晴らしい結果です。1年間を通じて 23.21% の成果がありました。特に、前日の米国相場がプラスである場合に、「売りオペ」を行うことで、効率良く利益を得ることができます。

でもちょっと待ってください。この表は売買手数料を加味していません。1日当たりの利益は、「売りオペ」のみ行った場合でも、0.1472%です。つまり、100万円の売り買いで、1472円の利益です。

もうちょっと、効率を上げる方法はないのでしょうか。

人間の心理として、前日比マイナスであっても、当日上昇基調で終了すれば、明日以降に期待が持てるため、買いたくなるものです。逆に、前日比プラスであっても、当日下降基調で終了すれば、売りたくなるものです。

そこで、米国相場の「上昇・下降」の定義を変えてみます。上昇とは、当日の高値と安値の中間よりも高い値段で終了した場合は「上昇」、その逆を「下降」とします。つまり、前日比ではなく、当日比で「上昇・下降」を定義します。

再度実践結果を表にしてみます(「上昇日」には「売りオペ」、「下降日」には「買いオペ」を行うことになります)。

上昇日数 下降日数 買いオペ利益 売りオペ利益 月別利益
1月 11 7 2.14% 4.33% 6.47%
2月 9 9 -0.11% 2.41% 2.30%
3月 11 12 3.34% 0.62% 3.96%
4月 11 9 -1.08% 1.86% 0.78%
5月 8 10 -5.31% 1.91% -3.40%
6月 11 9 7.16% 4.19% 11.35%
7月 8 12 2.16% 4.31% 6.47%
8月 11 11 3.95% 3.14% 7.10%
9月 9 10 0.57% 4.02% 4.59%
10月 11 9 -0.36% -0.28% -0.64%
11月 11 8 -2.78% -2.25% -5.03%
12月 12 8 2.06% -2.19% -0.13%
合計 123 114 11.73% 22.08% 33.82%
1日平均利益 0.0954% 0.1937% 0.1427%

すばらしいですね。更に効率が上がりました。年間を通じて 33.82% の利益です。グラフでも「米国相場逆張り法」の実践結果を確認してみます。



結論1:
米国相場前日比による「米国相場逆張り法」は、年間で23.21%の利益をもたらす。特に「売りオペ」が効率よい。
米国相場当日比による「米国相場逆張り法」は更に良く、年間で33.82%の利益をもたらす。特に「売りオペ」が効率よい。

しかしながら、それでも売買手数料の壁があります。米国相場当日比による売りオペでも、100万円売り買いの往復で、1937円以下に収める必要があります。300万円ならば、5,811円です。ちょっときついですね。

それ以上の額だと、自分の売買が、市場にインパクトを与えてしまうかもしれません。日経平均先物などで、レバレッジを効かせて売買する必要があります。

結論:
「米国相場逆張り法」を実践する場合、当日比で上昇(高値と安値の中間よりも終値が上)の場合を狙った売りオペが有効である。その場合、手数料を 0.1937% 以下に抑える方法を選ぶ必要がある。
当日中にどうしても「売りたい銘柄がある」場合、米国相場が当日比で上昇した場合は、寄り付きで売り、下降した場合は、大引けで売る方が良い。
当日中にどうしても「買いたい銘柄がある」場合、米国相場が当日比で上昇した場合は、大引けで買い、下降した場合は、寄り付きで買う方が良い。

「米国相場逆張り法」は、そのまま戦略として利用するよりは、「売りたい」「買いたい」銘柄がある場合に、寄り付きで取引するのか、大引けで取引するかの基準に利用した方が良さそうです。ほんのわずかですが、得をする率が上がるようです。

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編集後記(From the Editor)

正月休み翌週の連休は気持ちいいですねぇ。正月ボケをゆっくりと回復させてくれます。明日(月曜)も休みとは、なんて素晴らしい。けど市場が開いていないので寂しい(笑)。

本当は明日、「大証株式先物・オプションフェア」に出かけようかと思っていたのですが、内容を見る限り、基礎的な仕組みを教えてくれるセッションがなさそうなので、参加を迷っています。

未だに私は先物をしたことはありません。普段から行うつもりはありませんが、相場が急変した時の保険としてその仕組みを知っておきたいと思っているのです。

話を戻して、「米国相場逆張り法」は、耳慣れない言葉だと思うのですが、それはその通り、私が勝手につけた名前です(笑)。誰かと話す時には気をつけてくださいね。

今回の結果を見ると、手数料が全く不要な、証券会社の自己売買部門の方がうらやましいですね。この手法を単純に行うだけで、33.82%の利益です。下手な売買よりもまっとうな成績だと思います。

また、この結果が意味するのは、日中は、米国株の影響を打ち消す方向に移動するということです。しかもかなりはっきりと。「あせる気持ち」は極力押さえ、それを逆に利用する方がお得のようです。
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くれぐれも、自己責任の上で判断してくださいね!

GOOD LUCK!




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