高峰秀子
  
  『二十四の瞳』
(1924.3.27-2010.12.28)(北海道函館市生まれ)
 
プロフィール 独自の作品解釈 年譜

〜プロフィール〜

 役に生を注ぎ込む高峰秀子の表情は魅力的で惹きつける。
 役を生きている。
 女の可愛さ、いじらしさで惹きつける高峰秀子は、“デコちゃん”(「DEKO」というファンクラブの会報もあったくらい)の愛称で親しまれた。
 子役は大成しないといわれる中で大スターになった彼女の魅力は作品に比例している。
 役の解釈が素晴らしく、それぞれの人物を存在させる役作りは作品を魅力的にする。

 それは、次のような作品で特に感じた。
 女のいじらしさ悲しさを演じた『浮雲』『張込み』『女が階段を上る時』『雁』
 二十四の瞳を見守る先生の優しい瞳と悲しい瞳の『二十四の瞳』
 自立した考えを主張する『流れる』『宗方姉妹』
 快活に舞う脳障害者の純粋な表情の『カルメン故郷に帰る』
 お茶目で利発な娘の『秀子の車掌さん』
 しっかり者の娘の頑張りを見せた『馬』
 薄幸の盲目の娘の『阿片戦争』
 夫を支えて一緒に歩む妻の『喜びも悲しみも幾歳月』
 凛とした母を印象付けた『華岡青洲の妻』
 愛する子供を奪われた母親の悲しみと憎しみを演じた『ひき逃げ』『衝動殺人 息子よ』
 障害に負けずに愛を育んでゆく『名もなく貧しく美しく』
 どれも、深く心に残る。

 高峰秀子は川本三郎氏に「私は幸せだった。日本の映画のもっともいい時期に、もっともいい監督たちと仕事ができたのだから」と語ったという。
 正にその通りだと思う。
 日本映画界の黄金期の真っ只中にいたのだから。
 ただ、多くのファンを惹きつけ、愛されて女優を50年続けられたのは高峰秀子の役の解釈だろう。
 繰り返すようだが、彼女は役を生きている
 また、女優業を離れてエッセイを出している高峰秀子の言葉は自信に満ちている。
 それは、しっかり人生を歩んでいるという自信の表れである。
 その女姓の作品を観る幸せを日々感じている。
 「ありがとう」という感謝の気持ちと共に。

 [追記]
 2010年12月31日、大晦日に突然、訃報が飛び込んできた。
 28日に肺癌で亡くなったというのだ。(享年86歳)
 子役から活躍し、多くの作品で私たちを楽しませた女優の天国への旅立ちであった。
 「日本の映画のもっともいい時期に、もっともいい監督たちと仕事ができたのだから」と語っていたという彼女を、“デコちゃん いらっしゃい また一緒に映画を撮ろうよ”と木下恵介監督や成瀬巳喜男監督たちが天国で出迎えていることだろう。
 彼女はどうだろう。
 悪戯っぽく「ちょっと、休ませて」と言って監督たちにウインクしているのではないだろうか。
 彼女が加わって天国が賑やかになっていることだろう。
 笑い声がこちらまで聞こえてきそうだ。

 [追記]
 命日(1228日)に向けて(2011.12.23)

 亡くなってから。もう1年経つ。
 出迎えた監督たちと話が尽きないことだろう。
 ええっ!『デコの瞳』の製作中だって、面白そう。
 何々、次回作も決まっているのだって。
 きっと『デコ雲』だろう。

 [追記]
 「偲ぶ会」が
米寿となる2012年3月27日に東宝スタジオ(東京・成城)で営まれ、映画関係者たちが約400人参列したという。
 天国でも大勢の関係者に米寿を祝ってもらっていることだろう。

 
高峰秀子の養女、斉藤明美によると309作品に出演したという。(「徹子の部屋 〜養女と偲ぶ高峰秀子さん〜」2012.6.14放送より)

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〜独自の作品解釈〜

1931 『東京の合唱(コーラス)- Tokyo Chorus -
1950 『宗方姉妹』- The Munekata Sisters -
1951 『カルメン故郷に帰る』-Carmen Comes Home-
1954 『女の園』
1954 『二十四の瞳』- Twenty-Four Eyes -
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。
1955 『浮雲』- Floating Clouds -
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。
1956 『流れる』- Flowing -
1957 『喜びも悲しみも幾歳月』
1958 『張込み』- Stakeout -
1960 『女が階段を上る時』- When a Woman Ascends the Stairs -
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。
1964 『乱れる』- Yearning -
1966 『ひき逃げ』- Moment of Terror -
ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。

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〜年譜〜
[1924][1928][1929 母][1930 レヴューの姉妹 大東京の一角 麗人 父 (姉妹篇)母][1931 私のパパさんママが好き 美はしき愛 愛よ人類と共にあれ(前後篇) 暴風雨の薔薇
女はいつの世にも 姉妹(前後篇) 一太郎やあい 東京の合唱 麗人の微笑][1932 情熱 七つの海(前後篇) 江戸ごのみ両国双紙 陽気なお嬢さん 天国に結ぶ恋 不如帰
鼠小僧次郎吉(解決篇)][1933 十九の春 与太者と脚線美 頬を寄すれば 与太者と海水浴 理想の良人 ラッパと娘 初恋の春][1934 女と生まれたからにゃ 東洋の母
ぬき足さし足 日本女性の歌 その夜の女][1935 母の愛 永久の愛][1936 新道(前篇) 新道(後篇)][1937 花嫁かるた 花籠の歌 良人の貞操(前篇) 良人の貞操(後篇)
江戸っ子健ちゃん 見世物王国 白薔薇は咲けど お嬢さん 南風の丘 雷親爺][1938 花束の夢 新柳桜 綴方教室 虹立つ丘 チョコレートと兵隊][1939 美はしき出發
娘の願ひは唯一つ ロッパの頬白先生 忠臣蔵(前後篇) 樋口一葉 われらが教官 その前夜 花つみ日記 丹下左膳(隻眼の巻)][1940 丹下左膳(恋車の巻) 秀子の応援団長
その風父と共に 姉の出征 釣鐘早 孫悟空(前編) 孫悟空(後編)][1941 昨日消えた男 馬 阿波の踊子 女学生記 秀子の車掌さん][1942 武蔵坊弁慶 希望の青空
待って居た男 南から帰った人 婦系図 水滸伝 続婦系図][1943 阿片戦争 愛の世界(山猫とみの話) ハナ子さん 兵六夢物語 若き日の歓び][1944 おばあさん 三尺左吾平
四つの結婚][1945 勝利の日まで 北の三人][1946 陽気な女 浦島太郎の後裔 明日を創る人々 或る夜の殿様 東宝ショウボート][1947 東宝千一夜 大江戸の鬼
見たり聞いたりためしたり 愛よ星と共に 幸福への招待][1948 愛情診断書 花ひらく 三百六十五夜(東京篇) 三百六十五夜(大阪篇) 虹を抱く処女][1949 春の戯れ グッドバイ
銀座カンカン娘][1950 処女宝 細雪 宗方姉妹 戦火を越えて 佐々木小次郎][1951 女の水鏡 カルメン故郷に帰る 我が家は楽し 続佐々木小次郎][1952 朝の波紋
東京のえくぼ 稲妻 カルメン純情す][1953 女といふ城(マリの巻) 女といふ城(夕子の巻) 煙突の見える場所 明日はどっちだ 雁][1954 第二の接吻 女の園 二十四の瞳
この広い空のどこかに][1955 浮雲 渡り鳥いつ帰る 遠い雲 くちづけ][1956 義仲をめぐる三人の女 子供の眼 妻の心 流れる][1957 空ゆかば あらくれ
喜びも悲しみも幾歳月 風前の灯][1958 張込み 無法松の一生1959][1960 女が階段を上る時 娘・妻・母 笛吹川1961 名もなく貧しく美しく 人間の條件(完結篇)
妻として女として 永遠の人][1962 女の座 山河あり 二人で歩いた幾春秋 放浪記 ぶらりぶらぶら物語り][1963 女の歴史][1964 乱れる われ一粒の麦なれど]
[1965 六條ゆきやま紬][1966 ひき逃げ][1967 続・名もなく貧しく美しく(父と子) 華岡青洲の妻][1968 浮かれ猫(TV) 簪マチコ(TV) 君は今どこにいるの(TV)
おしくらまんじゅう(TV)][1969 霰(TV) 鬼の棲む館][1970][1971 一筆啓上致します(TV)][1972 ケイトンズヴィル事件の九人(V) ささやくなら愛を(TV)][1973 恍惚の人
ささらもさら(TV)][1974][1975 台所のおと(TV) 微笑(TV)][1976 スリランカの愛と別れ ふたりのイーダ 落日燃ゆ(TV)][1977 泣きながら笑う日][1978]
[1979 衝動殺人 息子よ][1981 典子は、今(スタッフ)][1994 忍ばずの女(TV.脚本)]<1995 日本映画オールタイム・ベストテン>
<1999 映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン><2000 20世紀映画スターベストテン>
<2005 高峰秀子自身が選んだ成瀬映画ベスト5><2009 映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン>[2010][2012][写真][雑誌]

1924

3月27日、北海道函館市生まれ。
(平山錦司)、母(イソ)の長女(秀子)
(実・政ニ・隆三)、弟(孝市郎)の5人兄弟。
松山善三と結婚(1955年3月26日)後の本名(松山秀子)

父は、劇場やカフェを経営する土地の実力者の祖父力松の長男でを引き継ぎ経営していた。そのうちの「マルヒラ・砂場」という蕎麦屋料亭で生れる。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)
小さい時のあだ名(チャン)(2012.11.25「『1955.6 映画世界社刊 まいまいつぶろ 定高峰秀子著」佐藤隆信発行 新潮社 参考)

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1928

母イソが結核で病没した後、父の妹の志げの養女となり、東京の鴬谷に住む。
志げは、活弁士として活躍していた頃「高峰秀子」という芸名だったので、生れる前に既に養子としてもらい受ける約束をしていた兄の子に、秀子と名付けていた。
志げは、秀子を養女として迎えた頃、人形用の衣装を縫う内職で生計を立て、養父である荻野は旅回り一座の興行ブローカーで時々現れる程度であったという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

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1929

家主である階下の住人の友人だった松竹蒲田の俳優野寺正一に連れられ、養父と共に蒲田撮影所見学に行く。
そこで行われていた『母』に出演する「五歳の女児」の審査をうけ採用される。芸名を志げがかつて名乗っていた「高峰秀子」とする。
9月1日、蒲田撮影所に入社。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『母』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(12月1日封切)
- 監督: 野村芳亭
- 原作: 鶴見祐輔
- 脚色: 柳井隆雄
- 潤色: 野田高梧
- 出演: 川田芳子/島田嘉七/小藤田正一/高峰秀子(子役/春子)/河村黎吉/奈良真養/宮島健一/八雲恵美子
- デビュー作。高峰秀子(5才)


『母』小藤田正一、川田芳子、高峰秀子

『母』は大ヒットして、浅草では年末に再上映、更に翌年にもアンコール上映されて、前後45日間という興行記録を作る。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

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1930

『母』の大ヒットの勢いに乗り、重宝な子役として次々と出演し、瞬く間に子役としての評価を得る。
撮影所近くの北蒲田に転居。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『レヴューの姉妹』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(1月10日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: 八雲恵美子/筑波雪子/高峰秀子(少年/肇)

『大東京の一角』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(3月28日封切)
- 監督・潤色: 五所平之助
- 出演: 斎藤達雄/新井淳/吉川満子/高峰秀子(孤児/一郎)

五所監督は秀子を養子に迎えたいと考えるが、志げが怒り諦めたという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『麗人』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(4月26日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: 栗島すみ子/八雲恵美子/高峰秀子(少年/岩夫)

『父』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(5月15日封切)
- 監督: 佐々木恒次郎
- 原作: 菊池寛
- 出演: 武田春郎/鈴木歌子/八雲恵美子/高峰秀子(娘/お綱)

姉妹篇 母』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(6月26日封切)
- 監督・原作: 野村芳亭
- 脚色: 柳井隆雄
- 潤色: 野田高梧
- 出演: 川田芳子/藤田陽子/高峰秀子(娘/ゆき子)

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1931

『私のパパさんママが好き』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(1月31日封切)
- 監督: 野村員彦
- 出演: 斎藤達雄(パパさん/内木良太郎)/伊達里子(ママさん/芙美子)/青木富夫(息子/一平)/若水照子(静子)/高峰秀子(静子の娘/みつ子)

『美はしき愛』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(2月22日封切)
- 監督: 西尾佳雄
- 出演: 高尾光子(お糸)/藤田陽子/高峰秀子(お糸の実の妹)

秀子は蒲田の小学校へ入学するが、徹夜の撮影も多く、殆ど学校へは通えなかったそうだ。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『愛よ人類と共にあれ 前後篇(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(4月17日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: 上山草人(山口綱吉)/岡田時彦/鈴木伝明/田中絹代/吉川満子(長女/操)/高峰秀子(操の子/泰夫)

『暴風雨の薔薇』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(6月19日封切)
- 監督: 野村芳亭
- 脚色: 野田高梧/水島あやめ
- 出演: 八雲恵美子(息吹澪子)/若水絹子(宝木不二子)/高峰秀子(不二子の息子/晃一)

『女はいつの世にも』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(6月28日封切)
- 監督: 佐々木恒次郎
- 出演: /高峰秀子(譲治の息子/太郎)

『姉妹 前後篇(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(7月4日封切)
- 監督: 池田義信
- 原作: 菊池寛
- 出演: 栗島すみ子/田中絹代/高峰秀子(貞子の娘/類子)

『一太郎やあい』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(7月31日封切)
- 監督: 野村芳亭
- 出演: /高峰秀子(利喜太の娘/きぬ)

『東京の合唱(コーラス)(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(8月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第3位)
- 監督: 小津安二郎
- 原案: 北村小松
- 脚色: 北村小松/野田高梧
- 潤色: 野田高梧
- 撮影: 茂原英朗
- 美術: 脇田世根一
- 出演: 岡田時彦(岡島伸二)/八雲恵美子(妻/すが子)/菅原秀雄(長男)/高峰秀子(長女)/斉藤達雄(大村先生)/飯田蝶子(先生の妻)/坂本武(老社員/山田)
- 不景気時に、同僚の解雇に抗議して自分もクビになったサラリーマン(岡田時彦)の悲哀が描かれている。
洋食屋“カロリー軒”を始めた恩師との関係がコミカルだ。
子役の高峰秀子が可愛い。[『東京の合唱(コーラス)へ]


『東京の合唱』高峰秀子、八雲恵美子、菅原秀雄、岡田時彦


『東京の合唱』岡田時彦、斉藤達雄

『麗人の微笑』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(11月21日封切)
- 監督: 野村芳亭
- 出演: /高峰秀子(すみ子の息子/洋一)

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1932

『情熱』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(2月4日封切)
- 監督: 清水宏
- 出演: /高峰秀子(光子の娘)

『七つの海 前篇(処女篇)・後篇(貞操篇)(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(2月11日封切)
- 監督: 清水宏
- 脚色: 野田高梧
- 出演: /高峰秀子(百代)
- 『七つの海 前篇 処女篇(1931)の続篇

『江戸ごのみ両国双紙』(サイレント)(白黒)(5月27日封切)
- 監督: 井上金太郎
- 出演: /高峰秀子

『陽気なお嬢さん』(白黒)(松竹蒲田)(6月3日封切)
- 監督: 重宗務
- 出演: /高峰秀子(桂子の妹/道子)

『天国に結ぶ恋』(白黒)(松竹蒲田)(6月10日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: /高峰秀子
- タイトル『天国に結ぶ恋』は流行語になる。

『不如帰』(松竹蒲田)(9月15日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: 林長ニ郎(のちの長谷川一夫)/川崎弘子/高峰秀子(道子)

『鼠小僧次郎吉 解決篇(10月13日封切)
- 監督: 秋山耕作
- 出演: 林長ニ郎(のちの長谷川一夫)/尾上栄五郎/高峰秀子(太郎吉)

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1933

『十九の春』(白黒)(松竹蒲田)(5月18日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: /高峰秀子(美智子)

『与太者と脚線美』(白黒)(松竹蒲田)(5月25日封切)
- 監督: 野村浩将
- 出演: /高峰秀子

『頬を寄すれば』(白黒)(松竹蒲田)(8月3日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 撮影助手: 木下恵介
- 出演: /高峰秀子(良助の娘/美也子)
- 高峰秀子初のオールトーキー作品。
“主人公の位置に坐る高峰秀子の出来がよかった”と、既に主役級の演技も評価される。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『与太者と海水浴』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(8月17日封切)
- 監督: 野村浩将
- 出演: /高峰秀子(東山家の若様/敏行)

『理想の良人』(白黒)(松竹蒲田)(10月26日封切)
- 監督: 重宗務
- 出演: /高峰秀子(庸作の子/慎吉)

『ラッパと娘』(白黒)(松竹蒲田)(12月14日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: /高峰秀子

『初恋の春』(白黒)(松竹蒲田)(12月31日封切)
- 監督・原作: 野村芳亭
- 出演: /高峰秀子(旅芸人竹沢の子/君子)

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1934

東海林太郎が歌った♪赤城の子守歌が大ヒットしてスターとなった東海林が、日比谷公会堂で実演のステージを行う。その勘太郎役で秀子が出演。
有楽座でも再演される。
これが縁で東海林家から養女に欲しいと言われる。
「歌とピアノをみっちり仕込む」と志げを説得。
志げと共に大崎にある東海林太郎の新居に移る。
西品川の尋常小学校に転校。

『女と生まれたからにゃ』(白黒)(松竹蒲田)(1月7日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: /高峰秀子

『東洋の母』(白黒)(松竹蒲田)(2月1日封切)
- 監督: 清水宏
- 総指揮: 城戸四郎
- 出演: 岩田祐吉/岡譲二/川崎弘子(静子)/藤野秀夫/川田芳子/上山草人/田中絹代/岡田嘉子/栗島すみ子/坂本武/高峰秀子(静子の子供時代)
- 蒲田、下加茂、少女歌劇総動員のオールスター大作。

3月、函館で大火があり実家も消失する。
長兄の実るが二人を頼って上京、東海林家の書生として無理に使ってもらう。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『ぬき足さし足』(サイレント)(白黒)(松竹蒲田)(3月29日封切)
- 監督・原作・脚色: 吉村公三郎
- 出演: /高峰秀子(娘/とし坊)
- 吉村公三郎の監督デビュー作。

『日本女性の歌』(白黒)(松竹蒲田)(5月4日封切)
- 監督: 池田義信
- 構成: 野田高梧
- 出演: 栗島すみ子/高峰秀子

『その夜の女』(白黒)(松竹蒲田)(10月17日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: 田中絹代/村瀬幸子/坂本武/松井潤子/斎藤達雄/飯田蝶子/吉川満子(増子)/高峰秀子(増子の娘/重子)

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1935

『母の愛』(白黒)(松竹蒲田)(1月31日封切)
- 監督: 池田義信
- 出演: 川田芳子(野口菊江)/栗島すみ子/小桜葉子/飯田蝶子/坂本武/高峰秀子(菊江の娘/春江)
- 蒲田の大幹部女優川田芳子、幹部女優筑波雪子の引退送別を記念するオールスター作品。

『永久の愛』(白黒)(松竹蒲田)(10月15日封切)
- 監督: 池田義信
- 原案指揮: 城戸四郎
- 出演: 栗島すみ子/田中絹代/高峰秀子(社長山本の娘/秀子)
- 撮影所の大船移転のための《蒲田さよなら映画》。同時に栗島すみ子の引退記念作品。

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1936

1月、松竹の撮影所が蒲田から大船に移転。
前後して東海林家を出て大森駅近くのアパートへ移る。
撮影所で大幹部の田中絹代にかわいがられ、鎌倉の「絹代御殿」にも泊り込むようになる。
破産した祖父力松の一家九人が千駄ヶ谷の借家に上京。(母と祖父一家を養うことになる)
この頃、映画界から逃げ出したい思いから宝塚少女歌劇入りを画策する。
東海林家の書生をしていた長兄の実るが満州へ渡る。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『新道 前篇 朱実の巻(白黒)(松竹大船)(11月13日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: 田中絹代(宗方の娘/朱実)/川崎弘子(朱実の従姉/歌子)/高峰秀子(朱実の妹/京子)/斎藤達雄(宗方子爵)/吉川満子(宗方子爵夫人)/佐野周二(工藤一平)/上原謙(一平の弟/良太)/佐分利信
- 佐野周二・上原謙・佐分利信の三羽烏の初共演作品。

『新道 後篇 良太の巻(白黒)(松竹大船)(12月2日封切)
- 監督: 五所平之助
- 出演: 田中絹代(宗方の娘/朱実)/川崎弘子(朱実の従姉/歌子)/高峰秀子(朱実の妹/京子)/斎藤達雄(宗方子爵)/吉川満子(宗方子爵夫人)/佐野周二(工藤一平)/上原謙(一平の弟/良太)/佐分利信

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1937

『花嫁かるた』(白黒)(松竹大船)(1月7日封切)
- 監督: 島津保次郎
- 出演: 上原謙/桑野通子/上山草人/高杉早苗/高峰秀子(会計課長の三女/菊江)

『花籠の歌』(白黒)(松竹大船)(1月14日封切)
- 監督・改作: 五所平之助
- 脚色: 野田高梧
- 出演: 河村黎吉/田中絹代(洋子)/岡村文子/高峰秀子(洋子の妹/浜子)

1月、藤本真澄の仲介で月給百円と撮影所近くの成城の家付き(隣家は成瀬巳喜男・千葉早智子夫妻の住まい)で、女学校進学を条件に、P・C・L(後の東宝映画)に移籍する。
撮影所で岸井明から「デコ」の愛称が与えられる。
お茶の水の文化学院に入学。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『良人の貞操 前篇 春来れば(白黒)(P・C・L)(4月1日封切)
- 監督・脚色: 山本嘉次郎
- 出演: 入江たか子(加代)/千葉早智子(邦子)/高田稔/高峰秀子(邦子の妹/睦子)
- 高田稔と共にP・C・L入社第一回作品。

『良人の貞操 後篇 秋ふたたび(白黒)(P・C・L)(4月21日封切)
- 監督: - 脚色: 山本嘉次郎
- 出演: 入江たか子(加代)/千葉早智子(邦子)/高田稔/高峰秀子(邦子の妹/睦子)

『江戸っ子健ちゃん』(白黒)(P・C・L)(5月1日封切)
- 監督: 岡田敬
- 脚色: 山本嘉次郎
- 出演: /高峰秀子(碁会所の娘/ミーちゃん)

『見世物王国』(白黒)(P・C・L)(6月1日封切)
- 監督: 松井稔
- 出演: /高峰秀子(秀ちゃん)

『白薔薇は咲けど』(白黒)(P・C・L)(7月11日封切)
- 監督: 伏見修
- 出演: 入江たか子/堤真佐子/高峰秀子(花屋の娘)

『お嬢さん』(白黒)(P・C・L)(7月21日封切)
- 監督: 山本薩夫
- 出演: /高峰秀子(英語の先生の娘)
- 山本薩夫の監督デビュー作。

『南風の丘』(白黒)(P・C・L)(8月1日封切)
- 監督: 松井稔
- 出演: 高田稔(里見光一)/高峰秀子(里見光一の娘/光子)

『雷親爺』(白黒)(東宝東京)(12月8日封切)
- 監督: 矢倉茂雄
- 出演: /高峰秀子(幸太郎の妹/まち子)

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1938

『花束の夢』(白黒)(東宝東京)(1月14日封切)
- 監督: 松井稔
- 出演: /高峰秀子(日呂子の義理の妹/敏子)

『新柳桜』(白黒)(東宝東京)(5月11日封切)
- 監督・脚色: 荻原耐
- 出演: /高峰秀子(半玉の芸者/小玉)

『綴方教室』(白黒)(東宝東京)(8月21日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督: 山本嘉次郎
- 原作: 豊田正子(ベストセラーの映画化)
- 製作主任: 黒澤明
- 出演: 高峰秀子(小学六年生/正子)/清川虹子/徳川夢声


『綴方教室』高峰秀子

『虹立つ丘』(白黒)(東宝東京)(11月3日封切)
- 監督: 大谷俊夫
- 出演: 高峰秀子(ユリ=逸子)
- 監督の大谷俊夫はこの後、満州映画協会に移籍する。

『チョコレートと兵隊』(白黒)(東宝東京)(12月11日封切)
- 監督: 佐藤武
- 出演: /高峰秀子(印刷所の娘/茂子)

東宝でも次々と出演が続き、文化学院へ殆ど通えなくなり、やむなく退学する。
兄の隆三が成城の家の居候となる。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

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1939

『美はしき出發』(白黒)(東宝東京)(2月21日封切)
- 監督・脚本: 山本薩夫
- 出演: 原節子(都美子)/水町庸子/高峰秀子(次女/奈津子)/月田一郎/瑳峨善平/三木利夫
- 原節子(19才)・高峰秀子(14才)の初共演作。


『美はしき出發』瑳峨善平、三木利夫、高峰秀子、原節子


『美はしき出發』高峰秀子、水町庸子、原節子

『娘の願ひは唯一つ』(白黒)(東宝東京)(3月11日封切)
- 監督: 斉藤寅次郎
- 出演: 高峰秀子(ひで子)

『ロッパの頬白先生』(白黒)(東宝東京)(3月21日封切)
- 監督: 阿部豊
- 出演: 古川ロッパ/高峰秀子(法二郎の三女/秀代)

『忠臣蔵 前後篇(白黒)(東宝東京)(4月21日封切)
- 監督: 瀧沢英輔
- 出演: 大河内伝次郎/長谷川一夫/榎本健一/入江たか子/山田五十鈴/原節子/高峰秀子(一力茶屋の女中/あぐり)

『樋口一葉』(白黒)(東宝東京)(5月31日封切)
- 監督: 並木鏡太郎
- 出演: 山田五十鈴/高峰秀子(大黒屋/みどり)

『われらが教官』(白黒)(東宝東京)(8月1日封切)
- 監督: 今井正
- 出演: 月田一郎/高峰秀子(大佐の娘/秀子)/椿澄江/丸山定夫


『われらが教官』月田一郎、高峰秀子、椿澄江、丸山定夫

『その前夜』(白黒)(前進座・東宝)(10月21日封切)
- 監督: 萩原遼
- 原作: 山中貞雄
- 出演: 河原崎長十郎/中村翫右衛門/山田五十鈴/高峰秀子(おつう)/市川扇升
- 戦病死した山中貞雄の追悼作品。


『その前夜』市川扇升、高峰秀子

『花つみ日記』(白黒)(東宝京都)(10月31日封切)
- 監督: 石田民三
- 出演: 高峰秀子(芸妓屋の娘/篠原栄子)

新篇 丹下左膳 隻眼の巻(白黒)(東宝東京)(12月20日封切)
- 監督: 中川信夫
- 原作: 川口松太郎
- 出演: 大河内伝次郎/山田五十鈴/高峰秀子(お春)

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1940

満州へ渡っていた長兄の実が帰還し、1週間ほど成城の家に滞在して再び大陸へ渡る。(実はやがて満州ゴロとなって麻薬の密売にまで手を染める)
同じ成城の五間ある家に転居。
市川崑が下宿人となる。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

新篇 丹下左膳 恋車の巻(白黒)(東宝東京)(1月11日封切)
- 監督: 中川信夫
- 出演: 大河内伝次郎/山田五十鈴/高峰秀子(お春)

『秀子の応援団長』(白黒)(南旺映画)(1月31日封切)
- 監督: 千葉泰樹
- 出演: 高峰秀子(秀子)/灰田勝彦
- 共演の灰田勝彦と歌った主題歌♪燦く星座と共にヒットする。


『秀子の応援団長』高峰秀子、灰田勝彦

『小島の春』に出演していた杉村春子(それまで名前すら知らなかった)の演技を見てショックを受け、演技というものを真剣に考えるきっかけになったそうだ。
オペラの奥田良三、長門美保のレッスン(発声を学ぶ)を2年近く受ける。
撮影の合間に日劇、新宿東宝などで上映の間のアトラクションに盛んに出演しステージで歌う。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『その風父と共に』(白黒)(東宝京都)(4月24日封切)
- 監督: 山本薩夫
- 出演: /高峰秀子(秀子)

『姉の出征』(白黒)(東宝京都)(5月22日封切)
- 監督: 近藤勝彦
- 出演: 高峰秀子(秀子)

『釣鐘早』(白黒)(東宝東京)(7月3日封切)
- 演出: 石田民三
- 出演: 高峰秀子(弓子)

エノケンの孫悟空 前後編(白黒)(東宝東京)(11月6日封切)
- 監督・脚本: 山本嘉次郎
- 出演: 榎本健一/高峰秀子(お姫様)

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1941

『昨日消えた男』(白黒)(東宝東京)(1月9日封切)
- 監督: マキノ正博
- 翻案: W・S・ヴァン・ダイク監督『影なき男』(MGM)
- 出演: 長谷川一夫/山田五十鈴/高峰秀子(お京)

『馬』(白黒)(東宝東京)(3月11日封切)(キネマ旬報ベストテン第2位)
- 監督・脚本: 山本嘉次郎
- 助監督: 黒澤明
- 出演: 高峰秀子(いね)
- 東北の農村の娘が可愛がっていた馬を軍馬に買い上げられる。馬と娘の交流が描かれている。
足掛け3年を費やした作品。
当時、秀子は、かけもち撮影が続き田を耕すシーンで過労のため倒れた。そのとき介抱したのが黒澤明だったそうだ。
秀子著「わたしの渡世日記」に、青年・黒澤明に恋心を抱いた思い出が書かれていると言う。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)


『馬』高峰秀子

『馬』(の完成試写後、北海道へアトラクションの旅に出、旭川で養子に出されていた実弟の孝市郎に会う。
志げは強引に孝市郎を連れて帰り、成城の家に引き取る。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『阿波の踊子』(白黒)(東宝京都)(5月21日封切)
- 監督: マキノ正博
- 出演: 長谷川一夫/入江たか子/高峰秀子(お光)

『女学生記』(白黒)(東京発声)(8月27日封切)
- 監督: 村田武雄
- 出演: /山田五十鈴/高峰秀子(鎌田佐智子)

8月、ポリドールよりレコード「森の水車」を発売。

『秀子の車掌さん』(白黒)(南旺映画)(9月17日封切)
- 演出・脚本: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄 
- 原作: 井伏鱒二 
- 出演: 高峰秀子(田舎のバスの車掌/おこま)/藤原鶏太(釜足が戦中に用いた芸名)(運転手/園田)/夏川大二郎(小説家/井川)
- 高峰・成瀬の初コンビ作。


『秀子の車掌さん』高峰秀子、藤原鶏太(釜足が戦中に用いた芸名)

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1942

『武蔵坊弁慶』(白黒)(東宝東京)(1月7日封切)
- 監督: 渡辺邦男
- 出演: 岡譲二(武蔵坊弁慶)/山田五十鈴/高峰秀子(牛若丸)


『武蔵坊弁慶』岡譲二、高峰秀子

『希望の青空』(白黒)(東宝)(1月14日封切)
- 監督・脚本: 山本嘉次郎
- 出演: 原節子/入江たか子/高峰秀子(秀子)/池部良

『待って居た男』(白黒)(東宝)(4月23日封切)
- 監督: マキノ正博
- 出演: 長谷川一夫/山田五十鈴/高峰秀子(宿の女中/お雪)

『南から帰った人』(白黒)(東宝)(5月17日封切)
- 監督: 斉藤寅次郎
- 原作: 菊田一夫
- 出演: /高峰秀子(秀子)
- 舞台『わが家の幸福』の映画化。

『婦系図』(おんなけいず)(白黒)(東宝)(6月11日封切)
- 監督: マキノ正博
- 原作: 泉鏡花
- 出演: 長谷川一夫/山田五十鈴/高峰秀子(妙子)

『水滸伝』(白黒)(東宝)(7月2日封切)
- 監督: 岡田敬
- 出演: 高峰秀子(九紋龍の妹)

『続婦系図』(白黒)(東宝)(7月16日封切)
- 監督: マキノ正博
- 原作: 泉鏡花
- 出演: 長谷川一夫/山田五十鈴/高峰秀子(妙子)

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1943

『阿片戦争』(白黒)(東宝)(1月14日封切)
- 監督: マキノ正博
- 出演: 原節子(姉/愛蘭)/市川猿之助/高峰秀子(妹/麗蘭)/河津清三郎

『愛の世界 山猫とみの話(白黒)(東宝)(1月28日封切)
- 監督: 青柳信雄
- 出演: 高峰秀子(山猫/小田切とみ)

『ハナ子さん』(白黒)(東宝)(2月25日封切)
- 監督: マキノ正博
- 出演: 轟夕起子(ハナ子さん)/灰田勝彦(五郎さん)/高峰秀子(五郎の妹/チヨコさん)/山本礼三郎


『ハナ子さん』山本礼三郎、灰田勝彦、高峰秀子、轟夕起子

『兵六夢物語』(白黒)(東宝)(4月1日封切)
- 監督: 青柳信雄
- 出演: 榎本健一/高峰秀子(怪童女)


『兵六夢物語』榎本健一、高峰秀子

『若き日の歓び』(白黒)(東宝)(6月10日封切)
- 監督: 佐藤武
- 出演: 原節子(裕子の先輩/穂積泰子)/轟夕起子/高峰秀子(女性編集者/高村裕子)/沼崎勲


『若き日の歓び』高峰秀子、原節子

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1944

『おばあさん』(白黒)(松竹大船)(1月3日封切)
- 監督: 原研吉
- 出演: 飯田蝶子(おばあさん)/高峰秀子(丸子)

『三尺左吾平』(白黒)(東宝)(7月6日封切)
- 監督: 石田民三
- 出演: 高峰秀子(お妙)

連れ戻した孝市郎が志げの手に負えなくなり、戦況を理由に旭川の養父母の元へ帰す。
国内各地の軍隊慰問に行き、野外ステージや格納庫の中で歌を披露する。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『四つの結婚』(白黒)(東宝)(9月28日封切)
- 監督: 青柳信雄
- 原作: 太宰治(『佳日』の映画化)
- 出演: 入江たか子/山田五十鈴/高峰秀子(末娘/啓子)/山根寿子
- 『細雪』につながる“美姉妹もの”で、四姉妹の結婚話をめぐる愉快なトラブルを描いている。


『四つの結婚』山根寿子、高峰秀子、山田五十鈴、入江たか子

秀子は、入江たか子と気が合い、「共演の仕事の時は忠実な野良犬のごとくお傍に侍り、彼女もまた優しい姉のように私をいつくしんでくれた」と秀子著「わたしの渡世日記」にあると言う。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)

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1945

『勝利の日まで』(白黒)(東宝)(1月25日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/本木莊二郎
- 脚本: サトウ・ハチロー
- 撮影: 立花幹也/木塚誠一
- 美術: 北猛夫
- 音楽: 鈴木静一
- 録音: 村山絢二
- 出演: 山田五十鈴/市丸/徳川夢声/古川録波(助手)/横山エンタツ/花菱アチャコ/榎本健一/入江たか子/原節子/高峰秀子(助手)
- 海軍省の命令による慰問の為の海軍恤兵映画。

7月より山本嘉次郎監督作品『アメリカようそろ』の館山ロケに行き、そのまま終戦を迎える。
作品は未完に終わる。
ロケの合間の山本監督からのアドバイスの言葉に、役者としてプロに徹することを決心したという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『北の三人』(白黒)(東宝)(8月5日封切)
- 監督: 佐伯清
- 出演: 原節子/高峰秀子/山根寿子/藤田進/佐分利信/河野秋武


『北の三人』原節子、山根寿子、高峰秀子


『北の三人』高峰秀子、藤田進、山根寿子、佐分利信、原節子、河野秋武

8月15日、終戦。

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1946

2月に進駐軍専用として接収されたアーニー・パイル劇場(東京宝塚劇場)で、米軍兵士のためのバラエティーショーに歌手として出演。
衣装が無く困っていた秀子に、入江たか子が自分のコートをほどいて一晩でロングドレスに縫い上げてくれたそうだ。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『陽気な女』(白黒)(東宝)(2月14日封切)
- 監督: 佐伯清
- 製作: 田中友幸
- 脚本: 山形雄策
- 撮影: 中井朝一
- 美術: 平川透徹
- 照明: 平田光治
- 音楽: 服部正
- 録音: 高橋隆
- 出演: 灰田勝彦(松本民雄)/轟夕起子(野村恒子)/高峰秀子(新井陽子)/菅井一郎(黒田正道)

3月、阿部豊監督『破戒』の長野県ロケ中に東宝がストライキに入り、製作中止になる。

『浦島太郎の後裔』(白黒)(東宝)(3月28日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 筈見恒夫
- 脚本: 八木隆一郎
- 撮影: 山崎一雄/岡崎三千雄
- 美術: 安倍輝明
- 照明: 藤林甲
- 音楽: 山田和男
- 録音: 大家忠男
- 出演: 藤田進(浦島五郎)/中村伸郎(鳥丸飛夫)/杉村春子(千曲女史)/高峰秀子(龍田阿加子)

『明日を創る人々』(白黒)(東宝)(5月2日封切)
- 演出: 山本嘉次郎/黒澤明/関川秀雄
- 製作: 竹井諒/本木莊二郎/松崎啓次
- 脚本: 山形雄策/山本嘉次郎
- 撮影: 三浦光雄/伊藤武夫/完倉泰一
- 出演: 薄田研二(父/岡本銀太郎)/竹久千恵子(母/きん)/中北千枝子(姉娘/よし子)/立花満枝(妹娘/あい子)/森雅之(運転手/堀誠三)/高峰秀子(高峰)/藤田進
- 組合の宣伝映画のような作品に藤田進とゲスト出演。

『或る夜の殿様』-Lord for a Night-(白黒)(東宝)(7月11日封切)(第1回毎日映画コンクール作品賞)
- 演出: 衣笠貞之助 
- 製作: 清川峰輔
- 脚本: 小国英雄
- 撮影: 河崎喜久三
- 美術: 久保一雄
- 照明: 横井総一
- 録音: 齋藤昭治/空閑昌敏
- 出演: 大河内傳次郎(江本逓信大臣)/北沢彪(秘書/池田信正)/長谷川一夫(書生)/進藤英太郎(越後屋喜助)/飯田蝶子(越後屋喜助の妻/おくま)/高峰秀子(越後屋喜助の娘/妙子)/清水将夫(山崎勝五郎)/吉川満子(山崎勝五郎の妻/里野)/三谷幸子(山崎勝五郎の娘/綾子)/志村喬(北原虎吉)/山田五十鈴(女中/おみつ)


『或る夜の殿様』長谷川一夫、高峰秀子

8月より9月中旬まで日本劇場(日劇)『ハワイの花』に出演。
特訓を受けた末、ステージでフラダンスを踊る。

『東宝ショウボート』(白黒)(東宝)(10月1日封切)
- 監督・脚本: 谷口千吉
- 出演: 高峰秀子(靴磨きの少年)/原節子/入江たか子(東宝トップスター)/岸井明(劇場守(衛)

10月、同じ日劇の『日劇秋の踊り』に出演するが、15日よりストのため休場となる。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)
11月、第2次東宝争議で、大河内伝次郎、長谷川一夫、黒川弥太郎、藤田進、原節子、高峰秀子、山田五十鈴、入江たか子、山根寿子、花井蘭子で「十人の旗の会」を結成し東宝労働組合を脱退。

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1947

新たに発足した新東宝の専属となる。
「高峰秀子後援会」が発足し、銀座カネボウビル内に事務所が開設されて機関誌「DEKO」が発行される。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『東宝千一夜』(白黒)(東宝)(2月25日封切)
- 監督: 市川崑
- 出演: 山根寿子/藤田進/高峰秀子(高山秀子)/中川三郎


『東宝千一夜』高峰秀子、中川三郎

『大江戸の鬼』(白黒)(新東宝)(5月6日封切)
- 監督: 萩原遼
- 出演: 大河内伝次郎/長谷川一夫/黒川弥太郎/高峰秀子(おなつ)

『見たり聞いたりためしたり』(白黒)(新東宝)(6月17日封切)
- 監督: 斉藤寅次郎
- 原作: サトウ・ハチロー
- 出演: 灰田勝彦/野上千鶴子/高峰秀子

『愛よ星と共に』(白黒)(新東宝)(9月30日封切り)
- 監督: 阿部豊
- 製作: 青柳信雄
- 脚本: 八田尚之
- 撮影: 小原譲治
- 美術: 進藤誠吾
- 照明: 藤林甲
- 音楽: 早坂文雄
- 録音: 神谷正和
- 出演: 高峰秀子(カフェーの女給/白河はるえ)/横山運平(はるえの父)/浦辺粂子(はるえの母)/池部良(北島邦彦)/川部守一(北島明夫)
- 高峰秀子は初めて子を持つ母親役を演じ、初めて煙草を吸う役柄に喫煙の特訓をしたという。


『愛よ星と共に』高峰秀子ら

『幸福への招待』(白黒)(新東宝)(11月11日封切)(キネマ旬報ベストテン第10位)
- 監督: 千葉泰樹
- 出演: 大河内伝次郎/入江たか子/高峰秀子(椎名ヒサ)


『幸福への招待』高峰秀子ら

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1948

『愛情診断書』(白黒)(新東宝)(1月6日封切)
- 監督: 渡辺邦男
- 製作: 武山政信
- 脚本: 岸松雄/渡辺邦男
- 撮影: 友成達雄
- 照明: 横井総一
- 音楽: 服部正
- 録音: 鈴木勇
- 出演: 大河内傳次郎(影山先生)/伊達里子(影山夫人)/沢井一郎(長男達彦)/黒川弥太郎(岩本刑事)/藤田進(田代勇)/宮川玲子(田代の妹/季子)/花井蘭子(津村糸子)/中村哲(河津繁三)/一の宮あつ子(河津夫人八重子)/島かづ子(河津の娘/とみ子)/鳥羽陽之助(ヤミ成金/山田傳兵衛)/清川虹子(山田夫人/しの子)/田中春男(秘書/中尾)/大日方伝(根本警察部長)/高峰秀子(根本の娘/秋枝)/清川荘司(大詐欺師/細沼)

『花ひらく -真知子より-(白黒)(新東宝)(4月13日封切)
- 演出: 市川崑
- 製作: 阿部豊
- 原作: 野上弥生子『真知子』の映画化
- 脚色: 八住利雄
- 撮影: 小原譲治 
- 美術: 河野鷹思
- 照明: 藤林甲
- 音楽: 早坂文雄
- 録音: 神谷正和
- 出演: 高峰秀子(曽根真知子)/吉川満子(眞知子の母)/藤田進(河井輝彦)/上原謙(三郎)/三村秀子(大庭米子)

『破戒』(白黒)(東宝)(東宝争議のため公開されず)
- 監督: 阿部豊
- 製作: 筈見恒夫
- 制作補: 森田信義
- 原作: 島崎藤村
- 脚色: 久板栄二郎
- 撮影: 小原譲治
- 美術: 北猛夫
- 照明: 平田光治
- 音楽: 早坂文雄
- 録音: 神谷正和
- 出演: 池部良(瀬川丑松)/大日方伝(土屋銀之助)/森雅之(勝野文平)/薄田研二(風間敬之進)/高峰秀子(お志保)/滝沢修(猪子蓮太郎)

『三百六十五夜 東京篇(白黒)(新東宝)(9月21日封切)
- 監督: 市川崑
- 製作: 児井英生
- 原作: 小島政ニ郎(『ロマンス』の映画化)
- 脚色: 館岡謙之助
- 撮影: 三村明
- 美術: 進藤誠吾
- 照明: 大沼正喜
- 録音: 矢野口文雄
- 出演: 上原謙(川北小六)/山根寿子(大江照子)/高峰秀子(小牧蘭子)/堀雄二(津川厚)/野上千鶴子(乾マユミ)

『三百六十五夜 大阪篇(白黒)(新東宝)(9月28日封切)
- 監督: 市川崑
- 製作: 児井英生
- 原作: 小島政ニ郎(『ロマンス』の映画化)
- 脚色: 館岡謙之助
- 撮影: 三村明
- 美術: 進藤誠吾
- 照明: 大沼正喜
- 録音: 矢野口文雄
- 出演: 上原謙(川北小六)/山根寿子(大江照子)/高峰秀子(小牧蘭子)/堀雄二(津川厚)/野上千鶴子(乾マユミ)
- ニ本を『三百六十五夜・大会』として新版再公開。

『虹を抱く処女』(白黒)(新東宝)(11月16日封切)
- 監督: 佐伯清
- 製作: 青柳信雄
- 脚本: 八田尚之
- 撮影: 小原譲治
- 美術: 松山崇
- 照明: 藤林甲
- 音楽: 早坂文雄
- 録音: 神谷正和
- 出演: 高峰秀子(看護婦/北条あき子)/上原謙(日高光太郎)/若原雅夫(三津田剛)/宇野重吉(石塚守兵)/田中春男(大町北夫)

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1949

『春の戯れ』(白黒)(新東宝)(4月12日封切)
- 監督・脚本: 山本嘉次郎
- 製作: 青柳信雄/山本嘉次郎
- 撮影: 山崎一雄
- 美術: 松山崇
- 照明: 秋山清幸
- 音楽: 早坂文雄
- 録音: 神谷正和
- 出演: 徳川夢声(金蔵)/宇野重吉(正吉)/飯田蝶子(おろく)/高峰秀子(お花)


『春の戯れ』高峰秀子

『グッドバイ』-Good-Bye!-(白黒)(新東宝)(6月28日封切)
- 監督: 島耕二
- 製作: 青柳信雄
- 原作: 太宰治
- 脚本: 小国英雄
- 撮影: 三村明
- 美術: 下河原友雄
- 照明: 大沼正喜
- 音楽: 鈴木静一
- 録音: 神谷正和
- 出演: 若原雅夫(多田敬太)/清川玉枝(山崎夏江)/高峰秀子(闇屋/永井きぬ子)(船越絹代)/森雅之(田島周二)
- 朝日新聞に連載された太宰治の遺作の映画化。

『銀座カンカン娘』(白黒)(新東宝)(8月16日封切)
- 監督: 島耕二
- 製作: 青柳信雄
- 脚本: 中田晴康/山本嘉次郎
- 撮影: 三村明
- 美術: 河野鷹思
- 照明: 大沼正喜
- 音楽: 服部良一
- 録音: 神谷正和
- 作詩: 佐伯孝夫
- 作曲: 服部良一
- 出演: 高峰秀子(お秋)/灰田勝彦(武助)/古今亭志ん生(新笑)/浦辺粂子(おだい)/笠置シヅ子(お春)/岸井明(白井哲夫)
- 主題歌: ♪銀座カンカン娘
- “ブギの女王”笠置シヅ子と共演したオペレッタ風音楽青春映画。


『銀座カンカン娘』高峰秀子、岸井明
、笠置シヅ子


『銀座カンカン娘』灰田勝彦、高峰秀子、笠置シヅ子、岸井明

主題歌♪銀座カンカン娘は映画に先がけてレコード発売され大ヒットした。
10代の頃にオペラ歌手奥田良三と長門美穂に付き、2年間、発声の勉強をしたのが、歌の役に立ったそうだ。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)

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1950

『処女宝』(『競う美女姉妹』TV用に改題)(白黒)(新東宝)(1月3日封切)
- 監督: 島耕二
- 製作: 児井英生
- 原作: 菊池寛
- 脚本: 野村浩将
- 撮影: 三村明
- 美術: 河野鷹思
- 照明: 大沼正喜
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 神谷正和
- 出演: 上原謙(船田真一)/高杉早苗(立花真弓)/高峰秀子(妹/真金)/山村聰(塙義太郎)

『細雪』-Snow-Flake-(白黒)(新東宝)(5月17日封切)(キネマ旬報べストテン第9位)
- 監督: 阿部豊
- 原作: 谷崎潤一郎
- 脚本: 八住利雄
- 撮影: 山中晋
- 出演: 花井蘭子/轟夕起子/山根寿子/高峰秀子(四女/妙子)/田崎潤
- 谷崎潤一郎のベストセラーの初映画化。
※1959年に島耕二、1983年に市川昆により再映画化された。 

地唄舞の「雪」を踊る場面があるが、谷崎潤一郎の紹介で、地唄舞の第一人者、武原はんの指導を受けたそうだ。
谷崎潤一郎は松子夫人ともども高峰秀子のファンだったという。
谷崎との付き合いは谷崎が亡くなる(S40)まで続いた。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)


『細雪』高峰秀子、山根寿子、轟夕起子、花井蘭子

『宗方姉妹』(むねかたきょうだい)(白黒)(新東宝)(8月25日封切)(キネマ旬報べストテン第7位)
- 監督: 小津安二郎
- 製作: 児井英生/肥後博
- 原作: 大佛次郎(朝日新聞連載『宗方姉妹』より)
- 脚本: 野田高梧/小津安二郎
- 撮影: 小原讓治
- 美術: 下河原友雄
- 照明: 藤林甲
- 音楽: 齋藤一郎
- 録音: 神谷正和
- 編集: 後藤敏男
- 出演: 田中絹代(宗方節子)/高峰秀子(満里子)/上原謙(田代宏)/高杉早苗(真下頼子)/笠智 衆(宗方忠親)/山村聰(節子の夫/三村亮助)(第5回毎日映画コンクール助演賞)/堀雄二(前島五郎七)/河村黎吉(「三銀」の客)/齋藤達雄(教授/内田譲)/藤原釜足(「三銀」の亭主)/坪内美子(藤代美惠子)/一の宮あつ子(箱根の宿女中)/堀越節子(「三銀」の女中)/千石規子(東京の宿女中)
- 古風な姉(田中絹代)と進歩的な妹(高峰秀子)、死期を悟っている父(笠智 衆)と病弱の姉の夫(山村聰)。それに姉の元恋人(上原謙)、その恋人に思いを寄せている未亡人(高杉早苗)などの複雑な人間関係を名優たちが演じている。
嫉妬した夫(山村聰)が妻(田中絹代)を叩くシーンは『風の中の牝鶏』の時のような衝撃を与えた。[『宗方姉妹』へ]


『宗方姉妹』田中絹代、高峰秀子


『宗方姉妹』田中絹代、高峰秀子

小津安二郎の作品は、子役時代に『東京の合唱(コーラス)に出演しているが、成長してから出るのは初めてだった。
小津の映画に出演するのは俳優にとって名誉なことだったが、この映画の撮影は完全主義者の小津が終始厳しく、現場はぴりぴりしていたという。
特にアメリカから帰り、“投げキス事件”で世間の顰蹙を買った田中絹代に厳しく、何度もダメを出したそうだ。
追いつめられた田中絹代は高峰秀子に死にたいとまでいったという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)

『戦火を越えて』(白黒)(第一協団・大泉)(9月2日封切)
- 監督: 関川秀雄
- 原作: 菊田一夫
- 脚本: 舟橋利雄
- 撮影: 藤井静
- 出演: 高峰秀子(中国人女優/朱燕)/山村聡

『佐々木小次郎』(白黒)(東宝・森田プロ)(11月23日封切)
- 監督: 稲垣浩
- 製作: 森田信義/宮城鎭治
- 原作: 村上元三
- 脚本: 稲垣浩/村上元三/松浦健郎
- 撮影: 安本淳
- 美術: 北猛夫
- 音楽: 深井史郎
- 出演: 大谷友右衞門(佐々木小次郎)/徳大寺伸(伊之瀬東馬)/月形龍之介(南屋十兵衛)/山根寿子(兎弥)/浜田百合子(小里)/高峰秀子(琉球娘/奈美)
- 村上元三の朝日新聞連載小説の映画化。


『佐々木小次郎』山根寿子、高峰秀子

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1951

『女の水鏡』(白黒)(松竹大船)(1月3日封切)
- 監督: 原研吉
- 製作: 小出孝
- 原作: 舟橋聖一
- 脚本: 斎藤良輔/鈴木兵吾
- 撮影: 森田俊保
- 美術: 河野鷹思
- 音楽: 加藤光男
- 出演: 高峰秀子(苗子)/柳永二郎(皆本社長)/佐分利信(真鍋検事)/佐野周二(一森欣也)/奈良真養(藤倉門次郎)/津島恵子(藤倉紀み子)/市川春代(菊絵)/細川俊夫(望月浪雄)/増田順三(露木君三)/山田英子(女中/お杉)/東山千栄子(真鍋の女)

当時、契約問題のごたごたに巻き込まれていた高峰秀子を励ますために、木下恵介が自ら脚本を書き下ろした。
だが、「特別に僕が書きます。出来たら連絡しますって。それで出来ましたというので読んでみたら、頭の弱いストリッパーでしょ、はじめは驚きましたよ」と語っている。
この映画をきっかけに、新東宝を離れ、当時、日本では珍しかったフリーになったという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)

『カルメン故郷に帰る』-Carmen Comes Home-(カラー)(松竹大船)(3月31日封切)(松竹30周年記念)(キネマ旬報べストテン第4位)(日本映画文化賞)(都民映画コンクール第1位)(NHK映画ベストテン第1位)
- 監督・脚本: 木下恵介(毎日映画コンクール脚本賞)
- 製作総指揮:高村潔
- 製作: 月森仙之助
- 制作補:桑田良太郎
- 撮影: 楠田浩之
- 照明: 豊島良三

- 録音: 大野久男
- 録音技術: 佐々木秀孝
- 美術: 小島基司
- 音楽: 木下忠司/黛敏郎
- 主題歌:
♪カルメン故郷に帰る(唄: 高峰秀子)♪そばの花咲く(渡辺はま子/ビクター児童合唱団)
- 挿入歌:
♪花のパリはシャンゼリゼ(作詞・作曲: 黛敏郎/唄: 高峰秀子)
- 舞踊振付: 三橋蓮子
- 出演: 高峰秀子(ストリッパー、リリイ・カルメン/おきん)/佐野周二(田口春雄)/笠智衆(校長先生)/井川邦子(田口光子)/坂本武(おきんの父/青山正一)/見明凡太郎(丸十運送の社長/丸野十造)/佐田啓二(小川先生)/小林トシ子(マヤ・朱実)/三井弘次(岡信平)/望月美恵子(後の望月優子)(おきんの姉/青山ゆき)/山路義人(村の青年)/磯野秋雄(青山一郎)/小池清(青山直吉)/城澤勇夫(田口清)
- 木下高峰の初コンビ作で頭は弱いが気のいいストリッパーを高峰秀子新緑の浅間山麓をバックに好演。日本最初のカラー映画(失敗したときのことも考え、同時に白黒でも撮影していたのでロケに3ヶ月もかかった)であったこともあり大成功を収める。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)[全文へ]


『カルメン故郷に帰る』小林トシ子、高峰秀子


『カルメン故郷に帰る』高峰秀子、小林トシ子、望月優子


『カルメン故郷に帰る』
佐田啓二、小林トシ子、高峰秀子

『我が家は楽し』(白黒)(松竹大船)(3月21日封切)
- 監督: 中村登
- 製作: 小出孝
- 原案: 田中澄江
- 脚本: 柳井隆雄/田中澄江
- 撮影: 厚田雄春
- 美術: 熊谷正雄
- 音楽: 黛敏郎
- 出演: 笠智衆(植村孝作)/山田五十鈴(妻/なみ子)/高峰秀子(長女/朋子)/岸恵子(信子)/佐田啓二(内山三郎)/楠田薫(小泉千代)

『続佐々木小次郎』(白黒)(森田プロ・東宝)(3月31日封切)
- 監督: 稲垣浩
- 製作: 森田信義/宮城鎭治
- 原作: 村上元三
- 脚本: 稲垣浩/村上元三/松浦健郎
- 撮影: 安本淳
- 美術: 北猛夫
- 音楽: 深井史郎
- 出演: 大谷友右衞門(佐々木小次郎)/月形龍之介(南屋十兵衛)/山根寿子(兎弥)/浜田百合子(小里)/高峰秀子(琉球娘/奈美)/三船敏郎(武蔵)
- 村上元三の朝日新聞連載小説の映画化。

6月14日、カンヌ映画祭への出席の依頼の話から転じて、6ヶ月の留学のためフランスへ旅立つ。
 渡辺一夫(仏文学者)が学生時代に下宿していたアパートの一室を滞在中の住まいにする。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)

小津監督が原節子について語っている中で高峰秀子のことに次のように触れている。
「彼女とは一昨年の『晩春』以 来今度の作品で二度目のおつき合いですが、お世辞でなく本当に巧い女優さんですね。一時世間から美貌がわざわいして演技が大変まずいというひどい噂をたて られたこともあるが、僕はむしろ世間で巧いといわれている俳優こそまずくて彼女の方がはるかに巧いとすら思っている。小手先だけが眼にとまる巧さは本当の 巧さではない。その点彼女は自分で納得のいかない演技は絶対にやらない。僕が一つのセリフを注意すれば心理まで訂正するといった非常に勘のいい鋭さを持っ ている。おそらく日本の映画界で勘の鋭い女優といえば彼女と高峰秀子だけだろう。その意味で今度の僕の作品における彼女の演技は素晴らしい進歩を見せてい る。今後の彼女への期待は大きい」(「産業経済新聞」昭和26年8月30日)(田中眞澄編1993.9.20[1989.5.1]「小津安二郎戦後語録集成 昭和21(1946)年-昭和38(1963)年」フィルムアート社より 抜粋)

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1952

1月、アメリカを経て帰国。
家を志げが旅館に改装したため、小さな建て売り住宅を購入する。

『朝の波紋』-A Ripple in a Morning-(白黒)(新東宝・スタジオ8プロ)(5月1日封切)
- 監督: 五所平之助
- 製作: 平尾郁次
- 原作: 高見順
- 脚本: 館岡謙之助
- 撮影: 三浦光雄
- 美術: 進藤誠吾
- 音楽: 斎藤一郎
- 出演: 高峰秀子(貿易会社三光商事の社長秘書/瀧本篤子)/池部良(貿易会社富士商事の会社員/イノさんこと伊能田二平太)/岡田英次(梶五郎)/上原謙(田中ドクター)/香川京子(シスター)/三宅邦子(賀川加代)/高田稔(須賀山社長)

『東京のえくぼ』(白黒)(三ツ木プロ・新東宝)(7月15日封切)
- 監督: 松林宗恵
- 製作: 青柳信雄/高木次郎
- 脚本: 小国英雄
- 撮影: 小原譲治
- 美術: 進藤誠吾
- 音楽: 服部良一
- 出演: 高峰秀子(婦人警官/峯京子)/上原謙(紀の國屋文太郎)/丹阿弥谷津子(河上伸子)/柳家金語楼(河上大作)/清川虹子(河上八重)
- 松林宗恵の監督デビュー作。


『東京のえくぼ』高峰秀子、丹阿弥谷津子、上原謙

『稲妻』-The Lightning-(白黒)(大映東京)(10月9日封切)(ブルーリボン作品賞)(キネマ旬報ベストテン第2位)
- 監督: 成瀬巳喜男(ブルーリボン監督賞)
- 企画:根岸省三
- 原作: 林芙美子
- 脚本: 田中澄江 
- 撮影: 峰重義
- 美術: 仲美喜雄
- 音楽: 斎藤一郎
- 出演: 高峰秀子(はとバスの車掌/小森清子)/三浦光子(光子)/村田知英子(縫子)/丸山修(嘉助)/浦辺粂子(おせい)/植村謙二郎(龍三)/香川京子(つぼみ)/中北千枝子(田上りつ)/小澤榮太郎(綱吉)
- 母は同じだが父親がそれぞれ違う4人兄妹の末娘の役。高峰秀子の大映初出演作。成瀬が大映で初めて撮る。
戦前に発表された林芙美子の同名小説の映画化で、成瀬にとっては『めし』(1951)に続く林芙美子作品。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 参考)


『稲妻』高峰秀子

『カルメン純情す』(カラー)(松竹大船)(11月13日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督・脚本: 木下恵介
- 製作: 小倉武志
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 浜田辰雄
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 黛敏郎/木下忠司
- 録音: 大野久男
- 出演: 高峰秀子(浅草のストリッパー/カルメン)/若原雅夫(須藤)/淡島千景(千鳥)/小林トシ子(朱實)/斎藤達雄(須藤の父)/北原三枝
- 風変わりな人物たちが繰り広げる諷刺劇。
『カルメン故郷に帰る』続編。カメラを傾け回転させるなど、前衛的冒険手法も試みて、日本の喜劇映画に新風を吹き込む。
本作品より、松山善三、川頭義郎、大槻義一が助監督としてつき、小林正樹に代わってチーフとなった川頭は54年の『二十四の瞳』まで、大槻は60年の「笛吹川」までの全作品の助監督をつとめる。


『カルメン純情す』若原雅夫、高峰秀子


『カルメン純情す』高峰秀子、淡島千景ら

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1953

初めての著書「巴里ひとりある記」(フランス滞在のエッセイ)刊行。

『女といふ城 マリの巻(白黒)(新東宝)(1月15日封切)
- 監督: 阿部豊
- 製作: 篠勝三
- 原作: 小島政二郎
- 脚本: 館岡謙之助
- 撮影: 横山実
- 美術: 加藤雅俊
- 照明: 河野愛三
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 村山絢二
- 出演: 高峰秀子(築地マリ)/乙羽信子(戸川夕子)/上原謙(沖十蔵)/高島忠夫(マリの弟/京介)

『女といふ城 夕子の巻(白黒)(新東宝)(1月22日封切)
- 監督: 阿部豊
- 製作: 篠勝三
- 原作: 小島政二郎
- 脚本: 館岡謙之助
- 撮影: 横山実
- 美術: 加藤雅俊
- 照明: 河野愛三
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 村山絢二
- 出演: 高峰秀子(築地マリ)/乙羽信子(戸川夕子)/上原謙(沖十蔵)/高島忠夫(マリの弟/京介)

『煙突の見える場所』-Where the Chimneys Stand/Three Chimneys-(白黒)(新東宝・スタジオ8プロ)(3月5日封切)(キネマ旬報ベストテン第4位)
- 監督: 五所平之助
- 製作: 内山義重
- 原作: 椎名麟三
- 脚色: 小国英雄
- 撮影: 三浦光雄
- 美術: 下河原友雄
- 照明: 河野愛三
- 音楽: 芥川也寸志
- 録音: 道源勇二
- 出演: 上原謙(緒方隆吉)/田中絹代(弘子)/芥川比呂志(久保健三)/高峰秀子(街頭放送のアナウンサー/東仙子)/関千恵子(池田雪子)
- 上原謙と田中絹代の夫婦の家に下宿していて、上野で街頭放送のアナウンサーをしている役。


『煙突の見える場所』高峰秀子、芥川比呂志

『明日はどっちだ』(白黒)(新東宝・スタジオ8プロ)(7月28日封切)
- 監督: 長谷部慶治
- 演出: 五所平之助
- 製作: 内山義重
- 原作: 永井龍男
- 脚色: 長谷川公之
- 撮影: 鈴木博
- 美術: 伊藤寿一
- 照明: 河野愛三
- 音楽: 原六朗
- 録音: 道源勇二
- 出演: 高峰秀子(芸妓/光奴)/舟橋元(久保田潔)/三井弘次(弁さん)/柳永二郎(加藤)/香川京子(娘/由紀子)/島崎雪子(峰岸昭子)(シナ服の女)/宇野重吉(小山)/和田孝(山本)/潮万太郎(六さん)/小倉繁(西川)/池部良(佐庭)

『雁』-Wild Geese-(白黒)(大映東京)(9月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第8位)
- 監督: 豊田四郎
- 企画: 平尾郁次/黒岩健而
- 原作: 森鴎外(『雁』)
- 脚本: 成澤昌茂
- 撮影: 三浦光雄
- 美術監督: 伊藤憙朔(第8回毎日映画コンクール美術賞)
- 美術: 木村威夫
- 照明: 柴田恒吉
- 音楽: 團伊玖磨
- 録音: 橋本國雄
- 出演: 高峰秀子(末造の妾/お玉)/芥川比呂志(帝大生/岡田)/宇野重吉(岡田の友人/木村)/東野英治郎(高利貸/末造)/飯田蝶子( おさん)/田中榮三(お玉の父/善吉)/浦辺粂子(末造の妻/お常)/小田切みき(女中/お梅)/三宅邦子(お貞)
- 高峰秀子がもっとも好きな作品のひとつといっていたように、女心の悲しさ、美しさを高峰秀子が見事に演じた秀作である
彼女が演じる妾、お玉の寂しさが伝わってきて胸が締め付けられる。


『雁』田中榮三、高峰秀子


『雁』芥川比呂志、
高峰秀子


『雁』高峰秀子、芥川比呂志

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1954

『第二の接吻』(白黒)(滝村プロ)(1月9日封切)
- 監督: 清水宏
- 製作: 滝村和男
- 原作: 菊池寛
- 脚色: 成澤昌茂
- 撮影: 三村明
- 美術: 藤田博
- 音楽: 服部良一
- 録音: 田中正二
- 出演: 高峰秀子(山内倭文子)/三浦光子(川辺京子)/青山杉作(川辺宗太郎)/東山千栄子(ひさ子)/池部良(村川貞夫)

『女の園』(白黒)(松竹大船)(3月16日封切)(キネマ旬報ベストテン第2位)
- 監督脚色: 木下恵介(第9回毎日映画コンクール監督・脚本賞)
- 製作: 山本武
- 原作: 阿部知二
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 中村公彦
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司(第9回毎日映画コンクール音楽賞)
- 録音: 大野久雄(第9回毎日映画コンクール録音賞)
- 出演: 高峰三枝子(五條真弓)/高峰秀子(京都郊外の正倫女子大学新入生/出石芳江)(第9回毎日映画コンクール女優主演賞)/岸恵子(滝岡富子)/久我美子(林野明子)(第9回毎日映画コンクール女優助演賞)/田村高廣(芳江の東京の恋人/下田)/田浦正巳(相良義一)/三木隆(出石正雄)/井川邦子(正雄の妻)/望月優子(下宿の小母さん)/東山千栄子(校母/大友梅野)/毛利菊枝(学長)/金子信雄(平戸喜平)/山本和子(服部文江)/岡田和子(参吉の母)/末永功(新聞記者)/青山万里子(教授)/原泉子(教授)/俳優座研究所(女子学生)
- 厳しい管理教育の京都の名門女子大学と対立して人権と学問の自由を求めて立ち上がった女子学生たちの青春の輝きと挫折をいきいきと描く。当時東京の女子大で起こった紛擾にヒントを得て書いた阿部知二の原作に脚色した木下恵介監督のこの作品は、後の学園紛争を予見したといわれた
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『女の園』高峰秀子、久我美子、岸恵子


『女の園』高峰秀子、高峰三枝子

『二十四の瞳』(白黒)(松竹大船)(9月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第1位)(第9回毎日映画コンクール日本映画大賞)(ハリウッド外人記者協会による世界映画祭で最高点獲得)
- 監督・脚色: 木下恵介(第9回毎日映画コンクール監督・脚本賞)
- 製作: 桑田良太郎
- 原作: 壷井栄
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 中村公彦
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久雄(第9回毎日映画コンクール録音賞)
- 挿入曲; ♪仰げば尊し♪アーニー・ローリー♪村の鍛冶屋♪故郷♪七つの子♪荒城の月♪浜辺の歌♪おぼろ月夜♪里の秋♪せいくらべ♪冬の星座♪埴生の宿♪庭の千草♪蛍の光
- 出演: 高峰秀子(大石先生/小学校のおなご先生“小石先生”“泣きみそ先生”/大石久子)(ブルーリボン主演女優賞)(第9回毎日映画コンクール女優主演賞)(映画世界社女優演技賞)(日本映画功労女優賞)(産経国民映画女優賞)/笠智衆(男先生)/浦辺粂子(男先生の妻)/明石潮(校長)/高橋トヨ子(小林先生)/大塚君代(田村先生)/鬼笑介(教員)/高木信夫(教員)/上村勉(教員)/寺田佳代子(看護婦)/小林十九二(松江の父)/草香田鶴子(松江の母)/清川虹子(よろずや)/高原駿雄(ちりりんや/加部小ツルの父)/浪花千栄子(飯屋のかみさん)/本橋和子(マスノの母)/天本英世(大石先生の夫)/八代豊、八代敏行(大石先生の子/大吉)/浮田久之、木下尚爾(大石先生の次男/並木)/郷古慶子(大石先生の長女/八津)/夏川静江(大石先生の母)/郷古秀樹、郷古仁史、田村高廣(“ソンキ”/岡田磯吉)/渡辺五雄、渡辺四朗、三浦礼(竹下竹一)/宮川真、宮川純一、戸井田康国(“キッチン”/徳田吉次)/寺下雄朗、寺下雄章、大槻義一(“タンコ”/森岡正)/佐藤国男、佐藤武志、清水竜雄(“ニクタ”/相沢仁太)/石井裕子、石井シサ子、月丘夢路(“マちゃん”/香川マスノ)/小池泰代、小池章子、篠原都代子(“ミーさん”/西口ミサ子)/草野節子、草野貞子、井川邦子(“マッちゃん”/川本松江)/加瀬かをる、加瀬香代子、小林トシ子(山石早苗)/田辺由実子、田辺南穂子、南眞由美(加部小ツル)/神原いく子、尾津豊子(“フジちゃん”/木下富士子)/上原博子、上原雅子、永井美子(片桐コトエ)
- 瀬戸内海小豆島の分校に赴任してきた新任のおなご先生と担任した十二人の小学一年生の生徒との交流を通して、貧しい暮しや戦争の悲惨さを描いてゆく。
叙情派、木下恵介監督の最高傑作である。[全文へ]
※87年、朝間義隆監督で再
映像化された。


『二十四の瞳』高峰秀子ら


『二十四の瞳』高峰秀子


『二十四の瞳』高峰秀子ら


『二十四の瞳』高峰秀子ら


『二十四の瞳』高峰秀子ら

『この広い空のどこかに』-Somewhere Beneath The Sky-(白黒)(松竹大船)(11月23日封切)
- 監督: 小林正樹
- 製作: 久保光三
- 脚本: 楠田芳子(木下恵介の妹、楠田浩之夫人)
- 潤色: 松山善三
- 撮影: 森田俊保
- 美術: 平高主計
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司(第9回毎日映画コンクール音楽賞)
- 録音: 大野久雄(第9回毎日映画コンクール録音賞)
- 出演: 佐田啓二(主人/良一)/高峰秀子(妹/泰子)(第9回毎日映画コンクール女優主演賞)/久我美子(妻/ひろ子)(第9回毎日映画コンクール女優助演賞)/石浜朗(弟/登)/浦辺粂子(母/しげ)

『女の園』『二十四の瞳』『この広い空のどこかに』などの演技力が高く評価され各賞を受賞する。
木下監督の『女の園』(キネマ旬報ベストテン第2位)『二十四の瞳』(キネマ旬報ベストテン第1位)がキネマ旬報の1位と2位を占めた。
これは38年の田坂具隆いらいのことであった。

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1955

『浮雲』-Floating Clouds-(白黒)(東宝)(1月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第1位)(第10回毎日映画コンクール日本映画大賞)
- 監督: 成瀬巳喜男(キネマ旬報監督賞)
- 製作: 藤本真澄
- 原作: 林芙美子(『浮雲』)
- 脚本: 水木洋子
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 下永尚
- 編集: 大井英史
- 監督助手: 岡本喜八
- 出演: 高峰秀子(タイピスト後にパンパン/幸田ゆき子)(キネマ旬報主演女優賞)(第10回毎日映画コンクール女優主演賞)(第3回アジア映画祭女優賞)/森雅之(農林省の技師/富岡兼吾)(キネマ旬報主演男優賞)/中北千枝子(富岡の妻/邦子)/岡田茉莉子(向井清吉の女房/おせい)/山形勲(伊庭杉夫)/加東大介(向井清吉)
成瀬巳喜男監督「人間を男と女の問題としてとりあげていって、その絶頂みたいなものをつきつめてみた」とあった。(1996.6.30新聞記事『「ラブシーン」のときめき』山田宏一著 参考)
正に、男と女の複雑な心理を描いた最高傑作だ。
主役ゆき子に高峰秀子、富田に森雅之。このキャスティングがいい。

昭和18年にゆき子は、農林省のタイピストとして仏印へ渡った。そこで、農林省の技師の富田と出会う。
二人は関係を持つようになるが終戦になる。妻と別れるといって富田は先に引き揚げる。
後から引き揚げたゆき子が、富田の元を訪ねるが…[全文へ]


『浮雲』高峰秀子、森雅之


『浮雲』高峰秀子、森雅之


『浮雲』森雅之、高峰秀子


『浮雲』岡田茉莉子、加東大介、高峰秀子、森雅之


『浮雲』高峰秀子、森雅之


『浮雲』高峰秀子、森雅之


『浮雲』高峰秀子、森雅之

いい。名作ここにありだ。
森雅之の演じた優柔不断の男・富田が実にいい。男の色気があって惹きつける。
それに、ゆき子役の高峰秀子のけだるそうな表情・やるせない表情・惨めな面持ちが、切なく迫ってくる。
二人の名演と、成瀬巳喜男監督の男と女の内面をえぐる演出が旨く絡み合っている。
特に、成瀬監督の女心をえぐる演出は、素晴らしく、引き込まれて行く。
伊香保温泉のおせい(岡田茉莉子)の、ぞくっとさせる色気や、加東大介の味のある演技も見ものだ。
 
ゆき子と富岡と共に伊香保温泉や屋久島を脳裏に焼付けた『浮雲』は、林芙美子原作、水木洋子脚色、成瀬巳喜男監督として映画史上に残る名作となった。

この作品を観終えた時、私は、フェリーニ『道』のラストシーンを思い浮かべた。砂浜でザンパノが星空を見上げ、大切な人を失ったことに気付かされて、砂を握り締め泣き出す。それと、富田が動かぬゆき子にすがりついて泣く姿が重なり合った。

成瀬巳喜男監督と高峰秀子コンビの代表作となる。
この作品を見た小津安二郎監督から「デコにとっても成瀬にとっても最高の仕事」と手紙が届いたという。

3月26日、木下恵介組の助監督だった松山善三と結婚。本名(松山秀子)に。
6月、著書「まいまいつぶろ」刊行。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『渡り鳥いつ帰る』-Street of Wandering Pigeons-(白黒)(東京映画)(6月21日封切)
- 監督: 久松静児
- 製作: 滝村和男/三輪礼二
- 原作: 永井荷風
- 構成: 久保田万太郎
- 脚本: 八住利雄
- 撮影: 高橋通夫/玉井正夫
- 美術: 伊藤熹朔/小島基司
- 照明: 今泉千仭
- 音楽: 団伊玖磨
- 録音: 西尾昇
- 出演: 森繁久彌(娼家藤村の主人/吉田伝吉)/久慈あさみ(民江)/桂木洋子(種子)/淡路恵子(栄子)/水戸光子(千代子)/田中絹代(おしげ)/高峰秀子(藤村のアプレ娘/街子)

『遠い雲』-Tattered Wings-(白黒)(松竹大船)(8月31日封切)
- 監督: 木下恵介
- 製作: 久保光三
- 脚本: 松山善三/木下恵介
- 撮影: 楠田浩之(毎日映画コンクール撮影賞)
- 美術: 平高主計
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久男
- 出演: 高峰秀子(寺田冬子)/佐田啓二(寺田俊介)/高橋貞二(石津幸二郎)/田村高廣(石津圭三)/柳永二郎(寺田惣之助)/中川弘子(石津貴恵子)/小林トシ子(野島時子)/桂木洋子(芸者千成)
-
高山の美しい自然と町並みを背景に、かつて恋人同士だった男女の邂逅を哀切に描く。
木下門下生の松山善三が脚本、大槻義一が川頭義郎に代わってチーフ助監督に昇格する。


『遠い雲』柳永二郎、高峰秀子、佐田啓二ら


『遠い雲』
田村高廣、高峰秀子

『くちづけ 第3話・女同士-The First Kiss-(『くちづけ』『霧の中の少女』『女同士』の3話からなる恋愛がテーマのオムニバス映画)(白黒)(東宝)(9月21日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/成瀬巳喜男
- 原作: 石坂洋次郎
- 脚色: 松山善三
- 撮影: 山崎一雄
- 美術: 中古智
- 照明: 大沼正喜
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 下永尚
- 出演: 上原謙(金田育三)/高峰秀子(金田朋子)/中村メイ子(竹谷キヨ子)/小林桂樹(竹谷清吉)


『くちづけ 第3話・女同士』高峰秀子、上原謙、中村メイ子

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1956

『二十四の瞳』の舞台となった小豆島に記念碑が作られ除幕式に参列する。

新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』-Yoshinaka-(カラー)(大映東京)(1月15日封切)
- 監督: 衣笠貞之助
- 製作: 永田雅一
- 原作: 吉川英治
- 脚色: 衣笠貞之助/成澤昌茂/辻久一
- 撮影: 杉山公平
- 美術: 柴田篤二
- 照明: 岡本健一
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 海原幸夫
- 出演: 長谷川一夫(木曾次郎義仲)/高峰秀子(関白基房の息女/冬姫)/京マチ子(巴)/山本富士子(山吹)/大河内傳次郎(太夫坊覚明)


『新・平家物語 義仲をめぐる三人の女』高峰秀子、長谷川一夫

『子供の眼』-Through A Child's Eye-(白黒)(松竹大船)(1月15日封切)
- 監督: 川頭義郎
- 製作: 小倉武志
- 原作: 佐多稲子
- 脚色: 松山善三
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 平高主計
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 新楠元
- 出演: 高峰秀子(喜世子)/高峰三枝子(幸子)/芥川比呂志(俊二)/設楽幸嗣(修)/丹阿弥谷津子(潤子)


『子供の眼』高峰秀子、高峰三枝子

『妻の心』(白黒)(東宝)(5月3日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/金子正且
- 脚本: 井手俊郎
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 編集: 大井英史
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 藤好昌生
- 出演: 高峰秀子(信二の妻/喜代子)/三好栄子(富田こう)/千秋実(長男/善一)/中北千枝子(善一の妻/かほる)/松山奈津子(善一の娘/瑠美子)/小林桂樹(次男/信二)/沢村貞子(はるなの主人の妻/波子)(第11回毎日映画コンクール女優助演賞)/三船敏郎(弓子の兄/健吉)/杉葉子(竹村弓子)/加東大介(はるなの主人)


『妻の心』三船敏郎、高峰秀子

『流れる』(白黒)(東宝)(11月20日封切)(キネマ旬報ベストテン第8位)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄
- 原作: 幸田文
- 脚色: 田中澄江/井手俊郎
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 中古智(第11回毎日映画コンクール美術賞)
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 三上長七郎
- 出演: 田中絹代(女中/梨花)/山田五十鈴(花柳界の女将/つた奴)(第11回毎日映画コンクール女優演技賞)/高峰秀子(つた奴の娘/勝代)/杉村春子(芸妓/染香)/岡田茉莉子(芸妓/なゝ子)/中北千枝子(つた奴の妹/米子)/栗島すみ子(水野の女将/お浜)/松山なつ子(米子の娘/不二子)
- 芸者置屋を舞台にした花街の女性たちが時代の流れに、流される哀歓を描いている。秀作だ。
栗島すみ子をはじめとする豪華な女優たちの競演も見ものだ。[『流れる』へ]


『流れる』栗島すみ子、高峰秀子、山田五十鈴、田中絹代


『流れる』高峰秀子


『流れる』高峰秀子、山田五十鈴


『流れる』高峰秀子、山田五十鈴、田中絹代

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1957

雑誌「婦人公論」1月号〜12月号まで「私のインタヴュー」連載。

雲の墓標より 空ゆかば』(白黒)(松竹大船)(1月9日封切)
- 監督: 堀内真直
- 原作: 阿川弘之(『雲の墓標』の映画化)
- 脚色: 堀内真直/高橋治
- 撮影: 小原治夫
- 美術: 荻原重夫
- 照明: 高下享三
- 音楽: 池田正義
- 録音: 堀義臣
- 出演: 田村高廣/高峰秀子(さち)/田村高廣(吉野次郎)/田浦正巳(藤倉晶)/渡辺文雄(坂井哲夫)/大木実(野本大尉)


『空ゆかば』高峰秀子、渡辺文雄

 
『あらくれ』(白黒)(東宝)(5月28日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 田中友幸
- 原作: 徳田秋声
- 脚色: 水木洋子
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 河東安英
- 照明: 岸田九一郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 三上長七郎
- 出演: 高峰秀子(庄屋の娘/お島)(第12回毎日映画コンクール女優演技賞)(NHK映画ベストテン主演女優賞)/上原謙(鶴さん)/森雅之(浜屋)/加東大介(小野田)/仲代達矢(木村)/東野英治郎(お島の父)/岸輝子(お島の母)/宮口精二(お島の兄/壮太郎)


『あらくれ』高峰秀子、上原謙

『喜びも悲しみも幾歳月』(カラー)(松竹大船)(10月1日封切)(キネマ旬報ベストテン第3位)(芸術祭賞)
- 監督・原作・脚色: 木下恵介
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 伊藤熹朔/梅田千代夫
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久男
- 編集: 杉原よし
- 主題歌:
喜びも悲しみも幾歳月
- 出演: 佐田啓二(有沢四郎)/高峰秀子(有沢きよ子)(第12回毎日映画コンクール女優演技賞)(NHK映画ベストテン主演女優賞)(国民映画賞主演女優賞)(東京映愛連ミリオン・パール女優賞)/有沢正子(有沢雪野)/中村嘉葎雄(有沢光太郎)/桂木洋子(藤井たつ子)
- 上海事変、日米開戦、本土空襲、終戦にいたる日本の戦中史を灯台守夫婦の25年の歳月に託して綴った年代記。[全文へ]


『喜びも悲しみも幾歳月』佐田啓二、高峰秀子


『喜びも悲しみも幾歳月』佐田啓二、高峰秀子ら

『風前の灯』-Dangers Stalks Near-(白黒)(松竹大船)(12月1日封切)
- 監督・脚本: 木下恵介
- 製作: 桑田良太郎
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 梅田千代夫
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久男
- 編集: 杉原よし
- 出演: 高峰秀子(佐藤百合子)/佐田啓二(佐藤金重)/小林トシ子(さくら)/田村秋子(佐藤てつ)/五月女殊久(佐藤和夫)
- 文芸作品。欲ボケの人物が出入りする一軒家の一日をユーモラスに描く。
『喜びも悲しみも幾歳月』で善良な夫婦を演じた高峰・佐田が、このコメディ作品では一転して欲望むきだしの不良夫婦を演じる。役者のイメージがヒット作の役柄で固定されないようにという木下の配慮。

『風前の灯』高峰秀子、佐田啓二ら

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1958

1月、ニューヨークの日本映画見本市出席のために渡米。
 『喜びも悲しみも幾歳月』がオープニングに上映される。

『張込み』(白黒)(松竹大船)(サスペンス)(1月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第8位)
- 監督: 野村芳太郎(野村芳亭の息子)
- 原作: 松本清張
- 脚色: 橋本忍(第13回毎日映画コンクール脚本賞)
- 撮影: 井上晴二
- 美術: 逆井清一郎
- 照明: 鈴木茂男
- 音楽: 黛敏郎
- 録音: 栗田周十郎
- 編集: 浜村義康
- 出演: 高峰秀子(横川の後妻/横川さだ子)/大木実(捜査第一課刑事/柚木隆男)/宮口精二(捜査第一課刑事/下岡雄次)/田村高廣(さだ子の昔の恋人/石井)/菅井きん(下岡の妻/下岡満子)/竹本善彦(下岡の長男/下岡辰男)/高千穂ひづる(柚木の恋人/高倉弓子)/藤原釜足(父)/文野朋子(母)/松本克平(銀行員/横川仙太郎)/浦辺粂子(肥前屋の女主人/繁子)
- 質屋殺しの共犯者石井(田村高廣)が昔の恋人に会いに来るという情報を得た、捜査一課の刑事(大木実、宮口精二)が張込む。
後妻のさだ子(高峰秀子)の生活を覗いている刑事と同じ目線のカメラ撮りに緊張感が漂ってくる。
石井は、果たして現れるのであろうか…
もの静かなさだ子が放つ色香にゾクゾクさせられる。[『張込み』へ]


『張込み』大木実、高峰秀子


『張込み』大木実、高峰秀子

『無法松の一生』(カラー)(東宝)(4月22日封切)(ヴェニス国際映画祭グランプリ)(キネマ旬報ベストテン第7位)
- 監督: 稲垣浩
- 製作: 田中友幸
- 原作: 岩下俊作
- 脚色: 伊丹万作/稲垣浩
- 撮影: 山田一夫
- 美術: 植田寛
- 照明: 猪原一郎
- 音楽: 団伊玖磨
- 録音: 西川善男
- 出演: 三船敏郎(富島松五郎)/芥川比呂志(大尉/吉岡小太郎)/高峰秀子(吉岡の妻/良子)/笠原健司(吉岡敏雄)/松本薫(吉岡少年時代)/笠智衆(結城重蔵)
- 稲垣浩『無法松の一生』(1943)のリメイク。


『無法松の一生』三船敏郎、高峰秀子ら

8月、ヴェニス国際映画祭出席のために渡米。
『無法松の一生』がグランプリ受賞。
ハリウッド外人記者協会の世界映画祭で「世界で一番人気のスター」に選出される。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

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1959

3月、伊、仏、スペイン、西独各国の視察旅行より帰国。

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1960

『女が階段を上る時』(白黒)(東宝)(1月15日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作・脚本: 菊島隆三
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 中古智
- 録音: 藤好昌生/下永尚
- 照明: 石井長四郎/猪原一郎
- 音楽: 黛敏郎
- 録音: 藤好昌生
- 衣装: 高峰秀子
- 出演: 高峰秀子(銀座のバーの雇われマダム/矢代圭子)/森雅之(銀行支店長/藤崎信彦)/団令子(女給/純子)/仲代達矢(マネージャー/小松謙一)/加東大介(工場主/関根松吉)/中村鴈治郎(実業主/郷田勇蔵)/小沢栄太郎(利権屋/美濃部)/淡路恵子(マダム/ユリ)/山茶花究(マスター)/織田政雄(圭子の兄)/多々良純(闇屋)/細川ちか子(女将)/中北千枝子(女給/友子)/賀原夏子(圭子の母)/沢村貞子(ユリの母)/千石規子(占い師)/菅井きん(下着屋)
- 銀座のバーの雇われマダムの厳しくも哀しい愛を描いた、成瀬巳喜男監督と高峰秀子のコンビによる大ヒット作だ。
森雅之、加東大介ら名優と繰り広げられる、高峰秀子の名演と色気、美しさをご堪能できる。
高峰秀子は衣装も担当し美しさを際立たせて圭子をより魅力的な「女」にした。[全文へ]


『女が階段を上る時』高峰秀子


『女が階段を上る時』高峰秀子

『娘・妻・母』(カラー)(東宝)(5月21日封切)(キネマ旬報興行第5位)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄
- 脚本: 井手俊郎/松山善三
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 藤好昌生
- 出演: 原節子(長女/曽我早苗)/高峰秀子(長男の妻/坂西和子)/森雅之(長男/坂西勇一郎)/三益愛子(母/坂西あき)/団令子(末娘/坂西春子)/草笛光子(二女/谷薫)


『娘・妻・母』三益愛子、団令子、草笛光子、原節子、高峰秀子

『笛吹川』(カラー)(松竹大船)(10月19日封切)(キネマ旬報ベストテン第4位)
- 監督・脚色: 木下恵介
- 製作: 細谷辰雄
- 制作補: 脇田茂
- 原作: 深沢七郎
- 撮影: 楠田浩之 
- 美術: 伊藤熹朔/江崎孝坪
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久男
- 編集: 杉原よし
- 出演: 加藤嘉(おじい)/高峰秀子(おけい)/田村高廣(成人/定平)/斎木新太郎(9歳/定平)/田村登志麿(16歳/定平)/織田政雄(半平)/大源寺竜介(半蔵)/山岡久乃(ミツ)/岩下志麻/市川染五郎/川津祐介/中村勘三郎
- 戦国時代の甲斐、笛吹川のたもとの貧惑整豌箸砲和紂紘霤腸箸鵬元舛魎兇犬觴圓蛤┐澆鯤く者があった。母親は忠義など無用と次々と参戦して行く息子らに説くが、耳を傾けず皆死んでしまう。
モノクロフィルムに部分的に色を焼きつける手法。『楢山節考』同様、つい最近まで著作権の関係でテレビ放映・DVD化がなされなかった作品。


『笛吹川』田村高廣、高峰秀子

 
『笛吹川』高峰秀子、田村高廣

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1961

『名もなく貧しく美しく』(白黒)(東京映画)(1月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督・脚本: 松山善三(第12回ブルーリボン脚本賞)
- 製作: 藤本真澄/角田健一郎
- 撮影: 玉井正夫
- 美術: 中古智/狩野健
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 林光
- 録音: 長岡憲治
- 出演: /高峰秀子(聾唖者/片山秋子)(第16回毎日映画コンクール女優主演賞)(第5回サンフランシスコ映画祭主演女優賞)/小林桂樹(聾唖者/片山道夫)/島津雅彦(一年生/片山一郎)/王田秀夫(五年生/片山一郎)/原泉(秋子の母/たま)
- 夫、松山善三の監督デビュー作で聾者を演じる。


『名もなく貧しく美しく』高峰秀子、小林桂樹

  
『人間の條件 完結篇-A Soldier's Prayer-(白黒)(文芸プロダクションにんじんくらぶ)(1月28日封切)(キネマ旬報ベストテン第4位)
- 監督: 小林正樹
- 製作: 若槻繁/小林正樹
- 原作: 五味川純平
- 脚色: 松山善三/小林正樹/稲垣公一 
- 撮影: 宮島義勇 
- 美術: 平高主計 
- 照明: 青松明 
- 音楽: 木下忠司 
- 録音: 西崎英雄
- 出演: 仲代達矢(梶)(第16回毎日映画コンクール男優主演賞)/新珠三千代(美千子)/高峰秀子(避難民)/内藤武敏(丹下一等兵)/諸角啓二郎(弘中伍長)/川津祐介(寺田二等兵)

『妻として女として』-The Other Woman-(カラー)(東宝)(5月30日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄 /菅英久
- 脚本: 井手俊郎/松山善三
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 藤好昌生
- 出演: 森雅之(大学講師/河野圭次郎)/高峰秀子(圭次郎の女/バー・カトリーヌのマダム/西垣三保)/淡島千景(圭次郎の妻/河野綾子)/星由里子(圭次郎と三保の娘/河野弘子)/大沢健三郎(圭次郎と三保の息子/河野進)


『妻として女として』
淡島千景、森雅之、高峰秀子

6月、松山善三とアメリカ旅行。

『永遠の人』-The Bitter Spirit-(白黒)(松竹大船)(9月16日封切)(昭和36年度芸術祭参加作品)(キネマ旬報ベストテン第3位)
- 監督・脚本: 木下恵介
- 製作: 月森仙之助/木下恵介
- 撮影: 楠田浩之
- 音楽: 木下忠司
- 製作補: 小梶正浩
- 美術: 梅田千代夫

- 録音: 大野久男

- 照明: 豊島良三
- 編集: 杉原よ志
- 主題歌:
永遠の人(フラメンコギター: ホセ勝田/ 唄: 宇井あきら)
- 出演: 高峰秀子(小作人の娘/さだ子)(第16回毎日映画コンクール女優主演賞)/佐田啓二(川南隆)/仲代達矢(小清水平兵衛)(第16回毎日映画コンクール男優主演賞)/加藤嘉(さだ子の父/草二郎)/野々村潔(隆の兄/力造)/田村正和(さだ子の長男/栄一)/石濱朗(川南隆の息子/豊)/乙羽信子(隆の嫁/友子)/永田靖(平兵衛の父/平右衛門)/藤由紀子(さだ子の長女/直子)/東野英治郎(巡査)/戸塚雅哉(守人)
- 男を憎み続けて生きる女の性の怖さを鮓靴靴描く。
阿蘇の噴火が小作人の家に育ったさだ子(
高峰秀子)の怒りのような演出だ。[全文へ]


『永遠の人』高峰秀子、佐田啓二


『永遠の人』高峰秀子、
仲代達矢

12月、『山河あり』(松山善三監督)のロケのためハワイへ出発。

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1962

『女の座』(白黒)(東宝)(1月14日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/菅英久
- 脚本: 井手俊郎/松山善三
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 下永尚
- 出演: 高峰秀子(石川芳子)/笠智衆(石川金次郎)/杉村春子(石川あき)/大沢健三郎(石川健)/草笛光子(石川梅子)/司葉子(石川夏子)/星由里子(石川雪子)/加東大介(田村良吉)/三益愛子(田村松代)/北あけみ(田村靖子)/小林桂樹(石川次郎)/丹阿弥谷津子(石川蘭子)/坂部尚子(石川チエ子)/坂部紀子(石川タエ子)/三橋達也(橋本正明)/淡路恵子(橋本路子)/夏木陽介(青山豊)/宝田明(六角谷甲)/団令子(金森静子)/小西ルミ(鈴木美枝)/潮田満(佐々木竜雄)/関田裕(小宮)/一の宮あつ子(小宮の母)/音羽久米子(小宮の妻)

4月、文部省芸術選奨受賞

『山河あり』-Mother Country-(白黒)(松竹大船)(4月29日封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 製作: 月森仙之助
- 脚本: 久板栄二郎/松山善三
- 撮影: 楠田浩之
- 美術: 戸田重昌
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 松本隆司
- 編集: 杉原よ志
- 出演: 高峰秀子(井上きしの)/田村高廣(井上義雄)/早川保(長男/春男)/ミッキー・カーチス(次男/明)/小林桂樹(郷田久平)

『二人で歩いた幾春秋』-Ballad of a Workman-(白黒)(松竹大船)(8月12日封切)
- 監督・脚色: 木下恵介
- 製作: 白井昌夫/木下恵介
- 原作: 河野道工(歌集『道路工夫の歌』)
- 撮影: 楠田浩之 
- 美術: 浦山芳郎
- 照明: 豊島良三
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 大野久男
- 編集: 杉原よ志
- 出演: 佐田啓二(野中義男)/高峰秀子(妻/野中とら江)/山本豊三(野中利幸)/小川虎之助(義男の父)/岸輝子(義男の母)/久我美子(千代)/倍賞千恵子(石川美代子)/野々村潔(望月)/菅井きん(望月の妻)/坂本武(床屋のおやじ)/高木信夫(浮田)/左右田一平(所員)/新島勉(所員)/土紀洋児(所長)/浜田寅彦(寺下)/三崎千恵子(飲み屋のおかみ)/水島光代(新入生の母)/青山万里子(町の人)/田中勝二(身延線の車掌)/大橋八千代(由比の宿の女中)
- 道路工夫をめぐる、木下得意の年代記。


『二人で歩いた幾春秋』佐田啓二、高峰秀子


『二人で歩いた幾春秋』高峰秀子、佐田啓二

『放浪記』(白黒)(宝塚映画)(9月29日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/成瀬巳喜男/寺本忠弘
- 原作: 林芙美子
- 脚色: 井手俊郎/田中澄江
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 古関裕而/川西正純
- 録音: 中川浩一
- 編集: 大井英史
- 出演: 高峰秀子(作家/林ふみ子)/田中絹代(母/きし)/宝田明(福地貢)/加東大介(定岡信雄)/小林桂樹(藤山武士)/仲谷昇(伊達春彦)/草笛光子(日夏京子)/伊藤雄之助(白坂五郎)


『放浪記』高峰秀子


『放浪記』高峰秀子、草笛光子、伊藤雄之助ら

『ぶらりぶらぶら物語り』-My Hobo-(東京映画)(11月23日封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 製作: 藤本真澄/椎野英之
- 撮影: 村井博
- 美術: 村木忍
- 照明: 比留川大助
- 音楽: 林光
- 録音: 原島俊男
- 出演: 小林桂樹(猪戸純平)/高峰秀子(詐欺師/桑田駒子)/金子吉延(小宮山武男)/坂部尚子(小宮山マリ子)/三木のり平(伊賀の次郎吉)

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1963

中国旅行。

『女の歴史』-Woman's Life-(白黒)(東宝)(11月16封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/金子正且
- 脚本: 笠原良三
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 藤好昌生
- 編集: 大井英史
- 出演: 高峰秀子(美容師/清水信子)/宝田明(夫/清水幸一)/山崎努(息子/清水功平)/賀原夏子(幸一の母/清水君子)/仲代達矢(秋本隆)/星由里子(富永みどり)


『女の歴史』宝田明、仲代達矢、高峰秀子

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1964

『乱れる』(白黒)(東宝)(1月15日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄/成瀬巳喜男
- 脚本: 松山善三(第11回アジア映画祭脚本賞)
- 撮影: 安本淳
- 美術: 中古智
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 斎藤一郎
- 録音: 藤好昌生
- 編集: 大井英史
- 出演: 高峰秀子(未亡人/礼子)(第17回ロカルノ映画祭最優秀主演女優賞)/三益愛子(礼子の義母/しず)/加山雄三(礼子の義弟/幸司)/草笛光子(礼子の義妹)/白川由美(礼子の義妹)
- 森田屋酒店へ嫁いで来て間も無く夫に先立たれ、店を切り盛りしている礼子(高峰秀子)。その礼子に恋心を打ち明ける幸司(加山雄三)
礼子は義母しず(三益愛子)の心情などを思い好きな人がいるといって家を出る。
実家に向かう夜汽車に乗った礼子が後を追って乗り込んでいる幸司を目にする。
驚き、動揺する。[全文へ]


『乱れる』高峰秀子、加山雄三


『乱れる』高峰秀子

『われ一粒の麦なれど』-Could I But Live-(白黒)(東京映画)(8月18日封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 製作: 佐藤一郎/椎野英之
- 撮影: 村井博
- 美術: 狩野博
- 照明: 今泉千仭
- 音楽: 佐藤勝
- 録音: 原島俊男
- 編集: 広瀬千鶴
- 出演: 小林桂樹(坂田昌義)/菅井きん(妻/節子)/高峰秀子(女医/根本倫子)(第19回芸術祭賞奨励賞)/原地東(坂田マサ子)/池沢均(坂田トオル)/岡村文子(母/のぶ)

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1965

『六條ゆきやま紬』(白黒)(東京映画)(10月9日封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 製作: 佐藤一郎/椎野英之
- 撮影: 岡崎宏三
- 美術: 小島基司
- 照明: 榊原庸介
- 音楽: 佐藤勝
- 録音: 原島俊男
- 編集: 広瀬千鶴
- 出演: 神山繁(六條久右衛門匡)/高峰秀子(温泉芸者/六條いね)/中島孝幸(六條弘)/毛利菊枝(六條美乃)/石山健二郎(大中彦太郎)/フランキー堺


『六條ゆきやま紬』フランキー堺、
高峰秀子

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1966

『ひき逃げ』(白黒)(東宝)(4月16日封切)
- 監督: 成瀬巳喜男
- 製作: 藤本真澄
- 脚本: 松山善三
- 撮影: 西垣六郎
- 美術: 中古智
- 照明: 平野清久
- 音楽: 佐藤勝
- 録音: 斎藤昭
- 編集: 大井英史
- 出演: 高峰秀子(伴内の妻/子)/司葉子(柿沼の妻/絹子)/小沢栄太郎(山野モーターズ重役/柿沼久七郎)/加東大介(川島友敬)/賀原夏子(女中/ふみ江)/中山仁(絹子の不倫相手)/平田郁人(柿沼の長男/健一)/小川安三(伴内隆一)
- 未亡人の国子(高峰秀子)は息子を生きがいに中華料理店で働いていたが、その息子がひき逃げされ死ぬ。
山野モーターズの運転手が自首するが、目撃者から国子が聞いたのは女だった。
柿沼家へ家政婦として入り込み、ひき逃げしたのが絹子(司葉子)だと嗅ぎ付け、絹子にも国子と同じ悲しみを味あわせようと計画するが、絹子の息子に懐かれ実行できないでいる。
今日こそはと、部屋へ忍び込むと…[全文へ]


『ひき逃げ』高峰秀子、司葉子

※成瀬巳喜男監督との最後のコンビとなる作品。(成瀬作品出演は17本)

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1967

3月、新派公演『桜山おせん』(作- 演出: 川口松太郎)(新橋演舞場)で川口の薦めによる衣装考証を担当する。

『続・名もなく貧しく美しく 父と子-Our Silent Love-(白黒)(東京映画)(5月20日封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 製作: 藤本真澄/椎野英之
- 撮影: 岡崎宏三
- 美術: 小野友滋
- 照明: 榊原庸介
- 音楽: 船村徹
- 録音: 原島俊男
- 編集:諏訪三千男
- 出演: 小林桂樹(聾唖者/片山道夫)/北大路欣也(息子/片山一郎)/内藤洋子(堺美世)/田村亮(南条則雄)/高峰秀子(妻/秋子)

『華岡青洲の妻』-The Wife of Seishu Hanaoka-(白黒)(大映京都)(10月28日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督: 増村保造
- 製作: 永田雅一
- 原作: 有吉佐和子
- 脚色: 新藤兼人
- 撮影: 小林節雄
- 美術: 西岡善信 
- 照明: 美間博
- 音楽: 林光
- 録音: 大角正夫
- 編集: 菅沼完二
- 出演: 市川雷蔵(華岡青洲/雲平)/若尾文子(妻/加恵)/高峰秀子(母/於継)/伊藤雄之助(直道)/渡辺美佐子(小陸)


『華岡青洲の妻』高峰秀子、市川雷蔵、若尾文子

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1968

『浮かれ猫』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子
- TVドラマ初出演。

『簪マチコ』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子

『君は今どこにいるの』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子

『おしくらまんじゅう』(TV)(フジテレビ、連続ドラマ)
- 出演: /高峰秀子

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1969

7月、成瀬巳喜男死去。
成瀬は装置も色も一切無い白バックの前だけで芝居を見せる作品をいつか撮ってみたいと思っていて、高峰秀子に出演を依頼していたという。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『霰』(TV)(NETテレビ、ドラマ)
- 出演: /高峰秀子

『鬼の棲む館』(カラー)(大映京都)(5月31日封切)
- 監督: 三隅研次
- 製作: 永田雅一
- 原作: 谷崎潤一郎(戯曲『無明と愛染』の映画化)
- 脚色: 新藤兼人
- 撮影: 宮川一夫
- 美術: 内藤昭
- 照明: 中岡源権
- 音楽: 伊福部昭
- 録音: 大谷巖
- 編集: 菅沼完二
- 出演: 勝新太郎(無明の太郎)/高峰秀子(妻/楓)/新珠三千代(情人/愛染)/佐藤慶(高野の上人)/五味龍太郎(武将)

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1970

フジテレビ「小川宏ショー」にレギュラー出演。

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1971

『一筆啓上致します』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子

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1972

3月、日本空港のメキシコ線第1便の招待旅行でメキシコへ行く。(同行の有吉佐和子が現地で高熱でダウンしたため、観光が看病となる)(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

『ケイトンズヴィル事件の九人』(V)(紀伊国屋ホール)(10月公演)
- 演出: 有吉佐和子
- 声: 中村翫右衛門/野沢那智/高峰秀子

11月、エッセイ集「瓶の中」上梓。

『ささやくなら愛を』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子

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1973

『恍惚の人』(白黒)(芸苑社)(1月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督: 豊田四郎
- 製作: 佐藤一郎/市川喜一
- 原作: 有吉佐和子
- 脚本: 松山善三
- 撮影: 岡崎宏三
- 美術: 小島基司
- 照明: 榊原庸介
- 音楽: 佐藤勝
- 編集: 山地早智子
- 出演: 森繁久彌(立花茂造)/高峰秀子(嫁/昭子)/田村高廣(息子/立花信利)/小野松江(茂造の妻)/市川泉(立花敏)


『恍惚の人』
高峰秀子、森繁久彌

3月にスタートした文化庁による映画産業振興助成「優秀映画製作奨励金制度」の1本に『恍惚の人』が選出される。

『ささらもさら』(TV)(日本テレビ、連続ドラマ)
- 出演: /高峰秀子

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1974

3月、梅原龍三郎が描いた「高峰秀子像」(『カルメン故郷に帰る』のロケ中に)を国立近代美術館におさめる。そのことから紺綬褒章と木杯が贈られたそうだ。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)
9月、幼い頃の恩人、山本嘉次郎監督死去。

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1975

『台所のおと』(TV)(TBSテレビ、ドラマ「東芝日曜劇場」)
- 出演: /高峰秀子

『微笑』(TV)(日本テレビ、連続ドラマ)
- 出演: /高峰秀子

1月、長兄が心臓麻痺で死去。
11月、「週刊朝日」誌上に「女優・高峰秀子の50年 わたしの渡世日記」の連載が始まる。
12月、映画産業団体連合会より永年勤続功労章授章。

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1976

2月、「わたしの渡世日記」上巻を上梓。
5月、「わたしの渡世日記」下巻を上梓。
第24回エッセイストクラブ賞受賞。

『スリランカの愛と別れ』(カラー)(東宝・俳優座映画放送)(5月29日封切)
- 監督・原作・脚本: 木下恵介 
- 製作: 佐藤正之/馬場和夫/椎野英之
- 撮影: 中井朝一
- 美術: 村木与四郎
- 照明: 高島利雄
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 渡会伸
- 編集: 小川信夫
- 出演: 北大路欣也(越智竹人)/栗原小巻(井上慶子)/小林桂樹(松永保)/津島恵子(松永喜代)/高峰秀子(ジャカランタ老夫人)/小野川公三郎(篤和次郎)
- スリランカを舞台に日本人と現地の人諭垢箸慮鬚錣蠅鯢舛。
前作に続いて東宝で公開された作品。松竹と縁のない作品は、この2作品のみ。


『スリランカの愛と別れ』
栗原小巻、北大路欣也、高峰秀子

『ふたりのイーダ』-Two Iida-(カラー)(『ふたりのイーダ』製作プロダクション)(11月6日封切)
- 監督: 松山善三
- 製作: 山口逸郎/赤井明
- 原作: 松谷みよ子
- 脚本: 松山善三/山田洋次
- 撮影: 中川芳久
- 美術: 村木忍
- 照明: 石井長四郎
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 渡会伸
- 編集: 井村文子
- 出演: 倍賞千恵子(母/相沢美智)/上屋建一(小学校4年生/相沢直樹)/原口祐子(3才の妹/イーダ/相沢ゆう子)/森繁久彌(祖父/須川利一郎)/高峰秀子(祖母/須川菊枝)/宇野重吉(椅子の声)/宇野重吉(椅子の声)/山口崇(広岡研二)/田中筆子(氷屋のおばさん)/片山竜二(造船所の男)/砂塚秀夫(トラックの運転手)/村田啓而(川底の男)


『ふたりのイーダ』倍賞千恵子、森繁久彌、高峰秀子


『ふたりのイーダ』倍賞千恵子、高峰秀子ら

『落日燃ゆ』(TV)(NETテレビ、2時間ドラマ)
- 出演: 滝沢修/高峰秀子


『落日燃ゆ』滝沢修、高峰秀子

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1977

『泣きながら笑う日』(『泣きながら笑う日』製作プロダクション)(5月封切)
- 監督・脚本: 松山善三
- 出演: 坂本九/大谷直子/高峰秀子(焼き鳥屋の女主人/中井雪子)

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1978

8月、各界著名人との交遊談「いっぴきの虫」を上梓。
秋、アフガニスタン、パキスタンを旅行。
養母志げ、心臓麻痺で死去。

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1979

8月、アフガニスタン、パキスタンの旅行記「旅は道づれガンダーラ」を上梓。

『衝動殺人 息子よ』(カラー)(松竹大船・東京放送)(9月15日封切)(キネマ旬報ベストテン第5位)
- 監督: 木下恵介
- 製作: 飯島敏宏/杉崎重美
- 制作補: 斎藤守恒
- 原作: 佐藤秀郎(「中央公論」掲載のノンフィクションの映画化)
- 脚本: 砂田量爾/木下惠介
- 撮影: 岡崎宏三
- 美術: 重田重盛
- 照明: 佐久間丈彦
- 音楽: 木下忠司
- 録音: 島田満/松本隆司
- 編集:杉原よ志
- 出演: 若山富三郎(川瀬周三)/高峰秀子(妻/雪枝)/田中健(息子/武志)/尾藤イサオ(坂井三郎)/大竹しのぶ(田切杏子)/吉永小百合/藤田まこと
-
通り魔事件で息子を失った被害者遺族が国に対し犯罪被害者への救済を求めた実際に横浜市鶴見区生麦で起きた通り魔事件をテーマにした作品。
※テレビから映画界に復帰する端緒を開く。


『衝動殺人 息子よ』高峰秀子若山富三郎


『衝動殺人 息子よ』高峰秀子若山富三郎

衝動殺人 息子よ』の撮影途中で女優廃業を宣言する。(当初は八千草薫がキャスティングされていたが、八千草が出演できず、木下監督に口説かれたもの)(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)
木下作品への出演は13本。

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1981

『典子は、今』(監督:松山善三)でスタッフとして主役の辻典子の演技指導に当たる。
以降、エッセイストとして活躍の日々を続ける。(1999.2.20『別冊太陽 女優 高峰秀子』平凡社 本地陽彦著「高峰秀子・年譜」 参考)

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1994

『忍ばずの女』(TV)(TBS系、2時間ドラマ)
- 演出: 鴨下信一
- 脚本: 高峰秀子
- 初めて脚本を書く。

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1995
 
[日本映画オールタイム・ベストテン]映画100年特別企画
/
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

東京物語
(小津安二郎)
七人の侍
(黒澤明)
浮雲
(成瀬 巳喜男)
人情紙風船
(山中貞雄)
西鶴一代女
(溝口健二)
飢餓海峡
(内田吐夢)
羅生門
(黒澤明)
生きる
(黒澤明)
丹下左膳餘話・百万両の壷
(山中貞雄)
幕末太陽傳
(川島雄三)

小津安二郎 黒澤明 溝口健二 大島渚
成瀬巳喜男
-
市川崑 川島雄三 内田吐夢 山中貞雄
木下恵介
岡本喜八
鈴木清順
-

森雅之 三国連太郎 笠智衆 三船敏郎 高倉健 市川雷蔵 石原裕次郎 松田優作
勝新太郎
-
志村喬
阪東妻三郎
大河内傳次郎

原節子
山田五十鈴
-
高峰秀子 田中絹代 若尾文子 京マチ子 岸恵子 藤純子 香川京子 久我美子
吉永小百合
※キネマ旬報 臨時 増刊 1995.11.13号
1995年の[日本映画オールタイム・ベストテン]映画100年特別企画は、映画100年を総括する特別企画として、評論家・作家・ジャーナリストなど104人の選考委員の 全体点数(各個人選出ベストテンの第1位を10点、第2位を9点、以下第10位を1点)を集計、合計数の多い作品から抽出するという方法で、映画史を通じての日本映画ベストテンを発表した。

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1999

初の戯曲『忍ばずの女』が明治座で公演。

[映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン]キネマ旬報創刊80周年記念特別企画
/
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

七人の侍
(黒澤明)
浮雲
(成瀬巳喜男)
飢餓海峡
(内田吐夢)

東京物語
(小津安二郎)
-
幕末太陽傳
(川島雄三)

羅生門
(黒澤明)
-
赤い殺意
(今村昌平)
仁義なき戦い
(シリーズ)(深作欣二)

二十四の瞳
(
木下恵介)
-
雨月物語
(溝口健二)

第三の男
(キャロル・リード)
2001年宇宙の旅
(スタンリー・キューブリック)
ローマの休日
(ウィリアム・ワイラー)
アラビアのロレンス
(デヴィッド・リーン)
風と共に去りぬ
(ヴィクター・フレミング)
市民ケーン
(オーソン・ウェルズ)
駅馬車
(ジョン・フォード)

禁じられた遊び
(ルネ・クレマン)

ゴッドファーザー
(フランシス・フォード・コッポラ)


(フェデリコ・フェリーニ)
-
-
-
※ 1999
[映画人が選ぶオールタイム・ベストテン](日本編)(外国編)キネマ旬報創刊80周年記念特別企画は、従来の映画評論家を中心にしたアンケートとは異なり、監督、プロデューサー、脚本家、撮影監督など、実際に日本映画の製作に携わる映画人(140人、144人)に、それぞれのベスト作品10本を順不同で選んでもらう選考方法。(1999年10月下旬号、10月上旬号においてアンケート結果を発表)

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2000
[20世紀の映画スター ベストテン]
/
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位



三船敏郎 石原裕次郎 森雅之 高倉健 笠智衆 市川雷蔵 勝新太郎
阪東妻三郎
-
渥美清
中村錦之助
森繁久弥
-



原節子 吉永小百合 京マチ子
高峰秀子
-
田中絹代 山田五十鈴 夏目雅子 岸恵子
若尾文子
-
岩下志麻
藤純子



ゲーリー・クーパー チャールズ・チャップリン
ジョン・ウェイン
-
マーロン・ブランド
アラン・ドロン
ジャン・ギャバン
-
-
ハンフリー・ボガート
スティーブ・マックイーン
-
ショーン・コネリー
ポール・ニューマン
-



オードリー・ヘプバーン マリリン・モンロー イングリッド・バーグマン ヴィヴィアン・リー マレーネ・ディートリヒ グレース・ケリー フランソワーズ・アルヌー ル
ベティ・デイビス
ジョディ・フォスター
グレタ・ガルボ
アンナ・カリーナ
ジャンヌ・モロー
ロミー・シュナイダー
エリザベス・テーラー
-
-
-
※ 2000.6.1 朝日新聞記事
映画誌『キネマ旬報』が、映画評論家や俳優、脚本家ら74人に回答を求めて「20世紀の映画スター」を選出し、ランキングを発表した。

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2005

…2005年3月〜6月まで、成瀬巳喜男生誕100記念として、CS日本映画専門チャンネル(707)にて成瀬巳喜男監督作品が放送。(CS日本映画専門チャンネル(707)「成瀬巳喜男生誕 100記念」より)

[高峰秀子自身が選んだ成瀬映画ベスト5]
/
1位
2位
3位
4位
5位
浮雲(1955) 放浪記(1962) 女が階段を上る時(1960) あらくれ(1957) 乱れる(1964)
※「キネマ旬報2005年9月上旬号」に掲載された独占インタビューより。

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2009
[映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン]キネマ旬報創刊90周年記念特別企画
/
1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位
日本
東京物語
(小津安二郎)
七人の侍
(黒澤明)
浮雲
(成瀬巳喜男)
幕末太陽傳
(川島雄三)
仁義なき戦い(シリーズ)(深作欣二) 二十四の瞳(木下恵介) 羅生門
(黒澤明)

丹下左膳餘話・百万両の壷
(山中貞雄)

太陽を盗んだ男
(長谷川和彦)
-
-
家族ゲーム
(森田芳光)

野良犬
(黒澤明)

台風クラブ
(相米慎二)

ゴッドファーザー
(フランシス・フォード・コッポラ)
タクシー・ドライバー
(マーチン・スコセッシ)

ウエスト・サイド物語
(ロバート・ワイズ)
-
第三の男
(キャロル・リード)
勝手にしやがれ
(ジャン・リュック・ゴダール)

ワイルドバンチ
(サム・ペキンパー)
-
2001年宇宙の旅
(スタンリー・キューブリック)
ローマの休日
(ウィリアム・ワイラー)

ブレードランナー
(リドリー・スコット)
-
駅馬車
(ジョン・フォード)

天井棧敷の人々
(マルセル・カルネ)


(フェデリコ・フェリーニ)

めまい
(アルフレッド・ヒッチコック)

アラビアのロレンス
(デヴィッド・リーン)

暗殺の森
(ベルナルド・ベルトルッチ)

地獄の黙示録
(フランシス・フォード・コッポラ)

エル・スール
(ビクトル・エリセ)

グラン・トリノ
(クリント・イーストウッド)
※ 2009.11
[映画人が選ぶオールタイム・ベストテン](日本編)(外国編)キネマ旬報創刊90周年記念特別企画は、日本編は114人、外国編は121人の映画評論家や作家、文化人の投票を集計した。

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2010

12月28日、肺癌で亡くなる。(享年86歳)
子役から活躍し、多くの作品で私たちを楽しませた女優の突然の天国への旅立ちだった。
「私は幸せだった。日本の映画のもっともいい時期に、もっともいい監督たちと仕事ができたのだから」と語っていたという彼女を、“デコちゃん いらっしゃい また一緒に映画を撮ろうよ”と木下恵介監督や成瀬巳喜男監督たちが天国で出迎えていることだろう。

2012

3月27日、「偲ぶ会」が米寿となる2012年3月27日に東宝スタジオ(東京・成城)で営まれ、映画関係者たちが約400人参列したという。
天国でも大勢の関係者に米寿を祝ってもらっていることだろう

〜写真〜


高峰秀子


高峰秀子

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〜雑誌〜


キネマ旬報 臨時 増刊 1995.11.13号 「日本 映画オールタイム・ベストテン」映画生誕100年記念特別号

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※記号[:特に好きな作品 :面白い作品 :注目]
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参考文献
『宗方姉妹』
『カルメン故郷に帰る』
『女の園』
『二十四の瞳』
『浮雲』
『流れる』
『喜びも悲しみも幾歳月』
『張込み』
『女が階段を上る時』
『永遠の人』
『乱れる』
『ひき逃げ』
原節子
森雅之
成瀬巳喜男
小津安二郎
女優
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〜クラシック映画に魅せられて〜

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