風と共に去りぬ
  
  ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

※ストーリーの結末を載せていますので、映画をご覧になっていない方は、ご了承下さい。

前編
   〜プロローグ〜 〜タラの土地〜 〜ドレス〜 〜園遊会〜 〜〜 〜意見〜 〜圧倒〜 〜花瓶〜 〜陰口
プロポーズ〜 〜挙式〜 〜戦争〜 〜バザー会場〜 〜パリ土産〜 〜クリスマス休暇〜 〜北軍の砲撃
メラニーの陣痛〜 〜馬車〜 〜大火災〜 〜告白〜 〜道のり〜 〜重荷

後編
南部の荒廃〜 〜終戦〜 〜スカーレットとメラニー〜 〜スカーレットとアシュレー〜 〜再会〜 〜ケネディの店
ケネディ夫人〜 〜商売〜 〜メラニーの家〜 〜スカーレットとレット〜 〜バトラー夫人〜 〜ボニー誕生〜 〜ベル
製材所〜 〜パーティ〜 〜〜 〜スカーレットの部屋〜 〜ボニーとレット〜 〜階段〜 〜別れ〜 〜メラニー
レット〜 〜エピローグ〜 

記号[☆:スタッフ・キャスト :始めに :終わりに]
(1939)(米、MGM)(アカデミー賞作品賞)(アメリカ映画ベスト100で4位)(キネマ旬報創刊80周年記念特別企画[映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン]で5位)(アメリカ映画ベスト100 10周年版で6位)
監督…ヴィクター・フレミング(ジョージー・キューカー、サム・ウッド、ヴィクター・フレミング他の交代)(アカデミー賞監督賞)
製作…デビッド・O・セルズニック(アカデミー賞アーヴィング・タールバーグ記念賞)
原作…マーガレット・ミッチェル(ピューリッツア賞)
脚色…シドニー・ハワード(アカデミー賞脚色賞)
撮影…アーネスト・ハラー/レイ・レナハン(アカデミー賞撮影賞)
装置…ライル・ホイーラー(アカデミー賞室内装置賞)
編集…ハル・C・カーン/ジェームズ・E・ニューカム(アカデミー賞編集賞)
音楽…マックス・スタイナー
挿入曲♪タラのテーマ
出演…ヴィヴィアン・リー(Vivien Leigh)スカーレット・オハラ(Scarlett O'Hara)(アカデミー賞主演女優賞)(南部の心臓部といわれるジョージア州アトランタに近いタラの大農場主オハラ家の長女個性的な美貌と火のように激しい気性の持ち主。アシュレーに失恋した腹いせにチャールズ・ハミルトンと結婚する)
………クラーク・ゲーブル(Clark Gable)レット・バトラー(Rhett Butler)(南軍の敗北を見ぬき、戦争をばかげた浪費だといって密輸入で巨利をしめる大胆不敵な風雲児。風のごとくスカーレットの前にあらわれて、彼独特のやり方で求愛をつづける)
………レスリー・ハワード(Leslie Howard)アシュレー・ウィルクス(Ashley Wilkes)(トウェルヴ・オークスと呼ばれる大農場をもつジョン・ウィルクス家の長男。貴族的南部の教養と文化を身につけた青年。スカーレットの情熱に惹かれながら、南部の伝統的社会に相応しい従妹のメラニーと結婚する)
………オリビア・デ・ハビランド(Olivia Dh Havilland)メラニー・ハミルトン(Melanie Hamilton)(アシュレーの妻。献身的で寛容な心の持ち主。チャールズの妹)
………トーマス・ミッチェル(Thomas Mitchell)ジェラルド・オハラ(Gerald O'Hara)(広大な綿花畑と多くの黒人奴隷をもつアイルランド生まれの豪農。反骨と剛毅の性格の反面に優しい心情の持ち主)(同年の『駅馬車』でアカデミー賞助演男優賞)
………バーバラ・オニール(Barbara O'Neil)エレン・オハラ(Ellen O'Hara)(ジェラルドの妻。フランス人を祖父母にもつ優雅な貴婦人。スカーレットの母)
………ハティ・マクダニエル(Hattie Mcdaniel)マミーー(Mammy)(エレンが実家からつれてきた黒人の侍女)(アカデミー賞助演女優賞)(オスカーを獲得した最初の黒人俳優)
………バタフライ・マックイーン(Butterfly Mcqueen)プリシー(Prissy)(オハラ家の召使)
………フレッド・クレイン(Fred Crane)ブレント・タールトン(Brent Tarleton)(双子のタールトン兄弟)
………ジョージ・リーヴス(George Reeves)スチュアート・タールトン(Stuart Tarleton)(双子のタールトン兄弟)
………イヴリン・キーズ(Evelyn Keyes)スエレン・オハラ(Suellen O'Hara)(オハラ家の次女)
………アン・ラザフォード(Ann Rutherford)カリーン・オハラ(Carreen O'Hara)(オハラ家の三女)
………ローラ・ホープ・クルーズ(Laura Hope Crews)ピティパット叔母(Aunt Pittypat)(メラニーやチャールズの叔母。アトランタ在住)
………ハリー・ダベンポート(Harry Davenport)ミード博士(Dr.Meade)(アトランタの医師)
………オナ・マンソン(Ona Munson)ベル・ワトリング(Belle Watling)(レットの愛人。娼婦宿の経営者)
………キャロル・ナイ(Carroll Nye)フランク・ケネディ(Frank Kennedy)(スエレンと恋仲)
………ランド・ブルックス(Rand Brooks)チャールズ・ハミルトン(Charles Hamilton)(メラニーの兄)
………アリシア・レット(Alicia Rhett)インディア・ウィルクス(India Wilkes)(アシュレーの妹)
………ハワード・ヒックマン(Howard Hickman)ジョン・ウィルクス(John Wilkes)(アシュレーやインディアの父)
………レオーナ・ロバーツ(Leona Roberts)ミード夫人(Mrs.Meade)(ミード博士の妻)
………オスカー・ポルク(Oscar Polk)ポーク(Pork)(オハラ家の内働きの黒人下僕)
………ウォード・ボンド(Ward Bond)北軍大尉トム(Tom,A Yankee Captain)
アカデミー賞の作品・監督・脚色・主演女優・助演女優・撮影・室内装置・編集・特別(装置と色彩を認められてウィリアム・カメロン・メンジース)の各賞とデビッド・O・セルズニックがアーヴィング・タールバーグ記念賞を受賞。

前編

 マーガレット・ミッチェルが作り出した4人のキャラクターは、人間がそれぞれ持っているところに触れているから興味を持つ。
 それに巨額を投じたプロデューサーがいて、壮大な作品にした。
 そして、適役の役者や監督・脚本家・音楽家などが総力を出した作品である。
 中でも、ヴィヴィアン・リーのスカーレット・オハラは脳裏に焼き付いて離れない。

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 〜プロローグ〜


セルズニック・インターナショナル・ピクチャーズ

セルズニック・インターナショナル・ピクチャーズのファンファーレが響き、タラの空が映し出され「GONE WITH THE WIND」のタイトルが♪タラのテーマと共に画面一杯に登場し消え去ってゆく。
 壮大なオープニングに気持ちが高揚する。
 見事な演出だ。


『風と共に去りぬ』

“騎士道が花咲き 綿畑の広がるその土地をー
人は「古きよき南部(オールド・サウス)」と呼んだ
その美しい世界に かつて生きたー
雄々しい男たち あでやかな女たち
そして奴隷を 従えた支配者たちもー
今ではすべて夢 人の心にのみ残る
風と共に去った時代である”

オハラ家のポーチで双子のタールトン兄弟ブレント(フレッド・クレイン)と、スチュアート(ジョージ・リーヴス)が南北戦争の話をしている。
スカーレット・・・「イヤね 戦争 戦争って」と、双子を従えていたスカーレット(ヴィヴィアン・リー)のアップになる。
大農場主の娘スカーレット・オハラは戦争には関心がなかった。


『風と共に去りぬ』フレッド・クレイン、ヴィヴィアン・リー、ジョージ・リーヴス

スカーレットにソッポを向かれたくないタールトン兄弟は話題を変えてウィルクスの園遊会のことを話だす。
ブレント・・・「僕らと一緒に行くよね?」と聞くブレント。
スカーレット・・・「明日のことは 明日 考えるわ」と答えるスカーレット。
スチュアート・・・「ワルツは予約だよ ブレントと僕と交代にね」と言うスチュアート。
スカーレット・・・「いいわよ」と言うスカーレット。
タールトン兄弟は喜び、はしゃぐ。
スカーレット・・・「ほかに申込みがなければね」と茶化すスカーレット。
スチュアート・・・「お願いだ」と頼むスチュアート。
興味を惹かせようと、
ブレント・・・「秘密を教えるから」と言うブレント。
スカーレット・・・「どんな?」と身を乗り出すスカーレット。
タールトン兄弟はアシュレー(レスリー・ハワード)とメラニー(オリビア・デ・ハビランド)が結婚するという噂話を始める。
アシュレーに恋をしていたスカーレットは驚き、
スカーレット・・・「彼が愛しているのは私よ!」と憤慨し、その場から立ち去る。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 〜タラの土地〜

父親ジェラルド(トーマス・ミッチェル)を見付け駆け寄るスカーレット。

アシュレーのことを気にかけている長女スカーレットに、
ジェラルド・・・「タラもいずれは お前のものだしな」とタラの土地のことを語り出すジェラルド。
スカーレット・・・「農園など意味ないわ」と言うスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、トーマス・ミッチェル

ジェラルド・・・「本気かね? タラの土地が無意味だと?
この世で頼りになる唯一のものが土地だ
土地は永遠に残る」と言うジェラルド。
スカーレット・・・「アイルランド人らしいこと」と言うスカーレット。
ジェラルド・・・「それが わしの誇りだし お前もその血を継いどる
わしらには 土地は母親と同じだ
お前もいつか 土地への愛に目覚める
わしの娘である限りな」とタラの土地をスカーレットに見せ語るジェラルド。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、トーマス・ミッチェル

 このシーンはスカーレットがアイルランド人気質を備えていることを知らせる重要なところである。
 それと、「明日のことは 明日 考えるわ」はラストシーンの名台詞の「彼を連れ戻す方法は 故郷に帰って考えるわ 明日に望みを託して」の伏線である。

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 〜ドレス〜

スカーレットが侍女マミー(ハティ・マクダニエル)にコルセットの紐を締めてもらっている。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、ハティ・マクダニエル

侍女マミー(ハティ・マクダニエル)に園遊会に着て行くドレスのことでわがままを言うスカーレット。
 マミーとスカーレットが駆け引きをしている愛らしい目がいい。

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 〜園遊会〜

さあ、園遊会だ。
青年たちのあこがれの的のスカーレットは注目を一身にあびている。
上機嫌のスカーレット。だが、スカーレットの目的はただ一つ、アシュレー(レスリー・ハワード)に自分の気持ちを伝えることだ。
アシュレーを見付ける。
“今だ!”と駈け寄って行くスカーレットにアシュレーは婚約者のメラリー(オリビア・デ・ハビランド)を紹介する。
メラリーは快活なスカーレットに好意的に接する。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード、オリビア・デ・ハビランドら

スカーレットはアシュレーについてうそぶいて話し、アシュレーに見せ付けるようにして青年たちを軽くあしらいながら階段を上って行く。
すると、見知らぬ男(クラーク・ゲーブル)が階下からスカーレットを見ている。
すべてを見通すような視線が気に掛かる。
スカーレット・・・「ねえ あれは誰?」とキャスリンに聞くスカーレット。
キャスリン・・・「誰?」と階下を見るキャスリン。
   


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら

スカーレット・・・「こちらを見てる人
いやらしいわ」と言うスカーレット。
キャスリン・・・「レット・バトラーよ」と答え、
「評判のよくない人物だわ」と言うキャスリン。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル

スカーレット・・・「あの目つき 私を裸にしているみたい」と言うスカーレット。
キャスリン・・・「身内からも つまはじきにされ 北部で暮らしてたのよ
士官学校も退学処分
女を捨てた一件でも有名よ」と話すキャスリン。
スカーレット・・・「教えて!」と好奇心が膨らむスカーレット。
キャスリン・・・「日暮れに娘と二人きりで 馬車で出かけておきながらー
結婚を断ったのよ」と耳打ちするキャスリン。
耳打ちし返すスカーレット。
キャスリン・・・「どのみち傷物ってわけ」と話すキャスリン。
瞳を輝かせるスカーレット。
 好奇心に満ちた表情のヴィヴィアンが可愛い
 
野外宴会でスカーレットが青年たちに囲まれている。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら

にこやかに応対していたスカーレットの瞳に、寄り添って散歩しているアシュレーとメラニーの姿がとまる。
一瞬にして表情が曇るスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 〜時〜

淑女たちがいつもの習慣で昼寝をして休んでいる場面に変わる。
オークス屋敷の立て札がアップになる。

“時を浪費するなかれ 人生は時にて成ればなり”

そう、スカーレットには園遊会に来た目的がまだ達成出来ていない。
こっそりと抜け出す。

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 〜意見〜

その頃、紳士たちは戦争の話で盛り上がっている。
ジェラルド(トーマス・ミッチェル)が志気をあげている。
ジェラルド・・・「北部がどうわめこうとー 我々は奴隷制度を守り抜く
そのためには連邦も脱退だ 力で主張するのだ
すでにサムター砦で撃ち合いもあった 戦いあるのみだ!」
青年たち・・・「命乞いをさせよう」
ジェラルド・・・「北部は腰抜け結果は見えとる」
青年たち・・・「やつらは戦う前に退却さ」
青年たち・・・「南部男の敵じゃない」
意気盛んだ。
それを軽蔑するような表情を浮かべ落ち着きはらって聞いているレット。
青年たち・・・「紳士は暴徒より強い」
青年たち・・・「その通りだ」
ジェラルドがアシュレー(レスリー・ハワード)に意見を求める。
アシュレー・・・「南部が戦う時は戦うがー
北部がこれ以上介入しないよう願う」と言うアシュレー。
青年・・・「臆病風か?」と言う青年。
アシュレー・・・「戦争は悲劇の原因だ
戦争が終わって残るのは むなしさだけだ」と語るアシュレー。
騒然とする。
ジェラルド・・・「諸君 静まれ
バトラー君は北部にいた あんたの意見は?」とジェラルドがレット(クラーク・ゲーブル)に意見を求める。
レット・・・「能書きでは勝てない」と言うレット。
青年たちの中から身を乗り出してきてチャールズ(ランド・ブルックス)が、
チャールズ・・・「と言うと?」と言う。
レット・・・「南部には大砲工場もない
代わりに勇気がある
いざとなれば 勇気より大砲だな」と語るレット。
チャールズ・・・「北部が有利だとでも?」と言うチャールズ。
レット・・・「明白だ 装備は我々より はるかに勝る
兵器工場 造船所 港を封鎖できる艦隊も持つ
我々にあるのは 綿と奴隷とおごりだと言うレット。
憤慨し詰め寄る青年たち。
チャールズ・・・「この裏切り者め!」と言うチャールズ。
レット・・・「気に障ったら謝る」と言うレット。
チャールズ・・・「それで済むと思うか? 君は士官学校を退学になりー
身内にまで見放された ろくでなしと聞いた」とレットに吹っかけるチャールズ。
レットは“むっと”しながらも冷静に反応し、
レット・・・「重ねておわびしよう」と一礼し、
「庭園など拝見してこよう」とアシュレーに向かって言う。
頷くアシュレー。
そして、レットは一同に向かって、
レット・・・「皆さんの勝利の夢をぶち壊したようだ」と再び一礼してその場を去る。
青年・・・「あんなの 南部男の恥だ」
青年・・・「あわや決闘だった」と言う青年たち。
チャールズ・・・「やつは逃げた」と言うチャールズ。
アシュレー・・・「違うね 君を助けたんだ」と言うアシュレー。
チャールズ・・・「助けた?」
聞き返すチャールズ。
アシュレー・・・「彼は射撃の名手だ 強い相手を何人も倒してる」と言うアシュレー。
粋がるチャールズ。
チャールズを制止し、
アシュレー・・・「無謀はやめろ 戦う相手はほかにいる
彼も私の客だ 屋敷内を案内してくる」と言いレットの方へ向かうアシュレー。
 このような話題に興味がないアシュレーの性格が演出されている。
 アシュレー自身がこの場を立ち去りたかったのだろう。

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 〜圧倒〜

隠れて待っていたスカーレット(ヴィヴィアン・リー)がアシュレーの方へ駆け出す。
アシュレーに小声で呼びかけ図書室へ招き入れるスカーレット。
アシュレー・・・「誰から隠れてるの?」
ドアを閉めているスカーレットを見て、
アシュレー・・・「何のまね? なぜ昼寝をしないの?
秘密の話でも?」と言うアシュレー。
スカーレット・・・「アシュレー… 愛してるの
愛してるのよ!」とアシュレーに迫るスカーレット。
一瞬、息詰まるような鋭い沈黙が。
アシュレーは信じられない驚きから気を取り戻すようにして、
アシュレー・・・「男たち全員の心を手に入れて まだ足りないの?」と言う。
スカーレット・・・「あなたの心が知りたいの 愛してるわ」と言うスカーレット。
アシュレー・・・「軽々しく言うと きっと後悔するよ」と言うアシュレー。
熱く沸き立ってくる気持ちをぶつけ、
スカーレット・・・「しないわ あなたも私を思ってるもの
そうでしょ?」と言うスカーレット。
アシュレー・・・「そう 思っている…」と言うアシュレー。
愛撫を求め身を寄せるスカーレット。
抱きたい気持ちを抑え遮るアシュレー。
アシュレー・・・「この話は忘れよう」と窓際にゆき背を向けるアシュレー。
スカーレット・・・「なぜなの? 私と結婚したくないの?」
なおも詰め寄るスカーレット。
外を見たままで、
アシュレー・・・「メラニーと結婚する」と言うアシュレー。
アシュレーを自分に向かせながら、
スカーレット・・・「私を愛してるのに?」と言うスカーレット。
“どうか分かってくれ”と嘆願するようにスカーレットの両手をしっかりと握りしめて、
アシュレー・・・「これ以上 言わせないで
君には分かってない 結婚というものの意味がね」と言うアシュレー。
スカーレット・・・「あなたの妻になることよ なぜメラニーなの?」と言うスカーレット。
アシュレー・・・理解し合えるんだ 同じ血が通っているから」と話すアシュレー。
スカーレット・・・「私は?」と聞くスカーレット。
アシュレー・・・「君はすてきだ 僕にはない燃える情熱がある
だが結婚となると 僕たちは違いすぎる」と言うアシュレー。
スカーレット・・・「私が怖いんでしょ 意気地なし!
あの魅力のない女が似合いだわ
子育てしか能のない 平凡な女がね!」と感情的に言い捨てるスカーレット。
アシュレー・・・「その言い方はない」と言うアシュレー。
スカーレットの声が上擦ってくる。
スカーレット・・・「自分こそ何よ! 私を誘って その気にさせて!」
アシュレー・・・「言いがかりだ 僕は決して…」
傷つけないように話そうとしていたアシュレーは、感情的になっているスカーレットに圧倒されて言葉に詰まる。
スカーレット・・・「そうよ 気を引いたわ! あなたなんか嫌い!
大嫌いだわ!
泣きながらアシュレーに平手打ちをするスカーレット。
アシュレー・・・「・・・」
静かにドアを閉めて出て行くアシュレー。

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 〜花瓶〜

苛立ちを押えきれないスカーレットは傍にあった花瓶を暖炉の方へ投げ付ける。
すると、何とレット(クラーク・ゲーブル)が口笛を「ピュー」と鳴らしながら長椅子から起き上がってくる。
スカーレット・・・「ハッ」
驚くスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

レットは暖炉の花瓶の方を見直し、
レット・・・「戦争か?」と言う。
スカーレット・・・「なぜ そこで黙ってらしたの?」と聞くスカーレット。
レット・・・「美しいラブ・シーンを邪魔するのも不粋だ
大丈夫 秘密は守る」と言い、面白がるレット.。
スカーレット・・・「紳士じゃないわね」と言うスカーレット。
レット・・・「あなたも淑女じゃないな」と言い返すレット。
スカーレット・・・「まあ」
思い掛けない言い返しに驚くスカーレット。
レット・・・「そこが魅力だ 淑女は面白味がない」と遣り取りを楽しむレット。
スカーレット・・・「私を侮辱する気なの?」
苛立つスカーレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「ほめてるんだ 私と合いそうだ アシュレー君よりね 弱虫には過ぎた女さ
何せ “燃える情熱”だ」
アシュレーの言葉を真似てからかうレット。
スカーレット・・・「少なくとも彼は紳士だわ!」
怒って出て行くスカーレット。
笑いながら、
レット・・・「大嫌いなはずだったろ?」と言うレット。
 いい。
 告白・抑制・攻撃・怒り・哀しみ・泣き・驚き・笑いありの贅沢な場面だ。
 特にレットのからかいに苛立つスカーレット。
 何度観ても笑ってしまう。
 二人の演技に拍手だ。

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 〜陰口〜

アシュレーに受け入れられなくて悲しんでいるスカーレットに、追い討ちをかけるような淑女たちの話し声が聞こえる。
淑女・・・「男と見たら すぐ気を引くのよ」
淑女・・・「男には気晴らしの対象ね」
ただメラニー(オリビア・デ・ハビランド)だけは、
メラニー・・・「殿方たちがあの人を ほっとかないのよ
あの人は社交家で快活なだけ」と庇っている。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 〜プロポーズ〜

青年たちが口々に叫んでいる。
「戦争だ!」
いよいよ戦争に突入らしい。
青年たちが活き立っている。
チャールズ(ランド・ブルックス)がスカーレットを捜し求めて遣って来る。
チャールズ・・・「ミス オハラ! リンカーンが我々と戦う決意をした!」
スカーレット・・・「戦争なんてバカらしいわ」と言うスカーレット。
チャールズ・・・「皆 軍隊に入るんです もちろん僕も」と言うチャールズ。
スカーレット・・・「みんな?」
アシュレーを捜そうと窓の方へ行くスカーレット。
チャールズは自分と離れ離れになるのを悲しんでいると思い込み、
チャールズ・・・「寂しいですか? 戦いに行ったら」と言う。
スカーレットはアシュレーを捜しながら、
スカーレット・・・「毎晩 泣くわ」と言う。
チャールズ・・・「あなたを愛しています」と言い、なおも、
「あなたは世界一美しく かわいい人だ
僕などダメですか? そりゃヤボで気が利かない
でも もし結婚してくれたら どんなことでもします」と言うチャールズ。
スカーレット・・・「今 何て?」
アシュレーを捜していたスカーレットが“結婚”と言う言葉に反応して聞き返す。
チャールズ・・・「結婚してほしいと」と答えるチャールズ。
スカーレットが窓の外に目をやるとアシュレーとメラニーが…
スカーレット・・・「お受けするわ」
チャールズ・・・「待っててくれますか?」
スカーレット・・・「待つのはイヤよ」
チャールズ・・・「では出発前に?」
スカーレット・・・「…」
チャールズ・・・「オー ミスオハラ スカーレット」


『風と共に去りぬ』ランド・ブルックス、ヴィヴィアン・リー

チャールズ・・・「いつ父上に?」
スカーレット・・・「早いほうが」
チャールズ・・・「ではすぐ申し込みを 待っていて… 君
君…」
喜び勇んでジェラルド・オハラを捜しに行くチャールズ。
スカーレットは窓の外のアシュレーを見詰め、


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「アシュレー アシュレー」と悲しみを込め口ずさむ。

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 〜挙式〜

チャールズとスカーレットの挙式。
前日挙式を終えたメラニーは、
メラニー・・・「昨日の私たち以上にー すばらしい式だったわ」と祝福する。
スカーレット・・・「そう」
メラニー・・・「私たち姉妹だわ」


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー、ランド・ブルックス

そしてアシュレー。
スカーレットの視線はアシュレーに注がれている。
スカーレットに打ち明けられたばかりなので、素っ気無く振舞うアシュレー。
チャールズは涙を流すスカーレットに、
チャールズ・・・「泣かないで じき終戦だ すぐ戻るよ」と言う。
なおも泣き続けて涙で濡れているスカーレットの瞳はアシュレーに…。

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 〜戦争〜

「チャールズ・ハミルトン大尉はー
はしかに肺炎を併発して死亡
戦場における 名誉の戦死にあらずともー
英雄に劣らずと存じ上げ候」

訃報が届き若くしてスカーレット(ヴィヴィアン・リー)は未亡人に。
スカーレットは喪服ばかりで過ごさなければならない仕来りに堪らないでいる。
スカーレットはマミー(ハティ・マクダニエル)に悟らされている。
 マミーとの掛け合いが、ここでまた見られる。
思い通りにならないのでベッドに伏せて泣くスカーレット。
心配して入ってきた母親エレン(バーバラ・オニール)はスカーレットの機嫌を直させようと、
エレン・・・「出かけてみたら? アトランタは? にぎやかよ」と基金集めの集会をやっているアトランタに行くことを薦める。
メラニーもいるという。
 この後のスカーレットの目の動きがいい。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、バーバラ・オニール

 憎めない。
 愛らしい。
 この表情はスカーレット像を知らせるためにヴィヴィアン・リーは再三使っている。

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 〜バザー会場〜

バザー会場(アトランタ陸軍病院)
陽気にダンスを踊っている紳士淑女。
手伝いにきている喪服のスカーレットは羨ましそうに眺めている。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら

喪服の中の足を左右にステップさせながら。
 うずうずしている内面が表現されて微笑ましい。
ミード博士(ハリー・ダベンポート)が会場の紳士淑女に向かって言う。
ミード博士・・・「皆さん 重大な発表があります! 我が南軍が勝利を収めました!」
紳士淑女・・・「ワー!」
ミード博士・・・「リー将軍は敵を撃破しー 北軍をバージニアから 駆逐したのです!」
紳士淑女・・・「ワー!」
ミード博士・・・「もう1つ うれしいニュースを 敵の封鎖を破った勇士が ここにおられます
帆船団を率い 敵の砲火をくぐりー 我々に衣類を届けてくれた人物
それは神出鬼没の海の英雄 チャールストン生まれのー レット・バトラー船長!」
紳士淑女・・・「ワー!」
お辞儀をしているレット(クラーク・ゲーブル)
驚くスカーレット。
スカーレットに気付くレット。
この場を逃れようとするスカーレット。
帽子のレースが引っかかる。
外してやるレット。
 このシーンは二人の関係を演出している。
 もう一度ある。注目だ。
 ここでのレットとスカーレットのやりとりはコミカルでいい。
 特にスカーレットが指輪を南部同盟のために寄付すると言った後の、レットの「見上げたものだ 大切なものをね」とからかうような目の表情がチャーミングで思わず微笑んでしまう。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルら

ミード博士・・・「皆さん 基金募集のための 名案があります
ご希望の淑女と踊りたい殿方にはー 入札をお願いする」
淑女たち・・・「キャー!」
ミード博士・・・「紳士諸氏は入札を! 遠慮をせずに!」
紳士・・・「20ドル! メリウェザー嬢に20ドル!」
紳士・・・「エルシング嬢に25ドル!」
ミード博士・・・「安すぎますぞ」
レット・・・「金貨で150ドル!」
淑女たち・・・「キャー!」
ミード博士・・・「お相手は?」
レット・・・「ハミルトン夫人だ」
驚きながらも喜ぶスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

ミード博士・・・「どなた?」
レット・・・「ハミルトン夫人だ」
ミード博士・・・「夫人は喪中の身です ほかのご婦人を」
レット・・・「ぜひハミルトン夫人に」
ミード博士・・・「承知なさらんでしょう」
スカーレット・・・「お受けします!」
紳士淑女が憤慨している中を突破して進み出るスカーレット。
それを見てニヤリと笑うレット。
レット・・・「南部同盟に打撃を与えた」
スカーレット・・・「封鎖破りがお得意ね」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルら

レット・・・「見返りも すでに計算済みだ」
スカーレット・・・「誰が何を思おうと 今夜は踊りまくるわ リンカーンとだって!」

軽快な音楽が流れダンスが始まる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルら

嬉しそうなスカーレット。
愉快なレット。
スカーレット・・・「これで私も札つきね」
レット・・・「勇気のある証拠さ」
スカーレット・・・「おっしゃること!」
ダンスが続く。
スカーレット・・・「あなたのワルツすてきよ」
レット・・・「そんな外交辞令はいらん それ以上のものが欲しい」
スカーレット・・・「何を?」
レット・・・「その作り笑いをやめたら 教えるよ」
剥れるスカーレット。
レット・・・「アシュレーに言った言葉を聞きたい “愛してる”と」
スカーレット・・・「一生 待っても聞けないわよ」

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 〜パリ土産〜

場面は変わって、レットがスカーレットにパリからの土産を持ってきている。
 この時の喜んでいる仕草がいい。
 特に土産を手渡して貰うまでの体の動きがいい、
 それに「OH レット」と言った後の目の輝きが見事だ。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

 この場面は見所が満載だ。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

貰った帽子をどちらが前か分からないで被ってレットに見せる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

「帽子の向きが逆だ」と言って直してやろうとするレットに「もう大丈夫」と言って結び直す。
 ここで二人がにこやかな表情を見せる。
 息がピッタリだ。
 また、「こんな卑しい男を なぜ家に入れたのかしら」と言った後、レットに背を向けた時のヴィヴィアンの一連の所作は見惚れてしまう。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

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 〜クリスマス休暇〜

“アトランタ市民の悲しみの日はー
北部の小都市に向いていた
歴史に残る3日間の死闘がー
ペンシルベニアの農地で繰り広げられた”

アシュレー(レスリー・ハワード)の安否を心配しているメラニー(オリビア・デ・ハビランド)とスカーレット(ヴィヴィアン・リー)


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

そのアシュレーに1863年12月23日に騎兵隊司令部より特命が出る。

「ペンシルベニア作戦の
殊勲によりー
アシュレー・ウィルクス少佐に
3日のクリスマス休暇を与える」

アシュレーをプラットホームで出迎えるメラニーとスカーレット。
立場が違う2人はアシュレーの無事な姿を見て、それぞれの思いで感激の涙を流す。


『風と共に去りぬ』レスリー・ハワード、ヴィヴィアン・リー


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

再び戦火に趣くアシュレーにスカーレットが、プレゼントを渡し結んでやる。
スカーレット・・・「その上着に合うように私が作ったの」
アシュレー・・・「自分で?」
 この後、頷くヴィヴィアンの仕草が可愛い。
 好きだ。


『風と共に去りぬ』レスリー・ハワード、ヴィヴィアン・リー

アシュレー・・・「大切にしよう」
スカーレット・・・「あなたの役に立ちたいの」とアシュレーを見詰めるスカーレット。
アシュレー・・・「その言葉に甘えよう」
スカーレット・・・「何でも」
アシュレー・・・「メラニーを頼む 彼女は虚弱だし 君を頼っている
僕が死んだら…」
スカーレット・・・「不吉だわ! お祈りをして」
アシュレー・・・「君もお祈りを 最後の時には 祈るしかない
戦争と共に 私たちの世界も終わる」
スカーレット・・・「南軍は負けるの?」
アシュレー・・・「もう力尽きている 北部の雪の中でね
一方 北軍は日ごとに 兵力を増強している
僕も生きては帰れない どうかメラニーの支えに 約束して」
スカーレット・・・「YES それだけなの?」
アシュレー・・・「そう… さよなら」
スカーレット・・・「イヤよ 行かせないわ!」
アシュレー・・・「勇気を出さなきゃ」
スカーレット・・・「NO」
アシュレー・・・「僕を安心させて 君は賢く 強く 美しい
美しいのは 顔だけではないはずだ」
出発の合図の鐘がなり立ち去ろうとするアシュレー。
後を追うスカーレット。
スカーレット・・・「お願い お別れのキスを」
額にキスするアシュレーに抱きつき唇にキスをするスカーレット。
抱き寄せるアシュレー。
アシュレー・・・「スカーレット」
スカーレット・・・「愛しているわ あなただけを愛してきたわ 腹いせに結婚したの
愛していると言って その一言を頼りに生きるわ」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード

アシュレー・・・「さよなら」
思いを振りほどくようにして出て行くアシュレー。
アシュレーを見送りながら、


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「待つわ アシュレー 戦争が終わるまで」と言うスカーレット。

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 〜北軍の砲撃〜

“市民の祈りをよそにー
進軍を続ける北軍に押されー
負傷兵や避難民は
ジョージアになだれ込んだ”

スカーレットはアトランタで従軍看護師としてメラニー(オリビア・デ・ハビランド)と一緒に手伝っている。

“北軍の砲撃でー
恐慌状態のアトランタからー
市民たちは我先に逃げ出しー
残った兵は望みのない戦いにー
立ち向かっていった”


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、オリビア・デ・ハビランド

メラニーは衰弱しているので休養を言い渡されていたので、スカーレットは今は一人でミード博士(ハリー・ダベンポート)に付き添い看護を手伝っていた。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、ハリー・ダベンポートら

だが、死人、血、麻酔無しの切断手術の負傷兵の悲鳴などに、堪らなくなったスカレットは外へ飛び出る。
そこで目にした光景は、逃げ惑う人々でごったがえしていた。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

北軍の砲撃が轟く。
群衆に押し返されるスカーレット。
凄まじい。
馬車と群衆が入り混じって逃げ惑っている。
そんな中でタラでの使用人のビッグ・サムを見つけたスカーレットは母親が病気だと知らされる。

再び群衆の中を突き進もうとしているスカーレットに呼ぶ声がする。
「スカーレット!」
レット(クラーク・ゲーブル)だ。
レットはスカーレットを馬車に乗せ助け出し、スカーレットが世話になっているピティパットの家まで送ってゆく。だが、いつものようにからかう。
ピティパットの家に着く。
馬車から降り、その場から離れようとするスカーレット。が、またもや裾が馬車に引っかかる。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

 そう、スカーレットはからかうレットが気に掛かっているのだ。
 本心を見透かれているから逃げようとするスカーレット。
 自由奔放なスカーレットに惚れているから解き放してやるレット。
 上手い演出だ。

母親の病気を知り一刻も早くタラに行きたいスカーレット。だが、妊婦のメラニーは衰弱し動かせない。
アシュレーとの約束を思い出し留まることにするスカーレット。
 ミード博士がアシュレーのことを口にした後にスカーレットが「アシュレー」と口ずさむ表情がいい。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、ハリー・ダベンポート

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 〜メラニーの陣痛〜

“攻撃は続く
35日間 砲弾の雨の中でー
アトランタは奇跡を祈り続けた
次に砲弾の雨より恐しい
沈黙が訪れた”

ピーチツリー通りを疾走しながらやってくる騎兵。
スカーレットがピティパットの家から駆け出して来て、
スカーレット・・・「止まって!止まって!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら

「止まって! お願い止まって!」と騎兵を必死に止める。
スカーレット・・・「北軍が来るの?」
陸軍大尉・・・「味方は撤退です」
スカーレット・・・「私たちを敵に渡すの?」
陸軍大尉・・・「撤退を急がないと 敵に道路を封鎖されます」
スカーレット・・・「私たちはどうしたら?」
陸軍大尉・・・「直ちに南へ避難を! 失礼します 奥さん」と敬礼し行ってしまう。
急がなくてはと向きを変え半狂乱になって家に駆け込むスカーレット。
金切り声をあげながら、
スカーレット・・・「プリシー! プリシー!」と玄関に飛び込む。
プリシー(バタフライ・マックイーン)に、
「荷物をまとめて タラへ行くのよ!」
階段を上がりながら、
「北軍が来るわ」
2階の廊下にやってきた。
その時、スカーレットを呼ぶメラニーの声が、
メラニー・・・「スカーレット! スカーレット!」
メラニーの寝室に入りながら、
スカーレット・・・「メラニー 早く…」
メラニーに陣痛が始まっていた。
驚き、
「メラニー」


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

メラニーの傍に行くスカーレット。
痛みを堪えながら、
メラニー・・・「ごめんなさい 面倒をかけて
明け方から始まったの」
避難の機会を失ったことがわかり、
スカーレット・・・「でも… 北軍が来るのよ」と狼狽えながら言う。
スカーレットを見ながら、
メラニー・・・「私さえいなければ とっくにー タラに帰れたのに」と言い手を差し出し、
「感謝してるわ こんなに尽くして下さって」とスカーレッの手を握り締め、
「姉妹以上だわ」と胸に抱き寄せるメラニー。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、オリビア・デ・ハビランド

そして、衰弱しているメラニーはスカーレットに思いを伝える。
握り締めたスカーレットの手を抱くようにして、
メラニー・・・「考えてたんだけど もし私が死んだらー
子供を育ててくれる?」
驚くスカーレット。
動揺して、
スカーレット・・・「何を言うの? 誰も死んだりしないわ」
この話は聞きたくないとばかりに離れようとする。
 この場面はメラニーとスカーレットの内面が演出されていて興味深い。
メラニーの痛みが酷くなる。
もがいている。
スカーレットはメラニーを心配し召し使いのプリシーにミード先生(ハリー・ダベンポート)を呼びに行かせる。
が中々帰ってこない。
茹だるような熱さだ。
メラニーを扇いでやりながら一生懸命看病をするスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、オリビア・デ・ハビランド

プリシーの声が聞こえ窓の外に目をやると、のんびり歌いながら帰ってくるプリシーの姿があった。
訳を聞くと先生は病院ではなく駅にいるという。
怖くて駅にいけないというプリシーにメラニーの看病を言い渡しスカーレットは急ぎ駅に向かう。
そこでスカーレットが目にしたのは、照りつける太陽の下に数知れぬ負傷兵の群れが、いくつもの長い列をつくって横たわっている光景だった。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リーら

ひどい臭気やうめき声の中を通り、やっとミード先生を探し出しメラニーが産気づいたので来てくれるよう頼むが、先生はそれどころではなかった。
落胆し疲れ果てて帰るスカーレット。
プリシー・・・「先生は?」
スカーレット・・・「来ないわ」
プリシー・・・「具合が悪いのによ」
スカーレット・・・「誰も当てにできないわ
お前がやるしかないわ 手伝うから」
プリシー・・・「そりゃ困るだ!」
スカーレット・・・「何なの?」
プリシー・・・「先生は必要だって! お産のこと知らねえもの!」
スカーレット・・・「知らない?
知ってると言ったのに!」
プリシー・・・「出まかせだよ お産は見たこともねえ」
プリシーに平手打ちをくらわすスカーレット。
金切り声をあげ泣き叫ぶプリシー。
弱々しい声でスカーレットを呼ぶメラニー。
泣き叫ぶプリシーを黙らせ決心するスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、バタフライ・マックイーン

スカーレット・・・「火をおこして お湯を沸かすの
ほかに麻糸と タオルとハサミを 間違えないで!
大急ぎだよ!」
再びスカーレットを呼ぶメラニーの声がする。
メラニー・・・「スカーレット
スカーレット
スカーレット」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「今 行くわ すぐよ」
手摺につかまりながら階段を登って行くスカーレット。
のしかかってきた重荷を担いで…

難産であったがスカーレットはメラニーの赤ちゃんを無事取り上げた。
一刻も早くタラへ行きたいスカーレットは、レット(クラーク・ゲーブル)に馬車を回して貰うようプリシーを使いに出す。

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 〜馬車〜

レットが馬車を調達してくる。
スカーレット・・・「レットなの?
よかった!」
レット・・・「旅にはよい晩ですな」
スカーレット・・・「ふざけると殺すわよ」
レット・・・「怖いのか?」
スカーレット・・・「怖くなかったら 人間じゃないわ!」
爆音がする。
スカーレット・・・「北軍だわ!」
レット・・・「味方が撤退前に 爆薬を処分してるんだ」
スカーレット・・・「逃げなきゃ」
レット・・・「それで行き先は?」
スカーレット・・・「タラよ」
レット・・・「あそこでは激戦があった
病人と赤ん坊を連れて 敵陣を突破する気か?
それとも独りで?」
スカーレット・・・「みんな一緒よ 止めないで」
レット・・・「悪路の旅は 病人には危険だぞ」
スカーレット・・・「お母様に会いたい! タラに帰りたい!」
泣き乱れ叫ぶスカーレット。
荒々しくレットは、
レット・・・「タラの焼け野原は敗残兵でいっぱいだ
苦労して盗んだ馬を 奪われるのはご免だ」と言う。
こぶしでレットの胸を叩きながら泣き叫ぶスカーレット。
スカーレット・・・「歩いてだって帰る! 止めたりしたら殺すから!」
泣き乱れ壊れそうなスカーレットを腕のなかに抱き寄せるレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

そして、優しく包み込むようにしてスカーレットを宥める。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「分かった きっと帰れる
君の意気には 北軍もしっぽを巻くさ
泣くな
鼻をかんで」
スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は独りで背負い込んでいた重しと恐怖と緊張が解きほぐされた。
それはレットの懐であった。

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 〜大火災〜

さあ、タラへ。
スカーレット・・・「あれは?」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、オリビア・デ・ハビランド、クラーク・ゲーブル、バタフライ・マックイーン

レット・・・「味方が倉庫に火を放った 爆薬庫が爆発する前にー
通り抜けよう」
スカーレット・・・「ほかの道は?」
レット・・・「北軍に封鎖されている」
疲れ果てた兵隊が横断し道をふさいでいる。
スカーレット・・・「じれったいわ」
レット・・・「だが軍隊が去ると共にー
最後の秩序もなくなる」
窓ガラスが割られる。
レット・・・「もう始まった」


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

町のあちらこちらで火災が起きている。
レット・・・「急ごう」
群集・・・「馬だ!」
馬車を奪おうと押し寄せてくる群衆。
群衆を殴り飛ばし蹴落とすレット。
群衆に抵抗するスカーレット。
馬車の中で泣き叫ぶ赤ちゃんを抱き寄せて怯えているメラニーと金切り声を出しているプリシー。
 
やっと群衆から逃れてきたが目の前は火の海だ。
奇声をあげ泣き叫ぶプリシー。
スカーレットにレットは、
レット・・・「じきに火が爆薬に回るぞ」と言う。
馬が火の粉に怯え暴れ前に進まない。
レットは馬車から飛び降り手綱を引くが馬が怯えている。
スカーレットに、
レット・・・「肩掛けを!」
スカーレットから受け取った肩掛けを馬の頭に被せながら、「我慢しろよ」と言い馬に目隠しをして引っ張る。
やっとの思いで横切って行った時、背後に爆音が轟く。


『風と共に去りぬ』

大火災となり燃え広がった倉庫が崩壊する。
それがひとつの時代の終わりを告げる。
 音響効果・撮影技術、それに演出が素晴らしい。
 目を見張る場面だ。
 “これぞ映画だ”と誇らしげな声が聞こえてくるようだ

 そして、負傷兵の列を見てレットがスカーレットに語る重要な台詞になる。
レット・・・「よく見ておくんだ
南部が滅びた夜のことを 孫たちに話す時のために
勝利を公言していた バカ者どもが」
スカーレット・・・「こんな戦いに 私たちを巻き込んで」
レット・・・「愚かな戦いだった…」
スカーレット・・・「志願しないでよかったわ
あなたは賢明だったのよ」
レット・・・「自慢はできん」


『風と共に去りぬ』

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 〜告白〜

小高い丘に達した時、レットは馬を休めスカーレットに向かって言う。
レット・・・「まだ強行軍を続ける気か?」
スカーレット・・・「きっと やり通せるわ」
レット・・・「ではやるんだな おれは降りる」と言い馬車から降りる。
スカーレット・・・「どこへ行くの?」
レット・・・「軍隊に志願する」
スカーレット・・・「また冗談を 脅かさないで」
レット・・・「まじめだ 栄誉ある南軍に 入れてもらう」
スカーレット・・・「負けたのよ」
レット・・・「まだ最後の決戦があるはずだ
遅まきながら手伝いたい」
スカーレット・・・「本気にしないわ」
笑いながらレットは、
レット・・・「自分勝手を押し通す君には 大儀など意味ないな」と言う。
スカーレット・・・「こんな仕打ちはひどいわ なぜ今になって行くのよ?
なぜ?」
レット・・・「弱い者に 味方したくなる癖がある」
暗い表情で、更に、
「罪滅ぼしか…
分からん」と言うレット。
スカーレット・・・「かよわい女を ほうり出すの?」
レッド・・・「かよわい?」
せせら笑いながら、
「君に出会う北軍こそ災難だ
降りて 別れのあいさつを」と言うレット。
スカーレット・・・「NO」
帽子を被り馬車に足をかけ手をのばしてスカーレットを抱きかかえ下ろすレット。
スカーレット・・・「行かないで 行ったら許さない!」
スカーレットを抱き寄せ帽子を取り、
レット・・・「我ながら こんな行為は愚かと思う
弾丸に当ったら それは天罰だ
だが君への愛は本物だ
世界が砕けようと この愛は変わらない
おれたちは似ている
利己的だが自分を主張する強さを持っている」と言う。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

スカーレット・・・「放してよ」
顔を背けるスカーレット。
両手で頭を包み向き直らせるレット。
レッド・・・「おれを見ろ
こんなに 女を愛したのは初めてだ
こんなに我慢強く待ったのもだ」
額にキスするレット。
スカーレット・・・「やめて!」
レット・・・「この南軍の一兵士を 抱いてくれ
キスで戦場に送ってくれ
死にゆく男に せめて美しい思い出を
スカーレット キスを」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

強く抱きしめ唇にキスをするレット。
離れようともがくスカーレット。
スカーレット・・・「下劣な男ね!」と言いながら平手打ちをするスカーレット。
スカーレット・・・「うわさ通りだわ あなたは紳士じゃない!」
 この後のクラーク・ゲーブルの表情がいい。
 レットは愛する女に死を覚悟しているから本心を告白した。が、帰ってきたのは叱責と侮辱だった。
 寂しい表情を浮かべるレット。
 一瞬見せるレットの胸の内が堪らない。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

レットは寂しい胸の内を気付かれないように何時もの口調で、
レット・・・「紳士でなくて結構」と言い帽子を被り、
レット・・「馬泥棒はこれで 誤って馬を撃つなよ」と銃をスカーレットに渡す。
スカーレット・・・「さっさと行って!
弾丸に当って 吹っ飛べばいいわ!」
涙声になっているスカーレット。
レット・・・「希望に添うようにしよう
死んだら 少しは悲しんでくれよな」
被った帽子を取って、
レット・・・「さようならスカーレット」と言い立ち去る。
スカーレットは泣きながら馬車の方へ向かい崩れそうになるが、手綱を握り締め、
スカーレット・・・「さあ タラへ!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

馬車を引っ張ってゆく。

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 〜道のり〜
 
馬泥棒などに見つからないように橋の下に隠れ、手綱をしっかり持っているスカーレット(ヴィヴィアン・リー)


『風と共に去りぬ』バタフライ・マックイーン、ヴィヴィアン・リーら

頼りないプリシー(バタフライ・マックイーン)、衰弱しているメラニー(オリビア・デ・ハビランド)、そして赤ちゃんを連れての道のりは厳しい。だが、スカーレットのタラへ行きたいという意志は困難を乗り越えて行く。
死体が散乱している中を突き進む。


『風と共に去りぬ』バタフライ・マックイーン、ヴィヴィアン・リー

馬は泡を出しあえいでいる。
夜更けにオークス屋敷に着くが人気もなく廃墟化している。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、バタフライ・マックイーン

屋敷を見渡しながら、
スカーレット・・・「アシュレー あなたにみせたくないわ」と呟く。
そして、怒りが込み上げてくる。
スカーレット・・・「北軍のけだもの!」
すると、“カチャカチャ”と物音がする。
 この時の驚くヴィヴィアンの表情は必見だ。
 上手い!


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

人騒がせな牛をメラニーの赤ちゃんのミルク用に連れて、更にタラへ向かう。
辺りは真っ黒だ。
スカーレット・・・「着いたわ!
タラよ!」
馬を鞭打つ。
スカーレット・・・「進むんだよ!」
倒れる馬。
プリシー・・・「死んじまった!」
スカーレット・・・「家が見えない 焼けたの?」
その時、月明かりが射しこんでくる。
スカーレット・・・「あった! 焼けてないわ!
無事だった!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

家へ向かって駆け出すスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「お母様! 戻ったわ!
お母様! 戻ったわ!」
ドアを叩く、
スカーレット・・・「お母様! 私よ!
私よ! 戻ったわ!」
ドアが開かれる。
夢遊病者ように黙ったままジェラルド(トーマス・ミッチェル)が立っている。
スカーレット・・・「お父様 戻ったわ」
ジェラルドに抱きつく。
記憶を呼び戻したようにしてジェラルドは、
ジェラルド・・・「お前… スカーレット!」と抱き寄せる。
マミー(ハティ・マクダニエル)が寄ってくる。
マミーに気が付くスカーレット。
スカーレット・・・「マミー マミー」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

抱きつき泣き出すスカーレット。
抱き寄せるマミー。
スカーレット・・・「お母様は?」
困った表情になって、
マミー・・・「妹様方は チフスにかかられて…
もう治られたが ひどく細くおなりだ」と言うマミー。
眉間に皺を寄せて、
スカーレット・・・「お母様は?」と言うスカーレット。
言葉を詰まらせて、
マミー・・・「奥様はろくでなしの エミーの看病をして」と言うマミー。
動悸がするスカーレット。
スカーレット・・・「…」
マミー・・・「病気をうつされて」
緊張に顔が強張ってくるスカーレット。
スカーレット・・・「…」
マミー・・・「そして昨夜…」
スカーレット・・・「お母様?」
エレン(バーバラ・オニール)を探すスカーレット。
声を上げ「お母様?」部屋を見回し「お母様?」マミーに近寄り奇異な声で「お母様は?」
マミーが光が漏れている部屋のドアの方へ視線を向ける。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

動悸に押し潰されそうになりながら視線をドアの方へ向け歩き出すスカーレット。
そしてドアを開く。
そこにはロウソクの灯りに囲まれたエレンの遺体が…
スカーレットは現実を受け止めたくない気持ちを持ちながら近づいて行く。
そして現実を目の前にした時、悲鳴と共に崩れ落ちる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 〜重荷〜

それから、どのくらい経ったのだろう。
泣きはらしたスカーレット(ヴィヴィアン・リー)が部屋から出てくる。
心配して待っていたマミーや召し使いのポーク(オスカー・ポルク)が寄ってくる。
ポーク・・・「何かご用は?」
スカーレット・・・「メラニーはどう?」
マミー・・・「心配はねえだ 赤ちゃんとお休みだで」
頷きスカーレットは、
スカーレット・・・「牛は納屋に入れてね」
ポーク・・・「納屋はねえです」
驚き向き直るスカーレット。
ポーク・・・「北軍がたき木にしちまって」
マミー・・・「ここを司令部にしてただ」
ポーク・・・「大勢が野営を」
スカーレット・・・「北軍がここに?」
マミー・・・「あげく盗んでいっただ 衣類も敷物も」
悲しそうに、
マミー・・・「奥様のロザリオまで」
溜息をつくスカーレット。
スカーレット・・・「何か食べる物を」
マミー・・・「みんな食われちまった」
スカーレット・・・「にわとりも?」

ポーク・・・「食った残りは 鞍につけて行ったです」
スカーレット・・・「もう聞きたくないわ」
スカーレットが視線を向けるとジェラルドが目にとまる。
近寄る。
そして、ジェラルドが精神異常になっている事に気付く。
 驚く表情が細やかに移り変わってゆくヴィヴィアンの見事な演技だ。
ジェラルドの肩に両手を置き、
スカーレット・・・「何も心配しないで スカーレットがいるわ
大丈夫よ」と言う。
 胸をうつ。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

あまりにも多くの悲しみや衝撃に憔悴し疲れきっているスカーレットに、
マミー・・・「メラニー様や赤ん坊に 何を差し上げたら?」と言うマミー。
首を横に降り、
スカーレット・・・「分からない」と言うスカーレット。
マミー・・・「畑には大根しかねえです」
スカーレット・・・「…」
プリシー・・・「妹様方が 体をふいてくれって」
スカーレット・・・「召し使いたちは?」
マミー・・・「あたしら以外は 兵隊に行ったり 逃げたり…」
スカーレット・・・「…」
プリシー・・・「一人で赤ん坊と病人たちの 世話はできねえだ」
ポーク・・・「乳しぼりは誰が? 外働きがいねえです」
スカーレット・・・「…」
スカーレットはタラに帰れば重荷がおろせ優しく包み込んでくれる母がいる。
その思いがあったからどんなに過酷で困難な道でも突破し、どんなに重荷を背おあされても背筋をあげて頑張って帰って来たのに母はいない。
重荷は益々のしかかってくる。
辺りを見回すと焼け野原だ。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

疲れ果てて、フラフラしながら空腹の胃袋に入れられるものを求めて足を進める。
ふらつき畑へ。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

もう限界だ!
大根を見つけ飛びつく。
やせ細った大根を手にし、かじる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

弱った胃は受け入れず吐く。
惨めさと屈辱感におおわれ涙し蹲る。
そして、蹲っていたスカーレットが立ち上がる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

荒れ果てた畑で力を振り絞って誓う。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「神よ お聞き下さい
この試練に私は負けません
家族に二度と ひもじい思いはさせません 生き抜いてみせます!
たとえ盗みをし 人を殺してもでも!
神よ 誓います 二度と飢えに泣きません!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 感動的なシーンだ。
 蹲っていたスカーレットが立ち上がる。
 その時の蠢く様に動くヴィヴィアンの左右の肩甲骨の動きがいい。
 生が見える。
 躍動し立ち上がった姿に自分と重ね合わせて観ていた私は、身を乗り出し「頑張れ!」と内なる声でエールを送っていた。

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※前編終了、草鹿宏著でヴィヴィアンはスカーレットに相応しく、世界中から選び抜かれた唯一の女優である。と語られたヴィヴィアン・リーと原作者マーガレット・ミッチェルにレットはゲーブルをイメージして書いたと言われたクラーク・ゲーブル。映画史に燦然と輝く『風と共に去りぬ』の後編をお楽しみ下さい。

後編

    クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

 映画史に燦然と輝く『風と共に去りぬ』の後編は、マーガレット・ミッチェルが作り出した4人のキャラクターが、浮き彫りになって行く。
 中でも、誇り高きスカーレット・オハラの波乱万丈の行く末は…

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 〜南部の荒廃〜

“風はジョージアを吹き荒れた 北軍の進撃!
南部同盟を分断 屈服させようとー 侵略者たちは進軍を続けた
アトランタから 海に至る広大な地域にー
破壊の跡を残しながら…”


『風と共に去りぬ』

タラは生き残った
敗北の地獄と飢えの中に…

綿畑でスカーレット(ヴィヴィアン・リー)の妹スエレン(イヴリン・キーズ)が小言を言っている。
スエレン・・・「背骨が折れそうよ
お姉様ったら 人をこき使って!」
スカーレットが両手に水を入れた桶を持って寄って来て、
スカーレット・・・「悪かったわね
でもタラは私一人では 手に負えないの」と言う。
スエレン・・・「タラなんて嫌いよ」と言うスエレンを睨み平手打ちするスカーレット。
スカーレット・・・「タラを嫌いだなんて!」
悲しみを込めて、
「親を憎むのと同じよ」
両手に水桶を持って立ち去る。

スカーレットの方へジェラルド(トーマス・ミッチェル)が寄って来る。
両手に水桶をさげ疲れ果てているスカーレットに向かって、
ジェラルド・・・「使用人に厳しくしすぎるのは 感心できんよ」と言い出す。
流れ落ちる汗を拭き、
 


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、トーマス・ミッチェル

スカーレット・・・「私だって休みなしに 働いてるわ」と言うスカーレット。
肩で息をしているスカーレットにジェラルドは、
ジェラルド・・・「母さんに相談しよう」と何時もの口癖を言う。
スカーレットは視線の定まっていない父を見て落胆する。

水桶を広間に持ってスカーレットが入って来る。
体が衰弱しているメラニー(オリビア・デ・ハビランド)が2階から降りて来て、
メラニー・・・「あなたが働いてるのに 寝ていられないわ」と言う。
スカーレット・・・「その体では無理よ」
スカーレットの役に立ちたいと思いを込めて、
メラニー・・・「でも何か…」と言い、嬉しそうにスカーレットの返事を待つメラニー。


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「今 病気をひどくしたら その分 世話が焼けるわ!」
メラニー・・・「考えが足りなかったわ」と言い、スカーレットの役に立てなくてがっかりして階段を上がって行く。
 メラニーがスカーレットを好き、いや、愛していることが演出されている。
 スカーレットの役に立つ、それはメラニーの喜びでもあるのだ。

外で馬のひづめの音がし北軍の騎兵が銃を片手に辺りを窺うようにして入って来る。
気が付いたスカーレットはレッド(クラーク・ゲーブル)に貰った銃を取りに行く。
足音がしないように靴を脱ぎ北軍の騎兵を捜す。が、階段で見つかる。
北軍の騎兵・・・「誰だ? 動くと撃つぞ!」と言いながら銃を片手に、もう一方の手にエレンの裁縫箱を持ってスカーレットを威圧する。
そして、
北軍の騎兵・・・「何を隠してる?」と言ってスカーレットに近づいて来る。
目の前に北軍の騎兵が来た時、後ろ手に隠していた銃を放つスカーレット。
北軍の騎兵の顔面に命中する。
階段を転げ落ちる。
恐怖の表情を浮かべて見ているスカーレット。
物音が聞こえスカーレットが振り向くと、
危機を感じた寝巻き姿のメラニーが踊り場にサーベルを握って来ていた。
スカーレットに向かって称賛の気持ちを込めて、
メラニー・・・「やっつけたのね
よくやったわ」と言うメラニー。
銃声に驚いてスエレンたちが外の方から走って来る足音や声がする。
踊り場の窓を開け、
メラニー・・・「スカーレットが銃の手入れをしてたら暴発したの」と機転を利かせるメラニー。
スエレンたちは戻って行く。

スカーレット・・・「うそが上手ね」と言いながらも感謝の表情を浮かべるスカーレット。
 メラニーがスカーレットの役に立った喜びが、この後に行動を共にする時の仕草に表されている。
メラニー・・・「埋めなくちゃ 北軍に見つかったら…」
スカーレットに近づいて腕を掴む。
スカーレット・・・「一人で来たわ 脱走兵よ」
メラニー・・・「でも隠さなきゃ 何から足がつくか分からないし」
スカーレット・・・「あずまやの下に埋めるわ でも どうやって運ぼうか?」
メラニー・・・「2人で引きずるのよ」
スカーレット・・・「あなたは無理よ」
メラニー・・・「雑嚢を探ってはいけない?」


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「よく気がついたわ」
スカーレットと一緒に行動するメラニーに活気が見える。

スカーレットが死体を引きずって運ぼうとすると床に血の跡が付く。
スカーレット・・・「ガウンを貸して 頭に巻くわ」
そして、寝巻きをスカーレットに渡す。
恥じらうメラニー。
スカーレットは死体を運びながら、
スカーレット・・・「私は人殺しね」と顰める。
そして、スカーレットの口癖、
「考えるのは明日にするわ」と言う。

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 〜終戦〜

南軍が降伏し戦争が終わる。
アシュレー(レスリー・ハワード)が戻ってくると喜ぶメラニーとスカーレット。
そして、スカーレットはアシュレーが帰ってきた時のことを思い、
スカーレット・・・「綿を育てましょう 天に届くほど」と農作業に意欲を燃やす。

“戦いに敗れた兵士たちはー 皆 家路についた
かっては富と 気品に満ちていた故郷へと
彼らと共に来た残酷な侵略者 それは北部の悪徳政治家だった”

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 〜スカーレットとメラニー〜

帰還兵の世話をしているメラニー(オリビア・デ・ハビランド)を呼ぶスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
嬉しそうにしてスカーレットの所に来るメラニー。
スカーレット・・・「死ぬほど働いて 手に入れた食糧をー
あんな人たちに与えるなんて
イナゴにあげるのと同じよ」
メラニー・・・「怒らないで それより アシュレーは捕虜になったと」
スカーレット・・・「捕虜に?」
メラニー・・・「もし生きてたら 今ごろは釈放されてるわ
どこかで北部の女性に 情けをかけられてー
食事を分けて もらってるかも」
スカーレット・・・「なら いいけど」と、軽く手をメラニーに添え理解を示してやる。

 この後に、フランク(キャロル・ナイ)がスエレン(イヴリン・キーズ)との結婚の承諾を願う場面がある。
 ヴィヴィアンは洗濯物を腕に掛ける仕草で、スカーレットが今や家長であることを知らせる演技をした。
 これは、『美女ありき』の中でハーディ艦長が、再びネルソン提督を必要としているとエマに頼む場面でも見られる。

一人の兵士が家に向かって道をヨボヨボして歩いて来ているのを見て、
スカーレット・・・「また来たの
食べるかしら?」
マミー・・・「もちろん」
メラニー・・・「用意するわ」
 この後のシーンで、スカーレットとメラニー、メラニーとアシュレー、スカーレットとアシュレー(レスリー・ハワード)の結びつきを演出している。
 アシュレーに気が付くメラニーと気が付かないスカーレット。
 スカーレットはアシュレーの幻想を追い求めているだけだから、容姿が変わると判からない。
 それよりも、メラニーが見知らぬ人の方へ行こうとしているのを引き止めようとしている。


『風と共に去りぬ』ハティ・マクダニエル、オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

 メラニーとの繋がりが強いことを示している。
 上手い演出だ。
 スカーレットとメラニーは好対照でありながら、いや、あるからこそと言った方がいいかもしれないが惹かれあっている。
 ただ、メラニーは気付いているが、スカーレットはそれに気付くまで年月が必要だった。
 勿論、この時点では気が付いていない。

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 〜スカーレットとアシュレー〜

スカーレット(ヴィヴィアン・リー)が税金300ドルの相談をアシュレー(レスリー・ハワード)にする場面である。
 ヴィヴィアン・リーが一番、得意な艶かしい演技が見られるところだ。

働いて働いて貯まったのは10ドルぽっきりだ。
タラにかけられた税金300ドルを払うのは、今のスカーレットには不可能な金額だった。
アシュレーに相談しに行くスカーレット。
屋外で不向きな仕事をしていたアシュレーから帰って来た言葉は、
アシュレー・・・「僕は今 生き地獄をさまよいー
孤独にうめいている」
聞きたくないとばかり嫌悪の表情を浮かべるスカーレット。
アシュレー・・・「君は恐怖を抱いたことなど ないだろう
現実に挑みー
僕のように逃げたりしない」
視線をアシュレーに向け、とんでもないとばかりに詰め寄り、
スカーレット・・・「逃げない?
違うわ 私も逃げたい もう疲れ果てたわ
耕したり 綿を摘んだりは もうたくさん」
気持ちが高ぶり、
「南部は死んだのよ
死んだのよ
すべてを 北部に奪われてしまったわ」
アシュレーに言い寄る。
スカーレット・・・「アシュレー メキシコへ逃げましょう」
驚くアシュレー。
スカーレット・・・「そして二人で暮らすのよ
あなたのためなら 何でもするわ
あなたが愛してるのは 私だって言ったでしょう
それにメラニーは もう子供を産めないのよ」
アシュレー・・・「昔のことは忘れるんだ」
スカーレット・・・「忘れられないわ あなたも私を愛してるのに」
アシュレー・・・「愛していない」
スカーレット・・・「うそよ!」
アシュレー・・・「メラニーを捨てられると思うか
君は父上や妹を捨てられるか」
泣きながら、
スカーレット・・・「できるわ あなたのためなら!」
アシュレー・・・「君の心境は よく分かる
一人で家族を支えてきた 今後は僕も手伝うよ」
スカーレット・・・「それより連れて逃げて! 誰に遠慮もいらないわ」
アシュレー・・・「そうか…
誇りはどうなる」
悲しそうに背を向け歩き柱に寄りかかるスカーレット。
そして、泣き出すスカーレット。
歩みより抱き寄せ宥めるアシュレー。
アシュレー・・・「スカーレット お願いだ 泣くのはやめて
泣きやんで 元気を出して」
額にキスをするアシュレー。
目と目が合う。
抱き合いキスする。
そして、スカーレットは泣き崩れながら、
スカーレット・・・「私を愛してるくせに… そう言って!
愛してると言って!
愛してると言って!」
アシュレー・・・「いけない 僕は家族を連れてタラを出る」
スカーレット・・・「愛してると言って!
愛してると言って!」
アシュレー・・・「僕は君の勇気を愛している」
スカーレット・・・「愛してると言って!
愛してると言って!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード

アシュレー・・・「だから もう少しで妻や子を 忘れそうだった」
スカーレット・・・「愛してると言って!」
アシュレー・・・「僕には妻子がいるんだ!」
思いを振りきろうと顔を背けるアシュレー。
取り乱していたスカーレットが我にかえって、寂しそうに、
スカーレット・・・「じゃ… 私はもう終わりよ
戦う目的も 生きる望みもないわ」
アシュレーはスカーレットに向き直り、
アシュレー・・・「いや あるとも
僕より愛しているものが 君にはある」
足元の土を掴む。
スカーレットの手に包み込むようにして渡す。
「タラだ」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード

手の平の一握りの土を見ながら、
スカーレット・・・「そうだったわ」
屋内へ行きかけて立ち止まり振向く。
「行かないで
恨んで ひもじい思いを させたりしないから
二度と取り乱さないわ」
アシュレーから遠ざかって行くスカーレット。
頭を垂れているアシュレー。
 「愛してると言って!」と泣き崩れるヴィヴィアンの演技は脆くて切ない。
 ヴィヴィアン両肩の動きが女心を切々と訴える。
 抱きしめてやりたい衝動にかられるのはアシュレーだけではない。
 映像を見ている私も気持ちが高ぶり揺り動かされる。

ジェラルドはかって世話していた男ウィルカースンの横暴さに腹を立てる。
怒り狂って馬でウィルカースンが乗った馬車を全速力で追う。
柵を飛び越えようとしたが、つまずいた馬から投げ飛ばされ死ぬ。

父は死に税金も払う手段がつかない。
どうしたものかと考えあぐねているスカーレット。
マミー(ハティ・マクダニエル)が口にした、「金を持ってるのはー 北部のやつらだけだね」というのに反応して、
スカーレット・・・「レットよ」と言い、案を思い付くが、
「やせて青白くて… ドレスもないし…」
割れた鏡を覗き込んでいたスカーレットの目にカーテンが。
カーテンの方へ行き生地を触って素材を確かめる。
マミーに向かって、
「ドレスの型紙を持ってきて」と言う。
 この後、ヴィヴィアンの品定めをする仕草がいい。


『風と共に去りぬ』ハティ・マクダニエル、ヴィヴィアン・リー

マミー・・・「奥様のカーテンで何を?」
スカーレット・・・「ドレスを作るの」
マミー・・・「あたしの目の黒いうちは そんなこと…」
スカーレット・・・「私のものよ お金を工面しに アトランタへ行くの」
マミー・・・「誰と?」
スカーレット・・・「独りで」
マミー・・・「ダメです! あたしも付き添いますよ」
スカーレット・・・「マミー…」
マミー・・・「猫なで声を出しても だまされねえ
絶対ついて行きますだよ」

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 〜再会〜

監獄に囚われの身になっているレット(クラーク・ゲーブル)の妹だと言い面会するスカーレット。
看守に案内されてスカーレット(ヴィヴィアン・リー)が入って来る。
スカーレット・・・「レット!」
スカーレットを出迎えるレット。
レット・・・「スカーレット! 懐かしの妹よ」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルら

両腕に彼女を抱き締め額にそっとキスをする。
看守に向かって、
レット・・・「脱獄の道具を 差し入れに来たんじゃない」と言い覗き込もうとしている看守を遮る。
 この時のゲーブルの目の動きがチャーミングだ。
そして、嬉しそうにスカーレットに寄って行き、
レット・・・「キスしていいか?」と言う。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「額にね お兄様」
レット・・・「兄貴はつまらんな」
スカーレット・・・「あなたが捕らえられたと聞いて 心配したわ
縛り首って本当?」
レット・・・「うれしいか?」
スカーレット・・・「まあ、レット」
レット・・・「心配するな
やつらの目当ては おれの金だ」
やっぱり持っているんだというような表情を浮かべるスカーレット。
レット・・・「南軍の金を 持ち逃げしたと思っている」
スカーレット・・・「そうなの?」
魂胆見え見えのスカーレット。
レット・・・「いい質問だ だが金の話なんてよそう
よく来てくれた 相変わらず美人だ」
下がってスカーレットの両手を持ち全身を見回すレット。
笑みを浮かべて、
スカーレット・・・「田舎娘を おだてるのがお上手」と言う。
レット・・・「醜い女は見飽きた 回って」
両手を上げ可愛らしく回るスカーレット。
レット・・・「さすが豪華版だな」
抱き寄せ食い入るように見詰めるレット。
スカーレット・・・「タラの暮らしは優雅よ
でも退屈なので たまには都会の空気を吸わなきゃ」
微笑み合う二人。
スカーレットを椅子に座らせ、
レット・・・「賛成だ 君は 田舎にはもったいない女だ」と言いスカーレットの目の前に座るレット。
スカーレット・・・「あなたが牢獄にいると聞いて とっても悲しかったわ
でも私を見捨てたあなたを 許したわけじゃないのよ」
レット・・・「そりゃ手厳しい」
スカーレット・・・「でも あなたは命の恩人だしー
私は何不自由なく 気ままに暮らしてるのにー
あなたは牢獄にいるんですもの それも馬用のね」
立ち上がり離れながら、
「私って 泣きたい時には 冗談を言うの」
後ろを向き、
「泣いちゃうわ」と言う。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

信じられない様子でスカーレットを見ているレット。
レットの反応を待つような目をし、いたずらっぽく脣を噛んでいるスカーレット。
 愛らしい。
スカーレットに近寄りながらレット。
レット・・・「スカーレット まさか…」
スカーレットを振向かせるレット。
鼻をすすって悲しんでいるふりをするスカーレット。
スカーレット・・・「何なの?」
両手でスカーレットを掴み顔を覗き込むレット。
レット・・・「優しい女心が芽生えたか?」
頷きながらスカーレット。
スカーレット・・・「そう… そうよ」
スカーレットの両手を持ちながら、
レット・・・「馬小屋に入ったかいがあった」
両手の甲にキスをし、
「うれしいな…」
更に、手の平にキスしようとするレット。
荒れた手の平を見るレット。
しまったと手を引っ込めようとするスカーレット。
スカーレットの両手をしっかり掴んで睨み、
レット・・・「虚勢を張るのはよせ 優雅な暮らしをしてるだと?」と言う。
困ったというような顔をしながら、
スカーレット・・・「ええ」と呟く。
凄まじく、
レット・・・「この手は何だ?」と言うレット。
スカーレット・・・「馬に乗ったから…」
レット・・・「これは小作人の手だ 一体 何をたくらんでる?」
スカーレット・・・「あの、レット…」
レット・・・「おれが心配だと?」
スカーレットの手を振り落とし離れる。
後を追いながらスカーレット。
スカーレット・・・「本当よ」
怒って振向き、
レット・・・「本音を言えよ おれから何を巻き上げたい?
金か?」と言うレット。
仮面が剥がれやむなく説明するスカーレット。
スカーレット・・・「税金に支払う300ドルよ
優雅な暮らしなんて うそよ 地獄のような毎日
助けてちょうだい」
呆れながら、
レット・・・「担保は何だ?」と言うレット。
スカーレット・・・「耳飾りは?」
レット・・・「バカ言え」
スカーレット・・・「じゃタラは?」
レット・・・「興味ない」
スカーレット・・・「じゃ来年の綿の収穫」
レット・・・「話にならん ほかには?」
一瞬躊躇して、
スカーレット・・・「私が好きだと言ったわね まだ好きなら…」と言うスカーレット。
レット・・・「おれは独身主義だぞ」
首を振りながら、
スカーレット・・・「知ってるわ」と言うスカーレット。
見詰めるレット。
必死のスカーレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「300ドルは高すぎる
男を食い物にする女だ」と侮辱し背を向け窓の方へ行くレット。
レットを視線で追い声を強めるスカーレット。
スカーレット・・・「お金のためなら 侮辱に耐えるわ
生きてる限りは タラを手放したくないの」
レットの方へ行き嘆願する。
「お願い お金をちょうだい!」
振り向き、
レット・・・「ご期待に添えんな 金はリバプールだ
北軍に知られたら没収される」と言い、バカにしたような口調で、
「恥をさらしに来ただけだな」と言うレット。
スカーレット・・・「OH」
「OH」
叫びレットを叩く。
押さえ込もうとするレットの腕に噛み付こうとしたりして暴れるスカーレット。
制止させようと手をスカーレットの体にまわして押さえ、
レット・・・「やめろ?」と言うレット。
押さえているレットの手に再び噛みつこうとしているスカーレット。
レット・・・「見られる」
やっと離れてスカーレット。
スカーレット・・・「この悪党! 初めから知ってたくせに!
なのに人に恥をかかせて!」
入り口の方へ行くスカーレット。
スカーレットに近寄りながら、
レット・・・「おれの処刑に立ち合えば 何か遺産をくれてやるさ」
入り口で振り向くスカーレット。
そして、睨み怒りを爆発させ引き戸を荒く開けながら、
スカーレット・・・「縛り首を見て 目の前で万歳してやるわ!」と言い捨て出て行くスカーレット。
レット・・・「フフフ」と笑い見送るレット。

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 〜ケネディの店〜

レットにお金を借りようと企てた作戦が不発に終わり、アトランタの町をマミー(ハティ・マクダニエル)と歩いているスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
フランク・ケネディ(キャロル・ナイ)が呼び止める。
店を開いていると言う。
店に案内されたスカーレットは中を見回す。
フランク・・・「規模は小さいんですが頑張ってますよ」
スカーレット・・・「業績は?」
フランク・・・「おかげで何とか
僕には商才があるようでして
スエレンと すぐ結婚できそうです」
スカーレット・・・「そんなに ご繁盛?」
フランク・・・「百万長者とはいきませんが 千ドルほど貯めました」
そうなんだとばかりに、さらに見回すスカーレット。
スカーレット・・・「材木まで…」
フランク・・・「副業にね」
驚くスカーレット。
スカーレット・・・「副業? だってこの辺は 大変な建築ブームでしょ」
フランク・・・「本業には資金不足でね 家も買わなければ」
スカーレット・・・「何のために?」
フランク・・・「スエレンと暮らします」
スカーレット・・・「彼女とアトランタで?」
残念とばかりに、
「期待できないわね」
浮かぬ表情のスカーレット。
気になるフランク。
フランク・・・「どういう意味です?」
フランクの反応に名案を思いつき、
スカーレット・・・「何でもないの」
声のトーンを変え愛想笑いをし甘えるように、
スカーレット・・・「叔母の家へ送って下さる?」と言うスカーレット。
スカーレットの笑顔に反応し、
フランク・・・「喜んで」
いそいそと仕度をするフランク。

馬車に乗り込みながら、
スカーレット・・・「夕食をご一緒しません? お別れしたくないわ」と言うスカーレット。
スカーレットが馬車に乗るのを助けると、
フランク・・・「今日はいい予感がしてました」と言い、馬車の手綱を解きながらスカーレットを覗き込み、
フランク・・・「スエレンの近況を 聞かせて下さい」と言うフランク。
視線をそらし困ったような表情をするスカーレット。
フランク・・・「どうしました? まさか病気じゃ…」
詰め寄るフランク。
視線をそらした目をフランクに向けて、
スカーレット・・・「まあ、違うわ! そうじゃないのよ!」
困ったなぁーとばかりに、
「彼女から聞いていない? もっとも本人の口からはね
何て薄情な妹でしょう」と言うスカーレット。
フランク・・・「何ですか? 教えて下さい」
急いでスカーレットの横に座ったフランクに、
スカーレット・・・「近くの人と結婚するの」と言うスカーレット。
馬車の後部で驚くマミー。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、ハティ・マクダニエル

フランク・・・「…」
スカーレット・・・「きっと待ちくたびれたのね」
茫然としているフランクを見ながら、
「私もつらいわ」
更に、誘惑しようと、
「まあ 寒いこと ポケットに手を入れさせて」と迫る。
口をポカンとあけスカーレットを見ているマミー。
 スカーレットが自分に好意を持っているフランクを手玉に取るところを、コミカルに演じたヴィヴィアンの技が冴える。
 それに、驚くマミーの表情がいい。

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 〜ケネディ夫人〜

「アトランタ・ナショナル銀行殿
ジョージア州微収官に 税金300ドルの送金を
スカーレット・オハラ・ケネディ」

タラの税金をフランクと一緒になり支払ったスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
泣きながら、
スエレン・・・「ひどいお姉様! 私のフランクと結婚するなんて
横取りしたのよ」と言うスエレン(イヴリン・キーズ)
メラニー・・・「タラを救うためだわ」
スエレン・・・「お姉様なんて大嫌い!」
泣きながら駈けて行くスエレン。
宥めようと追うメラニー(オリビア・デ・ハビランド)とカリーン(アン・ラザフォード)

それを見ているアシュレー(レスリー・ハワード)
悲しげな表情で座っているスカーレット。
アシュレー・・・「責任は俺にある 強盗でもすりゃよかったよ」
スカーレット・・・「そんなことさせないわ もう済んだことよ」
アシュレー・・・「済んだことか…
僕がふがいないので 君に犠牲を強いてしまった
俺も男だ 貢献してみせる」
スカーレット・・・「何の話?」
アシュレー・・・「ニューヨークへ行く」
驚き立ち上がるスカーレット。
アシュレー・・・「銀行で働くよ」
スカーレット・・・「ダメよ そんなの」
考えを廻らして思いとどまらせようとアシュレーの前に行き、
「あなたには材木の商いを 手伝ってもらおうと」
アシュレー・・・「僕は素人だ 何も知らない」
スカーレット・・・「銀行のお仕事は専門家?」
考えがひらめいて、
「利益は折半しましょう」
アシュレー・・・「ありがたい話だが…」
よかったという表情を浮かべるスカーレット。
アシュレー・・・「ここで再び 君の力を借りたらー
独り立ちができなくなる」
スカーレット・・・「心配ないわ あなたの持ち分を 少しずつ増やして…」
そういうことではないとばかりに姿勢を起こし首を振るアシュレー。
アシュレー・・・「ダメだよ」と言い部屋を出て行こうとするアシュレー。
それを見て泣き始めるスカーレット。
スカーレット・・・「OH アシュレー」
アシュレーの反応を盗み見しながら、


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

泣く振りを続ける。
振り向くアシュレー。
スカーレット・・・「アシュレー」
スカレットに戸惑いながら数歩近づき覗きこんでいるアシュレー。

スカーレットの泣き声に驚いてメラニーが入って来る。
メラニー・・・「スカーレット」
突っ立っているアシュレーを見る。
泣いているスカーレットを抱き寄せて座り、
「どうしたの?」と言うメラニー。
スカーレット・・・「アシュレーが いけないの」
スカーレットを抱きながらアシュレーの方を向き、
メラニー・・・「何を?」と言うメラニー。
困った表情で、
アシュレー・・・「アトランタへ来いって」と言うアシュレー。
抱き寄せられたままメラニーをちらっと見ながら、
スカーレット・・・「お店を手伝ってほしいのに イヤだって」と言うスカーレット。
アシュレーに向かって、
メラニー・・・「自分勝手な人ね」
言葉を返そうとするアシュレーに喋る暇を与えず、
「考えてごらんなさい スカーレットは命の恩人よ」と言うメラニー。
参ったとばかりに言葉を挟めないないでいるアシュレー。
スカーレットを前にし見詰め、
メラニー・・・「ここでも身を粉にして 私たちを養ってくれたのよ」
再び、スカーレットを強く抱きしめ、
「かわいそうに」と言うメラニー。
 大袈裟な仕草が可笑しいオリビア。
泣く振りを続けるスカーレット。
諦めて、
アシュレー・・・「分かった アトランタへ行こう」と言うアシュレー。
よかったという表情をし、スカーレットを抱いている手に力を込め思いを伝えるメラニー。
アシュレー・・・「君たちには勝てん」と言い、部屋を出て行くアシュレー。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、オリビア・デ・ハビランド、レスリー・ハワード

上手く行ったと左右に目を動かしているスカーレット。
 愛らしいヴィヴィアン
敗北したアシュレーが頭を垂れて部屋を出て行く。
 スカーレットとメラニーの結びつきの強さをコミカルな演技で見せるヴィヴィアンとオリビア。

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 〜商売〜

スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は製材所を大々的にやりだしている。
北軍と商売したり囚人を雇ったりしているやり方にアシュレー(レスリー・ハワード)が意見を言う。
それに対してスカーレットは、
スカーレット・・・「貧乏のつらさを忘れたの? 私は絶対に忘れないわ
タラを追い出されないように たくさん お金を貯めるの」と言う。
アシュレー・・・「南部人は皆 辛苦を重ねている
しかし誇りと情けは 失っていないよ」
スカーレット・・・「飢えてね そんな愚か者に用はないわ
私は北部人と商いをして 最後に勝利を握ってみせる」と言うスカーレット。

益々、拡大させているスカーレットに、
メラニー・・・「南部を滅ぼした相手に よく商売できるわね」と言うメラニー。
スカーレット・・・「もう終わったことよ 彼らを利用してやるの」と言うスカーレット。

「戦争終結につき 貸売お断り」と窓口に掲げてお金を数えているスカーレット。
ミード夫人・・・「北部人を相手に 材木を売り歩いてるそうよ」
メリーウェザー夫人・・・「恥知らずね」
インディア・・・「兄に無理難題を押しつけるの」
ピティパット叔母・・・「自分で馬車を走らせてね」と人々がスカーレットを非難する。

レット(クラーク・ゲーブル)が葉巻をくわえながら“ウィルクス&ケネディ”の看板をつけている馬車を見ている。
スカーレットが馬車の方へ来るのが見えニヤリと笑い、
レット・・・「これは懐かしい ケネディ夫人ですな」
帽子を取って深深とお辞儀をするレット。
スカーレット・・・「何て恥知らずの男なの」
レット・・・「待ってりゃ おれの100万ドルが 転がり込んだのにな」
頭を振って残念だったなぁとばかりにからかうレット。
馬車に乗る準備をしながらスカーレット。
スカーレット・・・「何の用? 忙しいのよ」
レット・・・「ご本人にぜひ うかがいたいことがある」と言うレット。
スカーレット・・・「何なの?」
レット・・・「愛してない男と 結婚するのが趣味か?」
怒って、
スカーレット・・・「早く縛り首になって!」
スカーレット
声を出し笑うレット。
レット・・・「金で命を買える世の中だ
君もウィルクス君を 買ったろう」
スカーレット・・・「まだ彼が嫌い? 嫉妬してるのね」
自尊心を持って馬車に乗ろうとしているスカーレットを制して、
レット・・・「相変わらず大した自信だ
男は皆 自分のとりこになると 思ってるのか」と言うレット。
怒って、
スカーレット・・・「どいて!」
馬車に乗りこむスカーレット。
スカーレットに手を添えようとしながら、
レット・・・「怒りたもうな どこへ行く?」と言うレット。
馬車に座って、
スカーレット・・・「製材所よ ほっといて!」と言うスカーレット。
レット・・・「悪名高い貧民窟を 独りで通り抜けるのか?」
膝掛けをし銃をその上に見せ付けるように置き、
スカーレット・・・「ご心配なく 銃を持ってるわ」
背筋を伸ばし馬車を走らせるスカーレット。
レットは笑い感心したような表情を浮かべ、
レット・・・「恐れ入った」と見送る。

貧民窟で襲われるスカーレット。
そこに居合わせたビッグ・サムが助ける。

サムから事情を聞くフランク。
スカーレットの様子を見て決意を固め、
フランク・・・「君はメラニーさんの家に 僕は集会に出席する」と威厳のある言い方をする。
怖い思いをして泣いているスカーレットはフランクの言ったことに驚き、
スカーレット・・・「私があんな目に遭ったのに よく出かけられるわね」と言う。
スカーレットの頭にキスして、
フランク・・・「かわいそうに 怖かったんだね」と優しく見詰めるフランク。
スカーレット・・・「私など どうでもいいのよ ささいな出来事よね!」と泣いているスカーレット。
フランクの反応を確かめながら。
フランクはドアの前でスカーレットの方を振り向く。
誇りと情けを持つ南部の男の顔をして、帽子を静かに被り銃を懐からズボンの腰の所に移動させる。

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 〜メラニーの家〜

マミー(ハティ・マクダニエル)はドアの所で、メラニー(オリビア・デ・ハビランド)、スカーレット(ヴィヴィアン・リー)、ミード夫人(レオーナ・ロバーツ)、インディア(アリシア・レット)はテーブルを囲み編物などをしている。
時計の音がチクタク鳴るだけで嫌な空気の静けさに我慢できなくなったスカーレットが沈黙を破る。
スカーレット・・・「男なんて身勝手よ 口先だけ
襲われた私を置いて 集会に出かけるなんて」
メラニーが反応し何かいいたそうにスカーレットを見上げる。が、スカーレットと目が合いそうになり、すぐに編物をしている自分の手元に戻す。
スカーレットはメラニーの方を見る。
反応がないので視線を他に移そうとすると、スカーレットを憎しみに燃えた目で睨んでいるインディアが目に入る。
スカーレット・・・「インディアさんに うかがいますけど
なぜ私を睨むの? 顔に何かついてる?」と言うスカーレット。
毒々しくインディア。
インディア・・・「あんな目に遭っていい気味よ 自業自得とは このことね」
メラニー・・・「およしなさい!」と言うメラニー。
スカーレット・・・「チャールズを私に取られて くやしいんでしょう」と言うスカーレット。
睨んでいるインディア。
スカーレット・・・「あなたは裸にならないと 男を釣れやしないわ」と言うスカーレット。
悪意に満ちてインディア。
インディア・・・「あなたなんか最低よ! 下品極まりない恥さらしよ
みんなの命まで 危険にさらして…」
強い口調で、
メラニー・・・「インディア!」と言うメラニー。
ミード夫人・・・「おしゃべりはやめましょう 過ぎるといけないわ」
スカーレット・・・「私に何か隠してるのね」と言うスカーレット。
マミー・・・「し〜っ」
一斉にマミーの方を振り向く。


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、アリシア・レット、レオーナ・ロバーツ、ヴィヴィアン・リー

立ち上がってマミー。
マミー・・・「誰か来ますだ アシュレー様じゃねえ」
足音に耳をそばだてる。
足音が近づく、ドアを叩く音がする。
メラニー・・・「ミードさん 銃を」と言うメラニー。
驚くスカーレット。
ミード夫人から銃を受け取りマミーに合図をするメラニー。
どういうことなのか分からないスカーレットはメラニーの動きを追っている。
メラニー・・・「しらを切るのよ」
銃を持ち立ち上がり構えるメラニー。
ドアを開けるマミー。
急ぎ足でメラニーの前へ来るレット(クラーク・ゲーブル)
レット・・・「皆 どこだ? 命が危険だ 教えろ」
メラニーの両腕を掴んで詰め寄るレット。
レットを見るメラニー。
メラニーの直ぐ横に来て、
インディア・・・「言っちゃダメ! スパイよ」と言うインディア。
レット・・・「時間がないんだ」と言うレット。
眉間に皺を寄せ見ているスカーレット。
メラニー・・・「どうしたの?」と言うメラニー。
レット・・・「今夜の計画を知っていると 北軍の士官が口をすべらせた
やつらは待ち伏せてる」
真剣にメラニーの目を見て言うレット。
インディア・・・「しゃべっちゃダメ わなよ!」
声に反応し視線をインディアの方へ向けかけるが、直ぐにレットの方へ戻すメラニー。
そして、じっとレットの目を見るメラニー。
真剣な目をメラニーに返すレット。
メラニーがレットの目を見ながら話し出す。
メラニー・・・「古いサリバン農場です そこの地下室に集まって…」
レット・・・「行ってみる」
出て行くレット。
何が行われているのか知らされていないスカーレットはイライラしてメラニーに、
スカーレット・・・「何の話? 隠してないで早く教えて」と言う。
メラニー・・・「あなたが襲われた村を アシュレーたちが焼き打ちに」
語尾を強めて説明するメラニー。
驚くスカーレット。
メラニー・・・「南部の男は淑女を守るって」
編物を手にして椅子に座るメラニー。
茫然と立っているスカーレット。
スカーレットの前に来て憎しみを込めて、
インディア・・・「捕えられたら縛り首よ あなたの責任だわ」と言うインディア。
アシュレーたちの身を案じているスカーレットにインディアの言葉が追い討ちをかけるようにズサリと突き刺さってくる。
インディアにメラニーは冷静な威厳を込めて、
メラニー・・・「黙らないと 出てもらうわ
誰の責任でもないわ 努力の結果がこうなったの」と言う。
茫然として、
スカーレット・・・「フランクにアシュレーが 私のために…」
ぐったりと座り込むスカーレット。

マミー・・・「馬の足音がこっちへ来ます」
メラニー・・・「縫い物をして」
皆、編物を始める。
ドアを激しく叩く音。
メラニーの指示を受けドアを開けるマミー。
北軍の兵士がゾロゾロ入って来る。
大尉(ウォード・ボンド)が尋ねる。
大尉・・・「ウィルクス夫人は?」
威厳を持って、
メラニー・・・「私です」と言うメラニー。
大尉・・・「ご主人にお会いしたい」
メラニー・・・「留守です」
大尉・・・「本当に?」
マミー・・・「うそは言わねえ」
大尉・・・「疑うわけじゃないが 名誉にかけて誓えますか?」と言う大尉。
 大尉役のウォード・ボンドは人情を重んじた巨匠ジョン・フォード監督のお気に入りの俳優で監督の作品に殆ど出演している。
 ボンドの人間味ある演技が楽しめるところだ。
メラニー・・・「ケネディさんのお店で 選挙の集会があって」と言うメラニー。
大尉・・・「集会など開かれちゃおらん
お帰りを待たせて頂こう」と言い、こわばったような礼をし、
「家の周囲を見張れ」と部下に命令すると出て行く。

マミーの動揺は色濃く目が見開かれ皆に指示を求めている。
メラニーは動揺をしている己と皆を落ち着かせようと、
メラニー・・・「縫い物を続けて
私は本を…」と言い、張り詰めた空気の中でメラニーが読み始める。
「“デビッド・カパーフィールドの生涯
第1章… 余は生まれぬ”」
時間が経過して行く。
「“第9章 記念すべき誕生日 学校での出来事は省略す”」
スカーレットたちの不安は高まりを増す。
更にメラニーは読み続ける。
スカーレットの瞳がアップになり緊迫した状況が伝えられる。
 ここでのヴィヴィアンの動揺した瞳の動きは見事である。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

高まりが極限にこようとする時に、外から酔っ払いの歌声が聞こえる。
立ち上がり窓の方へ駆け寄るスカレットたち。
スカーレット・・・「酔ってるわ」
ドアの方に行こうとするスカーレットをメラニーは引き止め、
メラニー・・・「私に任せて 何も言わないでね」と言い、考えを持ってドアの方へ行く。
スカーレットに向かって吐き捨てるように、
インディア・・・「責任 取ってよ」と言うインディア。
ミード夫人・・・「しっ!」と、インディアを制止、ドアの方に行こうとするスカーレットを引き止めるミード夫人。

メラニーがドアを開く。
そこに、アシュレー(レスリー・ハワード)を支えているレット(クラーク・ゲーブル)たちと、それを阻んでいる大尉と部下たちがいる。
大尉・・・「静かにしろ」と言う大尉。
アシュレー・・・「こんばんは メアリー」
状況を読み取ったメラニーは困り果てた妻のふりをしてレットに向かって、
メラニー・・・「また主人を誘って飲ませたのね 早く入りなさい」と言う。
中に入ろうとするレットたちを制止、
大尉・・・「ご主人を逮捕する」と言う大尉。
落ち着いて、
メラニー・・・「酔っ払いを逮捕なさったら 牢が足りなくなるでしょう」と言うメラニー。
上目遣いしてメラニーを見るアシュレー。
メラニー・・・「船長さん さあ早く」と招き入れるメラニー。
 この時のオリビアは教養溢れるメラニーを上手く演じている。
レットたちと一緒にいたミード博士(ハリー・ダベンポート)が酔っ払いが絡むようにして大尉にまとわりつく。
大尉・・・「話を聞きなさい」
その間に歌いながらアシュレーを支えてレットが中に入る。

椅子を示し、
メラニー・・・「座らせて」と言うメラニー。
アシュレーを支えたレットたちは酔っ払いのように振舞って歌いながら椅子の所へ行く。
アシュレーの表情は辛そうだ。
アシュレーを椅子に座らせたレットを睨み怒ったふりをして、
メラニー・・・「船長はお引き取り下さい 二度とお会いしたくないわ」と言うメラニー。
帽子を取ってメラニーに、
レット・・・「世話になった礼がそれか
置いてくりゃよかった」と言うレット。
酔っ払いのように振舞って歌いながら、
ミード博士・・・「さあ ご一緒に」と言うミード博士。
ミード博士の方に向き直って、
メラニー・・・「先生までが こんな男と!」と言い、酔っ払いのようにして歌っているミード博士を睨むメラニー。
驚いて見ているスカーレットたち。
椅子に酔いつぶれたようにしてうずくまっているアシュレーに向かって、
メラニー・・・「何て だらしない人なの」と言うメラニー。
アシュレーを小突くレット。
顔を上げ、
アシュレー・・・「酔っちゃいないよ」と言うアシュレー。
マミーに向かって、
メラニー・・・「お部屋へ連れていって」と言うメラニー。
困惑した表情の大尉。
だが、
大尉・・・「逮捕する!」と叫びアシュレーを掴もうとする。
レットが大尉にからまるようにして邪魔し両腕を掴む。
レット・・・「こいつが何をした? 酒ならお前も飲むだろう」
大尉・・・「酒は関係ない この男は今夜 村の襲撃を謀り指揮した」と言う大尉。
スカレットは自分のことを大尉に持ち出されてムッとしている。
レットは片手を大尉の肩に置き、もう一方で椅子を掴んでいる。
大尉・・・「小屋も焼いて2人も死んだ
南部人に法の裁きを 教えてやる」と言う大尉。
大尉の話を聞きながらアシュレーに目を移し、再び大尉の顔を見て激しく笑い出すレット。
大尉・・・「何がおかしい?」
笑いながら移動し、
レット・・・「そりゃ見当違いだ 2人はおれと一緒だったぞ」と言い、椅子に座るレット。
大尉・・・「お前と? どこで?」と問い詰める大尉。
笑いが止まり困った表情になり、
レット・・・「ご婦人の前じゃ言えん」と言うレット。
大尉・・・「言うんだ!」と詰め寄る大尉。
レット・・・「じゃ外へ出よう」と言い、外を指差し大尉の肩に手を回し出て行こうとするレット。
レットに向かって、
メラニー・・・「ここで おっしゃって 私も聞きたいわ」と言うメラニー。
レットの方に向き直り答えを待っている大尉。
その大尉をチラッと見て、その後に婦人たちに視線を向ける。と、いかにも困り果てたような表情でメラニーに答えるレット。
レット・・・「おれの… 知り合いを訪ねた」
大尉の方を向き強調して興味を引きつけさせ、
「大尉も知ってる」
再びメラニーの方を向き、
「ベルの店だ」と言うレット。
目を伏せるメラニー。
メラニー・・・「…」
驚くスカーレット。
レット・・・「そこで遊んで 飲んで…」と続けるレット。
インディア、呆れ果てた表情に。
憤慨するマミー。
“まあ!”とばかりに夫を見るミード夫人。
ミード博士・・・「バカもん! 家内の前で何を言うか!」と言うミード博士。
笑うレット。
そして、大尉に向って、
レット・・・「気が済んだか おかげで明日は家庭争議だ」と言うレット。
気の毒そうな表情を浮かべてメラニーの方を見る大尉を意識して、がっかりした表情を浮かべるメラニー。
大尉・・・「そんなこととは…」
視線を落としているメラニーを見て慌てる大尉。
大尉・・・「お前とベルの店にいたと 誓えるか」と、レットに向かって言う。
レット・・・「疑うのならベルに尋ねろ」と言うレット。
大尉・・・「紳士として誓うか?」と言う大尉。
レット・・・「紳士として? 勿論だ」
ニヤリと笑い大尉に手を差し出し握手をするレット。
メラニーの方を見たり、レットの方を見たり、おどおどして、
大尉・・・「私の思い違いだったようだ
申し訳ない」と言う大尉。
心底傷ついたような表情を浮かべて、
メラニー・・・「お引き取り下さい」と言うメラニー。


『風と共に去りぬ』ウォード・ボンド、ハティ・マクダニエル、レオーナ・ロバーツ
オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル、アリシア・レット

後ずさりしながら、
大尉・・・「とんだことになって…
すみません 行くぞ」と部下たちと出て行く。

ドアが閉まると、
レット・・・「鍵をかけてカーテンを」と指示をしアシュレーを抱き起こすレット。
アシュレーのシャツに血が…

レットがアシュレーを抱き上げベットに運ぶ。
意識を失っているアシュレーの手当てをしながら、
メラニー・・・「何があったのか 教えて下さい」と言うメラニー。
レット・・・「駆けつけた時は すでに遅く もう襲撃したあとで
アシュレーは負傷し 先生と逃げるところだった
だからアリバイ工作のために 店へ連れていった」
メラニー・・・「店の中へ?」
レット・・・「ベルは おれの友人だ」と言うレット。
メラニー・・・「ごめんなさい」
レット・・・「ほかにいい場所を 思いつかなかった」
立ち上がってレットを見て、
メラニー・・・「あなたに助けて頂いたのは 2度目ですわね
お礼を申し上げますわ
じゃ先生のお手伝いを」と言い、出て行くメラニー。
そばで見ていたスカーレットがアシュレーに近づき手を握り締め、
スカーレット・・・「アシュレー アシュレー」と案じている。
その様子を見ていたレットは、
レット・・・「自分の亭主のことは 心配しないのか」と言うレット。
嘲笑してスカーレットは、
スカーレット・・・「彼もベルのお店へ?」と言う。
レット・・・「いや」
スカーレット・・・「今どこに?」
レット・・・「道端に転がってる 頭を撃たれてー
死んだよ」と言うレット。
驚き恐怖に包まれるスカーレット。

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 〜スカーレットとレット〜

部屋で喪服姿のスカーレット(ヴィヴィアン・リー)が酒を飲んでいる。
フランク(キャロル・ナイ)の写真がスカーレットを見ているみたいで落ち着かない。
写真を伏せる。
馬車の音がして外を見る。
スカーレット・・・「あら…」
しゃっくりが出る。
「レットだわ」
酒を飲んでいた事を隠そうとオーデコロンでカムフラージュすることを考え付くスカーレット。
 オーデコロンでうがいをしているヴィヴィアンの表情が滑稽だ。

マミー・・・「バトラー船長がお見えです
泣いてなさると伝えましたが」
スカーレット・・・「すぐ行くわ 待って頂いて」
オーデコロンを付けてドアを開け体制を整えてレッドの所へ行こうとしているスカーレットがしゃっくりをする。
 可笑しい。
ドアを閉め出て行く。
 ヴィヴィアンの品格のある閉め方に目が行く。
 いい。

レット(クラーク・ゲーブル)が階下で待っているのを見て威厳たっぷりに装うスカーレット。
手を差し出し階段を降りて行く。
待ちうけるレット。
手にキスをする。
異様な臭いに顔が歪むレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「効果ないな」と言うレット。
スカーレット・・・「何が?」
レット・・・「コロンさ」
スカーレット・・・「何のこと?」
視線をそらし歩き出すスカーレット。
そのスカーレットを見ながら付いて行き、
レット・・・「酒を飲んでたろう それも浴びるほど」と言うレット。
スカーレット・・・「何しようと勝手でしょ」
頭を反り返らせるスカーレット。
戸口で立ち止まり、
レット・・・「独りで飲むな 知れたら評判を落とすぞ」と言い、後ろ手でドアを閉めるレット。
窓際の椅子に座って泣き出すスカーレット。
スカーレットの前に行き、笑いを含んだ顔で、
レット・・・「どうした? 何の演技だ?」と言うレット。
スカーレット・・・「レット 怖いの…」
レット・・・「怖いもの知らずの君が?」
言い張って、
スカーレット・・・「死んで地獄へ行くのが怖いの」と言い、しゃっくり。
笑い出しそうになるのをこらえて、
レット・・・「地獄なんてないさ」と言うレット。
しゃっくりし、
スカーレット・・・「あるわ 子供のころに言われたわ」と言い、哀れっぽく見上げ、しゃっくり。
レット・・・「君らしくないな」
スカーレットの目前に座り、
「なぜ地獄へ落ちるんだ?」と言うレット。
スカーレット・・・「フランクと結婚したからよ 妹の恋人だったのに
私が不幸にして 殺したのよ
後悔するって心情が 初めて分かったわ」と言う。
 笑いをこらえてスカーレットを見詰めているレットの表情がいい。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

ハンカチを渡しながら、
レット・・・「そう思っても 同じことを繰り返すのさ
盗んだことより投獄されたことを 後悔する泥棒と同じだ」と言うレット。
渡されたハンカチを手に、
スカーレット・・・「母がいなくてよかったわ こんな姿を見られたら…
母のように温厚で 優しい女性になりたかったのに」と声を上げ泣くスカーレット。
レット・・・「お前は酔って興奮してる 泣き上戸だな」と言うレット。
泣きながら立ち上がり移動するスカーレット。
しゃっくり。
泣き続けるスカーレット。
スカーレットの傍に行き、
レット・・・「早く用件を伝えよう」と言うレット。
スカーレット・・・「帰ってちょうだい」
思わず、
「何なの?」と言うスカーレット。
レット・・・「お前なしでは生きていけん」と言うレット。
レットの方へ向きを変え、
スカーレット・・・「こんな時にそんな破廉恥な…」と言うスカーレット。
レット・・・「オークス屋敷で出会った時に この人だと決めたんだ
だが おれの金が必要ないから 君から会いには来ない
だから結婚するしかない」と言うレット。
スカーレット・・・「何て悪趣味な人」
スカーレットの両手を握り締め、
レット・・・「ひざまずいて すがろうか?」
ひざまずくレット。
スカーレット・・・「汚らわしい 帰って!」


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「事を急ぎすぎて 大事な方を仰天させたかな
あなたに抱いていた友情が 愛情へと変わって参りました」と続けるレット。
しゃっくりをするスカーレット。
レット・・・「美しく 純粋で 神々しく これぞ真の愛ならん」と言うレット。
スカーレット・・・「下品な冗談は聞きたくないわ」
怒ってレットの手を振り解く。
立ち上がって、
レット・・・「これは名誉ある求婚だ 今こそチャンスだ」
スカーレットの顎の下に手をやり自分の方に向かせて、
「亭主が死ぬのを待つのは もう飽きた」と言うレット。
レットの手を払い、
スカーレット・・・「下品な うぬぼれ屋ね 何も聞きたくないわ」と言いながら離れ、向き直り、
「もう結婚なんてしないわ」と言うスカーレット。
付いてきたレットは、
レット・・・「いや おれとするんだ」と言うレット。
睨んで、
スカーレット・・・「愛してもいない あなたと? 結婚生活はもうイヤ」と言うスカーレット。
吹き出すレット。
レット・・・「遊びのつもりでどうだ?」
スカーレット・・・「遊び? 男はそうでしょうけど」と言うスカーレット。
笑い出すレット。
スカーレット・・・「外に聞こえるわ」
レット・・・「これまでの相手は 役不足だった
本物を試してみろよ」
スカーレット・・・「バカな人ね あなたなんか愛せないわ」
そっぽを向こうとするスカーレットを強く引き寄せ、
レット・・・「つまらん意地を張るな 聞きたくない」
強く抱きしめ、


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

強引にキスをするレット。
拒むスカーレット。が、拒んでいた手の力が次第に抜けて行く。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「気絶しそう…」
レット・・・「して当然だ こんなキスをした男がいたか?
チャールズやフランクや アシャレーとは違うぞ」
再びキスをするレット。
キスに酔いしれているスカーレットに、
レット・・・「結婚すると言え!
言え!
言え!」と強要する。
スカーレット・・・「するわ」と頷くスカーレット。
ニヤリと笑うレット。
再びキスをしようとするが、
レット・・・「本当か? 取り消さないか?」と確認する。
スカーレット・・・「ええ」
キスを求めるスカーレットの顎の下に手をやり自分の方に向かせて、
レット・・・「おれを見て正直に答えろ 金が目当てか?」と言うレット。
スカーレット・・・「まあ… それもあるけど」と言うスカーレット。
手を離し、 
レット・・・「けど何だ?」と言い、歩き出すレット。
後を追い、
スカーレット・・・「あなたが嫌いじゃないし」と言うスカーレット。
スカーレットを見て、
レット・・・「嫌いじゃない?」と言うレット。
スカーレット・・・「思い焦がれてると言えば うそになるわ
私たちは似ているし…」
笑みを浮かべて聞いていたレットは、
レット・・・「似た者同士だ おれだって 命がけで愛してるとは言わん
どんな指輪がいい?」言う。
嬉しそうに、
スカーレット・・・「ダイヤがいいわ 大きいの」と言うスカーレット。
レット・・・「アトランタで 一番大きいのを買おう」
にっこりするスカーレット。
レット・・・「新婚旅行は 派手にニューオーリンズだ」
スカーレット・・・「まあ 楽しみ」
満面に笑みを浮かべるスカーレット。
レット・・・「花嫁衣裳も新調しよう」
スカーレット・・・「まあうれしい!」
ちょっと考え直して、
「でも それは内緒よ」と言うスカーレット。
吹き出し、
レット・・・「見栄を張るな」と言うレット。
出て行こうとするレットに、
スカーレット・・・「さよならのキスは?」と言うスカーレット。
レット・・・「本日の分は終わりだ」
スカーレット・・・「意地悪ね もう来なくてもいいわ」
くるりと向きを変えるスカーレットに、
レット・・・「参りますとも」と言い、ドアを閉めて出て行くレット。
振り向きドアの方に近づいて見ているスカーレット。

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 〜バトラー夫人〜

二人の生活が始まる。
自由奔放に振舞うスカーレット(ヴィヴィアン・リー)と、それを眺めて楽しむレット(クラーク・ゲーブル)の生活が…
 スカーレットが買った物を嬉しそうに扱っている仕草は、自然の流れでいい。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

スカーレットが、うなされて叫び声を上げている。
うなされているスカーレットを優しくキスして抱き寄せるレット。
レット・・・「また悪い夢を見たな」
脅えて、
スカーレット・・・「とっても寒くて お腹がすいて 疲れ果てて…
霧の中を走っても 見つからないの」と言うスカーレット。
レット・・・「何がだ!」
スカーレット・・・「分からない とにかくないの いつも同じ夢を見るわ
見つける夢を いつかは見るかしら?」と言うスカーレット。
 スカーレットが満たされていない、幻想を追っていることが演出されている重要な場面だ。
レット・・・「お前が幸せになったらー
そんな夢は見なくなる 夢とは そういうもんだ
おれが幸せにしてみせる」
優しく微笑みかけ抱き締めるレット。
スカーレット・・・「私のお願いを聞いてくれる?」と言うスカーレット。
レット・・・「勿論だ」
スカーレット・・・「早く町を出ましょう」
スカーレットを見て、
レット・・・「ニューオーリンズが嫌いか?」と言うレット。
レットを見詰め、
スカーレット・・・「好きだけど 故郷のタラへ帰りたいの」と言うスカーレット。
レット・・・「いいとも 明日 発とう」
再び抱き締めるレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

スカーレットの手を胸に抱き散歩しているレット。
レット・・・「タラの この赤い土が お前の支えなんだ」


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「タラをもう一度 昔の姿に戻したいの」
レット・・・「じゃ やってみるさ 金はいくら使ってもいいぞ」
嬉しそうにレットに抱きつきキスをして、
スカーレット・・・「何て優しいの アトランタにも 家を建てたいわ」と言うスカーレット。
レット・・・「好きに飾るといい 大理石やステンド・グラスで」
スカーレット・・・「私に意地悪した人達に 思う存分 見せ付けてやるわ」
大声で笑い出しスカーレットを抱き寄せるレット。
スカーレットもにこやかだ。

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 〜ボニー誕生〜

スカーレット(ヴィヴィアン・リー)とレット(クラーク・ゲーブル)に子供ボニーが授かり生れる。
レットが手放しで喜んでいる。

レットはボニーをスカーレットと重ね合わせて可愛がる。

スカーレットは子供を産むことで体型が変わることを気にして子供を産まないようにしようと考える。
スカーレット・・・「外出するのは やめたわ ここで食べます」とマミーに言い伝える。
そして、化粧台の前に座りケースに入ったアシュレー(レスリー・ハワード)の写真を眺めている。
そこにレットが入って来る。
不意をつかれて驚くスカーレット。
ケースを落とす。
抱擁しながら、
レット・・・「言づては聞いた おれもここで食べる」
更に、愛撫するレット。
顔を背けるスカーレット。
レット・・・「イヤなのか?」
スカーレット・・・「いえ…
お好きな所でどうぞ」と、言いながら窓際に行き、窓の方を見たまま話しかけるスカーレット。
スカーレット・・・「レット」
レット・・・「何だい?」
言い出しにくそうに、
スカーレット・・・「私ね… 決めたの
もう子供は産まないわ」と言うスカーレット。
驚き身を乗り出すレット。
その時、足の下で“カチャ”という音が…
アシュレーの写真が。
スカーレットの方を見るレット。
そして、またアシュレーの写真に。
これが原因かと悟ったように、
レット・・・「いいさ 1人でも産んだんだ おれは それで満足だ」と言いながらスカーレットの傍に行く。
スカーレット・・・「そうじゃなくて… 意味分かる?」
レット・・・「それで離婚できるんだぞ」
振り向き、
スカーレット・・・「そんなこと口にするなんて最低 紳士なら絶対に…
アシュレーなんか メラニーがあんな体なのに…」
これ以上言えないでいるスカーレット。
辛辣に、
レット・・・「今日 製材所へ行ったな」と言うレット。
椅子の方へ戻りながら、
スカーレット・・・「それが?」
背を向けて座る。
スカーレットの傍に行きながら背に向かって、
レット・・・「アシュレーは紳士か それでどうした?」と言うレット。
スカーレット・・・「言っても無駄よ」
レット・・・「かわいそうな女だ」
顔をチラリと向け、
スカーレット・・・「私が?」と言うスカーレット。
レット・・・「そうだ 幸せを自分で投げ捨てて
不幸を追い求めてるんだ」
スカーレット・・・「何のこと?」
レット・・・「アシュレーを手に入れたら 幸せになれると思うか?
お前には あの男を理解できん
お前に理解できるのは 金だけだ」
スカーレット・・・「それより さっきのこと…」
レットの方を向くスカーレット。
レット・・・「一人で寝ろよ おれはかまわん」
部屋を出て行こうとするレット。
スカーレット・・・「平気なの?」
レット・・・「世の中には人が大勢いる 寂しくないさ
よそで楽しむ」
スカーレット・・・「心変わりすると困るから 部屋に鍵をかけるわ」
ドアの前で、
レット・・・「無駄だな 鍵など すぐ壊せる」と言い、ドアを蹴り開ける。
驚くスカーレット。
 威厳を持った驚き。
 お見事。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

隣の部屋で酒を注ぎ、


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル

口にし、目の前に飾ってあるスカーレットの肖像画に向かって激しくグラスを投げつけるレット。
スカーレット・・・「…」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 〜ベル〜

レット(クラーク・ゲーブル)はベル(オナ・マンソン)にスカーレット(ヴィヴィアン・リー)に対する怒りを口にする。
レット・・・「あんな見栄っ張りの 分からず屋はいない」
ベル・・・「よしなさい」
レット・・・「どういう意味だ?」
ベル・・・「あんたは彼女のとりこよ 惚れ抜いてるんだわ
腹が立つけどさ」
レット・・・「しかし今度は決心した」
ベル・・・「子供は? 大事な宝を捨てられる?」
レット・・・「お前は利口だよ いい女だ」
ベル・・・「なあに、レット?」
レット・・・「同じ女でも違うもんだ
2人とも しっかり者だが…
お前には心があるし…」
ベルのイヤーリングを弄くりながら、
「正直だ」と言うレット。
ベル・・・「さよなら」
ベルの頬をつねり出て行くレット。
去ってゆくレットの足音を追っているベルにドアが閉まる音がズシリと響いてくる。
 好きな男に捨てられた女の悲しみをオナ・マンソンは細やかな表情で演じている。
 上手い。

レットはスカーレットの元へ戻りボニーを溺愛する。
ボニーは自由奔放で快活な娘に育って行く。

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 〜製材所〜

製材所のアシュレー(レスリー・ハワード)の元にスカーレット(ヴィヴィアン・リー)が現れる。
 美しい。
 美しさと女らしさが際立つ。
アシュレー・・・「こんな時間に珍しいね」
スカーレット・・・「あの、 アシュレー、 私ー」
アシュレー・・・「僕の誕生パーティの 支度じゃなかったの?」
スカーレット・・・「内緒ってことになってるのに メラニーが落胆するわ」
アシュレー・・・「大丈夫 仰天してみせるよ」
笑うスカーレット。
アシュレー・・・「帳簿を見てくれ
やはり商売は苦手だ」と言うアシュレー。
スカーレット・・・「ダメよ お帽子が新しいと 計算できないの」
アシュレー・・・「その姿じゃ計算は似合わん
会う度に美しくなるね」
微笑んで聞いているスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード

アシュレー・・・「オークス屋敷の園遊会を 思い出すよ」
表情が曇るスカーレット。
アシュレー・・・「大勢の男性に囲まれて…」
スカーレット・・・「あの私は もういない
何一つ 思いがかなわなかった」
アシュレー・・・「お互いに長い旅をしたね
懐かしいな 静かな農園の夕暮れ
黒人の平和な笑い声… 黄金色の安らぎに身を任せて」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

瞳を潤ませて、
スカーレット・・・「ふり返っては いけないわ
昔を想い出して 進めなくなってしまうもの」と言うスカーレット。
スカーレットの方へ行き、
アシュレー・・・「悲しい顔をしないで
君には幸せになって もらいたい」と言い、抱き寄せるアシュレー。と、その時、インディア(アリシア・レット)とミード夫人(レオーナ・ロバーツ)が入って来た。
驚くアシュレー。
異変に気付き振り向くスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、レスリー・ハワード

インディアたちは二人を見て憤慨して出て行く。
スカーレット・・・「アシュレー」
驚いてアシュレーを見るスカーレット。

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 〜パーティ〜

“どうしよう”とベッドで縮こまっているスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
ドアを小忙しく叩く音がする。
スカーレット・・・「誰?」
レット・・・「だんな様だ」
脅えた声で、
スカーレット・・・「どうぞ」と言うスカーレット。
レット(クラーク・ゲーブル)がパーティの装いをして入って来る。
レット・・・「“貞節の部屋”へ入るぞ
パーティの支度は?」
スカーレット・・・「頭痛がするの 一人で行って」
レット・・・「そんな臆病者なのか」
手荒くベッドカバーを剥ぎ取り、
「起きろ! 連れてくぞ」と言うレット。
ベッドカバーを引き寄せ、


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

スカーレット・・・「ああ インディアがわざと私を…」と言うスカーレット。
レット・・・「インディアが町中に吹聴した」
スカーレット・・・「大うそつきよ」
レット・・・「おれにだって うそと本当の区別はつく」
スカーレットの腰に手を回し引きずるレット。
「早く起きるんだ!」
必死に抵抗して、
スカーレット・・・「行かないわ 誤解が解けるまでは」と言うスカーレット。
レット・・・「お前のような女は メラニーに追い出されろ」
スカーレット・・・「私は潔白よ でも行けないわ」
レット・・・「行かないと もう人前に顔を出せん
ボニーの将来がかかってる あの子のために行くんだ」
手荒くベッドカバーを剥ぎ取り、スカーレットをベッドから引きずり出し部屋の向こう側へ押しやるレット。
「着ろ!」
下着姿で脅えて立っているスカーレット。

クロゼットから派手なドレスを持って来るレット。
放り投げながら、
レット・・・「これを着ろ ふさわしいドレスだ」
化粧品をスカーレットの前に手荒く置き、
「紅も濃くして派手にふるまえ」と言うレット。
ドレスを持って化粧台の前に座り不安な表情を浮かべるスカーレット。

誕生パーティが始まっている。
ドアが開けられる。
入ろうとするスカーレットに、
レット・・・「おれは帰る」
スカーレット・・・「ひどいわ」
レット・・・「独りで行け ライオンが待ってる」
スカーレット・・・「一緒に来て」
スカーレットを押しながら、
レット・・・「怖いか」
帰ってしまうレット。

不安が広がる。が、スカーレットは背筋を伸ばし頭を反り返し入り口に立つ。
驚くアシュレー(レスリー・ハワード)
歌っていた♪陽気な、いい奴だからをやめ、非難の目を浴びせるパーティの出席者たち。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

緊張した沈黙の中をメラニー(オリビア・デ・ハビランド)がスカーレット(ヴィヴィアン・リー)の所に行く。
スカーレットに緊張が走る。が、胸を張る。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

スカーレットを見ながら、しっかりと堂々として歩み寄るメラニー。
スカーレットも視線をそらさないでメラニーを見ている。
 これで信じていたものを確信した。
メラニーがスカーレットを出迎える。
キスの挨拶を交わし、
メラニー・・・「素敵なドレスね
インディアは欠席なの 代わりにお手伝いして」
スカーレットの腰に片方の手を回し、もう一方でスカーレットの手を引き、
「皆さん お待ちよ」と皆の方へ連れて来るメラニー。
スカーレットを睨みつけているミード夫人(レオーナ・ロバーツ)へ、
「ミードさん スカーレットです」と言うメラニー。
こわばって、
ミード夫人・・・「今晩は」と言い、スカーレットと握手する。
スカーレットもこわばって、
スカーレット・・・「今晩は」と挨拶する。
客たちはスカーレットに好奇心や非難の視線を浴びせながら挨拶する。
スカーレットは恥ずかしさときまり悪さに耐え挨拶に答える。
メラニーはスカーレットを客たちから、守るようにしてアシュレーの前へ連れて行く。
そして、アシュレーに、
メラニー・・・「あなた 飲み物を差し上げて」と、にこやかに言いながら二人を向き合わせアシュレーに責めを負わせる。
それで自分のプライドを守りスカーレットを守る。
アシュレーとスカーレットは居心地悪そうに向かい合い立っている。

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 〜酒〜

深夜に誰かに見られていないか見回しながら階段を降りて行くスカーレット(ヴィヴィアン・リー)


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

階段の降り口付近で台所からあかりが漏れているのを見て立ち止まる。
覗いて見ようとするが見えないので更に降りて行く。
“どうしたのだろう”と思いながら近づくスカーレットにレット(クラーク・ゲーブル)の声が台所から聞こえる。
レット・・・「どうぞ 奥様」
驚き立ち止まるが、また、歩き出すスカーレット。
座ったまま上体を前に乗り出しながらスカーレットを見るレット。
酔った声で手招きし、
レット・・・「来い!」と言う。が、思い直して立ち上がりスカーレットの方に行く。
それを見ていて嫌悪感あらわにして立ち止まるが、また、歩き出すスカーレット。
深深とお辞儀をして待ちうけるレット。
テーブルの上の酒を見ているスカーレット。
レット・・・「座れ」と椅子を差し出すレット。
それに座るスカーレット。
レット・・・「好きなだけ飲め 遠慮はいらん」と言い、テーブルの上の酒に手を伸ばす。
スカーレット・・・「違うの 音がしたので…」
酒をグラスに注ぎながら、
レット・・・「そんなことで来るもんか 飲みたかったんだろ
酒が欲しいんだ」と言うレット。
スカーレット・・・「いらないわ…」
レット・・・「飲め!」
グラスをスカーレットの前に手荒く置く。
そして、
「格好をつけるな 飲んでることは知ってる
何でも飲むがいい」と言うレット。
こんな酔っ払いを相手にしていられないと不機嫌にグィと一口飲み、
スカーレット・・・「酔ってるのね」と言い、立ち上がるスカーレット。
レット・・・「酔ってるさ 徹底的に酔ってやる
寝るのはまだ早い」
手荒くスカーレットを押し、
レット・・・「座れ!」
スカーレットの前に腰掛けながら、
レット・・・「彼女は優しかったか
恥をかかせた女に かばってもらった気持ちは?」と言うレット。
痛いところを突かれ肩で息をしているスカーレット。
「彼女はお前たちを疑っていて…
その場を取り繕ったのか
体裁を気にするバカな女だと 思ったろう」
スカーレット・・・「よして!」
レット・・・「聞け!
メラニーは それほどバカじゃない
お前がそんなことを するはずないと信じてるんだ
お前を愛してるのさ 理解に苦しむが」と言うレット。
スカーレット・・・「酔っ払いとは お話できないわ」
立ち上がるスカーレットに、
レット・・・「立ったら許さん!」と覆い被さるようにして脅し座らせる。
ただならぬ様子のレットを見上げているスカーレット。
脅しに従ったスカーレットを見てホッとし話を続けながら酒に手を伸ばすレット。
レット・・・「この茶番劇の3枚目は アシュレー君だ」
酒をグラスに注ぎながら、
「心で不貞を働きながら 実践できん軟弱なやつさ」
注いだ酒を一気に飲み干す。
「フラフラ坊主だ」
スカーレット・・・「戻る!」と言いながら立ち上がろうとするスカーレットを手荒く突き座らせスカーレットの後ろに回るレット。
恐怖で顔が引きつるスカーレット。
スカーレットの前に手を出し、
レット・・・「俺の手を見ろ」
その手をスカーレットの顔に近づける。
顔を歪め脅えるスカーレット。
「八つ裂きにするか」
両手でスカーレットの顔を触りながら、
「そうすりゃお前は アシュレーを忘れるかな」
両手で挟みながら頭の方へ移動させ、
「それが かなわぬなら これはどうだ?
両側から手で頭を挟む」と言うレット。
髪が波打ち顔がこわばっているスカーレット。
レット・・・「そしてクルミを割るように 押しつぶす」
レットの手に力が込められスカーレットの顔が歪む。
スカーレットの緊張が極限にくる。
そして、
スカーレット・・・「手を放して! この酔っ払い!」と力を込めて言う。
崖っ縁まで追い込まれても強気の姿勢をみせるスカーレットに負けたレット。
それを気付かれないように笑うレット。
レット・・・「相変わらず強気だな
追いつめられた時は」
スカーレットは肩で息をし怖くて堪らなかったのに強がる。
立ち上がり鋭く、
スカーレット・・・「追いつめられた? そんな脅しは効果ないわ
あなたは脅すことしか 出来ない人よ
自分に出来ないことを 嫉妬するの
おやすみなさい」
くるりと向きを変えドアの方へ歩き出す。
笑い出し、
レット・・・「嫉妬? そうだ 妬いてる」と言うレット。
立ち止まり振り返るスカーレット。
スカーレットの前に来て押さえつけ、
レット・・・「お前の貞節を知っていてもだ
相手は誉れ高きアシュレーだ 手は出さんさ
彼は紳士だが 俺たち二人は違う
お前の言う下品なやからさ」と言うレット。
怒ってレットを払いのけ階段の方へ行こうとするスカーレット。
スカーレットを見ていたが諦めテーブルの方に行こうとする。が、思い直しスカーレットを追うレット。
階段の下でスカーレットを掴み、荒々しく自分の方に向け抱き寄せ、
レット・・・「そうはさせんぞ」
スカーレットに強引にキスをするレット。
抵抗するスカーレット。
抱き締めながら、
レット・・・「お前はやつを夢見て 俺を閉め出してきた
今日は そうはさせん」
スカーレットを抱き上げ一気に階段を上って行く。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

 力強い男らしいゲーブルの魅力満載だ。

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 〜スカーレットの部屋〜

ベッドでベン・ボルトのメロディーを幸せそうにハミングしているスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
歌をやめ昨晩のことを思い浮かべて嬉しそうにくすくす笑う。
そして、ベッドカバーを引き上げ口元まで持って来て恥ずかしそうに思い出し笑いをする。
物音がし驚いて上体を起こすスカーレット。
レット・・・「やあ…」
レッド(クラーク・ゲーブル)が寝室に入って来る。
嬉しそうな表情をするスカーレット。
 美しい。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

にこやかに迎え入れるスカーレット。
言いにくそうに、
レット・・・「昨夜は はしたないことをして 失礼した」と言うレット。
満たされた顔で、
スカーレット・・・「そんな…」
いつものからかうような口調で、
レット・・・「泥酔して お前の魅力に負けてしまった」と言う。
失望して開き直るスカーレット。
スカーレット・・・「いいのよ お里は知れてるから」
スカーレットに近づきベッドに座りながら、
レット・・・「よく考えたが決心したよ お互いのために離婚しよう」と言う。
スカーレット・・・「離婚?」
驚くスカーレット。
レット・・・「そうだ
意味のない結婚だ 金銭面では譲歩する
だからボニーを おれにくれ」
怒って、
スカーレット・・・「離婚で家名を汚したくないわ」と言うスカーレット。
怒って立ち上がりながら、
レット・・・「アシュレーが独身なら 自分から せがむくせに
そうだろう?」と言うレット。
スカーレット・・・「…」
レット・・・「答えろ」
スカーレット・・・「うるさいわ 行って」
レット・・・「行くさ 用は済んだ
商用で今日 ロンドンに発つ」と言う。
スカーレット・・・「まあ!」
驚くスカーレット。
レット・・・「ボニーを連れていく 支度をしろ」
スカーレット・・・「私の子供よ!」
レット・・・「父親は俺だ 身勝手な母親の下には置けん」と言うレット。
スカーレット・・・「口だけは達者ね
許せません ベルのような女のそばに置くのは」
ムッとしてスカーレットに近づき怒りを爆発させるレット。
レット・・・「男なら殺すところだ 言葉を慎め!
何が母親だ 猫の方がはるかにいい」
レットを見るスカーレット。
レット・・・「1時間でボニーの支度をしろ さもないとムチで打ちのめす」
向きを変えて足早に部屋から出て行くレット。
 この一連の流れは旅から帰ってきた時に階段で出迎える場面でも見られる。

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 〜ボニーとレット〜

子供部屋へ行きボニーを抱き上げ、
レット・・・「キスしておくれ
遠いおとぎの国へ 連れてってあげよう」と言うレット。
ボニー・・・「どこに? どこに?」
レット・・・「ロンドン塔を見られるよ ロンドン・ブリッジも…」
ボニー・・・「歌みたいに落ちる?」
レット・・・「落ちるかもしれんぞ」

ボニーが旅先で怖い夢を見て泣く。
 ボニーがスカーレット(ヴィヴィアン・リー)の分身であることを強調している。
ボニー・・・「ママは?」
思いがけない問いかけにショックを受けるレット(クラーク・ゲーブル)
優しくボニーの上にかがみ込んで、
レット・・・「パパがいるじゃないか」と言うレット。
ボニー・・・「おうちに帰りたい」
これほど愛情を注いでも母親に会いたがるボニーを悲しそうに見ているレット。
そして、ボニーのことを思って、やむなく連れて帰ることにするレットは傷ついている。

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 〜階段〜

 私が一番惹かれている場面がある。
階段で旅から戻ったポニーを喜びと興奮で出迎え、その後レッド(クラーク・ゲーブル)が来る。
微笑むスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
その後だ。
レットが大袈裟なジェスチャーでお辞儀をするのを見てスカーレットが顔を曇らせる。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

 そう、この表情だ。
 いい。
 寂しい気持ちが実に良く出ている。
 ヴィヴィアンはこのように一瞬の表情で引付ける。
階段を上ってスカーレットに近づきながら、
レット・・・「バトラー夫人か?」と言うレット。
寂しい気持ちを押さえて明るく、
スカーレット・・・「お帰りなさい」と言うスカーレット。
スカーレットの前に来て、
レット・・・「ボニーを返す
悪い母親でも恋しいらしい」と言う。
寂しそうに、
スカーレット・・・「またお出かけ?」と言う。
傷ついているレットはスカーレットの気持ちを考えてやる余裕はない。
レット・・・「察しがいいな 荷物は駅だ」
スカーレット・・・「まあ…」
やはり、また出ていくのかと寂しい表情を浮かべるスカーレット。
行かないでと言えないでいる。
レットは腰に手を当てスカーレットを覗き込み、
レット・・・「顔色が悪いな 一人暮らしがこたえたか」と、からかう。
怒り、
スカーレット・・・「あなたのせいよ 一人暮らしのせいじゃなくて…」
話を止め向きを変え階段を上り出すスカーレット。
スカーレットに付いて階段を上りながら、
レット・・・「お続け下さい」と言うレット。
立ち止まりスカーレット。
声を荒めて、
スカーレット・・・「また生まれるの」と言う。
喜び前へ踏み込みスカーレットに触れるレット。
嫌がりレットを睨むスカーレット。
落胆したレットは開き直り、
レット・・・「そうか それで父親は?」と言う。
怒り声を荒げ、
スカーレット・・・「あなたよ! 産みたくなかったのに
あなたの子供なんて」
一瞬躊躇するが、
「別の人ならよかったわ!」と言う。
せせら笑いレットは、
レット・・・「流産を祈るさ」と言う。
レットの冷淡な態度に怒りが爆発したスカーレットはレットに飛び付くようにして掴みかかる。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

驚いて体をかわし腕を振り上げて防ごうとするレット。
前のめりになってバランスを失ったスカーレットは悲鳴をあげ階段から転げ落ちる。
意識を失っているスカーレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル

驚き血相を変え駆け下りるレット。

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 〜レットとメラニー〜

憔悴したレット(クラーク・ゲーブル)が心配そうにスカーレット(ヴィヴィアン・リー)の部屋から出て来たピティパット叔母(ローラ・ホープ・クルーズ)に尋ねる。
レット・・・「どうです?」
泣いているピティパット叔母。
レット・・・「私を… 呼びましたか?」
ピティパット叔母・・・「うわ言ばかりよ」

ベッドの上のスカーレットに激しい痛みが襲いかかっている。
泣きながら弱々しくうわ言を
スカーレット・・・「レット…
戻って…」
レットを呼んでいるスカーレット。だが、誰も気付いてくれない。
マミー・・・「何です? 誰か呼びなさったか?」
スカーレット・・・「もうダメ… ダメよ…」
レットとスカーレットはお互いを強く求め合っているのに空回る。

自分の部屋で頭を抱え込んで座って泣いているレット。
ノックが繰り返される。
気付いたレットが立ち上がりドアを開く。
メラニー(オリビア・デ・ハビランド)が入って来る。
メラニー・・・「先生が…」
しばらく間を置いて重苦しく声を落として、
レット・・・「死んだのか?」と言うレット。
メラニー・・・「いえ 大丈夫よ よくなりますって」
向きを変え窓際の椅子の方へ行き頭を抱え込むレット。
レットが完全に打ちのめされているのを見て、
メラニー・・・「しっかりなさって すぐ元気になりますわよ」と、体をかがめレットを包み込むようにして慰めるメラニー。
頭を抱えたままで、
レット・・・「今度の子は産みたくないと…」と言うレット。
レッドの体を小さく揺すりながら、
メラニー・・・「うそですわ 女なら誰だって…」と言うメラニー。
レット・・・「俺の子を 産みたくないと言ったんだ
だから ついカッとなって 思わずやってしまった」
メラニー・・・「そんなこと おっしゃらないで」
レット・・・「子供のことは初めて聞いた 知ってたら急いで戻ったよ」
メラニー・・・「分かってますわ」
レット・・・「なのに 俺は あの時 何をした?」
涙で濡れた顔を起こして、
「せせら笑って…」と言うレット。
レッドの顔を見上げて、
メラニー・・・「本心じゃないわ 知ってます」と言うメラニー。
レット・・・「嫉妬に狂わんばかりだった」
立ち上がり、
「俺を思ったことなど 一度もないんだ」
窓際へ行くレット。
レットの前へ行き、
メラニー・・・「違うわ 自分じゃ 気付かぬうちに愛してます」と言うメラニー。
希望を持って、
レット・・・「もしそうなら 俺は待つ 何年でも彼女が許すまで」と言うレット。
優しく微笑んで、
メラニー・・・「必ず許してくれますわ」と言う。
メラニーの顔をじっと見ていたレットは思い出し、
レット・・・「いや違う 彼女が誰を愛してるか…」
躊躇し向きを変え歩きながら、
「知らないから…」
椅子に腰掛けるレット。
レットの前へ行き、
メラニー・・・「噂を本気になさるの?
私は人の口など信じません」と言うメラニー。
メラニーを見上げるレット。
レットを包み込むようにしながら、
「彼女はすぐ元気になって また子供を産みますわ」と言う。
首を振り、
レット・・・「こんな事故に会ったんだ もう産めないさ」と言うレット。
メラニー・・・「産めますわ 私だって今…」
メラニーを見上げ手を包み込み、
レット・・・「それは危険だ 万一のことがあったら…」と言う。
レットを見ながら、
メラニー・・・「子は親の命を受け継ぎます
喜んで試練を受けましょう」と言うメラニー。
メラニーを見上げ手を撫でながら、
レット・・・「真の勇気とは このことだ
無事を神に祈ろう
私とスカーレットは あなたの世話になり通しだ
心から感謝します」
感動し慰められ手にキスをして感謝するレット。
レットの頭にもう一方の手を祝祷するときのように置くメラニー。


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、クラーク・ゲーブル

 メラニーをマリア様のように演出する。

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 〜テラス〜

スカーレット(ヴィヴィアン・リー)がテラスで安楽椅子に体を伸ばしている。
回復に向ってはいるが流産の苦しみと悲しみで顔色が青ざめている。
レット(クラーク・ゲーブル)がスカーレットに近づいて来て傍に座り、
レット・・・「もし許してくれるなら 二人でもう一度やり直そう」と言う。
レットを一瞥し顔をそむけて、
スカーレット・・・「二人で? 私たちのことかしら」と言うスカーレット。
レットは悔恨の情にかられ真剣に、
レット・・・「そうだ 二人でもう一度 幸せを掴もう」と言う。
顔をしかめ、
スカーレット・・・「もう何も残ってないわ」と言うスカーレット。
静かにはっきりと、
レット・・・「ボニーがいるし 愛してる」と言うレット。
嘲るように、
スカーレット・・・「いつ分かったの?」と言う。
レット・・・「ずっと愛していたが 君が振り向いてくれなかった」
レットの方に向き直り、
スカーレット・・・「私にどうしてほしいの?」と言うスカーレット。
レット・・・「製材所を閉めてくれ そして新婚旅行をやり直そう」
顔をしかめ、
スカーレット・・・「製材所を? 儲かってるのに」と言う。
レット・・・「俺たちには必要ない アシュレーにやるさ」
考えているスカーレット。
レット・・・「メラニーへの礼だ」
メラニー(オリビア・デ・ハビランド)のことを言うレットにムッとして、
スカーレット・・・「メラニーが何よ 私なんかそっちのけ」と言うスカーレット。
レット・・・「そうじゃない」
 レットはアシュレー(レスリー・ハワード)の事をスカーレットが誉める時、スカーレットはレットがメラニーの事を誉める時に反論し口論となる。
 それぞれが、自分に無い物を持っているアシュレーとメラニーに嫉妬しているからだ。
 だが、レットとスカーレットは、それに気付いていないから口にする。
この後、ボニーが子馬に横乗りして二人の前に来る。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

バーを高くして跳ぶから見てといってバーの方へ向かうボニー。
レットに向かってスカーレットがやめさせるように言う。
スカーレット・・・「レット 止めて」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

 母親の表情が滲み出ているヴィヴィアンだ。
ジェラルド(トーマス・ミッチェル)とボニーの相似に気付き顔に恐怖が浮かぶスカーレット。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

ボニーはジェラルドのように落馬する。
スカーレットが悲鳴を上げ気を失う。

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 〜別れ〜

ボニーが死んだ。
 それはレッド(クラーク・ゲーブル)がスカーレット(ヴィヴィアン・リー)を失うことを暗示している。

マミー(ハティ・マクダニエル)はメラニー(オリビア・デ・ハビランド)を呼び階段の方に向う。
メラニーが彼女に続く。
レットがボニーが死んだ日から人が変ってしまったと泣きながら話す。
マミー・・・「あれほど子煩悩の方は 見たことなかったです
ボニー様が亡くなった時 即座にあの馬を殺しなすって」
階段をメラニーと一緒に上る。
マミー・・・「自殺なさるかと 思ったほどでした」
メラニー・・・「お気持ち 分かるわ」と言うメラニー。
マミー・・・「スカーレット様はだんな様を “人殺し”だと責めなすってね
そしたら だんな様は “お前には母の資格はねえ”って
血の凍る思いの ののしり合いですだ」
首を振りながら、
メラニー・・・「聞きたくないわ」と言う。
マミー・・・「その夜から…
だんな様はボニー様のお部屋に…
いくら呼んでも 出てらっしゃらねえです
もう2日になります」
恐ろしさに打ちのめされて、
メラニー・・・「ああ、マミー!」と言うメラニー。
階段で立ち止まり、
「そして今日 スカーレット様が 部屋の外からー
明日の葬儀を伝えたらー
“そんなことしたら殺してやる”」
再び、階段を上りながら、
「“暗がりを怖がったボニーを 土の中へは入れられん”と」と話すマミー。
取り乱し悲しみに打ちのめされて、
メラニー・・・「正気を失ってしまってるわ」と言う。
マミー・・・「ボニー様を葬れねえです お助け下さい」
階段の一番上まで来ている。
胸に手を持って行き、
メラニー・・・「私に何ができる?」と言うメラニー。
マミー・・・「だんな様は聞かれますよ あなたの言うことなら
お願いします」
メラニーはこわばる。
「お願いします」
私がしなければならないと悟り、
メラニー・・・「会ってみるわ」
レットの部屋の方に行くメラニー。
涙を拭きながら、見ているマミー。
ドアを叩くメラニー。
中からレットの声がする。
レット・・・「行け 邪魔だ!」
メラニー・・・「メラニーです ボニーに会わせて下さい」
静かにドアを開く憔悴したレット。
中に入って行くメラニー。
それを祈るような表情で見ているマミー。
膝をつき頭を下げて、
マミー・・・「神様 だんな様に救いを…」と祈る。

それから、どれくらい経ったのだろう疲れ果てたメラニーが出てくる。
柱につかまりか細い声で、
メラニー・・・「マミー
濃いコーヒーを差し上げて スカーレットを見てきます」と言うメラニー。
心配しているマミー。
メラニー・・・「明日 葬儀を行なわれるそうよ」と言うメラニー。
天を仰ぎ、
マミー・・・「よかった! あなたには 天使がついてますだ」と言うマミー。
メラニーが倒れる。

Top

 〜メラニー〜

メラニー(オリビア・デ・ハビランド)の家。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

死を迎えようとしているメラニーとの別れをし、アシュレー(レスリー・ハワード)と息子が部屋から出てくる。
そして、ミード博士(ハリー・ダベンポート)が、
ミード博士・・・「入ってもいいよ」とスカーレット(ヴィヴィアン・リー)を呼ぶ。
泣きながら、
インディア・・・「先生 私も入れて下さい!」と嘆願し、
「謝りたいことがあります ぜひ それを…」
泣き崩れるインディア。
ミード博士・・・「彼女はスカーレットを呼んでる」
ミード博士とメラニーの部屋の前に来るスカーレット。
部屋に入ろうとするスカーレットの腕を引き、
ミード博士・・・「安らかに行かせよう
自己満足のつまらん告白は 災いを招くだけだ
わかるね?」と言う。
頷くスカーレット。
 この頷き方がいい。
 ヴィヴィアン特有のものだ。
ミード博士がスカーレットを軽く押して彼女が入るとドアを閉める。
ベッドに近づきメラニーの手に手を添えて、
スカーレット・・・「私よ」と言うスカーレット。
メラニーの目が静かに開く。
メラニーに優しい眼差しを注ぎながら腰掛けるスカーレット。
スカーレットを見て、
メラニー・・・「約束して…」と言うメラニー。
スカーレット・・・「するわ」


『風と共に去りぬ』オリビア・デ・ハビランド、ヴィヴィアン・リー

メラニー・・・「息子を頼むわ
1度はあなたに預けた子よ」
悲しみが込み上げてくるスカーレット。
メラニー・・・「生まれた時に」
スカーレット・・・「変なことをを言わないで すぐよくなるのに」
メラニー・・・「あの子を… 大学へ…」
スカーレット・・・「ヨーロッパのね 馬にも… 何でもする
しっかりして」と言うスカーレット。
メラニー・・・「アシュレー…
アシュレーとあなた…」
スカーレットの涙で濡れた目が大きく見開かれる。
スカーレット・・・「アシュレーが何なの?」
メラニー・・・「面倒を見て
私の面倒を見てくれたように…」
スカーレット・・・「見るわ」
メラニー・・・「お願いよ」
頷くスカーレット。
メラニー・・・「彼には内緒で…」と言うメラニー。
ドアを開ける音がして入り口でミード博士が待っている。
立ち上がり、両手でメラニーの手を包み込み、
スカーレット・・・「お休み」
手にキスをするスカーレット。
メラニー・・・「約束よ」と言うメラニー。
スカーレット・・・「ほかには?」
メラニー・・・「バトラー船長に… 優しくね」
スカーレット・・・「レッドに?」
メラニー・・・「あなたを愛してるわ」
更に感情が高ぶってくるスカーレット。
泣きながら、
スカーレット・・・「わかったわ メラニー」と言う。
微笑を浮かべて、
メラニー・・・「さようなら」と言うメラニー。
スカーレット・・・「さようなら」
メラニーの額に泣きながら別れのキスをするスカーレット。
 メラニーがスカーレットに対して全幅の信頼と友情や愛情を抱いてことが演出される。
 メラニーが死の間際にどうしても会いたいのはスカーレットである。
 メラニーにとってスカーレットは後を任せられる一番信頼できる存在である。
 そして、快活で強い意志を持ち責任感の強いスカーレットが好き、愛しているのだ。
 スカーレットも、また、母親を好きだったように温厚で優しいメラニーが好きなのだ。
 だが、それが分かったのは失う時であった。

泣きながら部屋から出てきたスカーレットの前にアシュレー(レスリー・ハワード)がいた。
スカーレット・・・「ああ、アシュレー! アシュレー!」
椅子に座って使い古した手袋の片方を広げて見せ、
アシュレー・・・「この片方はどこだろう? メラニーが捨てたかな」と呟いている。
スカーレット・・・「やめて!」
抱きつき泣くスカーレット。
スカーレット・・・「恐ろしくって…」
そのスカーレットに、しがみつくアシュレー。
二人を見ていたレット(クラーク・ゲーブル)は嫌悪の表情を浮かべて帽子とコートを持って出て行く。
身を起こして、
アシュレー・・・「彼女なしでは生きていけない」と言い、俯くとメラニーの手袋を抱き締め泣き出す。
「彼女と共に すべてが去ってしまう」
手袋に頭を摺り寄せ伏せるアシュレー。
そんなアシュレーを見ていたスカーレットは、
スカーレット・・・「そんなに愛してるの?」と言う。
伏せたまま、
アシュレー・・・「彼女は夢だった 現実に負けない夢だった」と言うアシュレー。
スカーレット・・・「いつも夢ばかりね 現実を見ないで」
両手で顔を被い、
アシュレー・・・「君には分からんよ」
うつ伏せて泣くアシュレー。
アシュレーを見ながら、
スカーレット・・・「私を愛してないと なぜ言ってくれなかったの?
あいまいなことばかり言って
メラニーが死ぬ時に初めて…
私など愛してないなんて
ひどい仕打ちだわ」
茫然と、
「私は幻を愛してきたのね
でも そんなことはいいの
過ぎたことよ
どうでもいいの」と独り言を言う。
泣いているアシュレーに目を移し、
スカーレット・・・「アシュレー ごめんなさい」とアシュレーに優しく声を掛け肩に手を置き、
スカーレット・・・「メラニーに涙を見せないで」とアシュレーの頭をなでるスカーレット。
ミード医師がアシュレーを呼びつける。
メラニーの元へ行くアシュレー。
茫然と、その場にいるスカーレット。
アシュレー・・・「メラニー!」
最後の別れをしたインディアたちが泣きながら出てくる。
アシュレー・・・「メラニー!」
メラニーの死。
その時、ハッと我にかえって、
スカーレット・・・「レット!」
立ち上がりレットを探すスカーレット。
「レット!」
レットが広間にいないのに気付く。
「レット! どこにいるの?」
外に出て行く。
濃い霧がたちこめている。
 スカーレットがいつも見る夢と同じだ。
スカーレット・・・「レット 待って!」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

霧の中に入って行き走りながらレットを探すスカーレット。 
「レット 待って!
レット!
レット!
レット!」

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 〜レット〜

自宅に着く。
ドアを開け必死にレット(クラーク・ゲーブル)探す。
スカーレット・・・「レット!
レット!
レット!」
階段を駆け上る。
「レット!
レット!」
レット部屋のドアが半開きになっている。
開く。
窓際の椅子にレットが座っている。
ドアの所に立ち止まるスカーレット(ヴィヴィアン・リー)
ゆっくり振り向いてレット。
レット・・・「どうぞ」
フラフラした足取りでレッドの元へ行くスカーレット。
レットの前に座り、
スカーレット・・・「レット レット!」
息があがっているスカーレット。
レット・・・「メラニーは…」
頷くスカーレット。
目を伏せ、
レット・・・「神の恵みを… あれほど優しい人はいなかった
彼女こそ真の淑女だ」と言うレット。
息を整えてながらレットを見るスカーレット。
スカーレットの方を向き冷淡に、
レット・・・「死んでくれて都合がいいな」と言う。
レットを見て、
スカーレット・・・「何てことを 彼女を愛してたのに」と言うスカーレット。
レット・・・「知らなかったな 最後は優しくしてやったか?」
スカーレット・・・「立派な人よ いつも人の幸せを願ってた
最後にあなたのことを」
しっかりと見て、
レット・・・「何と?」と言うレット。
スカーレット・・・「“優しくしてあげて あなたを愛してる”って」
スカーレットから顔を反らし立ち上がるレット。
上体でレットを追うスカーレット。
窓際でスカーレットに背を向けて、
レット・・・「ほかには?」と言うレット。
スカーレット・・・「“アシュレーの面倒を見て”と」
振り向き、
レット・・・「先妻のお許しを得たか」と言い、開いたバックの方へ行くレット。
レットを視線で追いながら、
スカーレット・・・「どういう意味?」と言うスカーレット。
バックに服を入れるレット。
それを見て驚いて立ち上がるスカーレット。
スカーレット・・・「何してるの?」
レットへ近寄るスカーレット。
レットとバック、レットと見ているスカーレット。
レット・・・「別れだ」
レットを見るスカーレット。
荷物をバックに入れながら、
レット・・・「念願かなって アシュレーと暮らせるな」と言い、別の荷物を取りに行くレット。
開いたバックの中の荷物を見て、
スカーレット・・・「ああ
違うわ そうじゃないの!」
レットの方へ駆け寄るスカーレット。
レットを見て必死に、
「別れるなんてイヤよ
私が愛してるのは あなたよ 初めて分かったの
ねえ あなた
あなた」
と言うスカーレット。


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

レット・・・「往生際が悪いな 気品を持って別れよう」
涙を溢れさせながらスカーレット。
スカーレット・・・「待って!
聞いて 愛していることを 自分で気づかなかったの
信じて! あなたも私を愛してるでしょ」
荷造りしながら、
レット・・・「そうか じゃアシュレーは?」と言うレット。
スカーレット・・・「本当は愛してなかったの」
レット・・・「それにしては真に迫ってた」
バックの方へ荷物を持って行くレット。
付いて来るスカーレット。
レット・・・「おれはできる限りの ことをした
ロンドンから帰った時も…」
スカーレット・・・「あの時はうれしかったわ でも あなたが冷淡で…」
レット・・・「階段から落ちたのは おれの責任だ
いつ おれを 呼んでくれるかと…」
スカーレット・・・「いてほしかったわ でも嫌がると思って…」
スカーレットの方を向き、
レット・・・「哀れだな すれ違いか もう手遅れだが
ボニーがいたら やり直せたかもしれん
あの子はお前に似てた
戦争前の少女時代のお前だと おれは思ってた
お前だと思って 甘やかすのが楽しみだった
しかし すべては終わった」と言い、バッグを閉めドアの方へ向かうレット。
レットの腕を掴み追いすがるスカーレット。
スカーレット・・・「そんなこと言わないで 私がいけなかった 謝るわ」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル

レット・・・「まるで子供だな
謝れば それで済むとでも 思っているのか」
ハンカチを取り出し、
「これを使え
お前がハンカチを使うとは 思わなかった」
ハンカチを渡し部屋を出るレット。
ハンカチを握り締め茫然と見詰めていたスカーレットが我に返りレッドを追う。
スカーレット・・・「レット! どこへ行くの?」
レットの腕を掴むスカーレット。
立ち止まり、
レット・・・「故郷のチャールストンだ」と言うレット。
スカーレット・・・「連れていって!」
首を振り、
レット・・・「ここの暮らしとは縁を切る」
泣いているスカーレットに、
「ゆとりと安らぎのある 静かな人生を送りたい」
笑いながら、
「お前に分かるか?」と言うレット。
スカーレット・・・「いいえ
分かるのは 愛してることだけ」
レット・・・「哀れだな」
階段を降りて行くレット。
泣いているスカーレット。
スカーレット・・・「レット!」
後を追い階段を降るスカーレット。
「レット!
レット!
レット!」
ドアを開け外へ出ようとするレットに、
スカーレット・・・「レット!
残された私は どこへ行けばいいの?」と言うスカーレット。
レット・・・「おれには関係ない」


『風と共に去りぬ』クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー

霧の中に去っていくレット。
泣きながらレットを見送っているスカーレット。
スカーレット・・・「別れるなんてイヤ! どうしたら戻ってくれるの
考えつかないわ 頭が変になりそう
明日 考えるわ」
 

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 〜エピローグ〜

ドアを閉め泣きながら歩くスカーレット。
スカーレット・・・「でも早く考えないと…
どうしたらいいの?」
階段に泣き崩れ、
「どうしたら戻ってくるの?」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

うつ伏せ泣くスカーレット(ヴィヴィアン・リー)に父ジェラルド(トーマス・ミッチェル)、アシュレー(レスリー・ハワード)、レット(クラーク・ゲーブル)の声が蘇って来る。
ジェラルド・・・“本気かね? タラの土地が無意味だと?
この世で頼りになる 唯一のものが土地だ
アシュレー・・・“僕より愛しているものが 君にはある
タラだ”
レット・・・“タラの この赤い土が お前の支えなんだ”
ジェラルド・・・“この世で頼りになる 唯一のものが土地だ”
アシュレー・・・“僕より愛しているものが 君にはある
タラだ”
レット・・・“タラの この赤い土が お前の支えなんだ”
ジェラルド・・・“この世で頼りになる 唯一のものが土地だ”
アシュレー・・・“僕より愛しているものが 君にはある
タラだ”
レット・・・“タラの この赤い土が お前の支えなんだ”
ジェラルド・・・“タラだ”
アシュレー・・・“タラだ”
レット・・・“タラだ”
顔を起こし、
スカーレット・・・「タラ!
故郷よ…
彼を連れ戻す方法は 故郷に帰って考えるわ」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

「明日に望みを託して」


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

ぐしゃぐしゃになった顔に一筋の希望を見出したスカーレットの瞳は輝く。

そして、タラに戻ったスカーレットは微かに葉が付いているあの大木の前でしっかりと立っている。


『風と共に去りぬ』ヴィヴィアン・リー

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 マーガレット・ミッチェル女史の原作は1936年度に小説部門でピューリッツア賞を受けた傑作で面白い。それを映画化したこの作品は世界の映画史上、永久に記憶される超大作だ。スタッフといいキャストといい、これほど、鮮明な印象を与えた作品はない。スカーレットはヴィヴィアン・リーであり、レットはクラーク・ゲイブルであるというほかないからであろう。
 特に、ヴィヴィアン・リーは脳裏から離れない。それは、いうまでもないがヴィヴィアン・リーが生身に演じているからだ。
 スカーレットはこのうえもなく誇り高い気品と美しさを持っている。そして、重荷を背おあされ踏みにじられても損なわれない、強い意志も持っている。それに女心の弱さも見せて艶かしい。
 それはヴィヴィアン・リーにそのまま当て嵌るように思う。
 数々の伝記や映像が私に語りかけてくるのは、ヴィヴィアン・リーはスカーレットであり、マイラであり、レディハミルトンであり、ブランチであるということだ。

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1997

アメリカ映画ベスト100で4位

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1999

キネマ旬報創刊80周年記念特別企画[映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン]で5位
 

[映画人が選ぶ日本・外国映画オールタイム・ベストテン]キネマ旬報創刊80周年記念特別企画
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1位
2位
3位
4位
5位
6位
7位
8位
9位
10位

@七人の侍(黒澤 明) A浮雲(成瀬 巳喜男) B飢餓海峡(内田吐夢)
B東京物語(小津安二郎)
C
-
D幕末太陽傳(川島雄三)
D羅生門(黒澤 明)
E
-
F赤い殺意(今村昌平) G仁義なき戦い(シリーズ)(深作欣二)
G二十四の瞳(木下恵介)
H
-
I雨月物語(溝口健二)

@第三の男(キャロル・リード) A2001年宇宙の旅(スタンリー・キューブリック) Bローマの休日(ウィリアム・ワイラー)
Cアラビアのロレンス(デヴィッド・リーン)
D風と共に去りぬ(ヴィクター・フレミング) B市民ケーン(オーソン・ウェルズ) F駅馬車(ジョン・フォード)
F禁じられた遊び(ルネ・クレマン)
Fゴッドファーザー(フランシス・フォード・コッポラ)
F(フェデリコ・フェリーニ)
G
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B
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I
-
※1999[映画人が選ぶオールタイム・ベストテン](日本編)(外国編)キネマ旬報創刊80周年記念特別企画は、従来の映画評論家を中心にしたアンケートとは異なり、監督、プロデューサー、脚本家、撮影監督など、実際に日本映画の製作に携わる映画人(140人、144人)に、それぞれのベスト作品10本を順不同で選んでもらう選考方法。(1999年10月下旬号、10月上旬号においてアンケート結果を発表)

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2007

アメリカ映画ベスト100 10周年版で6位

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参考文献
シネマトーク『風と共に去りぬ』公開前後
シネマトーク『風と共に去りぬ』コスチューム
シネマトーク『風と共に去りぬ』出版前後
シネマトーク『風と共に去りぬ』ミュージック
ヴィヴィアン・リー
ヴィヴィアン・リーバイオグラフィー
クラーク・ゲーブル
洋画
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