[492] ダンス物語(5) 投稿者:管理人 投稿日:2009/09/09(Wed) 20:47:41 No.492

1時間ほど、ルンバ・ウォークの練習が続いた。
「はい、10分間休憩。シューズを脱いで、休んで。」
お茶の時間である。足を休めることも、給水も大事であることを自然と覚えさせる。

ひとみは、競技ダンスは、やっと3年目であるが、3歳のときから高校卒業まで、クラシック・バレエを
習ってきた。発表会の経験は豊富だし、舞台にも慣れている。中学時代は、2年ほどフィギュア・スケ
ートも経験した。大学に入ってからは、競技ダンス一筋である。バレエと違って、カップルで順位を競う
というのに魅力を感じた。幸い、カップル・バランス抜群の早川とパートナーを組むことができて、ひとみ
のダンスは全開といったところだった。考えてみて欲しい。学生は、ほぼ毎日練習している。ひとみの
場合は、平日で最低3時間、休日は8時間は、ダンスの練習にあててきた。週1ダンサーの社会人とは、
踊る量が違う。しかし、早川の退部は、ショックだった。早川にしてみれば、有終の美といったところか。
ひとみは、ショックを吹き飛ばそうとするかのように、1年生の指導に打ち込んだ。

「みんな、聞いて。7月20日に法華大との練習試合が決まったの。1年生は、1年生同士の対抗戦。
種目は、ワルツとルンバ。各種目6カップルの出場よ。」
いよいよ、1年生のデビューである。


[494] ダンス物語(6) 投稿者:管理人 投稿日:2009/09/09(Wed) 21:33:26 No.494

法華大は、帝都大の良きライバルであった。常に1位、2位を競ってきた。それだけ、交流も深く、合同
練習や、対抗戦も年中行事となっていた。
帝都大の1年生男子は、10人しかいない。さらに、帝都大の1年生女子部員も5名いる。星雲女子大
38名の1年生にとって、最初の試練となった。
出場カップルは、帝都大執行部が決めた。ルンバは、帝都大女子から2名、星雲女子大からは、あけみ、
成海、若菜と里子の4人が選ばれた。里子は、無口であるが、ひとみに似たプロポーションの持ち主で、
内に秘めた闘志を感じさせた。

「明日の法華大との練習試合の審査員は、学連から帝都と法華以外のOB審査員3名を派遣してもらった。
審査に色はつかないので、そのつもりで。1年生と2年生は、規定のベーシック・フィガーのみ。基本に忠実
に踊ることを心がけるように。出場者は、靴をしっかり磨き、頭は髪が落ちてこないように固めること。」
帝都大キャプテンの若狭がてきぱきと伝えた。