F6F-5ヘルキャット製作記 その4

2011.5.20初出

前ページ 次ページ





 細部工作 




■ 風防&キャノピ 12/31追加

 十の字(時に巾の字)になったので、本格的に細部工作だ。

 まずはキャノピ。一応、開閉可(可動は無理でも選択式で)とするつもりで、キャノピ後端とファストバックの背が重なるような作りにしてある。このため、閉状態でスッキリ収めるためには、キャノピ後端を極薄に仕上げる必要がある。ここは#600ペーパーで慎重にクリアパーツの厚みを削る。



風防&キャノピはエデュアルドを使用。キャノピパーツは開閉2つのパーツがセットされる。右オリジナル、左厚さ半分以下に削ったもの。

胴体に乗せてみる。正面ガラス下部に隙間がある。キャノピ後端はもう少し下に押さえる必要あり。


 次に風防。エデュは鼻筋の高さが1mm程高く、そのため胴体高さを正しい位置に下げると正面ガラス下端に隙間が生じる。ここは手っ取り早く、正面ガラスのみCDケースの透明プラで置き換える。



モーターツールを駆使してくりぬく。正面窓はこの段階でスジボリ。

断面を黒く塗って接着。胴体側も、プラ材で隙間を埋める。


 風防の隙間はサフェーサで埋め、接着剤とサフが十分に乾燥したら摺り合せる。


■ 2011年総括

 今年の完成は、1/48はセイバー、1/72でテュナン、ハリケーン(ハセガワ&エア)、セイバー(フジミ)、そしてAFV2両+フィギュア少々。数だけ見ればそこそこだが、48セイバーとテュナンは前年からの仕掛かりだし(セイバーは前々年だ!)、後半は飛行機の完成がなく、F6Fは8ヶ月目に突入で、何となく停滞感かな。来年はヘルキャットをちゃっちゃと仕上げて次に移りたいところ。実は裏で戦車が進行中だったりするが(ヒント:連合軍の花形といえば)。


■ 続、風防&キャノピ 1/8追加

 細かい作業が続く。風防は、キャノピと仮止めした状態で胴体に接着する。こうすることで閉状態でキャノピがぴたっと合う(はず)。流し込み接着材だとアンチグレアとの隙間に流れて汚くなりそうなので、粘度の高い溶剤系接着材を使う。以下画像で。



前回更新は胴体に乗せているだけ。ここで胴体に接着。隙間は黒塗料+プラ粉で埋める。

正面のスジボリはガイドを作ってケガキ針。

下辺のフチは0.14mmプラペーパー。スライドレールのフェアリングも追加。接着材と溶きパテを枯らしてから整形する。

窓枠の境が曖昧なのでエッチングソーでスジボリし、モーターツールで磨く。薄いので割らないように細心の注意を払う。


 エデュの風防と断面修正かましたハセの胴体との相性は悪くないが、キャノピと胴体の合わせに一苦労。クリアパーツの厚みを考えずに胴体背中を作ってたので、いざパーツを合わせてみると少々きつい。胴体背中を少し削り、キャノピは極限まで薄く削る。一方風防は気持ち幅が狭く、これに合わせて胴体上部を削る。逆だと上手く収まったのにね。この調整中にキャノピパーツをダメにして、泣く泣く一からやり直し。幸いエデュには開閉2つのパーツがセットされている。


■ タイヤ

 ハセガワヘルキャットのウィークポイントの1つが、薄っぺらいタイヤ。足元が貧弱に見えるので、何とかしたいところだ。左右割りパーツのエデュを使い、プラバンを挟んで調整してもいいが、タイヤの断面形がいまいち。ヘルキャットとコルセアのタイヤ&ホイルのサイズは同じなので、タミヤのコルセアも使えなくないが、逆にこちらはやや厚すぎ。ということで、ハセのパーツを使い、ニコイチで厚さを増す。



表、裏、それぞれ半分弱まで削る。さらにスポークを裏から削って薄くする。右はオリジナル。

左修正後、厚さ4.8mm。右キットオリジナル、厚さ4.0mm。



■ 続々、風防&キャノピ 1/15追加

 地味〜に進行中。



風防下辺のフチを整形、消えた周囲のリベットを再生。あとはレール関係だ。

キャノピを閉じた状態。

画像では少々分かりづらいが、風防後縁はいつものように段差状に削り、エッジを薄く見せる。

胴体全景。「がっしり」と幅広な機首と、風防の立ち上がりのライン、これがヘルキャットの「キモ」だ。



■ 地味〜に

 ホントに地味すぎて、見せるほどでもないのだが。



キャットグリンを微調整。これだけじゃ絵にならないので、インテイク奥にエッチングのメッシュを貼ってみる。

キットのフック周辺の形が違う。プラバンを貼って修正。



■ ヴォートゥール

 いつも出入りしている掲示板に書いたネタだけど、アズール1/72のヴォートゥール、パーツで見たときは結構良さそうで衝動買いしたんだけど、家に帰って仮組みすると全然似てない。機首の線が硬くてロシアの爆撃機みたい。実機はフランス機らしい優美で豊満なラインなのに。問題点はグラスノーズの形状と胴体断面形なので修正は困難。一枚物の主翼も問題で、歪みを直すのが難しいし翼断面形も疑問。ということで、形状音痴の人にだけお奨めする。



グラスノーズが上を向きすぎ。胴体側面が平板。キャノピもF-105みたいだ。

その他の実機画像はこちらあたりで


 ついでに、タミイタのハリケーン。これは店頭で組み上げたのを見たが、機首断面形状がダメで、古いエアフィクス1/72に先祖帰り。胴体羽布表現は、一見良いがリブの間隔が不正確で、上半分が狭いところが再現されていない。ということで、ハセガワのベストキットの座は変わらず。


■ 主脚周り 1/28追加

 まずは、主脚カバーの考証から。ヘルキャットの主脚カバーにはバリエーションがある。下画像「中」はキットパーツだが、このタイプは、おそらく-3の初期まで。カウル横排気管部に凸がある機体で確認できる。-3中期以降、つまり大多数の機体は画像「左」のように下端が一直線になる。下先端の凸部の形も微妙に異なるが、このあたりバリエーションあるかも。いずれにせよ、これらは模型誌などでも指摘されず、既存図面も間違ってる。

 ハセガワの脚カバーは、基本形状がよく再現されている。長円のスジボリは位置がずれてるけど。一方エデュはシルエットも違うし脚柱部の膨らみもヘン。エデュは後発でハセより出来がいいと思い込みがちだが、よく見ると形状やディティールが不正確で、ハセへのアドバンテージは風防&キャノピだけ。ま、それはそれで大きなポイントだが。

 脚柱もハセを使う。オレオの位置が異なるので、プラパイプなど使いながら位置を修正。脚の中心には穴をあけ、0.8mm真鍮線を通す。エデュは脚が長すぎ。トルクリンクのパーツも一見よいのだが、大きさがぜんぜん違うので使えない。ハセの脚長さは正しい。



左修正後。中ハセ。右エデュ。

左エデュ。中、ハセ。右は工作中。エデュは離陸後オレオが伸びた状態を再現するのに丁度よいな。←誰がするか

いつもはオレオにメッキパイプを使うが、丁度よい太さがない。そこで、1.8mm真鍮パイプにハンダめっき。

翼主桁の真鍮角棒に開けた取り付け穴の位置が少々ズレてて、真鍮線をこのようにハンダづけ。


 ついでに言うと、ハセは、柱とカバーとそれぞれ単体ではいいのだが、相互の関係がダメ。カバー取り付け位置が下がり過ぎなのだ。素組みの人もカバー下端形状と取り付け位置だけは直そう。


■ タイヤ

 -3の途中までは、トレッドなしつるつるが主流。以後はトレッドありなので、ジグ作ってエッチングソーで彫刻。パターンはいくつかあって、1ブロックが十字形をしたものもよく見るが、手彫りで再現は不可能。いつものダイヤモンドパターンを彫る。溝の間隔は1.0mm、角度は57°。間隔はプラバンのゲージで確認する。中心の菱形が左右にブレないよう、端部のVが揃うよう、心がける。



手順は以前やったP-40やヘルダイバーと同じだが、とにかく精度が要求される。微妙なところは紙をはさんで調整。

できあがり。一番出来のいい部分が正面にくるようにする。アップだとあちこちコケてるが、このあたりが技術の限界。あきらめる。



■ プロペラ

 キットのプロペラは、そう悪くはないが、スピナが小さくブレードも狭い。これハセガワのいつもの癖だね。ヘルキャットの力強さに欠けるので、他から流用する。タミヤのコルセア1Dからパチるのが手っ取り早そうだが手元になく、ジャンクパーツを漁ってスピナ&ハブはアキュレイトのヘルダイバー1(←たぶん、記憶違いご容赦)、ブレードはタミヤP-47を使う。

 タミヤのハミルトンはなかなかいい形。少々厚いので薄く削って形を整える。もっとも最初から薄いと違ってる時に修正が大変だから、パーツとしては少々厚い方が好ましいといえる。スピナはいくら何でも太すぎるな。



スピナを比較。左アキュのSB2C-1、中ハセ、右エデュもスピナが小さい。

左ハセ。中タミヤ(表)、右タミヤ(裏)←切削整形済み。



■ カウル備忘

 カウルのファスナ個数。上半分の点検パネルの前端には12個、下横の前端は10個、下の前端は9(?)個。


■ 主脚の続きと尾脚 2/9追加

 トルクリンクの工作はヘルキャットの模型では極めて重要。本機の場合なにしろ非常に目立つので、手を入れるのと入れないのとでは、完成度に大きな差が出る。お手軽にするならキットパーツにアイリス付属のエッチングでも貼ってやればいいが、立体感に乏しい。そこで0.2mmプラバンをH形断面に組んで自作。上側と下側とでは、形や穴の数が違うので注意。主脚柱は、オレオの位置を下げすぎたのでちょい上げる。前の画像と比べるとオレオが長くなってるでしょ。



脚柱にトルクリンクを取り付け。塗装前なので使用材料がよく分かるね。左のは途中段階。エデュ(茶)は1/72に丁度よいかも。

実機の脚カバーは基本的に板一枚。パーツを薄く削り、裏側にディティール追加。見えないところは省略。

仮り組みしてみる。タイヤのボリューム感とトルクリンクの存在感に満足。このあと、ブレーキパイプや脚カバー止めなどを追加する予定。

脚カバーとタイヤ、トルクリンクの位置関係をチェック。脚柱上部の隙間を埋める。



■ その他細部

 尾脚は、穴あきフレームなどプラバンで自作。ハセのタイヤは、艦上用ソリッドタイヤとしては少々大きく、フォークを残してエデュに置き換え。



尾脚もほぼスクラッチに近い状態だが、シーブルーで塗ると苦労の甲斐がないんだよね。左はハセ。

左はエデュの残骸。これはフォークが短いので使えない。

防弾板周りをスクラッチ。右はアイリスのレジンパーツ。高さが違うので使えない。ヘッドパッドも小さいし。

タミヤP-47のブレードをアキュSB2C-1のハブに接着。左はハセガワ。


 小物関係も大分出来上がる。あとは脚の残り(脚上部カバーなど)、動翼のリブ&タブ、翼端灯&航法灯、着艦フック周り、アンテナ、機銃、ピトー管、排気管とカウル取り付け、シートとベルト・・・って、結構残ってるなあ。今月中に塗装に入れるか??


■ 動翼リブ 2/20追加

 動翼のリブ表現は、いつものようにサフェーサ。左右エルロンには固定タブがあり、これはアルミ板を埋め込む。工作方法は零戦と同じ。



マスクして、濃いめのサフを筆で二度塗り。

できあがり。下描きを丁寧にすると仕上がりがきれい。



■ リブ続き 3/3追加

 塗装前の追い込み中。 まず、前回更新になかったエルロンとフラップの画像を追加。



一部図面では、リブの本数やピッチが間違っているので注意。正しくはエルロン8本、フラップ15本。フラップ両端のヒンジ部のリブ間隔が狭い。

クローズアップ。タブの配置は-3と-5で異なるので注意。航法灯を追加。作り方はF-86の着陸灯と同じ。



■ 翼端灯

 ムクのクリア材ではなく実機どおりの透明カバーを再現する。かつて1/32のP-47Dで挑戦したが、翼端が薄くて断念。今回はそのリベンジだ。幸いF6Fの切り落とされたような翼端は厚さも十分。あとは素材に何を使うかが悩みどころ。薄さ、透明度では塩ビかPETがよいが、翼本体とカバーを面一に揃えたいので、削れる素材がよい。



ということで、いつもの透明プラバン絞り。型は製作中の翼から切り取って、カバーの厚さ分だけ削る。

できあがり。接着は、瞬間で曇ったり、流し込みで余計な隙間に流れ込んだりが嫌なので、通常タイプ、いわゆるタミヤの白フタ。


せっかくなので内部の電球の再現にも手間をかけ、実機どおりの基部を作るが、もう少し外側に出した方がよかったかな。


■ 主脚

 ちまちま追加作業。一部にウソ、ハッタリがあるけど許してちょ。



焼き鈍し真鍮線でブレーキ・ライン。正面からまったく見えず。

脚柱上部につく台形の小脚カバーを追加。脚カバー(大)を接着し、取り付けステー類を延ばしランナーなどで。


これで脚はできあがり。


■ 正面図

 正面図を作図する。胴体&カウルの断面(正面)図をベースに、側面図から高さ位置を引き出す。この図では推力線方向でなく機軸方向から見たものとしている。カウル正面から見えるファスナは、側面図、平面図では正しい個数が表せず、この正面図が正。主脚は、現存実機写真から大体の長さと角度を出す。



正面図(2013.6.6修正)





■ キャノピの調整 3/20追加

 キャノピまわり最後の作業、レールを取り付ける。キャノピを開閉選択式にしようとして調整に苦労する。

 レールは、0.3mmプラバンに幅0.3mmのラインチゼルで溝を切って両脇を切り落とし(プラバンを黒く塗っておくと見やすい)、「凹」断面の細帯を作る。これを所定の位置に接着し、さらに高さと幅を削って狭める。コクピットの「へり」は、キットではキャノピ下端の高さになっているが、実機はレール部分がスライドキャノピと重なる。ここには2mm幅の0.8mmプラバンを接着し、高さをかせぐとともに幅広ストリンガーを再現。



レールとコクピットのへりを接着。実は前後のレールはつながっていない。

キャノピパーツ下端にもプラバン細切りで爪をつけ、レールにパチンとはめる。

開状態でもレール下端に爪がはまる。

閉状態でもレールに爪がはまってぴったり固定。



■ 排気管

 胴体にエンジンを固定。排気管は1.2mm真鍮パイプ。出口部分のみの再現で手抜き。これでやっとカウルを胴体に接着できる。



最初カウルにエンジンを接着しようと思ったが、うまくいかず。胴体内部の補強部材に台をつけてエンジンを固定。

排気管取り付け部を薄く削って真鍮パイプを並べる。排気管端部は完成後も後からよく見える。







前ページ 次ページ





HOME