博麗神社例大祭7 新刊


魔法少女ぱらそるこがさ



Story

物語の始まりは、"とある概念"が幻想郷を訪れた事から――……


「幻想郷がピンチです。異変解決の為、力を貸して下さい」

「……私が?」


突如として幻想郷の住人達が魔法少女に変身してしまう(アホな)異変が発生。

魔法少女に弾幕は通用せず、ぶっ飛ばすにはこちらも魔法少女に変身して戦うしかない!

と言う事で、異変解決に向けて活動を開始した早苗&小傘だが、次々と強敵が現れて……

魔法少女どころか、無差別通り魔と化した幽香

地底からの侵略者、古明地姉妹(ペットと融合モード)

そして、唐突に現れるラスボスのメイド長

果たして、二人はこの異変を解決出来るのか?

全裸変身ってアグネス的には大丈夫なのか?

傘を魔法のステッキにするのは色々と無茶があったんじゃないのか?

咲夜さんファンと幽香ファンには叱られるんじゃないか?




全裸変身とか魔法のコンパクトで大人になぁれとか、ラスボス相手に先手1killとかもう色々とやりたい放題。

魔法少女と言ったら? → 触手モンスターに襲われるに決まってンだろ!

そんな、頭が可哀想な作者が220Pも書いちゃったバカ本で御座います

宜しければ一冊お手にお取りになって下さいませ

こんな本に絵を提供して下さった和泉ゆきるさんはきっと神に違いない


以下、サンプルと挿絵サンプルと

 季節は春。

 うららかな日差しと陽気の中、私――多々良小傘は幻想郷の空を風に乗りながら飛行していた。

 柔らかな日差しはほんのり温かくて、私の体を優しく包み込んで優しく温めてくれる。

 

 今日はどんな風に人間を驚かしてやろうか。

 どんな悲鳴を上げさせてやろうか。

 そんな事を考えながら、今日も今日とて唐傘妖怪の私は幻想郷の空を行く。


 私の眼下に広がるのは、天狗や河童が集落を成して棲むと言われる妖怪の山だ。

 轟々と爆音を立てながら水飛沫を撒き散らしているのは、九天の滝と呼ばれている巨大な滝。

 滝の岩肌の所々に見える穴は、河童や天狗の集落だろうか? 中では、どの様にして彼らが生活をしているのだろうか? ふと、そんな好奇心が沸いてしまう。

 けれども……天狗や烏が警備をしていて、彼らは縄張り意識が非常に強いらしいので、そこに着地するのは控えておくべきだろう。

私は基本的に戦うのが苦手な弱い妖怪だから……天狗や河童の領域に侵入するのは避けるべき。

 人間を驚かせるなら人間の里だ。

 出来れば夜道が良い。

 月も出ていない、真っ暗な夜道が。

 

と言う訳で私は風に乗りながら針路を調整――

 

「いきなり現れたわね。ステージ1面ボス!」

 

 しようとしたら、いきなり見知った顔に声を掛けられた。空中なのに。

 私に声を掛けた相手は、妙に強気な感情が込められた釣り目で私を睨んでいる。

翡翠みたいに透き通った緑色の髪に、青と白の腋を露出した妙なデザインの改造巫女服。

 蛇と蛙の髪飾りを付けたその相手の名前は――

 

「さ、早苗っ!?

 

 妖怪の山の頂に住んでいる、守矢神社の巫女……じゃなくて、風祝の東風谷早苗だった。

 少し前に私が空を飛んでいたら、突然喧嘩を売りつけて来た乱暴な巫女だ。

 正直……ちょっと苦手な相手。

いや。ちょっとどころではなくてかなり苦手な相手かもしれない。怖いから。さでずむ巫女だ。

「異変が起こればとりあえず神社を飛び出し、おおよそ六人の妖怪を出会い頭にぶっ飛ばせ――我が守矢の神である神奈子様のありがたいお言葉です! さあ、行きますよ!」

「いきなりワケ分かんない事言わないでよっ! わちきを誰をここ、心得てっ!」

「キャラ作り不要っ! 台詞を噛むなっ!」

「ひぁっ!」

 早苗の一喝で、ムリヤリに頑張って張っていた虚勢が一瞬にして破られてしまった。

 やっぱり苦手だよぉ……

「今の私は自機モード。即ち、遮る相手はザコか中ボスかステージボスに他なりませんっ! これよりBGMが変わり、ボス戦が始まるのです!」

 

 駄目だコレ。

 今の早苗は普段にも増して言動がヤバい。

 近寄るのは危険かも――

 

「一人目が見知った顔だったのは少々意外ですが……手加減は無用! ぶっ飛ばします!」

 

 ぶっ飛ばすって、滅茶苦茶危険だよっ!

 

「な、ナニを言うのだっ!? 今日はまだ、何も悪い事なんて――」

「問答無用っ! 妖怪退治は巫女の務め!」

 早苗は気合を入れると同時に、懐から一枚の御札を取り出していた。

 それは、初めて見るタイプの御札だった。

緑色の細長い長方形の形で、蛙と蛇が星を中心にダンスを踊っている模様をしている。

 早苗の視線には殺意十分。

私を攻撃する気も満々と言った所か。

つまりは――

 

 えっと……殺られる?

 

「ちょ、ちょっと本当にタンマだってばぁ! 今日はまだ、本当に何も悪い事はしていないのにっ! これからちょっとだけ人間の里で悪い事しようかなって思ったけどさぁ!」

 問答無用で虐められそうになっているので、とにかく涙目で早苗をなだめる事に。

 どうしてこうなるんだろう……

「ふふふっ……一面ボス相手なら、全力で掛かれば容易い物です。さあ、今こそ我が新たなる力の前にひれ伏しなさい!」

「ひ、ひぃぃっ!! 説得不可能っ!!

「いざ――変身っ!」

「……え? へ、変身?」

 早苗の宣言はスペルカードの発動ではなくて、変身? とやらの宣言だった。

 瞬間、早苗が持っていた御札が何十――違う、何千枚と言う枚数に分裂して周囲を取り囲む。

そして、早苗自身の身体からはとんでもない量の光――反射的に両の瞳を手で覆ってしまう程の光が、周囲へと発せられていた。

 まるで、太陽を直接見た時みたい。

 光の色は、鮮やかな緑色。

 目を閉じたと言うのに、瞼の向こう側から光が直接私の瞳へと突き刺さっている。

光のせいで、目が痛い。

 何っ!? 何なのコレは!

 

「マジカル――……」

 

 凄まじい光の中、早苗は何かの呪文を唱えている。スペルカードの詠唱なのか、あるいは何か別の術なのか……?

「う、うぁっ……何、なのよー……」

 頑張って薄目を開けて、光の中の早苗を見てみると――着ている巫女服が大量の御札の中、光の勢いで破かれていて、えっと……すっぽんぽんになっている気が……

 

 いやいや、髪飾りはギリギリ残っているけど!

 その他が全部丸見えなんだけど!

 恥女!

 露出狂!

 ヌーディスト!

 変態巫女だ――っ!

 

「へ、変態っ!?

「ディヴァイン――……」

 

 すっぽんぽんのままで二言目の呪文を唱えた瞬間、閃光の中で裸になった早苗の肌の上に光が集まって服の形を作り出していた。

 裸だった素肌には黒いインナーを纏い、対照的に白色のジャネットがその上に形作られる。

ジャケットの淵には青いラインが描かれていて、ついさっきまで身に纏っていた巫女服を思い出させるデザインだ。

胸の所には、どう言う事なのか分からないけど星型の勲章が付けられていた。

 そして、ついさっきまで素っ裸で色々と大変だった下半身には、青色のミニスカートが。

……下着はどうなったのかな? 気にしたら危ない気がするけど……

 

「あ、あぅあぅ……何、なのよこれはぁ……」

 ダメだ。これはきっと悪い夢なんだ……そうに違いない。きっと私はお昼寝の最中なんだ……

 

そんな事を考えている最中にも、早苗の脚を覆う白のソックスと革製の靴が光によって形作られていて――

 

「――ウィンディー!」

 

 三言目の呪文を唱えた瞬間、早苗を包んでいた光の奔流が爆風へと姿を変えて私の方へ殺到して来る!

「う、うわぁっ!? か、傘が折れるっ!? にゃぁぁっ!!

 ぶつけられるのは純粋な風――弾幕なんかじゃない! これは自然現象の一種!

 早苗はあくまでも空中で立っているだけ。

それなのに、早苗を取り囲む光が風に変換され、その余波が暴風となって私の方へと襲い掛かる。

 風の勢いで唐傘の足が折れそうになるのをどうにか受け流し、吹き飛ばされそうになるのをどうにかこうにか必死に耐えるしか出来ない。

 少しでも気を抜こう物なら、暴風に吹き飛ばされてしまう。

 もう、何が何だか分からない。

 目がチカチカするとか風で吹き飛ばされそうだとか、色々と大変な中で必死に頭を動かそうとしているけどそれでも何が何だか分からない!

 光の中ですっぽんぽんになってから一瞬で着替えて、ついでに風で相手を吹き飛ばすスペルカードなんて知らないんだから!

 でも、目の前の早苗は私の状況なんて全く気にしていない様子。

 光の中で風を纏い、自分の纏っている衣装をにやにや顔で満足げに見下ろしている。

 そして、胸の前でクルクルと回っている御幣を素早くキャッチすると、御幣を上段から下段へと切り下げるアクションを一度挟む。

 えっと……「海が何とか」って技だっけ?

 ……もう、何だって良いけどね。

考えるのが疲れちゃったし。

 

「ふふふっ……変身、完了っ!」

 私が固まっている間も、早苗は嬉しそうにニヤけていて――そして、再び空中でポーズをびしっと決めて私に一言。

 

「さぁ! 幻想郷生まれの神聖系風祝魔法少女・ディヴァイン早苗の初陣ですっ!」

挿絵1(早苗さん変身バンク)

挿絵2(早苗VS古明地・姉  激闘の図)