
文学ガラス村発行誌
「ワールドアパート2」
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築築三十年。木造二階建て。 腐りかけが美味いを体現する一軒のアパート。 家賃が激安な代わりとして文明の利器を全力で放棄した画期的なシステムが売りである。風呂は見当たらず、電話も通っておらず、おまけにエアコンも存在しない。夏暑く冬寒いという理想的な冷暖房機能が実現された地球に優しいアパート。合言葉は時代はエコです。そこに少女たちは住んでいた。 一〇一号室から佐藤聖、福沢祐巳が居を構え、諸々の事情で一〇三号室は空室状態でもぬけの空。二〇一号室から二条乃梨子、藤堂志摩子を据えて、二〇三号室に島津由乃が住んでいる。集まって馬鹿をする。個々人の問題に悩み、時折に困ったり怒ったりして、やっぱり笑う。そこにあるのは生活の営み。どんなところでも人間ってのは生きていけるものですね、と適応力を見せつける住めば都。 時にアパートであり、時に高校時代の延長であり、時に棺桶であったし、時に療養施設でもあった。 言うことがあるとすれば。
その頃誰もが──相変わらず健康だけど元気じゃなかった。
(第一章『黒と白の境界線』より) ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ※本作は性・暴力表現を含みます。
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「ワールドアパート2」
「ワールドアパート1」 ※書籍版は完売いたしました。ありがとうございます。
執筆者 寄玄 「ラボ・スクラップ」 牧村
ゲスト
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