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大河「新選組!」スタジオパーク収録見学レポ byるうたんさん

大河「新選組!」NHKスタジオパーク収録見学レポ By るぅたんさん

Yori's home を訪問して下さっている、るぅたんさんからスタジオ見学収録レポをいただきましたので掲載させていただきました♪


こんにちわ、秋の台風の吹き荒れる中、またまたお言葉に甘えてスタパレポの続編を書かせて頂いています。
前にちょっとお話しした、昔の可愛い藤原くん思い出レポですが、この間10/5に総司最終撮影を見て、この日の藤原くんの姿は熱いうちに記録しておくべきであると勝手に決めつけ、まずはこの5日のレポから着手させて頂きます。

10月5日(火)
メインキャスト最終収録日撮影見学レポ

新選組!のスポークスマンとして、今日は西へ明日は北へと大忙しの土方さんが
福島のイベントの中でポロッと漏らした、副長最終収録日確定の発言を確認した
私は、10日のドラマ全体の最終収録までの収録予定日と藤原君のスケジュール
を照らし合わせて”もう5日以外に総司の最終収録日は考えられない!”と決め
つけ、大雨の中を通い慣れたスタジオパークへと車を走らせました。

今日、藤原君の撮影が必ずあるという事に、確固たる自信を持つ根拠など全く無いのですが、何故か確実に居る!という根拠のない自信だけでモニター前まで進むと、モニター前には2,3人の人だけということで、台詞を難なく聞き取れるポジションを確保!撮影開始を今や遅しと待っていました。

モニターの中のスタジオには屋外のセットが組まれていました。
この日いつもと違っていたのは、映されていたモニターが105 studioではなくお隣の106 studioに移動していたこと。
1年間の長きに渡り彼らが動き回った105 st.では、来年の大河「義経」の撮影が
行われていました。確かに去年の今頃は、「新選組!」の撮影は始まっていた事
を思うと何の不思議もないのですが、まるで京を追われた新選組がここでも場所を追われたような気がしてしまい(ほとんど被害妄想気味です)、思わず「どいつもこいつも、頼むからそっとしておいてくれ〜」と叫びたくなりました。(笑)

そうこうしているうちにモニター内に登場した隊士は左之助。
49回の最終回、おそらく近藤、土方と別れた左之助が、江戸から再び京を目指して家族に会いに戻る途中ではないかと思われます。石の階段に腰掛け大きなおにぎりを頬張っている左之助の横を、近藤の現状を噂しながら2人の男が通り過ぎるシーン。

男1「おい、聞いたか?新選組の近藤勇が板橋で官軍に身柄を捕らえられたらしいぞ」
男2「まぁ、京都で散々非道いことやってきたんだ、捕らえられて当然だろう」
おにぎりを持つ手が止まり、しばし呆然とする左之助。
同じシーンでの顔の微妙な表情を伝えようと、顔の寄りのカットを押さえて終了。

今度は神社の小さな祠(ほこら)の前で左之助が寝転がり一点を見つめている、
さっきの男たちが話していた近藤の話が頭から離れない様子。空を見ながら浪士隊として京に上ってから今までの事を思い返しているのか判らないが、ふと冷静になり自分の周り風景を見てどこかで見たことある・・と必死に思い出そうとする左之助。

ふと何かを確信したかのように急に立ち上がり、祠の隣のお蔵の壁に駆け寄り、
その壁を穴が空くほど見つめる左之助。するとそこには、まだ彼らが自分たちの進む道を模索し、漠然とした希望だけを胸に、無邪気でいられた幸せな時期に書き記した見覚えのある落書きが・・!

そうです、部屋割り係を申しつけられ途方に暮れていた近藤を助けようと、試衛館メンバーが策を練る為に座り込んでいた場所こそ今、左之助がいるここだったのです。あの日近藤を助けようと作戦を練っているその横で、マイペースな永倉が
総司たちを呼んで見せた「永倉新八参上」の落書き。

これは若き修業時代に永倉が書いたもので、その話の中では描かれなかったその後のエピソードがここで繋がっていきました。そこで左之助が見た落書きは、総司たちが「じゃぁ私も書こうっと!」と楽しそうに書いたと思われるそれぞれの名前を記した落書きでした。木の腰板部分に右から「永倉新八参上」、一人デカデカと「原田左之助」その横に「土方歳三」、その下に笑える位に小さく薄〜く遠慮がちに「藤堂平助」、その隣に少し上がって「沖田総司」。この総司の筆跡は実際に現存する総司の筆跡を模写したものでした。そして総司の横に「井上源三郎」源さん何故か井の字を○で囲ってました。そして上の漆喰の壁部分に目をやるとそこには立派な筆跡で「近藤勇」とありました。

あれ、だれか一人足らなくないか?と思っているとありました、その下に控えめに優しい筆跡で「山南敬助」。結局、あの日「まだ話の途中だぞ!」と子供チームの総司と平助を叱った典型的常識人の山南さんまでもヤンキーのごとく青春の思い出に・・と落書きに参加したのですね。

その文字を見て感極まっている私以上に、感極まっている男がモニターの
中で叫んでいました。
原田「うぉおおお〜!!!待ってろよ〜近藤さん!!!!
   俺が今、助けに行ってやっからなぁ〜!!!!」

そう叫びながらカメラに向かって爆進してくる左之助。男だよ・・左之助(涙)これを見たら居ても立っても居られないんだよね。時代は既に彼ら新選組に結論を突きつけている。たとえ時代がそうであっても行くんだよね、左之助は。今までもずっとそうだった。左之助が本当にまっすぐで気持ちの良い男だったからこそ、山南さんも「これからの新選組にとって、今まで以上に必要になってくる人だ」と最期の言葉に言い残し新選組を託して去っていくことが出来たんだ・・と感慨に耽っていたら、突如オープニングテーマが流れていつものオールアップの合図が・・!
花束を手にした私服の慎吾と、既に撮影が終了しているはずの源さんこと小林さんが現れました。

慎吾に抱きしめられて満面の笑みで左之助は言います。
「今までオールアップする人を見て”うらやましいなぁ〜、いいなぁ〜”と言い続けてきました。でも今日、自分がその立場になって心から思います。俺マジにこれから撮影が残っているお前らが羨ましいぞ〜っ!!!本当に1年間幸せでした、有り難うございました!!」泣きそうになるのを隠すように慎吾と源さんに強引にキスをしまくって、左之助は去って行きました。

藤原くんが「もう、太郎くんは左之助だから」と言い切るように、最高の左之助役者だったと思います。三谷さんの書く群像劇としての新選組でなければ恐らく一年を棒に振る仕事だったと思うと答えた太郎君。主役近藤勇のみを書き込むのでは無く、新選組という幕末の短い時間を生きた集団の一人一人を丁寧に描く三谷新選組だからこそ生きてきた存在でした。撮影の合間に見せる真剣な表情に、改めて役者顔になったなぁ・・・と何度か見惚れたものでした。本当にお疲れ様でした。

そして局長にとって、自分以外のキャストを見送り続ける試練の一日が始まりました。ここで午前中の撮影は終了し、休憩を挟み1時間後の撮影開始を待つ為に
近くのカフェへとお茶に行きました。

ちょっとノンビリし過ぎてしまい戻った時には、モニター前は黒山の人だかり。平日にも拘わらず、あり得ないギャラリーの数に引き気味になりながらも、正面あたりのポジションを確保した私の前に現れた長いポニーテールの後ろ姿。今まで一度たりともお会い出来なかった稀少品種の姿に思わず小躍りする私。 

そうです、斉藤一です。

続いてもう一人、松平容保こと筒井君も登場。
どうやら身柄を確保され幽閉中の近藤の身柄を助けようと、会津城に戻った容保に官軍に助命を働きかけるよう要請をする場面の撮影でした。

城の一角にある薄暗い小部屋に甲冑が飾ってある。その甲冑の前には一振りの刀が飾られている。

49回シーン24
容保の前で正座をし、頭を下げている斎藤。
容保「斎藤、会津までよお来てくれた。」
斎藤「殿にお願いしたき議がございます。」
容保「近藤のことか・・ならもはや手遅れじゃ。
   余にはどうすることもできん。無念じゃ。」
と言いながら、無念な表情で格子の向こう側の外を眺める容保。
容保「近藤は誠の武士だ。余はあの者達を許さない。近藤の敵は討つ。」

甲冑の前にあった錦の布に包まれた刀を持ち、再び斉藤の前に立つ容保。
容保「この刀は近藤に会ったら渡そうと思っていた。
   斎藤、お前が代わりに受け取ってくれ。」
斎藤「できません。」と首を振る斎藤。
容保「お前に受け取って欲しいのだ。これからも近藤の遺志を継ぎ、
   徳川家の為に働いてくれ。・・虎徹じゃ。」
斎藤「虎徹‥?」
意を決したように顔を上げた斉藤は、容保から差し出された虎徹を
両手で受け取る。
斎藤「斎藤一、身命を賭してお使い致します。」

あぁ・・さっきの落書きに続き、ここでもまた伏線が・・
勇が京に上るとき、実家に挨拶に行った勇に兄が持っていけと渡した刀の銘が
「虎徹」。20両で買ったという兄の言葉に偽物だと判った勇は「これを自分の力で「虎徹」にする」と歳三と源さんの前で宣言するシーンで張った伏線を最終話で拾った訳です。慎吾が雑誌の連載で「最終回は大伏線ばらし大会」だと言っていた意味がここで明らかになりました。

刀を授けた容保が、斎藤の正面に座る。
容保「早速だが仕事を頼みたい。京に向かってくれ。
   首が三条河原に晒されると聞いた。それを奪い返せ。」
斎藤「かしこまりました。」
容保「近藤の首はこの会津で丁重に葬る。余に出来ることはそれくらいじゃ。」

かっこいい・・・斉藤一。
最期の最期まであなたは陰の仕事を遂行する為に存在しているのね。それでも前半の斉藤と違うのは、仲間を持ち、人との別れの痛みを知り感情豊かになったことで、刹那的だった斉藤の剣が深く痛みを伴ったものに変化したこと。後半は総司との剣士としての対比がくっきりと浮かび上がり、こんな興味深い描き方があるんだぁと驚かされることしきりでした。

このシーン、リテイクも何度かあり結構時間を掛けて撮っていました。そして左之助に続きオープニングテーマが流れピンク色のサーチライトが乱れる中、斉藤一ことオダギリ ジョーさんと松平容保こと筒井君のオールアップの瞬間がやってきました。

瞬間に駆けつけたのは、慎吾、山本耕史くん、藤原くん、源さん、ぐっさん、etc・・・・他にも山南さんや山崎役の桂さんなど大勢のキャストが駆けつけたらしいのですが、もう総司の衣装を着た藤原くんが目の前にいることに気を取られて、正直他はどうでも・・っていう状態でした。そのドキドキの中で聞いたお疲れ様コメントは、オダギリさんが「本当は途中で死ぬ役がいいなぁって思いながら撮影してたんですが、今は満足です」みたいなことを言うと、それをうけて慎吾が「いつも前室でみんな集まって騒いでいても、ひとりで小説を読んでいたオダギリさん。その小説のタイトルが「沈黙」だった事を確認した時のこと僕は忘れません」と言い、珍しくオダギリさんが顔をクシャクシャにして笑っていました。ぐっさんは筒井君に「この撮影で筒井くん、堺さん、藤原くんと、お陰様でものまねのレパートリーが増えました。打ち上げで披露したいと思います」みたいな事をいって盛り上げてました。

藤原君はオールアップの2人に両手で握手を求めて、今まで共に過ごした1年間
の労をねぎらってました。

この時に余りに興奮してしまい、藤原くんが袴を付けていたと勝手に勘違いした
私は、お陰でこの後小さな混乱に一人で巻き込まれてしまうことになるのです。

オールアップの嵐が立ち去った後、モニター内に映し出されたのはどこか宿の一室の縁側のセットでした。時間は夜、縁側に吊り下がった行燈に灯りが点り、画面から静かな夜の雰囲気が伝わってきます。

47回 勇たちが停泊している多摩の宿の一室

縁側で土方が遠くを見つめながら、肩を落とし気味に座っているところに、風呂上がりの勇が手ぬぐい片手に部屋に入ってきて土方に気づく。

近藤「なんだお前だったのか。俺はてっきり今夜は朝帰りかと思っていた」
土方「なぁ・・かっちゃん、俺たちの京での5年間ってなんだったのかな・・」
近藤「いきなりどうした?」

土方の左隣に座る近藤

実は、このシーンの前に土方は、すでに他の人のもとへ嫁いでいる元許嫁のお琴さんに会いに行き、自分の身勝手さをお琴に責められ受け入れてもらえず、その上自分たちが命がけで京都でやってきた事までも全否定されてしまうという、予想外の展開に思い切り落ち込み、勇の元へ戻って来たのです。

土方「俺は新選組を大きくするために出来ることは全部やった。
   そのためには鬼にもなった。だがそれが何の実を結んだ。
   結局俺たちは世の中をひっかき回しただけじゃないのか。」
近藤「そんなこと俺には分からん。俺はいつだって正しいと思ってやってきた。
   そりゃあ迷いもしたが、最後は自分を信じた。悔いはない。
   今日多摩の人々に久しぶりに会って、俺は心の底から嬉しかった。
   しかし俺は悟った。あの頃にはもう戻れない。俺たちは信じられない程
   遠くに来てしまった。後は先に進むしかないんだ。振り返るのは
   もう少し先にとっておこう。」

勇がとても大きな男に見えました。
時代を背負って切り抜けてきた人間にしか語れない勇の台詞に一気に胸が熱くなり、おまけに前日の撮影で土方が実兄との別れのシーンで交わしていた言葉にも
かなり重なる部分があり、思い出し泣けてしかたがありませんでした。

勇や歳三が多摩の田舎から京の都に出て、将軍に進退について直接意見をするまでになった事を誉める兄に向かい、最終的に賊軍となり帰郷したことで土方の名に泥を塗ることになり申し訳ないと語る歳三に対し、盲目の兄は「お前たちがやったことが正しいか正しくないかは100年後、200年後の日本が答を出してくれる、だから今は自分を責めなくてもいい」(内容はこんな感じですがせりふはかなりいい加減です)と傷つき帰ってきた弟に優しく言葉をかけ、それを聞く歳三の大きな目には大粒の涙が浮かび、肩を震わせて泣くという落涙のシーンの撮影が前日にあったのです。

自分たちが生まれ育った多摩という土地が2人を無防備にさせるのでしょう、この夜の2人の間には一瞬にして幼なじみの空気が流れ、追われる身であるという厳しい現実を忘れさせてくれる時間がそこにはありました。

ここで時間は4時30分過ぎ。
あと撮れても数カットという時間になりました。総司が袴をはいているものと思い込んでいる私にとって、冷静に考えて床についた総司がいつもの寝間着ではなく袴をはいているって事は寝込む前の元気なシーンであるはずで、多摩の地を訪れているこのシーンに総司が絡んでくるとは考えられないし、一体総司はどこらへんのシーンを撮るんだ???

・・と混乱気味になっていると、
モニターの中の勇は上の長台詞の最後の部分の台詞を口にしていました。「・・もう少し先にとっておこう」と言うと同時に勇の目線が明らかに右隣の土方じゃない他の誰かを見つけたような目線になっていました。もしや〜っ、期待しても良いの〜?!!!もう、ワクワクでした。(余りに貧弱な表現でごめんなさい)

きゃぁ〜、来たぁ〜〜〜っ!(心の声)藤原くんだぁ〜
15日ぶりの藤原総司です。
勇の視線のその先には、紺の着物姿の総司が立っていました。何だかいつもより背が高く見えるのは何故?とか思いながらカメラからの立ち位置、3人で並ぶ位置を決める総司の姿を見ていると、藤原竜也演じる沖田総司の姿がこれで見納めだという現実が重く押し寄せてきて、ふと寂しい思いが込み上げ、一瞬にして
嬉しい気持ちを押しのけていました。

撮影シーンは47回。
藤原くんの総司、そして耕史くんの土方にとっても最後となる
撮影最終シーンは47回の中にありました。

縁側で話をする2人の後ろから、沖田が咳き込みながらやってくる。
総司「(コン・・・コン・・ゴホッ)声が聞こえたから。」
近藤「お前・・寝てなかったのか。」
総司「夜は咳が止まらないから寝られないんです。」

土方の右隣に座り、いたずらな表情を浮かべ土方の顔を覗き込む総司
総司「鬼の副長が弱気になってる。」
土方「うるせぇ。」
と、少しすねた感じで言葉を返す土方。

近藤「良い機会だからお前たちに言っておく。
   今度の戦はどう考えても勝てる見込みがない。」
総司「そうなんですか?。」
土方「しかし、かっちゃん。俺はな・・。」
近藤「いいから最後まで俺の話を聞け。
   俺は負けるための戦はせん。
   こうなったら死力を尽して戦うつもりだ。」
その言葉を聞いて満足気に微笑む総司。
土方「そうこなくちゃな。」
近藤「そう易々とあいつらに天下は渡さん。」

思わず勇の言葉を遮ろうとする土方、その時ふと思いました。この時の土方が一番弱い面を見せたくない相手が誰であったかと言われれば、総司なのではないかと思います。近藤の「・・今度の戦はどう考えても勝てる見込みがない。」と言葉に
「そうなんですか?」と不安げな表情の総司を見て、近藤の言葉を否定するように近藤の話を遮る土方の心中は、総司がどんなに病み衰えようとも帰ってくる場所さえ用意してあげられさえすれば、総司を失うことは無いと土方は考えたのではないのでしょうか。近藤や自分がいつまでも懸命に戦う姿こそ、総司が生きていく為の希望となり、戦うことをあきらめない姿の中に、総司にも自分の命への執着を持ち戦い続けていて欲しいという土方の願いが込められているように感じました。

だからその後に続く力強い言葉に土方は安堵し、「そうこなくっちゃな」と
合いの手を入れるのでしょう。

はじめに藤原君を見ていつもよりも背が高い?と感じたのは、15日ぶりに会う
藤原くんが更に痩せていたからだと気づくのは、立ち上がったこの時でした。とにかく身体の厚みが哀しいくらいに薄いのです。顔も一回りほど小さく感じました。
もともと細い足首が裾から覗き、肌はこの病気特有の透けるような質感に更に
近くなり見る人を不安にさせる程でした。これに続くシーンは、そんな総司が我々に見せた最後の強がりでした。

総司「土方さん、稽古つけてあげましょうか。何だか昔を思い出しちゃた。」
と立ち上がりながら、総司が言葉を続ける。
土方「無理すんな。」と心配気な土方
総司「言っておきますけど、試衛館の塾頭は私ですから。
   土方さんには負けませんよ。
   労咳にかかっているくらいがちょうどいいかも。」と毅然と口にする総司

近藤「やめておけ。」優しく言い聞かせるように言う勇。
それに対し総司は懇願する訳ではなく、ひどく落ち着いた声で微笑みながら
言う。
総司「軽く。」

そんな総司の言葉を聞き、土方が近藤を見る。頷く近藤。

・・と、ここまででタイムアウト。

「軽く。」
これが私が聞いた藤原竜也演じる沖田総司の最後の台詞でした。

とにかく終わりました。
burn out、まさに燃え尽きた感がある撮影でした。

見ている側がそう感じる位ですから、初めての大河でしかも沖田という幕末のカリスマを演じる重圧。それに追い打ちを掛けるように世界で最も若いハムレットを沖田と平行して生きていかなければならなかった事への重圧に本当に藤原君は良く耐え、この瞬間、今までに味わったものとは別の達成感を感じている事だろうと思います。実際、大河の担当カメラマンの方が書かれた藤原くんへの労いの言葉の中にも、沖田を完璧に演じながらの「ハムレット」。疲労も限界に達し辛い日が続く中でも、藤原くんの顔から笑顔が消える日は無かったとありました。

正直、今まで作り上げてきたイメージと違う三谷さんの総司を演じる藤原くんへのオールドファンからの風当たりは結構強かったと思います。そういうものは極力読まないと言っていた彼の耳にも、そういう意見は入ってきた事と思います。過去の作品が作り上げた理想型の総司を演じるのであれば、彼の役への理解力と演技力とをもってすればオールドファンにも素直に受け入れられた事でしょう。それでも、三谷さんの中にある藤原竜也というフィルターを通して生まれた沖田像を信じ、それを演じきった藤原君に私は大きな拍手を送ります。

放送上では40回を迎えようとしている段階ですが、アプローチを一歩間違えると、ただエキセントリックなだけの役者のマスターベーション的な演技に成りかねない、後半の振り幅の大きい演技を要求される総司を興ざめせずに見ることが出来るのも、藤原くんが演じているからだと思います。

最終日のモニターの中の藤原くんは最後の瞬間まで、頭の先からつま先まで
完璧に三谷版沖田総司として存在していました。幼い頃新選組を好きになり既にファン歴が成人式を迎えてしまう私が言うのですから、信じてもらってもいいです。(偉そうにすみません)

私が掲示板で幸せな場面が用意されていたとお伝えしたのは、最期の撮影シーンが3人揃って、しかも舞台がおそらく故郷の多摩と思われるシーンで迎えられたということ。(もしかしたら違うかもしれませんが・・)
普通新選組では、新選組が江戸へ戻ると同時に千駄ヶ谷の療養先で寝たきりになる沖田が殆どで、今回のように多摩まで連れて行ってもらえる設定は珍しいのです。
時代は更に新選組に向かい風を当てるようになる中でも、希望を見つけ進んでいく覚悟を口にする近藤と土方に、総司は昔と変わらない自信家の顔を覗かせながら最期まで自分の生きる道を伝えようとするポジティブな場面が用意されていた事でした。

シリアスな場面を演じる時の藤原くんは、大体いつも役に入っているせいか表情に隙が無く、横にいる耕史くんの様に、満面の笑みから一瞬にして厳しい表情にスイッチ出来る器用さを持ち合わせていない印象がありました。
そんな藤原くんを見ていて、最後の撮影シーンは演技の合間にも笑顔が絶えないような穏やかなシーンであれば嬉しいと思ったので、そういう意味でも今回のこ
のシーンが最後であったことは救いでした。

実際撮影中は本当に久々に見る満面の笑みが消えない藤原君に大満足!
この日の藤原君は、一時も休まず耕史くんとしゃべりまくり、笑いまくりメイクさんにも呆れられる始末。落ち込んでいるはずの土方がカットの声と同時に誰かの物まねを始める姿は藤原くんでなくとも見ていて可笑しく、土方の癖の髪を振り払う仕草や、喀血するまねを耕史くんが藤原くんの前でやってみせる姿は、まるでNGの少ない藤原くんにNGを出させようと画策しているかのようでした。

藤原君を笑いのツボに陥れることには成功した耕史くんですが、結局は藤原君の「言っておきますけど、試衛館の塾頭は私ですから。土方さんには負けませんよ。」の台詞の途中で土方の顔が抜かれるカットが入る時に、見事にぷっ!っと吹き出してしまいNGを出し自滅(笑)。それにつられて藤原くんが大笑いし、涙目になってしまい途中から録り直したのですが「軽く・・」と答える最後の台詞の藤原くんの涙目の原因の9割は笑い泣きの為です。

下に書いたようにこのシーンが本当に土方・沖田最期の収録カットだとすれば、もしかしたら最後のOKの声を聞く事は、新選組の撮影が完全に終わってしまう事を意味するので、さっきの悪ふざけや吹き出しNGもそれに対する彼らの引き延ばし作戦だったのかも・・?とか思うと可愛くなってしまいました。そして、去りがたい程の良い現場に身を置けた彼らも、それを見ることが出来た私達も幸せ者だったと心から思いました。

この後書かれた報告を読むと、どうやらこのシーンを違うアングルから何パターンが撮って土方・沖田同時にオールアップになった様子でした。時間の流れからして、もしかしたら斉藤&容保の所で思いのほかセット換えとかにも時間がかかってしまったので無理でしたが、万が一、そこの撮影が順調に進めば、開館時間内に見学者にもオールアップの瞬間に立ち会ってもらえるようにスケジュールを組んでいたのかも・・?とかおめでたい事を勝手に思ってしまいました。

今回も更に長く、思い入れだけが先走りした文になった事申し訳ありません。今度こそ、覚えている限りの可愛い藤原くんを書き留めたいと思っています。まぁ、藤原君の場合いるだけで既に可愛いんですけど・・天然な面とかホント男の子だ〜っと目を細めてしまった事など、少ないのですが記憶の中にまだ残っていますのでお伝えできるように頑張ってみますので、お待ち下さい。

では、いよいよ明日(10/10)は「新選組!」ドラマ全体の最終収録日です。
もちろん行って参ります。撮影シーンは近藤勇の人生最期のシーン、板橋での斬首のシーンだと聞きました。これを最期に持ってくるあたりにも三谷さんの演じる役者と作品、双方に対する愛情を強く感じずにいられません。
一時も漏らすことのない様、しっかりと胸に刻んで参ります。

では、長い時間おつき合い頂き有り難うございました。
お疲れ様でした。

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-2004年9月20日(月・祝)見学レポ-

先日のスタパ見学の時には、次回は26日まで都合がつかないと思っていたにも拘わらず、掲示板に新選組が幕府の船にて江戸に下るシーンを撮っているとの書き込みを見て、これは藤原くん居るかも?と居ても立っても 居られずに足を運んでしまいました。

スタパ到着、いつものように音声モニターの大画面の前に急ぐとそこには「受信できません」のトラブル表記の文字がぁ・・!慌てて普段は行かない106スタジオ前のモニター(音声無し)に行くと、モニターには島田と山崎、尾関の3人のシーンで負傷した山崎を船内で看病しているシーンが映っていました。総司は出なそうだなぁ・・と思ったのですが、今まで総司が身体のことで隊で公私に渡りお世話になったであろう山崎さんの臨終シーンに敬意を表し、しかと見学させて頂きました。山崎役の桂さん、信頼できる有能な山崎像を演じきった良い役者さんでした(合掌)。新選組のお医者様として、総司のイヤな咳を気遣って下さり有り難うございました。

1時間程撮影し、ひとまず休憩。
恐らく、同じく船内のシーンだと予測しながら、休憩明けを楽しみに待ちました。そして1時間の休憩の後、いつもの音声モニター前に目をやると大勢の人が・・!
もしかして・・と近づくとハラハラと舞い落ちる桜の下にちょこんと座る小さな人影を遠くに確認しました。居ました、居ました藤原君です。船内の撮影だとばかり思っていた私には嬉しい誤算、モニターの中には47回・沖田の療養所である千駄ヶ谷・植木屋平五郎宅離れのセットが広がって いました。

総司は、いつもの寝間着(紺の着物に茶の羽織)をまとい、穏やかな春の昼下がりに縁側でたたずんでいました。画面手前には総司の病床があり、枕元には総司の白い鞘の長刀、脇差が置かれ、今抜け出したと言うように掛け布団が乱れた状態で置かれていました。まだ、この離れの床に横になる総司に逢ったことがないので、この布団の乱れをみると「あぁ・・本当に床についてしまったんだなぁ」と胸が痛くなりました。

そして、このシチュエーションだとお孝がお相手だとばかり思っていた私の目の前に現れたのはおミツさん。
今まで彼らの2ショットと見たのは寺田屋大騒動の回の撮影以来、山南さん亡き後のヘビィな回さえもその明るさで引っ張ってくれた、幸せだった多摩時代の象徴の様な人の登場に、病みやつれた最愛の弟の姿を彼女はどう受け止めるのか、三谷氏がその描写をどのように見せるのか、第一声の台詞が発せられるのをじっと息を潜めモニター前で待ちました。

しかし、ミツさんはひとまず休憩。
総司が縁側で庭の桜の方をひとり見つめている遠景のカットを撮影していました。
この時は、この後このカットがあんな切ない会話の後に続くとは思いもせずに、
「しかし藤原くん痩せたなぁ・・、あの可愛かった宗次郎はいずこに」なんて思っていたら、「はい、OK」の声がかかりました。

そして、ミツさん再登場。
カメラアングルは薄暗い総司の病床側から、明るい庭先の桜を望む様な形で、総司が抜け出たままの乱れた布団を直しながら、縁側で言葉もなく膝を抱えている弟の方に目をやるミツ。縁側の総司にいつもの明るい声で話しかける。

ミツ「なんだ、案外元気そうじゃない。
   かっちゃんから病だって聞いてたから心配してたのに、顔色も良いわ。
   大丈夫、大丈夫。」

そう言いながら、縁側の弟の隣に座るミツ。
「大丈夫」という言葉は病んでしまった弟への励ましというよりも、弟の
今の姿を受け入れる事が出来ないでいる自分へ言い聞かせている様にも
聞こえて、声が明るいだけに逆に辛く響きました。

総司の顔を見ずにあえて庭先に視線をやりながら、優しい口調で総司に
話しかけるミツ。
ミツ「平助のこと聞いたわ・・。
   あと源さんも・・・一緒に帰って来たかったでしょうね。」
総司「・・・源さんのことはまだ信じられない。」
ミツ「お幸さん、亡くなったんですってね。」
その姉の言葉に眼を伏せて頷くことで返事をするのが、精一杯な様子の総司。

総司にしてみれば、長く生きられないはずの自分が、まさかこの人達を見送る立場になるなんて考えもしないで、姉の口から彼らの名前を聞き改めて人の命の儚さを感じているようでした。

ミツ「そうだ、あの人は元気?こんなのかけた、風変わりな。」
   (と、眼のまわりに眼鏡を表すように指で丸をつくり笑いながら)
総司「武田さんは死にました。」
ミツ「じゃぁ、あの人は?勘定方のひょろっとした。」
総司「河合さんも死にました。」
ミツ「じゃぁ、じゃぁ、あの人は?ほら!体は大きいけど、目の小さい・・。」
総司「島田さんは生きてます。」

病身の弟に辛い思い出ばかりを思い出させてはいけないと気を遣い、明るい話題に変えようと新選組の個性的な面々のことを尋ねて、そこで彼らの運命を聞き、京の都で華やかな活躍を遂げた新選組の末路が、どれ程厳しいものだったのかをミツは改めて知る事になるのだと思います。その過酷な状況の中、孤独に病と対峙することで大人へと成長して帰ってきた弟を、優しくいたわるミツの包み込むような眼差しが印象的でした。

みつ「そっかぁ、みんな元気にやってるんだ。」
目の前の傷ついた弟を励まそうと、思わずトンチンカンな言葉を口にした
ミツさんの優しさがとても暖かく、どんなに言葉を並べても弟の慰めには
ならないと姉としての無力さを悟り、それでもなお言葉を繋げようとする
ミツさんを、とても愛おしい存在に思えました。

そして・・
総司「(一呼吸おき)申し訳ありませんでした。」
総司「労咳なんかになってしまって・・」

総司にとって、江戸に帰るっていう事の意味は、姉に自分の身に起きた
辛い報告をしなければならない事であり、姉の顔を見た瞬間から総司の頭の
中はこのことで一杯になっていたんでしょうね。
実際、労咳の為に肺の機能が低下して、声を張ることの出来ないであろう
総司が意を決した様に絞り出した姉への謝罪の言葉に、モニター前の私は
涙の堤防決壊寸前まで追いやられてしまいました。

大事に育ててくれた姉にどう伝えたらいいのだろう・・と、彼なりに考えたの
だろうと思います。しかし出てきたのは「申し訳ありませんでした・・」の
一言。総司が今言える精一杯の言葉なんでしょうね、切ないです・・・。

そんな弟の運命を必死に否定するかのように、毅然と武家の長女らしく総司に
言います。
ミツ「あなたはそう簡単には死にません。父上と母上が見守ってくれています。」

必死に励まそうとする姉を見つめながら
総司「(京での自分を回想し)剣を抜くのが楽しくて仕方がない時もあった。
   でも今は人を斬る辛さも知っています。
   病になって得るものが多かった。初めて人の命の重さを学びました。
   だからくやしいんだ・・・ようやくこれからなのに。
   近藤さんのため、新選組のため、世のために自分の力が生かせる
   という時に‥・・。」

ミツ「まるでこれからすぐ死んでしまう人の言い分ね。」
総司「だから私はっ・・。」
みつ「そうやって一人でかっこつけてなさい。」
総司「かっこつけてなんか・・・。」
みつ「何よ、偉そうに血なんか吐いちゃって、馬っ鹿みたい。」
総司「姉上・・。」

ミツさんらしいやりとりでした。

三谷さんは沢口さんのお茶目で可愛い一面を愛し、ミツに配役したと言っていましたが、三谷さんのミツはどんなに弟が弱い面を見せても悟りきった姉らしい顔をさせる事なく、最後の最後までミツは総司の最強の姉上として描かれていました。それは総司にとっても最後の救いだったに違いないだろうと思います。個人的に弟を持つ身として考えると、このやり取りはどう考えても姉であるミツの方が辛いと感じてしまうのです。9つも年の離れた弟が先立ってしまう現実は、母のようにその成長を楽しみにしてきた姉として到底受け入れることの出来ない現実でしょう。

いくら京の町で新選組が大きな組織になり、その大組織の1番組長になろうとも
目の前にいる弟はミツにとって幼い頃から慈しみ育てた弟以外の何者でもないの
です。時代の流れの中に取り残され戻ってきた弟が、ボロボロの身体でなおも世の中の為、勇の為と剣士としての思いを口にしている姿を目の当たりにし、悟った事を口にする弟に対し、無性に腹が立ったのだと感じました。

総司がミツさんと逢うのもきっとこれが最後でしょう。
47回なので断言は出来ませんが、この姉と弟がこれほどまでに心を交わす
場面は、この先用意されていないと思いますので、自分の中ではこれが「新選組!」の中での、沖田姉弟の別れの場面だと思って食い入る様に見ていました。

その後、ミツは総司を置いてその場を立ち去り、冒頭の一人散りゆく桜を 見つめる総司の場面に繋がるのです。

この撮影を見てからレポにまとめるまでの間に、本放送は38回「ある隊士の
切腹」まで放送されました。その中で総司は2度目の大きな発作を起こし喀血
します。孝庵先生の診察を受け「あと5年でいいから元気でいさせて・・」と涙声で訴える総司を見ていたら、無性に試衛館時代の元気な総司に逢いたくなり気づいたら一話から見返してました。

完全に三谷さんの思うつぼでした。

これほどまでに長く丁寧に試衛館時代を描いた新選組は今まで皆無だったので、
見ているときは早く京に上って活躍する姿を沢山みたいと思ったものでした。この平和で牧歌的な描写が、殺伐としてくる段階になって対比として悲劇的に訴えてくることは見ている時から判っていたつもりでした。でも・・きついですね。

総司が孝庵に「あと5年でいいから元気でいさせて・・」と訴えた時点からわずか1年後、既に元気な彼は新選組に存在しません。
その後は死に向かう床の中で、死にゆく同志の去ってゆく足音を聞くことしか出来なくなるのです。試衛館時代の総司はまさに「永遠に続くはずの子供の時間」を自由に生きている生命力に溢れています。近藤や土方とともに京に上がった時には、まだまだこの時間の延長線上を生きていて、まさかこの先自分が命の刻限を告げられる時が来ようとは思いも寄らなかったはずです。

ミツに乱暴に布団をはがされたたき起こされる総司や、初登場の源さんとの筆を持って追いかけっこする場面、襲名披露の野試合での助太刀を颯爽と名乗り出る総司と、自分の好きな彼の顔を思い出しただけで、もう平常心では文章をまとめる事が出来ませんでした。

正直前半の総司を見ていて、役者・藤原竜也を起用するだけの沖田なのかと
言うことに疑問を感じたことがありました。明るく可愛いだけの子供っぽい総司に物足りなさを感じていたのは確かです。でもその時点で私は、藤原君が化ける役者だということを忘れていたのです。過去のドラマを見ても判るように後半に大きな役割を果たす役をこなしてきた彼を、あて書きの三谷さんが何も考えもせず起用する訳が無いのですから。今になってそれが「新選組!」というドラマ全体を通しての総司の伏線となって後半に生きてくる事を知ることになるのです。

三谷さんの沖田はとことん不器用で好奇心旺盛の人間的な沖田で、過去に描かれてきた、天才でもどこか悟ったところのある沖田でもありませんでした。自分ではどうすることも出来ない現実を突きつけられ、足掻いて、悩んで、大人の階段を昇らざるをえなかった総司の心の動きを正確に伝える為には、藤原君でなければならなかったのだと納得がいきました。

重い話をダラダラと書きまして本当に失礼しました。

撮影も本当に大詰めです(10/1現在)。
私が愛した今まで見てきた三谷氏の過去の舞台のように、歴史の舞台から去りゆく者に優しい最期の幕引きを用意されている事を願って、出来うる限り通い続けるつもりです。それと、5月から通い始めたスタパ通いの中で思わず可愛い・・と頬を緩ませてしまった藤原君の様子なども、忘れてしまわないうちに書き留めておこうと思っています。
駄文の垂れ流しになる可能性大ですが、読んで下さると嬉しいです。

では、長文へのおつき合い有り難うございました。

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昨日のスタパの撮影、音声モニターの前で午後3時位から参加してきました。
いつも読ませて頂いてばかりで申し訳ないので、初心者の長文で恥ずかしい
のですがレポを落とさせて頂きます。

2004年9月14日(水)見学レポ

第48回 千駄ヶ谷 沖田療養先 植木屋宅

下のシーンの前に、布団に横になっている沖田が近藤と言葉を交わすシーンがあったらしいのですが、その撮影には間に合いませんでした。台詞の内容としては、「これから流山に行くからお前も来い」という近藤に、沖田が「これからでもいいですよ」と無理してみせるような場面があって下のシーン繋がるようです。

庭の桜の花も満開で花びらが舞い落ちる中、縁側に旅姿の近藤と、
例によって青白い顔で紺の着物一枚の沖田が何か懐かしそうに話をしている。
沖田「この病気が治ったら・・」
近藤「この戦が終わったらまた徳川様の世が再び来る。そうしたらお前はまず
天然理心流五代目襲名だ。またみんなで野試合をやろう。」
沖田、弱々しい笑顔でうなづきながら
沖田「・・・懐かしいなぁ」
お孝が着物一枚の総司を気遣い、羽織を肩にかける。
お孝「なに?(何の話?)」
沖田「お皿を(両手でおでこの前にかわらけの形を作る)ここに付けて
そのかわらけを割られた方が負け・・」
お孝「(生意気そうに呆れた口調で)アホや」
沖田「楽しかったですね」
近藤「神社を廻って額の奉納もしなくてはならないしな、忙しいぞ」
沖田「寝てなんていられませんね」
近藤「だからお前はその日の為にしっかり養生しろ」
沖田「はい」
この程度の会話をするだけでも、病が進行している総司は息が乱れて辛そう。
近藤が縁側から腰を上げ、総司と向かい合うように体勢を変え、目を見て
別れの言葉を言う。
近藤「じゃぁ、また来る」
沖田「みなさんにも宜しく」
2人ともまた生きて逢える確証などどこにもなく、お互いにこれが
きっと最後だと感じながらの別れだけに何とも切なく、哀しい場面でした。

お孝が近藤を見送ろうと庭先に出て、近藤と向き合いお辞儀をしながら別れを告げる。
お孝「お気を付けて」
近藤「・・・」
お孝の目を見て、総司を頼むぞという感じでうなづき2人を後にする。

近藤を見送る総司とお孝の会話
お孝「ほんまに徳川様の時代がまた来るんやろか」
総司「来るわけないじゃないか・・、そんな事あの人だってみんな
わかってるんだ・・」
と言いながら近藤の後ろ姿を見送る総司。
その後、近藤が2人の方を見て、目線で強く別れを告げるように去っていく姿の
切り返しカットを撮影して、開場時間内の近藤の撮影は終了。

その後、続けて総司とお孝が中心のシーンを撮影
同じく第48回
植木屋の主人(島田順司)が庭の松の枝の剪定をしている職人に
指示を与えている様子を、先程のシーンと同じ寝間着姿の総司がだるそうに
縁側に座って見ているところに、卵を入れたかごを抱えたお孝が戻って来る。

お孝「あ〜っ!またそんなとこにいて〜!!」
総司「うるさいなぁ・・いちいち見張るような事言うなよなぁ・・
   ・・寝ているのも疲れるんだよ・・」
・・と弱々しくブーたれる総司。
ちょっと可哀想に思ったのか、それ以上はうるさく言わずに手に持っている
卵を総司に見せながらお孝「これでお粥作るから待ってて」
と言い残し総司を後にする。

その後、総司が縁側についていた左手に蟻が這ってくるシーンを撮る前に生きている蟻のどアップを撮影しました。本当に至近距離から撮る為に手の甲には入念にメイクをし、CCDカメラの撮影に挑みます。虫嫌いな藤原君には試練のワンシーンだと思いましたが、特に大騒ぎもせず淡々と蟻を這わせていました。そして、同シーンの引きカット撮影に続きます。

依然としてだるそうに庭の剪定作業を見ている総司の左手に蟻が這ってくる。
それを見た総司が何も考えていない顔で、蟻を捻り潰し庭に投げ捨てて殺生している様子を見たお孝が飛び出してくる。

お孝「今、何したん?!!」
総司「もぉ〜、気配無く戻ってくるなよぉ!」
   総司が捨てた蟻を見ようと慌てて庭先に飛び降りるお孝
お孝「今、蟻殺したやろ!」
総司「・・ああ」
お孝「何故殺したん、生き物を殺したらあかんやろ?」
総司「蟻は生き物じゃない!」(断言かい)
お孝(あきれ顔で精一杯のイヤミを言うお孝)
  「はん、さすがは新選組の一番組長さんや、言うことが違うんやな」
総司「じゃぁ、あんたは今まで一匹も(蟻を)殺したことないのかよ」
お孝「ない!」
総司「んなこと嘘だよ、知らないうちに10匹くらいは踏み潰してるに
   決まってる!」
お孝「よけて歩いてるもん」
総司(んな馬鹿な・・って顔)
お孝「自分が生きていく為に生き物を殺すのは人間だけなんやて!」
総司「えっ?」
お孝「良順先生がいうてた!」
   強気のお孝に総司も負けじと屁理屈攻撃?
総司「じゃぁ、きつねやたぬきは蟻を殺さないっていうのかよ」
  (たぬきじゃなくて猿だったかも・・・)
お孝「殺さへん!」(断言)
総司「歩いてるときに絶対に踏んでるよ!」
お孝「ちゃんとよけてる!(きつねもたぬきも)」
   言い合いがエスカレートして興奮した総司も立ち上がり口喧嘩は最高潮!
総司「(大声で)ありえない!!」
お孝「(負けじと更に大声で)あるっ!!!!」

とここまで一気に撮影し長いカットでした。
TAKE4くらいまで撮影し、珍しく藤原君が「きつねや〜」のところで「きききつね・・」と台詞トチリ、アラ珍しやと思いました。縁石に2人の下駄が置いてあり、お孝が庭先に飛び出すときに慌てて下駄を履き飛び出すのですが、TAKEを重ねるごとにお孝が脱ぎ捨てる下駄を、その度に藤原君が丁寧に揃えてあげている様子に、
「なんて気配りの出来る良い子なのかしら」と、思わず頭をなでなでしてあげたい衝動に駆られました。(笑)

その後、庭先で作業をしていた植木屋主人が痴話喧嘩のような2人の様子を微笑ましく見ながら、
主人「お二人は本当に夫婦のように仲がよろしいですな。」
と声を掛け、お馬鹿な口喧嘩強制終了。
総司「(慌てて)そんな仲じゃないですから」
お孝「ほんま違いますから」
と2人揃って仲良く否定する姿も可愛かったです。
主人「(微笑ましい姿に笑いながら)沖田様にお客様です」と言われ、
総司が門のあたりに目をやる。
総司「・・斉藤さん・・」

この時の藤原君の目の演技に感動しました。
リハの時ももちろん手を抜かず演技しているのですが、リハを重ねた上で本番時には必ず自分の中で最良の答えを出し、それを演技に反映させて行く姿勢がこのカットだけで十分伝わってきました。斉藤の姿を見て、単に驚くだけでなく懐かしさと同志としての親しみを声と表情に込めた素敵な演技だった思います。死を目の前にして愛する人達との切ない別れのシーンに、観ているこちらも相当覚悟していないと引き込まれ気持ちを揺さぶられ、いつの間にか息をすることも忘れていました。

藤原君の沖田が孤独な最期を迎えるのだけは可哀想で仕方がなかったので、救いのある場面を用意してもらっているようで安心しました。哀しみの中に必ず救いを与えてくれる三谷さんの優しさに、藤原君も的確に応え、その藤原君に自分も慰められている感じが撮影中終始していました。

彼の成長に関わった人達がこの苦悩する天才をこの世に送り出してくれなければ、この新選組!は成り立ちませんでした。三谷さんが新選組を手がけたこの時期に、22歳の藤原君が存在してくれた事は何ものにも代え難い幸運な出会いだったと心から思います。(お陰で私も遅まきながら彼に出会えたのですから・・)

時間にするとほんの数分のシーンなのですが、過去に見学した撮影シーンの中にも放映されず、見学した人の中にしか存在することが出来なかった多くのカットされたシーンの事を思うと、多少内容に曖昧な部分があろうとも、藤原君が必死に沖田の心情に自分の気持ちをリンクさせ答えを出した演技なのだから、少しでも多くの方にお伝えできればいいなぁと思い、つたないレポに挑戦しました。

長々とかつダラダラと書きましたが、スタパ到着時は人が溢れていてモニター前でも聞き取りにくく、台詞内容は必ずしも正確とは言えないと思います。他の箇所もメモを取っていた訳じゃないので、内容も一字一句合っているわけではありませんし、もしかしたら台詞の順番も多少前後すると思います。その辺はどうかご了承下さい。

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