鈴木政夫氏は毎日朝6時30分にタクシーで家を出て,1.5Kmほどの距離にある工房に向かう.工房には石彫の下作りをする大原氏が待っている.工房に着くとすぐに石彫を始める.「俺は一服してから仕事にかかるなんてことはしない.着いたら直ぐに仕事だ」と言われる.70才代中頃までは10時近くまで石彫をされた.75,6才からは9時半ころまで石彫をされた.
仕事が終ると「コーヒーを飲みにいくぞ.」と喫茶店に行って
世相のこと・芸術のことを話される.または作家の展覧会を見に行ったり,催しものを覗いたりされた.
運送業をしていた黒野氏は20年以上にわたり鈴木政夫氏の工房から家への送りをされていた.個展会場の作品の据付も鈴木氏を手伝っておられたので見事である.
石彫を学ぶために10数人,20人ほどの若人が鈴木氏の元に来,今それぞれ各地で活躍している. しかし最後まで交流を続けた人は一人もいない. 大原氏,黒野氏,黒野氏弟,河合氏は晩年まで先生と関わった人達である.