私は1996年1月,48才になった時より石彫のプロフェショナルとして生きることになった. 人生を振り返ってみると,ここに至った道筋が見えてくる. 今の時点を目標として目指して来た訳では全くない. 
 思い返してみると,いろいろな時点で決断をして来た結果が今に至った. 人生に目標を持って,各時点で統一した決断をして来たなら,スムースに目標に到達したかも知れない. ただ私は行き当たりばったりに決断を繰り返し,今に至った. 62才になろうとする今, 遠き日を思い出してみようと思う. 
ベランダ北方向を見る1
 20才の頃より,自動車部品製造の工場で働いてきた. 毎年のことのように「工場で働くことを辞めて, もっと良い仕事があったらそこで働きたい」と思った. 思うだけで,同じ毎日を続けていた. 40才になったころ,会社の近くに乗馬クラブがあるから,馬に乗ってみようと思いついた. 全くの思いつきだったが,乗馬クラブに行って馬と接するようになった. そこは競馬馬の育成牧場で,乗馬が2頭ほど用意してあった. 馬の世話の仕方を教えてもらったが, 出来るなら自由に乗ってくれというところだった.
 馬が好きになって, 時を見つけては馬を訪ねた. 乗馬を始めたばかりで, ミューゼラー著「乗馬教本」を求めて読んだ.
 育成牧場の一部で,輸出用陶器ノベルティを作っている加藤さんと知り合いになった. 馬に会いに行くと共に, 加藤さんの仕事場を訪ね,焼き物のことなどを教えてもらった. この出会いが,今の私に導くひとつのキーポイトとなった.