毎年,豪華なゲストが多数来阪するのが楽しみな「映画ファンのための映画まつり」が,今年も2月11日(祝)に守口文化センター・エナジーホールで開かれる.内容も盛りだくさんで新作プレミア上映として,劇団☆新感線や南河内万歳一座など関西小劇場のスターが大挙出演の三原光尋監督作品『燃えよピンポン〜LEGEND OF BLOODSWEET&TEARS』と,いしだ壱成主演作(舞台挨拶予定)『イグナシオ』を上映.また,1996年ベストテン発表&個人授賞式ではゲストが続々登場(予定).(中略)表彰式のほか,受賞者のトークコーナーやサイン色紙,映画グッズが当たる映画ファンお楽しみ抽選会も行われるぞ.個人賞発表の後,'96年度ベストテン作品の中から邦画1位の『Shall We ダンス?』を上映(洋画の一位は『アンダーグラウンド』).大阪の映画ファン有志によって運営されているこの映画祭.君も映画ファンなら是非参加してみてちょうだい.朝11:00から夜8:20まで一日たっぷり映画に浸ってみるのも,たまにはいいんじゃない.(Lmagazine2月号より抜粋)
●なんや,このベストテンは!
しかし,何と言っても驚いたのは,この映画祭のベストテンである.このベストテン,誰が選んでいるのかと思っていたら,この映画祭を運営していると思われる20名そこそこの「映画ファン有志」であった.すなわち,一映画サークルのベストテンなわけである.
全国には,大学や高校の映画研究会を始め,たくさんの映画サークルがある.年末に,そのサークルによるベストテンを選出しているところも多いであろう.しかし,そこで選ばれた役者やスタッフをわざわざ呼んで表彰しようというサークルがあるとは!
まず,普通はそんなことをする資金がない.また,表彰する側に,自分たちの評価に対する自信がなければできるものではない.その自信はどこからくるのであろうか.ちょっと首を傾げたくなるが,自分たちのお金で(またはスポンサーのお金で)映画祭を開催することに関しては,私が批判できるものではない.ベストテンを発表するなり,表彰するなりすればよいと思う.
だが,そのベストテンを"「おおさか映画祭」が選んだベストテン"(正式には名前が違うかもしれないが「おおさか映画祭」で発表するのだから同じことである)としているのはどういうことだろう.
"「おおさか映画祭」の選んだベストテン",まるで大阪府民が選んだベストテンのような響きである.表彰された側も,大阪府民とまではいかなくとも,大阪に住むかなり大勢の映画ファンによって選ばれたベストテンのつもりで来ているのではないか.
これが「○○大学映画研究会の選ぶベストテン」や「市民映画サークル○○のベストテン」では,おそらくビッグなゲストは来てくれないであろう.だからといって,このように大それた名前でベストテンを発表し表彰してよいものなのか.
彼らに大阪の映画ファンを代表しているという意識があるなら,それはすごいおごりであるし,そのような意識は無いけれど特にその名前に抵抗が無かったというのなら,「映画ファンのための映画まつり」の運営者として,無神経すぎるのではないか.自分たちに投票権のないところで勝手にベストテンが決められ,自分たちが選んだかのような形で発表されている映画ファン,特に会場に集まった映画ファンの気持ちを考えたことがあるのだろうか.
少なくとも私は,高いパンフを買ってそれを知ったとき,自分に全然関係のないイベントに,さくらとして集められているような気がして,気分が悪かった.
●映画祭はどうあるべきか
だいたい,「映画ファンのための映画まつり」にベストテンは必要なのだろうか.ベストテンがなくても,たくさんの人が参加し,楽しめる映画祭は作れるはずだ.
ベストテンを発表するのなら,このような局所的なベストテンではなく,もう少しグローバルなベストテンを発表すべきである.例えば,大阪にある各映画サークルでのベストテンを集計するとか,映画祭のチケットを買った人に投票権を与えるとか.
この映画祭が,自分たちの欲求を満足させる映画祭でないのなら,映画祭とはどうあるべきか,そして,自分たちの映画祭をどのようなものにしたいのかを,運営する側は,もっと真剣に考えるべきだ.
もっとも,この映画祭が,スポンサー主体でおこなわれている商業的なイベントなら,何をいっても無駄であろうが.
これは,3,4年前の映画祭に参加したときの感想です.その後,私は参加していません.現在の「おおさか映画祭」は,もしかしたら変わっているかも.念のため.
Toshiro Y.