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  葉牡丹(11-2月)               

歓迎光臨

 
             葉牡丹の花(3-4月)

   
葉牡丹・羽衣甘藍・花甘藍
 

 葉牡丹は冬ざれの公園を豪華に仕立てる女王。モノトーンの広場を華やかに彩ってくれる。道路沿いの花壇などに列植されてドライバーのみならず歩行者の目を楽しませる。家庭ではお正月を飾る花として重用される。

   葉牡丹を植ゑて玄関らしくなる    村上喜代子

 といっても、あれは花ではない。外側の硬い緑の葉を押しのけて内側から成長した若葉が寒さにさらされて色づいたものだ。11月から2月まで美観を保って、人々にほんのりとした若やいだ感情を与え続ける。アブラナ属の葉牡丹はアブラナ属らしく春になると花茎を伸ばして黄色い花を咲かせるが、ほとんどは薹が立つ前に処分されてしまうので、葉牡丹の花を見たことがないという人が多い。

 葉牡丹の祖先をたどれば、地中海沿岸原産の野性味溢れるケールにたどりつく。あるいは、それに極めて近い野甘藍かだろう。これはキャベツの野生種といわれている。

  〔鐘うてば白木のひのき〕      宮澤賢治 (1896-1933)

 鐘うてば白木のひのき、  ひかりぐもそらをはせ交ふ。
 凍えしやみどりの縮葉甘藍(ケール)、  県視学はかなきものを。
 
         
 農学校に学び、一時期農学校の教師にもなった宮澤賢治(明治29年−昭和8年 享年37)は、数々の作品を残したが、「銀河鉄道の夜」をはじめその多くの作品の中で「ケール」を使用し、その他「縮葉甘藍」、「花甘藍」、「羽衣甘藍」なども見られるが、どれも「葉牡丹」をこう呼んでいたようだ。

 牧野富太郎博士は「植物一日一題」でこう書かれておられる。

 キャベツ、すなわちタマナを甘藍(カンラン)だというのは無学な行為で、科学的の頭をもっている人なら、こんな間違ったことはしたくても出来ない。
 いったい甘藍とはどんな蔬菜かといってみると、それは球にならない、すなわち拡がった葉ばかりの Brassica oleracea L. で、その中の var. acephala DC.(無頭すなわち無球の意)がこれにあた
る。すなわち前々から葉牡丹といっているものである。これはその葉が牡丹の花の様子をしているからそういうのである。これは結球しない品だからこの品を呼ぶハボタンをタマナすなわちキャベツに用うべきでない。ゆえに甘藍はキャベツすなわちタマナではあり得ない。

、賢治がキャベツとケールをはっきり区別したことは歴然としている。縮葉甘藍にはケールのルビを振っている。甘藍はキャベツではないということだろう。これは牧野富太郎博士が主張しているように甘藍は結球することのないケールをいうのであって、甘藍をキャベツとしてはならない。賢治もこのあたりは心得ている。その賢治は、別の作品で「花甘藍」を使っているところがあるが、これにケールのルビを振っていない。これは明らかに葉牡丹をいっていると思って間違いないだろう。従って農学を収めた賢治は、葉牡丹は花キャベツではなく、甘藍つまりケールの仲間と見ているのだ。

 ケールは栄養素に優れているが、その葉は厚くて硬いので食用にするには手がかかる。また、全体の大きさが、高さが大きいのもでは3メートルほどにもなるし、葉は30-50センチになる。だからこれをお店で野菜として見たことがない人がほとんどだろう。今は青汁にその名を残して人気を得ているのみだ。
 
 ところで葉牡丹が日本に移入されたのは諸説ある中で、大和本草(1709年)に「オランダ菜」として記載されているのが、葉牡丹の原形と見られている。当初は蔬菜としてもっぱら食用に供されていたようである。その後、江戸時代から明治にかけて改良されて観賞用の葉牡丹がもてはやされるようになった。

 私は中国滞在中に葉牡丹をこの目で見たことはないが、中国の資料によると中国でも冬季の花物として公園などによく植えられているようで、これは一般に「羽衣甘藍」と呼ばれている。特に観賞用を強調するときには「花羽衣甘藍」と呼んだりする。キャベツはよく市場で買って食べたが、結球しているので巻心菜、洋白菜あるいは大白菜などと呼んでいた。

 いま欧米でも葉牡丹は冬の観賞用に公園などに多く植えられるようになったようだが、英名は Bore-cole 、これはオランダ語の boerenkool に由来する。boer は farmer、 kool は cabbage の意味である。キャベツのドイツ語は Kohl フランス語は chou これはシュークリーム(フランス語では Chou a la creme シューアラクレーム) のシューである。大学で一緒にフランス語を学んだ友人が、フランスに行って cabbage をフランス語読みして「カバージュ」といったが通じなかったという笑話がある。 * 手持ちの古い仏和辞典では chou はキャベツ、甘藍、玉菜とある。

 私自身、余談になるが、20代の終わりに国連のフェローシップを得て欧米に半年間の研修に赴いた。スイス、オランダを回って三番目の研修はドイツだった。ここではボン、ダルムシュタット、フランクフルト、ハンブルクなどで研修を受けた。専門知識の他、日常生活でもいろいろのことを学んだ。フランクフルトでの研修の時、郊外にある研修先の独身寮に滞在したが、寮で自炊もできるので近くの八百屋さんに行ってキャベツを半分買おうとして halb Kraut といった。店主はびっくりして棚から瓶詰を取り出してこれを半分というのかと聞いた。

 ザワークラウト(乳酸発酵させたキャベツの漬物)というのはドイツの有名な国民的な漬物だったので、Kraut というのはてっきりキャベツのことと思い込んでいた。この時、店主から Kohl なるドイツ語を学んだ。* 実は手持ちのドイツ語の辞書には、Kraut に甘藍、キャベツとも書いてあったのだ。

 このキャベツを刻んで玉ねぎ、ベーコンと一緒に炒めたところ、寮中の部屋のドアが開いてなんだなんだという大騒ぎになってしまった。この野菜炒めの匂いが寮中に蔓延してしまったのである。後年、ローマ駐在勤務となった時、日本人が魚を焼くのでその匂いがたまらずレジデンスの他の住人が迷惑しているという話もよく聞いた。

 この寮ではもうひとつ学んだことがある。各階にルームナンバーが00というドアがあった。共同トイレの部屋だった。のちにミュンヘンのビール祭オクトバーフェストに行った時、会場にキューピッドが、例の弓を引いて矢を放つところの像があった。

 キューピッドの矢といえば、今更いうことないが、愛を射止める矢である。ところがこの会場のキューピッドの矢には 00 の数字が乗っていた。つまり、公衆トイレはあちらという案内だった。フランクフルトでの経験がなければ、異国人にはなんのことかさっぱりわからないことだった。今から50年以上前のことであるので、今でもこのサインがあるかどうかわからない。葉牡丹からキャベツの話題になって、とんだ方向に進んでしまった。
     冗言多謝

                          ( 2016.12.04記)   

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Updated: Dec., 2016

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