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  ハギの花          

歓迎光臨

 
    萩花のトンネル(百花園)

   
                        萩・芽子・胡枝子

 野山に萩が咲いている。9月は季節の変わり目。日中はまだ夏が居座っているが、季節の扉を開く虫の声とともに秋は幽冥の夜の方から忍び寄り、次第に日中に広がって、自然界を徐々に秋色に染めて行く。

 吾屋戸之   芽子開尓家理   秋風之     将吹乎待者   伊等遠弥可
 わがやどの はぎさきにけり あきかぜの ふかむをまたば いととほみかも
  
       (大伴家持 天平勝宝二年 (750年) 陰暦六月十五日作 巻19 4219)   
 私の庭の萩の花が咲きました。秋風が吹くのを待っていたらまだまだ先のこと、待ちきれなかったのでしょうか。
                  

 ハギは早いものは7月から咲くので、初夏の花ともいえるが、やはり9月に咲く萩が一番いい。万葉集ではこう詠っている。

 秋野尓   咲有花乎   指折    可伎數者    七種花   其一
 
あきののに さきたるはなを およびをり かきかぞふれば ななくさのはな
 芽之花  乎花葛花   瞿麦之花 姫部志  又藤袴 朝皃之花 其二
  
はぎのはな をばなくずはな なでしこがはな をみなへし またふぢはかま あさがほのはな   ( 山上臣憶良詠秋野花歌二首  巻8 1537/1538 )  


 なかでも万葉集の植物の歌の中でハギを詠った歌が一番多いというように、万葉の昔からハギは日本人にこよなく愛されてきた。万葉人は、馬を並べて野山にハギの花見に出かけたという。

 秋風    冷成奴     馬並而  去来於野行奈  芽子花見尓
 
あきかぜは すずしくなりぬ うまなめて いざのにゆかな はぎのはなみに
                        (巻10 2103 )
 岡本かの子も、「私は秋の七草の中で萩が一番好きだ。」といい、続けてこう書いている。
 「すんなりと伸びた枝先にこんもりと盛り上る薄紅紫の花の房、幹の両方に平均に拡がる小さい小判形の葉。朝露にしつとりと濡れた花房を枝もたわゝに辛ふじて支へてゐる慎ましく上品な萩。地軸を揺がす高原の雷雨の中に葉裏を逆立て、今にも千切り飛ばされさうな花房をしつかりと抱き締めつゝ、吹かるゝまゝに右に左に無抵抗に枝幹をなびかせてゐる運命に従順な萩。穏やかな秋の陽射しの中に伸び伸びと枝葉を拡げてゐる萩。
 萩は田舎乙女の素朴と都会婦人の洗練とを調和して居るかと思へば、小娘のロマン性と中年女のメランコリーを二つながら持つてゐる。その装ひは地味づくりではあるが、秘かな心遣ひが行き届いてゐる。」
                 ( 「秋の七草に添へて」 昭和一二年一〇月 )

 言い得て妙というのはこの文章のこと、一分の隙も取りこぼしも見当たらない。

 上に万葉の萩の花見を歌を引用したが、いま山に萩の花見に出かけるという話はあまり聞かないが、それでもいまなお日本全国に萩の名所は多い。中でも全国各地にある「萩寺」が知られている。それぞれに秋には多くの人が訪れることだろう。

 戦前、戦後の短い期間だが、自分の生まれ育ったのは、隅田川の東いわゆる墨東の亀戸、向島界隈。このあたりでは、亀戸天神近くの龍眼寺がある。土地では萩寺で通る。もう一つは向島百花園(前身は 1804年文化元年造園。当時は新梅屋敷とも呼ばれた)。いずれも江戸名所図会にのる。いま百花園の萩花のトンネルは有名で、秋の盛りの時期は人で溢れかえる。

 今では旧暦の八月十五夜、新暦でいえば9月15日の中秋の名月を家庭で祝うことも少なくなってしまったが、私が幼年の頃は、我が家でもすすきと萩は団子とともに観月の夜には欠かせないものであった。

 「萩」という漢字は、西暦100年ころに編まれた中国に現存する最古の字書「説文解字」九千余字にあるが、その解説では「萩、萧也」とある。「萧」は蒿(ヨモギ)を指した。だからすでにあった「ヨモギ」を表す「萩」を我が国で「ハギ」とするのは、国訓である。中国語の「鮎」は「ナマズ」の意だが、我が国でこれを「アユ」とするのに同じである。ただし、「萩」は古語であって、今の中国ではヨモギは艾 (ai4)、艾蒿 (ai4 hao1)、あるいは蒿子 (hao1 zi0) などと呼ばれているから、全く混乱はない。

 ハギは落葉性低木で木本植物であるが、木が大きくなるわけではなく、むしろ草本植物のように冬季には落葉して地上部は枯れてしまい、毎年春に根元から新しい芽が出て、それが伸びて花枝をつけ、花を咲かせる。この植物の特性に関係するかどうかはにわかに断定し兼ねるが、万葉集で、ハギを芽子あるいは芽と表記しているのは、「生え芽」(ハエギ)転じて「ハギ」になったという説が有力である。。


  吾背子之 挿頭之芽子尓 置露乎 清見世跡 月者照良思   (巻10−2225)
 わがせこが かざしのはぎに おくつゆを さやかにみよと つきはてるらし
 
 あなたの頭に插した萩の上に降つた露をば、はっきりとみなさいと月は照つているに違ひない。

 枯れ木の根元から毎年繰り返し新しい芽を出す強い生命力にあやかろうと手折って頭や衣服に挿し、長寿、繁栄を祈ったのであろう。

   萩咲く     竹内て るよ (1904-2001) 
  むさしのの秋は 萩の花から来る 
  あるか なきかの風にゆれつつ
  小さい葉裏をかえす
  このしなやかなる枝をみよ
 
  萩は
  さからわず
  一切を 天地にまかせて
  かく 美しく 花ひらく
 

 淡々とした優しい簡潔な表現の中に、厳しい苦難の人生の裏側を見るようでかえって静かな感動を呼ぶ。 
                             ( 2016.09.05記)    

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Updated: Sept., 2016

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