中国旅行が初めてのあなたにも、きっと役立つ情報満載
《 中国を楽しく旅行する 》


南宋の名園・沈園(陸游メモリアル)(浙江省紹興) (旅行記はこちら   

■■■■ ありのままを見よう ■■■■
■■■ 予備知識を持って行こう ■■■
■ 人の旅行をなぞらえるのはよそう ■


あなたが中国旅行経験者なら、初めて中国に行こうとしている人のために

積極的に情報をお寄せください。初めての中国には不安がいっぱい

なのです。なお、ここは「ひとり旅」 ないしは「バジェット派」の

ホームページです。


     スイカズラ          

歓迎光臨

 
        籬に添う忍冬


拷p滿香砌,兩兩鴛鴦小 

 五月の爽やかな新緑まぶしい季節が次第に緑を増していくと、真夏のギラギラ太陽を引き寄せる前座として季節はきまって淫雨を用意する。
 六月、たまらなくはれやなな匂ひ、詩人は詠う。

  みんなして、たつぷり黄金いろした蔓を
  ぼさぼさと引きまはして脣をすりつけ
  六月のあかるい眞晝の蜜を吸はうよ
  たまらなくはれやかな匂ひが
  藪から出てくるわれわれを夢みがちに色づけ
  女なぞは子持の白鳥のやうに
  まきついた忍冬の花飾りを
  むしやむしや啖べる季節になつたね。
                (「忍冬花を啖ふ」  佐藤惣之助)   

、 5月から6月、散歩に出れば、生垣や樹木にまといつくように蔦を伸ばした忍冬の花が、決して出しゃばる様子もなく、ほのかな甘い香りを振りまいて、二つあるいは四つと仲良く組むようにして金色、銀色の花を咲かせているのを見るのは、この上ない楽しみである。

 永井荷風の「断腸亭日乗」の昭和十年六月三日の記にこうある。

 ・・・ (道源寺坂下の)西光寺墓地の生垣は柾木にてその間に蔦と忍冬の蔓からみて茂りたり。 五、六月の交忍冬の蔓には白き花さき甘き薫りを放つ。 ・・・ この日くもりて風涼し。
    

  忍冬の学名は Lonicera japonica Thunb. であるが、別に日本原産というのではなく、この学名の命名者であるスウエーデンの博物学者で医学者であった C.P.Thunberg (1743-1828) が 1775-1776年に出島のオランダ商館付き医師として赴任中に採集して命名したことによる。彼はリンネの弟子で、スウエーデンに帰国後、ウプサラ大学の植物学教授となり、さらに 1781年には同大学長に就任している。因みに Lonicera は功績のあったドイツの数学者、採集家の A.Lonicer (1528-
1586) に献じられたものである。

 忍冬(にんどう)は漢名由来、初夏に花を開かせる植物に「冬を忍ぶ」の名はそぐわないが、冬でも緑の葉を保つことからこう呼ばれるようになったというのが通説のようだ。中国ではこの他、俗称であったり、雅称であったり、たくさんの別名で呼ばれている。

 中でも有名なのが、金銀花である。一つの枝先に2つの白い花を咲かせるが、一両日すると白から黄色に変わり、白い花と黄色い花がしばらくの間相並んで咲く。そこから金銀花と呼ばれるようになった。金銀花が文献に残るのは中国明代の有名な李時珍の「本草綱目」(草部第18巻草之七)で「忍冬は、はじめ白色の花を咲かせ、後に黄色に転ずる。故にこの名がつけられた。」とある。

  鴛鴦草あるいは鴛鴦藤の別称もある。一対の花が雌雄二羽のおしどりが舞っているように咲くところから付けられた。

       鴛鴦草            薛濤 (唐 女流詩人 約768-832 西安人)

 拷p滿香砌,兩兩鴛鴦小。 
緑英 香砌(こうぜい)に満ち、両両 鴛鴦 小なり
 但娛春日長,不管秋風早。  但だ 春日の長きを娯み 秋風の早きに管せず

  ・拷p 英は花あるいは花びら。・香砌(こうぜい) 香は修飾語。砌は石または煉瓦のきざはし。
  ・兩兩 二つずつ。・鴛鴦 おしどり。・秋風 秋の風。花が萎れる、草が枯れることを意味する


 鴛鴦草(すいかずら)が緑の花を部屋のきざはし一杯に咲かせている。二つずつ鴛鴦草の花が小さく並んで咲いている。 春は深まって、日は長くなり、春の日を愉しむ。だから、いまは秋風が吹いてくる心配も少しも気にしない。
  * 薛濤は西川節度使が管轄する官妓であった。その間に元稹([禾眞])・白居易・張籍・杜牧・劉禹錫等の名士との知遇を得た。

 変わったものに、老翁須(中国語の須は髭の意)があるが、これは唇のような形の花の中から蕊が細く長く伸びている姿を捉えたものだろう。そのほか、銀藤、甜藤、二色花藤、二宝藤、銀花、双花、二宝花など地方ごとに、あるいは漢方薬名としていろいろに呼ばれている。

 和名はすいかずら(旧仮名では「すひかづら」)。英名は Honeysuckle。和名のすひかづらが記録に登場するのは、平安時代の半ば、十世紀前半で深江輔仁「本草和名」に忍冬の和名に「須比加都良」、源順「倭名類聚抄」に「須比加豆良」と記載されている。奈良時代末期に編纂されたとする万葉集では「玉葛」が詠み込まれているが、これが忍冬だと比定する説はなく、通説は「蔦草」の一般呼称に「玉」の美称を付け加えたものではないかとしている。

 スイカズラは現在、漢字で表すときには「吸い葛」とされるが、英名に奇妙に一致する。が、和名が英名から由来するものだと推論する向きは全くない。和名、英名ともにスイカズラの花を吸うと蜜があり甘いというところから来たものである。幸田露伴は「野道」の中で、「花を食べると甘い」と記しているが、この蜜の味だろう。

  また、7世紀に建立された世界最古の木造建築法隆寺の瓦に見事な忍冬唐草模様が施されていて「忍冬唐草文字瓦」と呼ばれているが、忍冬を文様化したものとする説は、蔓草を文様化したものであるが、現在では必ずしも忍冬とするものではないと否定されている。

 忍冬は我が国でもかなり早くから知られてきた植物であるが、忍冬が詩歌に詠われるようになったのは、ようやく18世紀、江戸時代中期になってからで、蕪村の句が有名である。

        蚊の声す忍冬の花の散るたびに    蕪村  

、 蚊が飛び交うようになると忍冬の花が咲くという叙景の句とするのは皮相的な見方ではないか。むしろ、物の気配を余すところなく描写して、静寂をいや増しにするこの繊細さに打たれる。
                                ( 2016.06.01記)   

          * * * * * *

 旧暦5月5日の端午節は今年 2016年は新暦では6月9日にあたる。従って今年の端午節の3連休は6/9(木)-6/11(土)になる。ただし6/12の日曜日は出勤とする。

  突如不本意な削除によりかなりのファイルが利用不可になっています。現在鋭意復元作業中ですのでしばらくのお時間をいただけますようおねがいいたします。

最近の中国の天候はここ、2016年中国の祝祭日一覧は ここをクリック

なお、天気予報の見方については、 ここに簡単解説 があります。


中国旅游記

殆ど全土をカバーしています。旅行ごとの
まとめのほか都市別にも整理しています。 


中国旅游ノート

旅行を楽しむために旅行先に
関連した情報等を収集整理したものです。


中国留学記

上海大学、西安外語大、云南大学
蘇州大学での
短期留学記


中国旅行心得・指南

初めて中国を訪れる人に、安心して
いただけるようにまとめました。
中国語の天気予報の読み方、とり方
新規追加した。


中国語学習ノート

日本語と中国語--中国語の落とし穴--
中国語学習ノート斜め読み

中国旅行には欠かせない
教養の簡体字

四季雑木林 雪花風月

四季折々に感じたこと、思い巡らしたこと
などを記した雑文集。ほとんど主頁序言の
再掲です。
NEW !


ゲストブックアーカイブズ

2004年〜2005年
2006年〜2007年

 2008年〜2009年
 

ゆっくり学ぶ中国語会

JR常磐線松戸駅近くにある
楽しい中国語教室

新会員 募集中!


Since July, 2004
中国を楽しく旅行する  Copyright (C) 2004-2016 K.Iwata, All rights reserved.
Updated: June, 2016

Counter