2004.4 (2007.6改定)(2007.8改定)(2007.9改定:春風)あひるネットワーク

アヒルの発情について


「飼っているアヒルが凶暴になってきました。今まで馴れていたのにどうして?」雄アヒルを飼っている方達からよくこのような相談があります。

雛から成鳥となった雄アヒルが、人間を追いかけたり脚に噛みついたりする行為は、大人となったアヒルが雌に向ける発情の行為を飼い主さんに向けている様子です。1羽飼いの飼育環境では、よくこのようなことが起こります。飼い主さんが嫌いになったわけではありません。

雌アヒルの場合も交尾・産卵し繁殖する季節を迎えると飼い主さんに背を低くして、背中を固く水平にして(雄がマウントしやすいポーズ=求愛のポーズ)撫でて欲しがります。
どちらも繁殖期を迎えた雄アヒル、雌アヒルが繁殖の対象に向けて行う行為の現れです。

1羽飼いの飼育環境だと、他の水鳥類を見ていないし知りません。飼い主さんを同種の仲間と思っていても不思議なことではありません。このように人間を相手に発情が始まると、水鳥が迎える繁殖期(12〜7月辺り)の他のすべての季節、1年中発情が起きている状態になってしまい、アヒルの体によくないことが次第にわかってきました。

ペットとしてアヒルを飼うに辺り、この【繁殖期の発情】についてどのように向き合っていくか、どのように接すればアヒルと人間は良い関係のままいられるのか・・・
アヒルを飼っている方たちの経験や知恵をまとめ良い対策を見つけようとしているのですが、なかなか難しくこの方法がベストという結論は出ていません。

下記内容は、主に室内飼いで飼い主さんの生活の環境と共に暮らしているアヒルが卵管の病気を抱え、その病気より学んだことをまとめ文章にしています。
参考までご覧ください。


2004.4 平次君

雄のペニスは肌色で螺旋状。お尻から腸が出ているように見えます。
発情し興奮状態になった家鴨を抱っこしている様子
※ブハブハ(アヒル用語)
噛みつかれたり、水掻きで引っ掻かれる為長袖を着用しています。

 

庭のサンダルや靴に発情をしているアイガモ君もいました。

 

雄雌の交尾の様子

雄は交尾中、雌の体を固定するため頭部を噛み付きます
そのため雌の後頭部が傷付き、地肌が見えてしまうこともあります。

雌アヒルが背中を撫でて欲しいと飼い主さんに要求するのは、
この行為を想像して背中を固くしている様子です。※求愛のポーズ(アヒル用語)

人間が発情したアヒルの相手をしてはいけない=無視をする

人間が相手をしてしまうと、水鳥の繁殖、非繁殖期を無視したサイクルで発情してしまい、
その期間は1年中と休みの無い状態となりアヒルの体力を消耗させてしまいます。
アヒルが生まれ付き持っている体質にもよりますが【雄なら精巣】【雌なら卵管】等の
生殖器系の病気(炎症、腫瘍等)になる可能性が高くなってしまうのです。

アヒルに発情の相手を求められても、アヒルの健康と長生きのために心を鬼にして
無視する方向で対処します(体に触らない、返事をしない、目を合わせない)

発情によるトラブルを防ぐために、飼い主さんの経験からの意見をまとめました。

<部屋飼いよりも外飼い>
…夏や冬の過ごしにくい気温と、人間との適度な距離が発情を抑制します
室内だと夜遅くまで電気が付いていたり、人の気配を感じる為本来の昼・夜の時間のサイクルが不規則となる

<1羽飼いよりも複数飼い>
…複数で飼うとアヒル同士で発情を迎え、年中発情するということが薄れます。
尚、交尾は雌の負担になるため、雄1羽:雌3羽ほどの比率が良いと考えます。

 <太らせない・体重管理>
…アヒル個々の骨格や体型があると思いますが、普段から野菜を多めにして、
食べるから与え続けるのでは無く、カロリー、蛋白質、脂質を低めに抑えましょう。

 <お気に入りの場所やおもちゃを取り上げる>
…雌が特定の場所で卵を産む場合や、サンダル相手に発情している雄の場合など、
お気に入りのものを取り上げ、ストレスを与えることで発情を抑制する効果が望めると考えます。

 <適度な運動で発散させる>
…水浴びや土いじり、広い場所での羽ばたきなどによって昇華させる。

 <室内飼いの場合、日没以降は部屋を暗くする>
…人間と生活スペースが同じ場合は、夜は早めにケージを布で覆うなど、光が
届かないよう工夫します。日照時間を8時間以下にすると良いという意見もあります。

 <室内飼いの場合、快適な室温にしすぎない>
…夏は暑く、冬は寒いという本来の環境を感じさせる。


まとめると、
 「野外で暮らす自然の環境に近くする」
 「人間が構い過ぎない」ことがコツのようです。

これらの工夫をしても発情が収まらない場合があります。
食欲が落ちたり、だるそうだったり、異常な卵を産んだりする場合は、信頼できる獣医さんに相談して下さい。

私たちが触れ合い、飼育しているアヒル(家鴨)は、ペットとして改良されたアヒルではありません。
その習性や体質は、野生の水鳥と変わりないのです。

外見は可愛いペットのアヒルさんでも、内面は水鳥本来の習性を秘めアヒルも
様々な環境に対応して生きていこうと迷ったり、苦しんでいるのかもしれません。
親鳥や兄弟たちと群れで過ごし学んでいくすべての過程をどこで学んでいくのか・・・

飼い主さん自らが勉強し、アヒルが過ごしやすいよう改善していくことが大事なのかもしれません。

「甘えてくるのに無視できません」

このような問い合わせがあります。

そうですよね。ペットだから可愛いしその要求にも応えてあげたい。
本当に難しい問題です。

これからもどう向き合い、アヒルにとってどの対策が良いのか情報をまとめていきます。 

 

アヒルの健康へ