タイムの日記1


「中雛が小さな鳥かごに入れられて販売されています。
元気がなく、両足を左右に投げ出した状態でしゃがみこんだままでした。
しかも足は後方にではなく、真横にです」

2007年9月 あひるネットワークに投稿がありました。
会員が様子を見に行き、このままでは立てなくなると判断し、買取保護をしています。
店の衛生面なども関係し販売店には、保健衛生所が調査に入り改善命令が出されています。

「体力が付き、成鳥になれば手術が受けられるかもしれない」

会員のバジル&ミントさんが、ショップから保護をした。
北京ダック『タイム君』の経過を綴った日記です。

9月20日

関西支部長の元からあひるがやって来た。

先住アイガモ、バジル・ミントの名から、我が家ではタイムと呼ぶ事にする。

生後2ヶ月くらいとの事。やはり大きい。
成長のアイガモより一回り小さいくらいか?
頭部などにひよこ時代の名残、黄色い綿毛が残っている。
支部長の話によると、幼児期の栄養失調により、成長遅れが著しいとの事。

きれいな輝いた目。
以前MLにあった写真とは明らかに違い、目が生き生きとしている。
支部長ご夫妻の惜しみない愛情と、努力がうかがえた。

声変わりがしていない。
ひよこ時のようなかわいらしい声で鳴く。
おそらくタイムと同時期に誕生したミント(多分♀)は完全に声変わりしている。
バジル(多分♂)は若干変わったものの、まだかわいらしい声で鳴く。
タイムが♂だからなのか、成長遅れの為なのか。

所見。
心配した大腿部の歪みは見られない。
左足、間接下からの歪みが見られ、立つ時は足首から下が完全に内側を向いてしまう。
右足にあまり力が入らない様子。
(座った状態で、右足にて頭部を掻く事は出来る)
その為、不自由な右足をかばうように、左足に重心を置いて立ち上がろうとする歪みか?
右足の足首から下が、完全に地面についていない。
爪先立ちの状態。
確認したところ、足首の間接はまだ固まっていないようだ。

左足の関節が奇妙に太い。
無理がかかっているのだろう。
支部長によると、頻繁に熱を持つとの事。
食も細く、バーディ+米ぬか(少量)+卵黄粉(小さじ1杯)を殆ど食べない。
水鳥の習性か、水きん用フードを飲み水に浮かべてやると、ふたつかみ分くらいを自力で食べた。
サニーレタス一束をペロリと食べる。
バーディとポポンSを強制的に与え、今日は矯正など一切せず寝かせた。


9月21日

バーディを食べず、水きん用フードを食べる事から「好き嫌い」を疑い、ひよこ用餌を与えてみる。
やはり食べない。
ひよこ用餌を熱湯で溶き、冷ましてから強制給餌。

人嫌いの様子は見られず、抱き上げると膝の上で寝てしまう。

水浴びをさせると喜んでいた。
やはり時間が経つと沈んで行く。
不自由な足を駆使し、自力でプールから脱出。
この時足の歪みさえ何とかなれば、障害を残しても歩けるようになると確信。
ただし、成鳥時4kgにもなるという、あひるの矯正は私にも初体験。
成鳥時2,5kg程度の小ぶりな合鴨だからこそ、障害を残しても歩けたのかもしれないという思いが頭をかすめる。

写真の100円均一で販売している網を使い、矯正開始。
網の下では左右とも右へ向いてしまっている足を、両足とも左へ向け、幅広のゴムバンドで固定。
それだけでは簡単に自力で外してしまうため、ゴムバンドへ絡めるように十字型にビニールテープで止める。

やはり落ち着かないらしく、暴れて左足外側に擦り傷が出来る。
傷テープで保護したが、何か対策を考えなければ。

小松菜を与える。
やはり青菜は喜んで食べる。
目の前に主食餌を置いても無関心だが、青菜を持った夫を目で追う。
幼児期の飢餓状態により、そのう(胃)が小さい様子。
好きなものでもふんだんに与え、とりあえず満腹感を覚えさせたい。
本来なら肥満が心配されるところだが、タイムの場合は栄養不足が深刻な問題である。

栄養源はひよこ餌、ビタミン、カルシウム、卵黄粉の強制給餌で補給。
水きんようフードはやはり飲み水に浮かべると、今日は3つかみ分食べた。


9月22日

我が家にも慣れた様子。
抱き上げると、やはり脇の下にクチバシを入れ、そのまま眠ってしまう。
背中に触れるとビクッと反応し、声をあげる。
抗議?
人との信頼関係が出来ていないのか?
絶対的な人との信頼関係を築く為に、触れ合いの時間を疲れさせない程度に、可能な限り長く持とうと決意。
先住アイガモのバジル・ミントがイジけなければいいが・・・・・。

夜になり、夫が帰宅。
どうしても世話をするのは私の役目になる。
なつかない=かわいくないという構図を避ける為、好物は必ず夫に与えさせている。
私が与えるのは主食餌と水の交換のみ。
夫が帰宅すると、バジル・ミントはともかく、タイムも目で夫を追っている。
良い傾向だ。
夫が休みの日には、大好きなプール遊び時の見張りもお願いする。

この日もサニーレタスを一束、ペロリと食べた。
やはりバーディ、ひよこ用餌は減らない。
水きん用フードを食べる量は徐々に増えているが、飲み水に浮かべなければ、やはり見向きもしない。
糞便はきちんと形があり、健康そのもの。
青菜を多く食べる事から、たまに水分の多い糞便はあるものの、下痢はない。

ここで矯正を続け、人間との信頼関係を無にするわけには行かない。
今日はあえて何もせず、アイガモのバジル・ミントと一緒に寝かせてみる。
明日には仲良くなってくれないものだろうか。


 

写真の100円均一で販売している網を使い、矯正開始

 

次へ