不思議な数列・美しい比と植物2
不思議な数列・美しい比と植物2
 
 
 
皆さんこんにちは。前回(Part11)に引き続きこの内容をお送りいたします。
さて、前回は植物の内容があまりない(というより全く無い)ものでしたが、今回はちゃんと植物の内容を取り入れます。
前回の話を見ていない方はこちら
 
 
さて、前回はフィボナッチ数列と黄金比について話をしました。
今回は、それに植物の話を付け足して行きたいと思います。
 
では、フィボナッチ数列のおさらいから・・・
フィボナッチ数列というのは、初めの二項が”1”で、
連続する二項の和が次の項になる数列、つまり次のように表されます。
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144・・・
この数列は自然界に多く存在すると前回いいました。ではその具体例を見ていきましょう。
 
まずは花弁(花びら)の数です。みなさん、花といったら何枚花びらが付いているものを思い浮かべますか?
”3”とか”5”とか、はたまた”8”とかが多いのでは?
なかなか”4”とか”7”枚の花弁がついている花は浮かばないのではないでしょうか?
それもそのはず、花弁の数は”3””5””8”のようにフィボナッチ数列の数であることが多いからです。
 
3枚5枚8枚13枚34枚
(花弁が5枚と書いてあるところの”キキョウ”の花弁は正確には一枚だがこれも法則にのっとっているので、ここでは5枚として扱う)
残念ながら花弁が21枚のものは、近所で撮影できませんでした。
 
なんとなんと、ほんとにフィボナッチ数列が現れてしまいました!
ちなみに、ユリ科やツユクサ科の植物は花弁が3枚であることが多く、
花弁が5枚の植物は多々ありますが、サクラなんかいい例です。
8枚以降からはキク科の植物が多くなってきます。
コスモス、マーガレット、ヒマワリなどはみなキク科の植物です。
 
さらにはこんなところにもフィボナッチ数列は隠れています。
下の写真は松ぼっくりです。
松ぼっくりのこの螺旋模様・・・何本あると思いますか?実は・・・
5本8本13本
 
なんと螺旋の数までフィボナッチ数列。
ちなみに、ヒマワリの花についている種の螺旋模様もフィボナッチ数列が出てきます。
興味のある方は調べてみては?
 
さらにフィボナッチ数列は植物の成長に大きく関わっています。
下は植物の成長のモデル図です。
枝の本数までフィボナッチ数列!
ちなみに一本の枝から別の枝が出るまでには、
上の図では線を二本越えなければなりません。
 
残念ながら写真はありませんが(いずれ載せたいと思います)
茎の葉のつき方もフィボナッチ数列が出てきます。
葉のつき方のことを葉序といいますが、
(正確にはここで互生葉序対生葉序などに分かれるが、これは次回に・・・)
その葉序、上の葉としたの葉が重なるまでの葉の枚数と回転数にフィボナッチ数列が出てきます。
粗雑な図で申し訳ありませんが、
位置関係はこんな感じです。
この図では0番の葉を基準にして
同列に来る(上から見て重なる)までに
5枚の葉が出ていて、2週しています。(わかりますか?)
これを、2/5葉序といいます。
つまりは、葉が重なるまでの周回数/重なるまでの葉の枚数となっているわけです。
ところで、”2”も”5”もどちらもフィボナッチ数列に出てきた数ですよね。
先ほども言いましたように、
この葉の付き方もフィボナッチ数列が出てきます。
2/5葉序のほかにも、1/2,1/3,3/8,5/13葉序などがあります。
なんとすべてに、フィボナッチ数列が出ていますね!
 
さてさて、何故このような葉の付き方をするのでしょうか。
では、まずこの質問をしたいと思います。
”植物には何故、葉が存在するのでしょう?”
もちろん、答えは”光合成をするため”です。(無論例外はあるが・・・)
では、”光合成はいつ行われるか・・・”それは”日の出ている間、つまり日中”ですね。
夜には光合成はできません。
ということは、光合成ができる時間は限られてきますね。
ならば植物は限られた時間内で、できるだけ効率よく光合成をしたいですよね。
では”効率よく光合成をするにはどうすればいいか・・・”、答えは簡単”日光が当たる葉の面積が広ければよい”のです。
しかし、むやみやたらに葉を出してしまうと、上の葉が下の葉を覆い隠して
影を作ってしまい、光合成の効率はよくなりません。
つまりは、上下の葉ができるだけ重ならないように工夫が必要なのです。
 
では、植物たちは実際にどんな工夫をしているのか・・・
葉をできるだけ重ならないようにする・・・
ということは、葉の付き方の角度が関係しているかもしれませんね。
手始めに、2/5葉序の葉と葉の角度を測りたいと思います。
下の図で言うと黄緑色の部分です。
1周が360度なので、2週は720度、黄緑色の部分と同じ角度の部分が5か所あるので
求める角度は
(360×2)÷5=144度
ということになります。では他のも見ていきましょう。
  
 1/2葉序・・・(360×1)÷ 2=180度
 1/3葉序・・・(360×1)÷ 3=120度
 2/5葉序・・・(360×2)÷ 5=144度
 3/8葉序・・・(360×3)÷ 8=135度
5/13葉序・・・(360×5)÷13=138.4615・・・度
 
おや?なんだか、似たり寄ったりの角度になってきましたね・・・
まぁ、これが何を意味するかは後ほど。
 
では今度は、どのような角度が効率がよいのかを考えていきたいと思います。
ずばり、ここで出てくるものこそ黄金比です。
では、黄金比のおさらいと行きましょう。
黄金比とは下のような比で表されるものでしたね。
  
ではどのように、黄金比が出てくるのか。
実は、下のような角度が最も効率のよい角度であるといわれています。
360−(360×0.618)≒137.5度
0.618というのはの近似値です。
おおっと、よく見るとこの角度。
先ほど求めた葉序の角度に大変近い値ではありませんか!
つまり、植物たちはこの角度を目指して葉を出していたのですね。
 
ちなみに、何故360度から(360×0.618)度を引くのかというと
 
360×0.618≒222.5
 
となり、180度を超えてしまいわかりづらいからです。
図で説明しますと、
上の図で言えば、ちょうど黄緑色の部分の角度が約137.5度
水色の部分が約222.5度となります。
ですので実質変わりませんね。どちらを基準にしているかの違いです。
あと、2/5葉序というのも137.5度を基準にしているので、
こちらを使います。
 
では、ちょっと話を脱線させて222.5度を基準に見るとどうなるか。
2/5葉序を例に取ると、上のようになります。
緑色の点の部分で基準の葉と重なっていますので、
5枚の葉で3周していることになります。
よって、2/5葉序は3/5とも見れるわけですね。
なお他のものは、”1/3葉序→2/3”、”3/8葉序→5/8”、”5/13葉序→8/13”となっていきます。
では角度はどうでしょう?
 
 1/3葉序→ 2/3・・・(360×2)÷ 3=240度
 2/5葉序→ 3/5・・・(360×3)÷ 5=216度
 3/8葉序→ 5/8・・・(360×5)÷ 8=225度
5/13葉序→8/13・・・(360×8)÷13=221.5384・・・度
 
おお!やはり値としては222.5に近づいています。
なお、割り算をしなくても、
360度から{(葉が重なるまでの周回数/重なるまでの葉の枚数)葉序の葉と葉の角度}を引いても結果は同じです。
 
(例)
360−(1/3葉序の葉と葉の角度)=360−120
                      =240度
1/3葉序→ 2/3・・・(360×2)÷ 3=240度
よって、同じ結果となる。
  
おっと、話が大きくそれてしまいました。
話を戻すと、137.5度は葉をつける角度としては最適であるという話でしたね。
しかし、正確には137.5度ではないです・・・
これは大体の値です。
そもそも、黄金比というのは無理数(分母、分子がともに整数の分数で表せない数の事。円周率π、√2なども無理数
なお、黄金比の場合は0.61803398874989484820・・・ と無限に小数点以下の数が続いていく)の比なので
このようなきれいな値になるはずがありません。
なので、あくまでも大体の値なのです。
では、この理想的な角度でどのように葉が付いていくのか・・・
実は下のようになります。ちなみに、黄緑色の部分は葉を表しています。
なんと、葉はきれいに重ならず、少しずつずれた形をしています。
有理数(分母、分子ともに整数の分数で表せる数)で表される角度には限度があります。
上で求めた葉の角度も、最終的に何周か、あるいは葉を何枚か出せば360の倍数の角度になってしまうからです。
しかし、無理数の角度は違います。
無理数を有理数にするには、無理数をかけねばなりません。(例:√2×√2=2)
では、質問です。
”√2枚の葉を出すことはできますか?”
無論できませんよね。葉は1枚、2枚という整数(分数でも少数でもない数)でしか出せませんよね。
だから、無理数の角度であることが望ましいのです。
 
さて、このなんともいえない、不思議な模様。
一体何を表しているのでしょうか・・・?
実は、答えはこのページに隠れていますよ。
・・・そうですね。
ここまで読み飛ばさずに読んできた人はすぐにわかるんじゃないでしょうか?
松ぼっくりの模様にそっくりですね!
なんとこんなところで、松ぼっくりの模様が出てきました。
そうなんですね。松ぼっくりのあの模様は
フィボナッチ数列が出てくるだけでなく、黄金比も隠し持っていたのです!
 
自然界というのはフィボナッチ数列や黄金比であふれています。
無論、植物のその例外ではありません。
というより体中、フィボナッチ数列と黄金比まみれです。
 
今回は、植物のことはもちろん、趣味としてもこの題材に取り組んできました。
そして、植物だけではなく、数学も組み入れて話をしてきました。
簡単に要約したつもりですが、おそらく難しかったっと感じられる方が多かったのではないかと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これを機に、植物に、また今回は数学も含め興味を持っていただければと思っています。
これらの内容は、「こういうものなのだ」と頭の片隅に置いておく程度でよいと思います。
決して、今すぐ覚えておかなければならないわけでもないのですから。
あ、最後に言うのも何なんですが、こういう話は、
血眼になって、隅から隅までじっくり読んで、その場で理解しようとしなくてもよいのです。
適当に流し読みして、わからなくなったら飛ばしてしまえばよいのです。
確かに理解することは大変重要ですが、それよりもまず興味を持つことが大切なんだと思います。
ではでは、また次回お会いしましょう!
 
 
 
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