〜アイシングの目的〜


スポーツの現場では、アイシングはスポーツ外傷に対する応急処置や
疲労回復などに用いられています。では、なぜ、冷やしたらよいのか?
アイシングは、血管を収縮させ腫れを抑えるとともに、寒冷による麻痺作用から
痛みを軽減させてくれます。また、細胞の代謝を抑制し、細胞を一時冬眠状態のようにすることで
損傷部の拡大を防いでくれます。
したがってアイシングは、痛みや腫れを抑制し、また炎症の拡大を防止することで治癒を早めることになります。

〜アイシングの方法〜

1.氷嚢(ビニール袋でも可)またはアイスパック(凍傷を防ぐ目的で患部との間に
薄いタオル等を挟む)、0℃以上の氷(霜が付いていない氷)を用意する。

冷蔵庫の氷は0℃以下なので一度水にさらす、もしくは少量の水とともに氷嚢に入れると
その温度は0℃以上になるので凍傷を防ぎます。氷が手に張り付かない程度が0℃です。

2.患部に氷を当てて感覚が無くなるまで冷やす。アイシングを行うと感覚的に次第に、
冷たい・痛い暖かい・熱いピリピリ・チリチリしびれる→感覚が無くなる(麻痺状態)
という過程をたどります。時間的に15〜20分程度。
この感覚が無くなった時点で氷を患部からはずしいったんアイシングを終了します。

30分以上行うと凍傷を引き起こす可能性があります。

3.その後しばらくすると(個人差がありますが大体40分程度)で感覚が回復し痛みが戻ってきます。
これを60分周期で繰り返して、24〜48時間程度続けて行います。

就寝時は氷をはずし(凍傷防止)、シップなどに変えておいたほうが良いでしょう。

〜アイシングの危険性〜

 「アイシングは疲労回復が遅れるので行わない」というプロ野球選手は意外と多いようです。
アイシング(筋冷却)の目的は疲労した筋の炎症を鎮め、その類焼、延焼を防ぐことや疲労回復を図ること
とされています。しかし、アイシングを行うと疲労の除去が遅く身体のキレがなくなる、重い、張る
などの体験が得られています。こういう事実と向き合うと、その「炎症とされるもの」は筋冷却が必要な
種のものなのかどうか、という疑問が湧きます。
 アイシング時に酸素供給が制限されることはイメージしやすいと思います。酸素供給のされた
筋肉の受けるダメージ、運動中に酷使された筋肉がさらに筋冷却によって酸素欠乏状態に陥る。
また、血流量の低下による疲労物質除去の遅延…。

 肉離れをした選手がアイシングを続けて1ヶ月半後に普通の動きができるようになった場合、
この選手はアイシングのおかげで復帰できたとその効果を感じるかもしれません。しかし、アイシング
を行わずに他の手段を用いて約3分の1の期間で現場に復帰する選手もいます。知覚神経麻痺による
鎮痛効果とスポーツ現場への有効性とは区別することが必要
なのかもしれません。
 故障しがちだった選手が年間を通して、あるいは何年間も続けているアイシング。アイシングを行っているから
故障が最小限で済んでいるのか、アイシングを行っているから故障を繰り返しているのか。故障の
原因は他の要素、つまり直接的にフォームやトレーニングなどにありはしないか。こういう発想を
持つことは無意味ではありません。

 肉離れしやすい走り方、肉離れしない走り方があるように。