味噌の作り方(寒仕込み)
材料大豆を茹でる糀を塩切りする茹でた大豆を搗きつぶす米糀と混ぜ合わせる漬物樽に詰める保存・熟成天地返し

「手前味噌」というのは、文字通り自分の家で作った味噌の自慢話を垂れることからきた例えで、本人が自慢する割には実際は全然大したことないというニュアンスを多分に含んだ言葉なのだが、現実の自家製味噌の場合には、作った本人にしてみれば大いに人に自慢したくなるくらいに美味しい味噌を、至って簡単に作ることができる。少なくとも大手メーカーのダシ入り味噌みたいな化学調味料で味を誤魔化したカスカスの市販品よりは確実に品質の良い味噌が出来るのだけは間違いないので、大いに「手前味噌」を並べさせて頂きます。
味噌作りの時期は、昔から「寒仕込み」と言って、雑菌が繁殖しにくい1月〜2月に仕込むのが、一般的で間違いのない味噌の作り方です(但し、暖房の効いた屋内に保存したら寒仕込みの意味が薄くなるので要注意)。夏場など雑菌が繁殖しやすい季節は味噌の仕込みには向きません。
材料: 米糀(こめこうじ)3kg 大豆3kg 粗塩1.2kg (完成する味噌:約11kg)

基本分量は、米糀(こめこうじ)1kg:大豆1kg:粗塩400gの割合。糀(こうじ)と大豆が隣町の佐野市産で、地産地消にふさわしくほぼ地元産の素材が用意できた。
※これでも塩分は昔の味噌よりはかなり控えめです。味噌造りでこれ以上の減塩は失敗のもとです。失敗した味噌は酸っぱくてとても食えるような代物ではなく、捨てるしかありません。
糀・粗塩・大豆 隣町の佐野市産の大豆
同じく佐野市の大坂屋糀店の米糀 雪か綿菓子のようにきれいに花(糀菌)が咲いている

大豆を茹でる
@大豆を軽く研いでから水にひと晩浸ける。水を吸って倍以上に膨らむので、水加減はたっぷりと。
A新しい水に入れ換えて、大豆が指で簡単に潰せるくらいまで、弱火でコトコトと半日くらい茹でる。時々アク取りをして、吹きこぼしと、蒸発による煮汁の減りすぎに注意する。仕込みの時期はちょうど真冬なので、ストーブにかけておくとちょうどいい。ただしストーブのメーカーでは禁止しているような使用法なのであくまでも自己責任で。
大豆をたっぷりの水にひと晩浸ける 指で簡単に潰れる位まで弱火でコトコト茹でる

糀を塩切りする(粗塩と混ぜる)
@米糀を手のひらで擦り合わせて米粒がバラバラになるように揉み解す。
A分量の粗塩を入れて均一になるようによく混ぜ合わせる。
糀をバラバラにほぐす 粗塩を入れて均一になるように混ぜ合わせる

茹でた大豆を搗きつぶす
一般的にはすり鉢でスリコギを使ってすり潰したり、ミンサー(ひき肉機)で挽く方法が紹介されているが、臼と杵で搗くのが労力も時間もかからずに手っ取り早く潰せる。必要以上にきめ細かくすると手作りの素朴な感じがなくなってしまうので潰れていない豆が少々残っているくらいでちょうどいい。
(注)大豆をザルにあける際に、煮汁(種水という)は、まだ使うので捨てないで取っておく。
茹でた大豆をザルにあける・煮汁(種水)は捨てない 大豆を臼に投入
すり鉢とスリコギみたいな感覚で杵ですり潰す あまりきめ細かくせず少々豆が残るくらいで充分

塩切りした米糀と混ぜ合わせる
大豆を程よく潰したら、塩切りした(塩と混ぜた)糀を投入して、均一になるまで手でよく混ぜ合わせる。硬さを確かめながら、取り置きした大豆の煮汁(種水)を加えてちょうどいい硬さにする。味噌が熟成すると軟らかくなるので、完成する予定の味噌の硬さよりもやや硬目の加減にする。
塩切りした(塩と混ぜた)糀を投入 潰した大豆とよく混ぜ合わせる
少しづつ煮汁(種水)を足しながら丁度いい硬さにする・味噌が熟成すると軟らかくなるのでやや硬めが良い

味噌玉を漬物樽に詰める
@完成した味噌(の素)は樽に詰め易いように拳大くらいの味噌玉にする。これはあくまでも「詰め易くするため」なので、「玉」だからといって律儀に真ん丸に丸める必要はない。
Aビニールの漬物袋を敷いた漬物樽に軽く下塩を振ってから、味噌玉を均一に並べて、手のひらや拳で掌底やパンチを食らわすように強く押し潰して平らに突き固めていく。
※写真撮影のために味噌玉を並べて突き固める方法を取ったが、通常は臼の横に樽を置いて、味噌を丸めて樽の中にバッチン・バッチン叩きつけて投入しています。
桶に詰め易いように適当な大きさに丸めるあくまでも「詰め易いように」なので真ん丸に丸める必要はない。
1段ごとに丸めた味噌玉を隙間無く並べて 拳や手のひらで平に突き固める

保存・熟成
@味噌を全部詰め終えたら薄く上塩を振って、ビニール袋の空気を抜いて口を閉じ、中蓋の上に軽く重しを乗せて蓋をする。
Aゴミが入らないようにビニール等で覆いをして納屋や納戸など日が当らず極端な温度変化の少ない涼しい場所に保管して熟成させる。
全部詰めたら最後に薄く上塩を振る 漬物袋(ビニール)の口を絞って押し蓋と重石を乗せる

天地返し
味噌を仕込んでそのまま放ったらかしておくと、味噌の外側と中心や上下で熟成にムラが出てしまうので、全体を均一に熟成させるために、4〜5月頃に1回と8月の2回、天地返しを行なう。その際、味噌の表面にカビが生えていることが多いのだが、以前、味噌名人?のおばあさんに聞いた話では「昔から味噌のカビは毒にならないと言って、表面にカビが生えても気にしないで混ぜちゃうんだ」とのこと。また、手持ちの『野趣クッキング(山と渓谷社)』という本の味噌作りの章には「表面のカビも旨みだとか」などと書いてあるのだが、そうは言われてもさすがにカビを混ぜ込む勇気はないので、おたまで掬って取り除きました。
※私の味噌作りの先達の東大宮のK上氏によると、白カビは麹菌のカビで純粋に旨みなので取り除かない方が良く、黒カビや緑色その他の色のカビの場合は雑菌によるカビなので取り除く必要があるそうです。
おたまで表面のカビを掬い取る(取らない説も有力) 上下をまんべんなく攪拌する
薄く上塩を振る 押し蓋と重石を乗せ、ビニール等で覆って保管する

2度目の天地返し(8月)
8月の天地返しの頃になるとかなり熟成(分解・発酵)が進んで、2月に仕込んだ時と比べてぐっと味噌らしい色と味になってくる。年が明けるまであと4ヶ月ほど我慢すれば更に熟成して美味しい手作り味噌が完成する。
口をよく絞っておいたので今回はカビなかった よく攪拌して均一に混ぜる・かなり味噌らしくなってきた

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