95.日中韓・スウェーデンの少子高齢化(2):
   人口ピラミッドと年齢階級別人口の推移
 (2008年5月24日記載) 

 コラム“88”から“92”まで5回続けて、2006年版の国連人口統計のデータや、参考文献に記載した書籍の記述に基づいて、世界の人口動向や、G7・BRICs諸国の人口変遷状況を分析してきた。そして、コラム“94”では、日本、中国、韓国の東アジア3ヶ国の少子高齢化の状況を調べるために、少子高齢化の先進国であるスウェーデンとの比較を試みた。そして、その最初として、これら4ヶ国の人口動向を分析した。
 そこで、今回は、4ヶ国の人口ピラミッドのの推移と、年齢階級別人口の推移を分析することによって、少子高齢化の行方を探ってみたい。

日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド 

 まず最初に、日本、中国、韓国とスウェーデンの人口ピラミッドを調べてみる。1950年から2050年までの100年間について、1950年、1975年、2000年、2025年、2050年の5回の時点で人口ピラミッドを比べることにする。。

1.1.1950年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド(図1)

 第二次世界大戦が終わって5年後の1950年の人口ピラミッドを下の図1に示す。

図1 1950年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド

 ①日中韓3ヶ国の人口ピラミッドを概観すると、よく似ており、理想形に近い形状をしているように見える。一方、スウェーデンの人口ピラミッドは、少子化が進行してから、その後、回復に向かっている事を示す形状である。
 ②日本の人口ピラミッドをよく見ると、男性の「25-29歳」、「30-34歳」が異常に少なくなっていることがわかる。これは、太平洋戦争で多くの若者が戦場に散った、という悲しい事実の結果を示すものである。そして、「0-4歳」の人口も増えている。これは、戦後のベビーブームの表れであり、「団塊の世代」がうまれてきたからである。
 
中国の人口ピラミッドも、よく見ると、男女共に、「0-4歳」が非常に多く、一方、そのすぐ上の「5-9歳」、「10-14歳」がきわめて少ない。「5-14歳」が少ないのは、第二次世界大戦において、中国大陸が戦場となった結果、子供が生まれなかったか、あるいは生まれても育たなかったか、いずれにしても、戦争の悲惨な現実を示すデータであろう。そして、戦争が終わった結果、日本と同じようにベビーブームが起き、「0-4歳」の人口が急増したものと判断される。
 韓国の人口ピラミッドには、日本や中国に見られるような特徴はなく、極めて理想的な形をしている、と言える。

1.2.1975年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド(図2)

 第二次世界大戦が終わって30年、日本が高度経済成長で大きく発展していた1975年の人口ピラミッドを下の図2に示す。

図2 1975年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド

 図1と比べると、25年の歳月で、人口ピラミッドの形状が大きく変化してきたことがわかる。そして、それぞれの国ごとに違った特徴を持つようになってきた。
 ②日本の形状は、「25-29歳」を底辺と考えると、ピラミッドの形をしているが、それよりも下の(若い)年齢階級では、人口が一旦減少し、また、回復しつつある。つまり、一旦、少子化は起きたが、それは改善されてきており、1950年のスウェーデンの若年年齢構成と似通った形状を示している。なお、「25-29歳」の年齢階級は、いわゆる「団塊の世代」であり、この後も、常に大きな人口グループとして推移してゆくことになる。
 
中国の人口ピラミッドは、「0-4歳」、「15-19歳」という二つの年齢階級で人口の落ち込みが見られるものの、比較的、良い形をしている、と言える。
 韓国の人口ピラミッドを見ると、「20歳以上」の年齢階級では、非常に理想的な形状をしているが、「19歳以下」の年齢階級では、ピラミッドというより、ほぼ長方形の形をしている。これは、1950年から1953年まで続いた朝鮮戦争の影響で、「19歳以下」ベビーブーム世代、となっているためと思われる。
 ⑤スウェーデンの人口ピラミッドは、極めてユニークである。「60歳以上」の年齢階級では、ピラミッドの形状をしているが、「59歳以下」の年齢階級では、途中で突き出た長方形のような形である。これは、社会が「成熟」して出生率が徐々に下がった結果、少子化は徐々に進んでいる、そして、平均寿命も緩やかに伸びているので、高齢化も徐々に進行している、という事を示している、と判断される。(出生率や平均寿命の推移については、前回のコラム「94.
日中韓・スウェーデンの少子高齢化(1):人口推移
」を参照ください)。
 
人口ピラミッドをここまで眺めてきたが、日中韓の東アジア3ヶ国の人口ピラミッドは、戦争の影響を大きく受けている、という事がよくわかる。

1.3.2000年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド(図3)

 2000年の人口ピラミッドを下の図3に示す。

図3 2000年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド

 2000年の人口ピラミッドを概観すると、日本とスウェーデンの形状が類似しているように見えるし、また、中国と韓国の形状も似通っているように見える。しかし、細かく見てゆくと、いろいろと違いがみてとれる。
 ②日本の人口ピラミッドでは、「団塊の世代」に該当する「50-54歳」と、「団塊ジュニア」に該当する「25-29歳」の二つの年齢階級で突出した形をしている。そして、少子高齢化の状況については、以下の事が言える。
  ⅰ)20歳以下の年齢階級を見ると、次第に人口が減少しており、少子化が進んできたことがわかる。ただし、「0-4歳」の人口は、「5‐9歳」の人口よりはわずかに多く、少子化に歯止めがかかったようにも見える。
  ⅱ)65歳以上の年齢階級を、1950年・1975年の人口ピラミッドのそれと比べてみると、平均寿命の伸びを反映して、人口が急速に増大してきたことがわかる。
  ⅲ)
なお、男女の人口差をみると、49歳以下では、男性が多いが、50歳以上では女性が多い。そして、75歳を超すと、その差は極めて大きくなる。
 
中国の人口ピラミッドには、以下の特徴が見える。
  ⅰ)「30-34歳」でピークとなって、それより若い年齢階級では人口が減少している。とくに、「20-24歳」と「15-19歳」の落ち込みが大きい。これは、今までも度々触れてきたが、1979年から始まった「一人っ子政策」の影響が大きい。
  ⅱ)年齢が若くなるにつれて、男性の人口が女性の人口を大きく上回っている。一人っ子政策が始まる前からその傾向があったが、一人っ子政策以降、男の子が多いという傾向に拍車がかかっている。この事は、男性が結婚相手を見つけられない、という別の問題をも生み出しているのだ。
 ④韓国の人口ピラミッドの特徴は、以下のとおりである。
  ⅰ)「45歳以上」では、理想的な形状を示しているが、44歳以下の年齢階級から、急に人口が増えており、そして、「0-4歳」に向けて逆三角形の様相を呈している。
  ⅱ)男女別の人口をみると、55歳以上では、女性人口の方が多いが、54歳以下では男性人口が多く、しかも、年齢が下がるにつれてその差は大きくなっている。これは、少子化が進む中で、男の子を好む韓国の国民性があらわれたものと思われる。

 ⑤スウェーデンの人口ピラミッドは、よく見ると、極めて独特な形状をしている、と言える。
  ⅰ)45歳以上の男性の人口ピラミッドは、理想形に近い。しかし、それ以外は、どちらかというと、長方形に近い形状である。
  ⅱ)65歳以上では、女性の人口が多いが、64歳以下では男性の人口が多い。しかし、この男女差は、自然の男女出生率の差と、男女の平均寿命の差がもたらしたものであり、中国や韓国のように、「人為的」な操作が加わっているとは思えない。
  ⅲ)女性の高齢者が、男性の高齢者よりも圧倒的に多い。とくに、85歳以上では、男性の2倍以上である。


1.4.2025年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド(図4)

 2000年までは、実績データに基づく人口ピラミッドであったが、2025年の人口ピラミッドは、予測データに基づくものである。その予測図を下の図4に示す。

図4 2025年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド

 人口ピラミッドを概観すると、以下の事が見て取れる。
  ⅰ)54歳以下では、日本と韓国が同じような逆三角形になっており、ともに、極端な「少子化」が進行していることがわかる。
  ⅱ)59歳以下の人口をみると、中国とスウェーデンの人口ピラミッドは、ほぼ、長方形に近い形状になっている。
  ⅲ)65歳以上の高齢者のピラミッド形状を見ると、中国と韓国が、ほぼ、理想に近い形状を示しているに対して、日本とスウェーデンは、長方形か台形に近い形状であり、この両国では、高齢化が相当進んでいることが推測される。
 ②
日本の人口ピラミッドは、50歳以上が長方形に近い形をしており、そこから、「0-4歳」に向けて、逆三角形になっている。そして、とくに、女性の高齢者が増えることが見て取れる。 
 
中国の人口ピラミッドを男女の人口差で比べると、59歳以下では男性の人口が多いことが分かる。とくに、24歳以下の年齢階級では、男性の人口が女性よりも600万人以上多い(比率で言うと、16%前後、男性の方が多い)。この事は、男性の結婚相手探しが困難になってゆく、ということを暗示している。
 韓国の人口ピラミッドをみると、中国と同じように54歳以下では男性が多く、55歳以上では女性が多くなっている。また、29歳以下で男女差を比べると、男性が各年齢階級で9%前後多い。韓国も少子化が進む中で、中国と同じように「男の子」を好む傾向が強く現れ、結果として、男性が女性を大きく上回るようになっていく、と予測されている。
 ⑤スウェーデンの人口ピラミッドは、ピラミッドというよりは、むしろ長方形に近い。とくに、女性の場合、79歳以下は、ほぼ長方形である。男性も、64歳以下では、長方形に類似した形状をしている。


1.5.2050年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド(図5)

 国連の人口予測に基づく2050年の人口ピラミッドを下の図5に示す。

図5 2050年 日中韓・スウェーデンの人口ピラミッド

 今から42年後の2050年になると、4ヶ国の人口ピラミッドの形状は、ピラミッドとは大きく違ったものとなってしまう。その特徴として以下のことが言えるであろう。
  ⅰ)日本と韓国は、ほぼ同じような逆三角形になってしまう。

図5‐1 2050年 日本人65歳以上の人口ピラミッド

  ⅱ)一方、中国とスウェーデンは、ピラミッドというよりは、長方形そのものになってきている。特に、女性は、男性よりも平均寿命が長いので、その傾向が著しい。
 ②日本の人口ピラミッドは、ある意味異常
である。つまり、女性の平均寿命が男性のそれを大きく上回って長くなって、女性の高齢者が男性よりも圧倒的に多くなる、そして、85歳以上の女性の人口が、他の年齢階級を大きく上回ってしまう、というところから、独特の形状がうまれている。そこで、65歳以上の人口ピラミッドを右の図5‐1に示す。この図からもわかるように、日本の人口ピラミッドは、「75-79歳」を境として、上には、ピラミッド形状、下には逆三角形、となっており、それだけ、少子高齢化が深刻化してくる、というというのが国連の予測である。
 
中国の人口ピラミッドは、「60-64歳」を境として、上は、ピラミッド形状、下は、長方形に近い逆三角形、となっている。高齢化も進み、少子化も進んではいるが、日本ほど深刻ではない、というところであろうか。
 韓国の人口ピラミッドを見ると、「55-59歳」を境として、下は逆三角形、上は台形、という形状をしている。つまり、日本と同じように深刻な少子高齢化の状況になっている、ということである。
 スウェーデンの人口ピラミッドは、「55-59歳」を境に、下はほぼ長方形、上は台形という形状である。つまり、少子化の傾向は緩んでいるが、高齢化は進んでいる、ということである。




2.年齢階級別人口の推移

 次に、年齢階級別人口の推移をみてみよう。年齢階級については、今までの分析と同じく、以下の3分類で行う。
  年少人口: 15歳未満。

図6 日中韓・スウェーデンの年齢階級別人口の推移

  ②生産年齢人口: 15歳以上65歳未満。
  ③
老年人口: 65歳以上。


 ここでは、最初に年齢階級別人口の絶対数の推移を、次に、年齢階級別人口の構成比の推移を分析し、最後に、従属人口指数の推移を分析する。

2.1.日中韓・スウェーデンの年齢階級別人口の推移(図6)

 日本、中国、韓国とスウェーデンの年齢階級別人口の、1950年から2050年までの推移を右の図6に示す。日本と中国、韓国の「年齢階級別人口」の推移を概観すると、この3ヶ国は、ピークになる年代こそ違え、ほぼ同じ傾向を示していることがわかる。それに対し、スウェーデンは、これら3カ国とはまったく違う傾向である。



(1)日本の年齢階級別人口の推移(図6の一番上)

 年少人口(15歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には2964万人であった年少人口は、1980年の2751万人まで、若干の上下動をしながら、ほぼ横ばいに近い推移であった。
  ⅱ)1985年以降は、2050年に向けて減少の一途であり、少子化が深刻化していくことが示されている。(2050年では、1155万となり、1980年時の人口の42%にまで減っている)。
  ⅲ)
日本の合計特殊出生率は、「2005-2020」にかけての“1.27”で底を打ってから、回復に向かい、2050年には“1.60”まで上昇する、と予測されているが、それでも、年少人口は減少するほど、少子化は深刻化するのだ。

 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には4985万人であった生産年齢人口は、1995年の8719万人(1950年の1.75倍)でピークに達するまで、45年間で急激に増大した。
  ⅱ)2000年以降は、2050年に向けて大きく減少する。2050年で5233万となり、1995年時の人口の60%にまで減ってしまう。
  ⅲ)
生産年齢人口が、将来に向けてこのように急激に減少する一方で、次項で述べるように老年人口が大幅に増大すると予測されており、日本経済の停滞は必至の情勢である。
 
老年人口(65歳以上の人口)の推移
  ⅰ)1950年にはわずか414万人であった老年人口は、30年後の1980年には10561万人となって1千万人を超え、さらに20年後の2000年には2186万人で2千万人をも超えてしまう。
  ⅱ)老年人口の増加スピードはさらに速まり、15年後の2015年には3312万人で、3千万人台を突破する。
  ⅲ)その後は、上昇率は鈍るが、2045年までは老年人口は増え続け、3906万人でピークとなる。
そして、2050年には3863万人となって、減少に向かう、というのが国連の予測である。

(2)中国の年齢階級別人口の推移(図6の上から2番目)

 年少人口(15歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には1億8605万人であった年少人口は、1975年の3億6638万人まで、急激に増加した。その後は、1979年に導入された「一人っ子政策」の影響もあり、年少人口は減少に向かう。
  ⅱ)1990年の3億1857万人から2000年の3億1677万人まで、ほぼ横ばいで推移した。その後は、減少と横ばいを繰り返しながら、徐々に減少してゆき、2050年には2億1540万人となる。
 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の推移
  ⅰ)生産年齢人口は1950年には3億4386万人であったが、その後は、2015年に9億9771万人でピークに達するまで、増加し続ける
  ⅱ)ピークに達した後は、徐々に減少に向かい、2050年には8億5978万人となる。
 老年人口(65歳以上の人口)
  ⅰ)老年人口は1950年にはわずかに2485万人であった。その後の増加も緩やかであり、1億人を超えたのは55年後の2005年であった(1億46万人)。
  ⅱ)しかし、その後、老年人口の増加速度は速まり、25年後の2030年には2億3641万人、その10年後の2040年には3億2176万人、と急激に増え続ける
  ⅲ)
しかし、その後は増加速度はやや鈍り、2050年で3億3367万人となる、と予測されている。 

(3)韓国の年齢階級別人口の推移(図6の上から3番目)

 年少人口(15歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には786万人であった年少人口は、1970年の13431万人まで急激に増加した。
  ⅱ)しかし、その後は減少に転じ、2000年には975万人となって1千万人を割り込み、2010年には774万人となって、1950年の水準を下回る。そして、2050年には440万にとなり、ピークの1970年時の33%にまで減少する。
  ⅲ)韓国の合計特殊出生率は、「2005-2015」にかけての“1.21”を底として上昇に転じ、「2045-2050」には“1.54”に回復すると予測されてはいるが、年少人口の減少に歯止めをかけるまでには至らず、日本以上に深刻な少子化となってしまう。
 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には1043万人であった生産年齢人口は、2015年の3584万人まで、一気に急増した。
  ⅱ)しかし、その後は減少に向かい、2050年には2305万人となり、ピーク時の64%まで減る、と予測されている。
 老年人口: 65歳以上
  ⅰ)韓国の老年人口は、1950年にはわずか57万人であり、その後の増加も緩やかであった。100万人を突破したのは20年後の1970年(105万人)、200万人を突破したのはさらに20年後の1990年(214万人)であった。
  ⅱ)ところが、その後、老年人口は急激に増加し、10年後の2000年に344万人となってからは、5年毎に100万人以上増加し続ける。そして、2030年には1134万人となって、1千万人を超し、2040年には1400万人となる。
  ⅲ)その後の老年人口の増加率は緩やかになり、2050年でも1487万人にとどまる。


(4)スウェーデンの年齢階級別人口の推移(図6の一番下)

 年少人口(15歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には164万人であった年少人口は、1980年の172万人まで、若干の上下動をしながら、ほぼ横ばいにで推移する。
  ⅱ)年少人口が一番落ち込むのが、1985年で147万人、一番多い年は1955年で173万人である。
 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)の推移
  ⅰ)1950年には465万人であったが、その後、2010年に603万人となるまで、増加し続ける。
  ⅱ)その5年後に、595万人に一旦減少してから、緩やかに上昇に転じ、2050年に623万人になるまで徐々に増加し続ける。
 老年人口(65歳以上の人口)の推移
  ⅰ)1950年にはわずか72万人であった老年人口は、1995年の154万人まで、一直線上に増大する。5年後の2000年には、一旦、153万にへと若干減少するが、その後は再び増加に転ずる。
  ⅱ)そして、2050年には、253万人にまで増える
 スウェーデンの年齢階級別人口は、老年人口を除き、日中韓の3カ国とはまったく異なった推移を示す。
  ⅰ)年少人口: 1950年から2050年まで、ほぼ横ばいのまま。
  ⅱ)生産年齢人口: 1950年から2050年まで、一旦減少する事はあるが、増加し続ける


2.2.日中韓・スウェーデンの年齢階級別人口構成比の推移(図7)

 年齢階級別人口数の推移を見てきたが、ここでは、視点を変えて、年齢階級別構成比の推移を見てみよう。
 日本、中国、韓国とスウェーデンの年齢階級別人口構成比の、1950年から2050年までの推移を右の図7に示す。

図7 日中韓・スウェーデンの年齢階級別人口構成比の推移


(1)日本の年齢階級別人口構成比の推移(図7の一番上)

 年少人口(15歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年には35.4%であり、人口の3分の1は15歳未満の「子供」であった。しかし、その後比率は低下し、1970年には24.0%となって、4分の1を切ってしまった。
  ⅱ))それから1980年の23.6%まで、ほぼ横ばいで推移した後、再び低下し、2030年に10.8%で底を打つ。
  ⅲ)
その後は、緩やかに上昇して、2050年には11.3%まで回復する、というのが国連の予測である。

 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年に59.6%であった生産年齢人口は、1970年の68.9で一旦ピークとなるまで上昇を続ける。
  ⅱ)その後、2000年の68.2%まで、若干の上下動はあるものの、ほぼ横ばいで推移する。
  ⅲ)
そして、2005年からは、ほぼ直線状で低下し、2050年には51.1%となって、人口のほぼ半分にまで減少する。
 
老年人口(65歳以上の人口)構成比の推移
  ⅰ)年少人口と対照的な動きを示すのが、老年人口である。1950年には4.9%で、高齢化の心配はまったくないような比率であった。
  ⅱ)その比率が、徐々に上昇して、1970年には“7.1%”となって、「高齢化社会」となり、さらに、高齢化の速度が速まって、25年後の1995年には“14.6%”で、「高齢社会」となってしまう。
  ⅲ)
そして、2010年には“22.5%”となって、「超高齢化社会」になる見込みである。高齢化のテンポはその後も鈍ることなく続き、2050年には“37.7%”まで上昇する、と見込まれている。

(2)中国の年齢階級別人口構成比の推移(図7の上から2番目)

 年少人口(15歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年の年少人口は33.5%であり、日本とほぼ同じく「国民の3人に一人が子供」、という時代であった。
  ⅱ)その後、1965年の40.2%まで年少人口の比率は上昇するが、1975年の39.5%まで、ほぼ横ばいに推移した後は、低下に転ずる。
  ⅲ)
そして、2045年に15.2%で底となり、2050年には15.3%と若干回復する、と予測されている。

 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年に62.0%であった生産年齢人口の比率は、年少人口比率とは逆に、1965年の55.4%まで低下してから、上昇に転ずる。
  ⅱ)そして、2010年に72.0%でピークとなった後は減少する。
  ⅲ)
その減少傾向は、2050年に61.0%になるまで続く。
 
老年人口(65歳以上の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年には4.5%と極めて低く、その後も1980年の4.7%までは、ほぼ横ばいで推移する。
  ⅱ)1985年以降、緩やかに上昇し、2005年には、7.7%となって、中国も「高齢化社会」の仲間入りをする。
  ⅲ)その後、2030年には16.2%で「高齢社会」となり、さらに、2040年には22.2%となって「超高齢社会」となる。高齢化比率はそれからも上昇を続け、2050年には23.7%となる


(3)韓国の年齢階級別人口構成比の推移(図7の上から3番目)

 年少人口(15歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年(41.7%)から1970年(42.1%)までは、ほぼ横ばいで推移した。
  ⅱ)その後は、低下の一途をたどり、2045年の10.4%まで、減少する。
  ⅲ)
しかし、2050年も10.4%であり、ここで、ようやく年少人口構成比の低下は歯止めがかかりそうである。

 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)生産年齢人口構成比も、1950年(55.3%)から1970年(54.6%)までは、ほぼ横ばいである。
  ⅱ)その後、比率は上昇を続け、1995年に70.8%となって、70%を超えてから、2020年の71.50%まで70%以上で推移する。
  ⅲ)
しかし、2025年以降は低下に転じ、2050年には54.5%となってしまう。
 
老年人口(65歳以上の人口)構成比の推移
  ⅰ)韓国の老年人口の比率は、1950年(3.0)から1980年(3.8%)まで、3%台の低さで推移する。
  ⅱ)1985年以降、徐々に上昇に転じ、2000年には7.4%で「高齢化社会」となってからは、さらに高齢化のテンポが速まり、2020年には15.7%となって「高齢化社会」の仲間入りとなる。
  ⅲ)その10年後の2030年には23.4%で、「超高齢社会」となってしまい、2050年には、35.1%で国民の3人に一人は65歳以上の高齢者となる


(4)スウェーデンの年齢階級別人口構成比の推移(図7の一番下)

 少子高齢化の先進国であるスウェーデンの構成比は、東アジア3カ国とはきわめて異なった形で推移する。
 年少人口(15歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年の構成比は23.4%で、東アジア3ヶ国と比べると極めて低く、すでに、この時点で少子化の状態になっていた。
  ⅱ)その後、時々は横ばい状態になる事もあるが緩やかに低下し、1980年(19.6%)に20%を切ってしまう。
  ⅲ)
その後も、横ばいと緩やかな低下を繰り返すが、2050年時点でも16.4%であり、東アジア3ヶ国のどこよりも高い比率となる。

 ②生産年齢人口(15歳以上65歳未満の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年に66.3%であったが、その後、2010年の65.3%まで、若干の上下動はあるが、ほぼ横ばいで推移する。
  ⅱ)その後、2035年2035年(59.6%)に60%を切るまで、徐々に低下する。そして、2050年にかけては、再び、ほぼ横ばいで推移する。

 
老年人口(65歳以上の人口)構成比の推移
  ⅰ)1950年の老年人口指数は10.3%であり、すでに、高齢化社会となっている。そして、1985年の17.9%まで、上昇を続ける。
  ⅱ)その後、2005年の17.2%まで、緩やかに低下した後、2040年の24.2%へと、再び上昇に転じる。それ以降は、2050年の24.1%まで、ほぼ横ばいで推移する





2.3.日中韓・スウェーデンの従属人口指数の推移(図8)

 ここまで年齢階級別人口について、絶対数の推移と、構成比率の推移をみてきた。ここでは、従属人口指数の推移を眺めることとする。
 「従属人口指数」という考え方については、コラム「88.世界の人口爆発と少子高齢化」で述べたが、ここで、再度説明する。
 人口構成の変化は、勤労世代の負担に大きな影響を及ぼす。ここでは、勤労世代としては、生産年齢人口を代表させて考える。つまり、生産年齢人口の人々が、実際に経済活動に参加して社会を支えると考えるのである。年少人口と老年人口に属する人々は、支えられる側に当たるので「従属人口」と呼ばれる。
 年少人口を生産年齢人口で割ったものを「年少人口指数」、老年人口を生産年齢人口で割ったものを「老年人口指数」、そしてこの二つの指数の合計を「従属人口指数」と呼ぶ。そして、この従属人口指数が大きければ勤労世代の負担は重く、小さければ勤労世代の負担は軽くなる、といえる。

 日中韓の3ヶ国とスウェーデンの「従属人口指数」が、1950年から2050年まで、どのように推移するのかを、5年毎にプロットしたものを、図8として示す

図8 日中韓・スウェーデンの従属人口指数の推移


(1)日本の従属人口指数の推移(図8の一番上)

 1950年の日本の従属人口指数は67.8%であり、大体、労働世代10人が7人の生活を支えているという人口構成であった。この67.8%のほとんど(7人のうち6人強)は年少人口(59.5%)であった。
 ②その後、従属人口指数は1970年の45.1%まで急速に低下する。この低下は、ほとんどが年少人口指数の低下の結果である。そして、この間、日本経済は未曾有の高度成長を遂げる。
 
1970年から1995年(43.9%)までは、若干上下しながら、ほぼ横ばいで推移する。この間、年少人口指数は横ばいから低下と推移したが、老年人口指数は着実に増大した。なお、日本経済は、この間、安定成長となり、その後、ばっブル期を経由して「失われた10年」へと移っていった。
 ④2000年以降、従属人口指数は、急速に上昇に向かう。この上昇は、そのほとんどが老年人口指数の上昇(人口の高齢化)の結果である。
 「失われた10年」以後の日本経済は、「好況感なき景気回復」で、企業業績は大きく回復したが、家計は一向に良くなっていない、という状態が、現在まで続いている。今後、この経済がどうなるのか、大いに気になるところではある


(2)中国の従属人口指数の推移(図8の上から2番目)

 1950年の従属人口指数は61.3%であったが、内訳をみると年少人口指数が54.1%、老年人口指数が7.2で、圧倒的に「子供が多数を占める社会」であった。その後、1965年に80.4%となるまで、急激に上昇するが、それは、年少人口指数の急増が原因である。この高い従属人口指数と年少人口指数は、1975年まで続く。
 ②従属人口指数が急増した時代は、中華人民共和国が成立して、毛沢東が全権を掌握していく時代でもあり、「大躍進政策(詳しくはここをクリック)」「文化大革命(詳細はここをクリック)」という動乱の時代でもあった。この動乱の時代に4千万人以上の命が失われた、とも言われているが、その反動(?)として、多産の時代でもあったわけだ。この多産の背景には、毛沢東の唱えた「人口資本説」(中国版の「産めよ増やせよ」という政策)」の影響が大きいとも見られている。
 注: 「人口資本説」とその誤りを指摘した「新人口論」については、ここをクリックしてください。
 
従属人口指数は、1975年以降、年少人口指数の急激な低下の結果として、2010年の38.8%で底を打つまで、急速に減少する。この低下のきっかけとなったのが、1979年の「新人口論」の再評価と共に打ち出された「一人っ子政策」(詳しくはここをクリック)である。
 「年少人口指数」は、2015年の25.8%で底を打ってからは、2050年の25.1%までほぼ横ばいで推移する。しかし、老年人口指数が急上昇するので、「従属人口指数」も、2015年以降上昇に転じ、2050年には63.9%となる。
 老年人口指数の推移をみると、1950年の7.2%から1995年の8.9%までは、若干の上下動はあるものの、ほぼ横ばいで推移した。その後、2000年に10.0%となってからは、上昇に転じ、2025年に20.0%、2035年に30.6%。と増加して、2050年には、38.8%となる、というのが国連の予測である。


(3)韓国の従属人口指数の推移(図8の上から3番目)

 1950年に80.8%と極めて高かった従属人口指数は、1955年に75.6%と一旦は下がったが、1960年からはまた上昇に転じ、1970年の83.0%でピークとなる。この変動は、年少人口指数の変動のためであり、老年人口は、1950年の5.5%からほぼ横ばいで推移してゆく。
 ②従属人口指数は、1970年以降、年少人口指数の低下とともに、低下に転じ、2015年の37.1%で底を打つ。この間、老年人口指数は、1985年の6.5%まで、ほぼ横ばいで推移した後、上昇に転じ、2015年には18.2%となる。
 
2020年以降、韓国の従属人口指数は、急激に上昇に転じ、そして、2050年には83.6%となる。この上昇は、老年人口指数の急上昇の結果であり、年少人口指数は、この間、ほぼ横ばいで推移する。

(4)スウェーデンの従属人口指数の推移(図8の一番下)

 スウェーデンの従属人口指数の推移は、東アジア3ヶ国と比べると、極めてユニークである。1950年の50.8%から2010年の53.2%まで、55%前後で上下動を繰り返しながら、ほぼ横ばいに近い形で推移する。
 ②この間、年少人口指数は35.3%(1950年)から25.0%(2010年)まで、多少の上下動を繰り返しながら緩やかに低下する。一方、老年人口指数は、1950年の15.5%から1985年の27.6%まで上昇し、これが、従属人口指数を押し上げる要因となっている。しかし、その後、2010年までは27%前後で推移するので、従属人口指数は、年少人口指数の低下につれて減少してゆく
 
2015年以降、年少人口指数は27~28%前後でほぼ横ばいだが、老年人口指数は32.1%(2015年)から40.7%(2040年)まで直線状で上昇した後、2050年の40.6%まで、横ばいとなる。
 この結果、従属人口指数は、58.7%(2015年)から68.1%(2040年)まで上昇した後は、2050年の68.3%まで、横ばいで推移する。



3.少子高齢化と経済成長

 人口の変動が経済成長に与える影響については、従属人口指数の変動に対応した「人口ボーナス」「人口オーナス」といった考え方を紹介した(88.世界の人口爆発と少子高齢化を参照ください)。
 ここでは、「一人当たり国民所得」を延ばす、という考え方に立って、少子高齢化社会での対応策を検討しよう。


(1)一人当たり国民所得について

 経済政策の目標は、経済規模を拡大し、国を富ませる事にあるが、日本のように今後、人口減少が見込まれる場合には、経済規模そのものが大きくならなくても国民一人当たりの国民所得が伸びてゆけば、分配政策さえ誤らなければ、国民生活は向上できる。
 ②そこで、少子高齢化社会においては、国民所得全体で考えるよりは、一人当たり国民所得を基準に考えた方が良いと言える。そこで、一人当たり国民所得を成長させる方策を考えてみよう。
 
一人当たり国民所得は以下の数式で表す事が出来る。

一人当たり国民所得 国民所得 国民所得 労働者数 労働力人口
人口 労働者数 労働力人口 人口

 この式は、次のように書き換えることができる。

「一人当たり国民所得」 「労働生産性」 「労働参加率」 「労働力人口比率」


(2)一人当たり国民所得を成長させる方法


 前期の式からわかるように、「一人当たり国民所得」を増やすには、下記三つの方策がある
  ⅰ)労働生産性(労働者一人当たり国民所得)を上げる。
  ⅱ)労働参加率を上げる。
  ⅲ)労働力人口比率を上げる。
 ②労働参加率を上げる」には、女性や高齢者が働きやすい環境を整備して、働いていない成人や高齢者に労働の場を与える必要がある。
 
労働力人口比率を上げる」には、労働力人口を増やすしかない。日本はすでに、「生産年齢人口」が減少に転じており、そのためには、以下の二つの方法が考えられる。
  ⅰ)15歳から64歳未満となっている「生産年齢人口」の上限を上げる、つまり、老年人口の下限を65歳から引き上げて、「労働力人口」に組み入れる(そのためには、上記の②で述べたように、高齢者も働ける環境を整備しなければならない)
  ⅱ)外国から労働者を受け入れる。(この問題については、別の機会で細かく検討したい)。
 ④「労働生産性を上げる」には、シュンペーターが「新結合」と称するイノベーションが求められる。それは、下記の5項目にまとめることができる。
  ⅰ)新しい財貨の生産、つまり、これまでになかった商品や品質・機能の提供。
  ⅱ)新しい生産方法の導入。
  ⅲ)新しい販路の開拓、つまり、新しい市場の開拓。
  ⅳ)原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得。
  ⅴ)新しい組織の実現、例えば、トラストの形成や独占の打破。。
 上記5項目のうち、ⅰ)とⅱ)は主として技術革新に根ざすものであり、ⅲ)ⅳ)ⅴ)は企業の競争戦略や企業組織のあり方などの経営戦略に根ざすものである、と言える。
したがって、「新結合」とは、単なる「技術革新」よりもずっと広い概念である。

図9 従属人口指数の新旧比較

 言い換えると、「新結合」とは、それを実行できる能力を持った「企業家・起業家」と、本物の企業家・起業家を見抜く眼力を持った「銀行家・投資家」との協業によって初めて可能となる「創造的破壊」なのである。そして、もし、一握りの天才的企業家・起業家が「新結合」に成功すると、その周辺で、数多の新結合が群生するようになる。その好例が、IT産業、デジタル家電産業等の新興産業である。

(3)老年人口を70歳以上とした場合の従属人口指数の変化(図9)

 日本の老年人口を70歳以上、生産年齢人口を15歳以上70歳未満とした場合の、従属人口指数の変化について、右の図9に示す。2000年、2025年、2050年の三つの時点で、新旧の比較をしたものである。
 「新」とは、老年人口を70歳以上、生産年齢人口を15歳以上70歳未満とした場合であり、「旧」とは、従来の年齢区分に基づくものである。
 ②「年少人口指数」は、新旧で、それほど大きくは違わない。
 
しかし、「老年人口指数」には、極めて顕著な変化が現れる。
  ⅰ)2000年では、25.3%(旧)と15.8%(新)で、9.5%少なくなる。
  ⅱ)2025年では、49.5%(旧)と36.2%(新)で、13.3%少なくなる。
  ⅲ)2050年では、73.8%(旧)と53.0%(新)で、20.8%少なくなる。。
 つまり、65歳以上70歳未満の年齢層を、労働力人口とする事ができれば、高齢化に相当程度対応できる、という事である。
 そして、前にも述べた通り、「一人当たり国民所得」の増大にも寄与できることとなる。



5.最後に

 今回は、日中韓の東アジア3ヶ国の少子高齢化を分析する第2段階として、各国の年齢階級別人口の推移を分析した。その際に、前回と同じく、少子高齢化の「先進国」であるスウェーデンのデータと比較してみた。ここまでの分析結果から、以下の事が言えるであろう。
 人口ピラミッドを見ると、1950年には、日中韓の3ヶ国は理想的な形状をしていたが、その後の100年間で、大きく形状を変化させる。日本と韓国は、ほぼ逆三角形となってしまい、中国は、長方形に近い形状となってしまう。一方、スウェーデンの形状は、1950年には、他の3カ国とは違っているが、1975年と2000年には、日本の形状と似通ってくる。そして、2025年と2050年には中国と似た形状になってくる。
 ②図6、図7を見ればわかるように、日中韓の少子高齢化は、タイミングこそ違っているが、ほぼ同じように発生する。
 図8を見ると、日本の高齢化が他の3ヶ国と比べて、以下に急速に進行するのかがわかる。この急速な高齢化は、日本経済にとって大きな負担となる事は明らかであり、それを回避する一つの方策が、65歳以上70歳未満の高齢者を労働力人口に組み込んでしまう事である。
 その他にも、「外国人労働者を受け入れる」、あるいは、「少子化対策により、出生率の向上をはかる」、といった施策も必要だし、重要である。ただ、これらの施策は、高齢者の活用とは別の観点で様々な問題点が考えられる。それらの問題については、また、別の機会に検討することとしたい。
 スウェーデンは、少子高齢化のの先進国であり、日本もスウェーデンの施策から学ぶべき点が多々あると思われる。それについては、別の機会で分析してみたい。


 今後は、少子高齢化とは別に、人口減少が経済に与える影響について、供給面のみならず、需要面からも検討を進めたい。労働力人口が減少すれば、生産量は減る(供給が減る)。そして、人口が減れば、需要が減る。供給の減少には生産性の向上で対処できるが、需要の減少には、また、違った対応策が求められる。それらを総合して、検討をしてゆきたい。

参考文献: 1.「老いてゆくアジア」、大泉敬一郎、中公新書
         2.「老いるアジア」、小峰隆夫、日本経済新聞出版社
         3.国連人口統計2006年版
         4.「高齢化と少子社会」、金子勇 編著、ミネルヴァ書房
         5.「2015年 アジアの未来」、日本貿易会「2015年アジア」特別研究会、東洋経済新報社
         6.「老いはじめた中国」、藤村幸義、アスキー新書
         7.「2020年の日本人」、松谷明彦、日本経済新聞社
         8.「人口減少デフレは始まっている」、公文 敬、東洋経済新報社

人口問題のコラムは以下の通りです。

4.長寿社会を考える  5.人口減少社会(1)   6.人口減少社会(2)  
17.人口の減少  81.一人暮らし社会 82.2025年の少子高齢化と地方自治体
83.老人大国三つの不安(1):老人医療 88.世界の人口爆発と少子高齢化
89.G7とBRICsの少子高齢化の概要 90.G7とBRICsの人口動態:現状と将来
91.G7とBRICsの少子高齢化:現状と将来 92.人口大国と経済大国
94.日中韓・スウェーデンの少子高齢化(1):人口推移


北欧に関するコラムは以下の通り。

84.福祉国家の経済成長-北欧の挑戦と日本の凋落
85.北欧諸国と日米英独仏の比較
86.北欧諸国の教育・福祉制度


格差に関するコラムは以下の通り。

33.データから見る格差 34.新しい階級社会の誕生 35.様々な格差
36.老人格差 44.ワーキング・プア 53.所得格差と国際比較
59.教育格差と格差の世襲 60.教育格差の現状 61.教育格差と国際比較
64.団塊の世代と団塊格差  65.団塊ジュニアとその格差 
66.団塊ジュニアの結婚格差と少子化問題 79.所得格差と格差拡大税制
80.国民負担率と国際比較


格差問題の背景としてのグローバル化と日本型雇用の崩壊に関するコラムは以下の通り。

46.経済のグローバル化 47.正社員システムの崩壊  48.年功序列賃金の崩壊?
49.労働組合の衰退 50.多様化する雇用形態 52.いじめられるサラリーマン
54.フラット化する世界(1) 55.フラット化する世界(2) 57.フラット化する世界(3)
58.フラット化する世界(4) 22.雇用状況の変遷


   独り言の目次に戻る

   全体の目次に戻る