174.医科大学の系譜(3):戦後編(2)1980年代:新設私立医科大学 
               (
2013年11月20日記載)

 前回、「医科大学の系譜(2):戦後編(1)」として、敗戦から1980年代半ば頃まで、医科大学(または、大学医学部)の整備状況を分析し、現在に至るまでの80医科大学体制が完成するまでの経緯を眺めてきた。今回は、1970年代前半に整備された新設私立医科大学の1980年代までの状況を中心に、医科大学(または、大学医学部)のその後を分析する。
 
 日本は、敗戦の混乱の中から、1951年9月署名・翌年の4月発効のサンフランシスコ条約で独立を回復し、1956年12月には国連への加盟を認められ、国際社会への復帰を果たした。経済的にも、朝鮮特需により経済成長のきっかけをつかみ、1960年12月に池田内閣が閣議決定した「国民所得倍増計画」によって、驚異的な高度成長を実現した(実質国民総生産は約6年で、国民1人当りの実質国民所得は7年(1967年)で倍増を達成した)。
 このような「イケイケドンドン」のムードの中で、医師不足が叫ばれるようになり、1970年代初めから私立医科大学の新設ラッシュが始まった。そして、1973年2月に閣議決定した「一県一医大構想」によって、それまで医科大学の無かった15県に国立の医科大学(または、大学医学部)が、1979年末までに整備された。結果として、1970年から1979年までの10年間で新設された医科大学(または、大学医学部)は、国立が18校、私立が16校、合わせて34校であり、この校数は、既設の46校の約4分の3(74%)にあたる。これだけの大学が一気に新設された結果、学生の質(というか学力レベル)、教育スタッフや環境の整備、といった課題も生まれてきた。さらには、医師が過剰ではないか、という議論も始まるようになった。

 前回の分析で新設医科大学を巡って、下記の問題が生じてきたと指摘したが今回は、そのうちのⅰ)~ⅲ)を取り上げた。
  ⅰ)私立の新設医科大学の金権体質: 私立医科大学を中心に入学試験で、お金を使った不正が行われている、という問題が明るみに出た。
  ⅱ)国試浪人の大量発生: 金で入学した私立医科大学生を中心に、一向に医師国家試験に合格できない卒業生が大量に発生するようになり、いわゆる「国試浪人」として社会問題化してきた。
  ⅲ)医師国家試験合格率と医科大学のランキング: 新設私立医科大学の中には、医師国家試験合格率が極端に低い大学が表れ、受験生の人気ランキングを大きく下げる、という現象が生じてきた。そこで、出来の悪い学生を留年させる、あるいは、医師国家試験が春と秋の2回行われるので、出来の悪い学生の卒業時期を秋に延ばすとか、みための合格率の低下を少しでも防ごうという小手先の対策を講じる大学も出てきた。
  ⅳ)医科大学(または、大学医学部)の学閥問題: 医科大学(または、大学医学部)の新設には多数の教授・助教授といった教師陣をそろえなければならない。こうした人材の供給を巡って、いわゆる「学閥」が形成されていった。
  ⅴ)医療費問題: 医療技術の進歩や、患者数の増大により、国民医療費が年々増加し、「医療費亡国論」が出回るくらい、医療保険財政が緊迫してきた。

 結論を先に言えば、新設私立医科大学の大半は、開学当初は適正な入学試験を行わず、いわゆる「コネ入試」とか「金権入試」とか言われる実態があったために、学力不足で入学した学生は、医師国家試験になかなか合格できずに、大量の国試浪人や留学生を生み出してしまった、ということである。

 このコラムを書くにあたって参考にした文献やURLについては、最後に記した参考文献欄に記載した。

目  次  
 1.医師国家試験の状況(1990年まで)
  (1) 合格率の推移
  (2) 医師国家試験受験者数の推移
  (3) 増加する受験者数と低下する合格率
 2.大学グループ別・区分別 医師国家試験の状況(1979年~1981年)
  (1) 既設・新設別 合格率の推移:
  (2) 新設医科大学の国立・私立別合格率の推移:
  (3) 既設・新設別 受験者数の推移
  (4) 新設医科大学の国立・私立別受験者数の推移:
  (5) 既設・新設別 春と秋の受験者数の差と比率の推移
 3.大学別医師国家試験の状況(1979年~1981年)
  3-1.大学別医師国家試験 春と秋の結果から(1979年~1981年)
  3-2.大学別医師国家試験 春と秋の統合(1979年~1981年)
  (1)1979年 春と秋の医師国家試験の統合
  (2)1980年 春と秋の医師国家試験の統合
  (3)1981年 春と秋の医師国家試験の統合
  (4)1979年~1981年 3年間の統合結果
 4.国試浪人の状況(1950年~1984年)
  (1)国試浪人数の推移(1950年~1984年)
  (2)既設・新設別 国試浪人の状況(1979年~1981年):
  (3)新設医科大学の国立・私立別 国試浪人の状況(1979年~1981年)
  (4)国試浪人数ワースト10(1979年~1981年の平均値)
  (5)国試浪人率ワースト10(1979年~1981年の平均値)
  (6)新設医科大学 国試浪人の状況(1979年~1981年)
 5.医科大学の留年者について:1975年の入学者データから
  (1)留年者の全体人数と既設・新設別人数(1981年の状況): 
  (2)新設医科大学の国立・私立別留年者の状況
  (3)1975年入学者 留年者ワースト10
  (4)1975年入学 新設医科大学の留年者の状況
 6.新設医科大学: 国試浪人率と留年率の比較から
 7.80年代の私立新設医科大学の問題点
 8.最後に


1.医師国家試験の状況(1990年まで)

 1946年秋から始まった医師国家試験の合格率について、1990年までの推移を眺める事で、1970年代に新設された医科大学(または、大学医学部)が与えた影響を分析してみよう。前回の分析で述べたように、医科大学(または、大学医学部)の入学定員は1965年以降増加し、1981年にピークに達した。増加した入学者が医師国家試験に登場するのは、6年後の1971年からである。

 注: 1946年秋から2013年までの医師国家試験の詳細データについては、このコラムの最後部にまとめました。右をクリック: 医師国家試験データ

(1)合格率の推移

 1946年秋から1990年までの医師国家試験の合格率の推移を下の図1-1に示す。

図1-1 医師国家試験 合格率の推移(1990年まで)

 医師国家試験は、1947年から1984年までは、1968年を除き毎年、春(3月~5月の間)と秋(9月~11月の間)の2回行われた。1968年は前年に起きたボイコット騒動のあおりでに医師国家試験が3回(3月、6月、10月)行われた。3月と6月の結果は1968年の春としたので、1968年の春が2回現れ、1968年秋のデータが1回抜けているのはこのためである。
 また、1985年からは医師国家試験は春の1回だけになった。このため、1985年以降、秋のデータはなくなった。

 前回のコラム(173.医科大学の系譜(2):戦後編(1))でも述べたように、占領時代の混乱期(1946年~1949年)と、ボイコット騒動で受験者が激変した時期(1967年と1968年)を除けば、春の合格率が、秋の合格率を大きく上回っている。秋の試験は、春の試験に落ちた人の再挑戦という意味合いが強く、合格率が低くなっているのだ。ちなみに、1950年から1984年までで、1967年と1968年を除いて、春の最高合格率と最低合格率は、および、その該当年の秋の合格率は以下の通りである。
  ⅰ)春の最高合格率は、1964年の98.17%、その年の秋の合格率は71.11%で結構高くなっている。
  ⅱ)春の最低合格率は、1982年の71.42%、その年の秋の合格率は52.84%で、1978年の秋以降、5割を上回ったのはこの年だけである。
 春の合格率の推移をみると、1959年(94.87%)から1972年(93.76%)までは常に90%を超えていたが、1973年(88.90%)からは9割を割り込んで年々低下し、1982年(71.42%)には7割ギリギリまで下ってしまった。1983年以降の合格率は、80%の半ばでほぼ横ばいで推移している。
 1973年以降、春の合格率が年々低下したのは、この頃から、医科大学(または、大学医学部)の入学定員が増加していった事と関係しているように思える。そして、その後、新設医科大学からの卒業生が徐々に医師国家試験を受験するようになり、受験者数が増えるにつれて、合格率も低下していった。

 新設医科大学からの卒業生が徐々に医師国家試験を受験するようになり、受験者数が増えていった状況を次項で眺めてみよう。

(2)医師国家試験受験者数の推移

 1946年秋から1990年までの医師国家試験の受験者数の推移を下の図1-2に示す。

図1-2 医師国家試験 受験者数の推移(1990年まで)

 1985年以降、秋の受験者数が表示されていないのは、この年から、医師国家試験が春の1回のみとなり、秋の試験が廃止されたからである。
 1968年が2回表示されているが、そのうちの最初の秋の受験者数はゼロとなっている。これは、前述のごとく、1968年には医師国家試験が3回(3月、6月、10月)行われ、3月と6月の結果を1968年の春として、9月の結果のみを秋としたためである。

 1953年から1966年まで、春も秋も受験者数は、やや減少気味ながら、ほぼ横ばいで推移している事がわかる。(春の受験者数は、1953年の3,447人から1966年の3,096人まで、そして、秋の受験者数は、1953年の377人から1966年の76人まで)。
 1967年・1968年と2年続けて受験者数が激変した後、1969年から徐々に受験者数が増えていった。入学定員が増えたのは1960年代半ばからであり、彼らが、卒業する6年後から、当然ながら受験者数が増えていった。
 受験者数が大幅に増えだすのは、新設医科大学から卒業生が出始める1976年からである。そして、年2回の試験が行われた最終年の1984年まで、年々増加を続けた。この受験者数の増加と、合格率の低下とは微妙に一致している。

 受験者数の増加と、合格率の低下が関連しているかどうかを、次項で眺めてみよう。


(3)増加する受験者数と低下する合格率

 1970年から1984年までの受験者数と合格率の推移を、春と秋に分けて下の図1-3に図示する。そして、医師国家試験春の状況を下の図1-3-1に、医師国家試験秋の状況を下の図1-3-2に示す。
 受験者数は黒の実線で目盛は左側、合格率は赤の実線で目盛は右側である。 

図1-3 1970年から1984年 受験者数と合格率
図1-3-1 春の状況 図1-3-2 秋の状況

 図1-3-1を見て欲しい。春に行われた医師国家試験の受験者数と合格率である。受験者数は1970年の3,247人から、1984年の9,105人まで、ほぼ直線状で増加しており、15年間で2.80倍に増えた。一方、合格率は、1970年の97.91%から1974年の82.24%まで一気に下落した後、1980年の80.38%までは80%前後で横ばい気味に推移した。その後、1982年の71.42%まで急落した後、上昇に転じて、1985年には85.99%まで回復した。つまり、春の状況をみると、1970年から1982年までは、受験者数の増加は合格率の低下を招いたが、1983年と1984年には、受験者数の増加と合格率を上昇させた、と言える。
 秋の医師国家試験の受験者数と合格率については図1-3-2に示した。これを見ると、1970年の628人から、1982年の2,729人まで、若干の凹凸はあるものの、ほぼ直線状で増加し、13年間で4.35倍に激増した。その後、1983年には1,718人に急減し、翌年も1,717人となった。一方、合格率を見ると、1970年の89.49%から1974年の46.83%まで急落している。その後、1977年までは50%強で横ばい状に推移したが、1978年1979年と連続して急落し、29.19%で底を打った。そして1980年から1984年までは受験者数の増減と同じテンポで上昇と降下を繰り返した。つまり、秋の状況をみると、1970年から1979年までは、受験者数の増加は合格率の低下を招いたが、1980年から1984年までは、受験者数の増減と合格率を上下が同期している、と言える。
 このようにみてゆくと、1970年代初頭は、受験者数が増えるとともに、合格率は低下していったが、1970年代半ばにはほぼ横ばい、そして、1970年代末にかけて再び低下していった、という事がわかる。

 新設私立医科大学の卒業生が医師国家試験に初めて登場したのは1976年であり、産業医科大学以外の15校がそろうのは1980年である。新設私立医科大学の卒業生が、医師国家試験合格率の低下と関連している可能性があるので、そのあたりを次項以下で分析してみよう。

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2.大学グループ別・区分別医師国家試験の状況(1979年~1981年)

 参考文献8に1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験結果について、大学別の受験者数・合格者数・合格率のデータが出ているので、それを基に、大学別の医師国家試験の状況を分析し、合格率低下の原因がどこにあるのかを探ってみる。その手始めとして、ここでは、大学をグループ別・区分別に分類して分析する。

 注: 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の詳細データについては、このコラムの最後部にまとめました。右をクリック: 大学別医師国家試験データ

(1)既設・新設別 合格率の推移

図2-1 既設・新設別合格率
図2-1-1 春の結果 図2-1-2 秋の結果

 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の結果を、既設大学(1960年代までに設置された大学)46校と、新設大学(1970年代に設置された大学)とに分けて、合格率の推移を見てみよう。1校当りの平均値で比較した推移を右の図2-1に示す。(「既設」は44校の平均だが、「新設」は、1979年は17校、1980年は23校、1981年は24校の平均である)。
 1979年~1981年の医師国家試験は、毎年、春と秋の2回行われたが、合格率や受験者数は春と秋では大きく異なっている。そこで、春と秋とを別々に分けて、その結果を見てゆくことにする。
 ⅰ)春の結果は、右の図2-1-1
に、そして、秋の結果は、右の図2-1-2に示す。
 ⅱ)黒の実線は、既設医科大学の結果を示し、赤の実線は、新設医科大学の結果を示す。

 図2-1-1と図2-1-2をみればわかるように、新設医科大学の合格率は、春・秋ともに、既設大学を下回っている。既設と新設には、春は6~9%くらい、秋は7~15%くらいの大きな開きがある。
 つまり、合格率が低下していったのは、新設医科大学の卒業生が医師国家試験に参加してきたからである、と言える。この時代、新設医科大学の学生の学力は、既設大学と比べて、明らかに劣っていた、という事である。
 ところで、既設大学の数は、前述のごとく、46校だが、新設大学の数は、各年度ごとに以下のように少しずつ増えていった。
  ⅰ)1979年: 17校(国立4校、私立13校)
  ⅱ)1980年: 23校(国立8校、私立15校)
  ⅲ)1981年: 24校(国立9校、私立15校)

 新設医科大学には国立と私立があるが、この両者には明らかに学力の差がみられる。そのあたりを次項で分析してみよう。

(2)新設医科大学の国立・私立別 合格率の推移

 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の結果を、新設医科大学(1970年代に設置された大学)の国立・私立別に分けて、それぞれの合格率の推移を右下の図2-2に示す。春と秋で合格率に大きな違いがあるので、春と秋とを別々に分けて、その結果を見てゆくことにする。
 ⅰ)春の結果は、右下の図2-2-1に、そして、秋の結果は、右下の図2-2-2に示す。
 ⅱ)黒の実線は、私立の新設医科大学の結果を示し、青の実線は、国立の新設医科大学の結果を示す。そして、赤の実線は、その両者の合計、つまり、新設医科大学の結果を再掲して示している。

図2-2 新設 国立・私立別合格率
図2-2-1 春の結果 図2-2-2 秋の結果


 図2-2-1と図2-2-2を眺めればわかるように、国立の新設医科大学の合格率は、私立の新設医科大学の合格率を大きく上回っている。春の結果でみると、両者の差は20%~30%と極めて大きい。秋の結果でも、15%~35%程度の開きがある。
 また、国立の新設医科大学の合格率は、既設医科大学全体の合格率よりも高くなっており、新設医科大学とは言っても、国立の場合には、学力が低いとは言えない。つまり、医師国家試験の合格率が1970年代半ば以降低下していったのは、私立の新設医科大学の卒業生が受験するようになったからである、と言える。
 秋の結果で特に顕著に表れているが、合計の合格率はほとんど私立の合格率と同じである。これは、秋の受験者数を見た場合、私立の新設医科大学の受験者数が圧倒的に多いためである。

 そこで、受験者数はどうなっているのか、次項で分析してみよう。


(3)既設・新設別 受験者数の推移

 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験について、既設46校の医科大学の受験者数と、1970年代に新設された医科大学からの受験者数との推移を右下の図2-3に示す。
 春と秋との受験者数には大きな相違があるので、春と秋とを別々に図示する。春の結果は、図2-3-1に、そして、秋の結果は、図2-3-2にそれぞれ示す。前にも述べたが、春の受験者は3月末で卒業した(または卒業見込みの)学生と昨年までに卒業したが、医師国家試験に合格していない学生が受験するため、ほとんどの有資格者が受験する事となる。一方、秋には、春の受験で不合格だった学生と、春には卒業できなかったが、その後、卒業できた学生、及び、昨年までに卒業したが、医師国家試験に合格できず、春にも受験しなかった学生が、受験するわけであり、春に比べるとぐっと少なくなる。
 ⅰ)合計値は実線、その目盛は左側で、そして、1校当りのデータは点線、その目盛は右側で示している。
 ⅱ)既設医科大学は黒で、そして、新設医科大学は赤で示している。
 ⅲ)したがって、既設医科大学(46校)からの受験者数の合計値は黒の実線、その目盛は左側で、そして、1校当りの受験者数は黒の点線、その目盛は右側で示している。

図2-3 既設・新設別 受験者数率
図2-3-1 春の結果 図2-3-2 秋の結果

 ⅳ)また、新設医科大学(1979年は17校、1980年は23校、1981年は24校)からの受験者数の合計値は赤の実線、その目盛は左側で、そして、1校当りの受験者数は赤の点線、その目盛は右側で示している。

 春の結果を見ると、合計値でも、1校当りでも、既設医科大学からの受験者数が、新設医科大学を上回っている。合計値で既設医科大学が多いのは、学校数が数倍多いので当然だが、1校当りでも多いのには下記の理由が考えられる。
  ・ 春の医師国家試験の合格率ランキングが、医科大学の優劣を示す有力なバロメーターとして独り歩きしている、という現実がある。
  ・ このため、開学して間もない新設医科大学は、合格率を少しでも良くするために、3月で卒業する学生数を絞り込み、学業成績があまり思わしくない学生は、秋まで卒業を延期させるのが当たり前のように行われていた。
 ところが、秋の結果を見ると、受験者数の合計値では当然ながら既設医科大学が新設医科大学を上回っているのだが、1校当りの受験者数では、新設医科大学が既設医科大学を上回っている。この理由として、以下の2点が考えられる。
  ⅰ)新設医科大学の春の合格率は、既設医科大学よりも低いので、それだけ、秋に再チャレンジする受験生が増える。
  ⅱ)前項で説明したように、新設医科大学の医場合、学業成績が不振の学生は3月に卒業させないで、秋まで卒業を延期させていた。
 新設医科大学には、国立と私立があって、その両者の合格率には明らかに差があった。そこで、新設医科大学の受験者数についても、国立・私立別にどんな特徴がみられるのか、次項で眺めてみよう。

(4)新設医科大学の国立・私立別 受験者数の推移

 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験について、新設医科大学(1970年代に設置された大学)の国立・私立別に分けて、それぞれの受験者数の推移を右下の図2-4に示す。春と秋で受験者数に大きな違いがあるので、春と秋とを別々に分けて、その結果を見てゆくことにする。  春の結果は、図2-4-1に、そして、秋の結果は、図2-4-2にそれぞれ示す。

図2-4 新設 国立・私立別受験者数
図2-4-1 春の結果 図2-4-2 秋の結果

 ⅰ)合計値は実線、その目盛は左側で、そして、1校当りのデータは点線、その目盛は右側で示している。ただし、国立大学の秋の合計値は極めて少ないので、その目盛は右側である。つまり、図2-4-2においては私立の合計だけが左側の目盛で、後は右側の目盛で示している。
 ⅱ)新設の国立医科大学は黒で、そして、新設の私立医科大学は赤で示している。
 ⅲ)従って、新設の国立医科大学については、受験者数合計値は、黒の実線で示し、目盛は春の場合(図2-4-1)には左側、秋の場合(図2-4-2)には右側で示している。また、1校当りの受験者数は、黒の点線で示し、目盛は右側で示している。

 ⅳ)また、新設の私立医科大学については、受験者数合計値は、赤の実線で示し、目盛は右側の目盛で示している。


 春の受験者数を見ると、合計値でも、1校当りでも新設の私立医科大学の方が、新設の国立医科大学を上回っている。
 そして、秋の受験者数でも、同じである(私立医科大学のほうが、受験者数の合計値でも、1校当りでも、国立医科大学を上回っている)。
 ただ、1校当りの受験者数を見ると、私立医科大学の受験者数が国立医科大学を大きく上回っている。この事から、以下の推測ができる。
  ・ 新設の私立医科大学の場合、春の合格率が低いので、秋に再挑戦する卒業生が多い。
  ・ 春の卒業生を絞り込んで、秋まで卒業を延期させていた学生がかなりいる、と思われる。

 受験者数について、新設医科大学と既設医科大学のグループ毎に、合計値と1校当りの値について、春と秋と別々に分析したが、次項では、1校当りの受験者数について、春と秋との差と比率を分析してみよう。


(5)既設・新設別 春と秋の受験者数の差と比率の推移

 前項までの分析で、既設医科大学と新設医科大学の1校当り受験者数を春と秋とで比べた場合、秋には新設医科大学のほうがかなり多いという事がわかった。そこで、受験者数の春と秋の違いを見るために、両者の差と比率を眺めてみよう。
 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験で、既設46校の医科大学と、1970年代に新設された医科大学について、春と秋の受験者数の差と比率の推移を右下の図2-5に示す。(1校当りの数字は、「既設」は44校の平均だが、「新設」は、1979年は17校、1980年は23校、1981年は24校の平均である)。

図2-5 既設新設別 春と秋の受験者数の差と比率

 ⅰ)既設差 = 「春の値」-「秋の値」 (既設医科大学の1校当り受験者数での引算)。黒の実線と左側の目盛で示す。
 ⅱ)新設差 = 「春の値」-「秋の値」 (新設医科大学の1校当り受験者数での引算)。赤の実線と左側の目盛で示す。
 ⅲ)既設比率(%) = (「秋の値」/「春の値」)X100  (既設医科大学の1校当り受験者数での割算)。黒の点線と右側の目盛で示す。

 ⅳ)新設比率(%) = (「秋の値」/「春の値」)X100  (新設医科大学の1校当り受験者数での割算)。赤の点線と右側の目盛で示す。
 
 1校当りの受験者数の春と秋の差を比べると、既設医科大学の方が新設医科大学より大きい。既設医科大学の場合には春と秋の差は90人前後であるが、新設医科大学の場合には春と秋の差は65人前後となっている。
 しかし、1校当りの受験者数の春と秋の比率を比べると、差の場合とは逆に、既設医科大学の方が新設医科大学より小さい。既設大学の場合には、秋の受験者数は春の受験者数の20%強であるが、新設大学の場合には、秋の受験者数は春の受験者数の35%前後である。
 つまり、既設大学の場合には、春の試験の合格率が高いので、秋の受験者数はそれだけ少なくなる。それに対し、新設医科大学の場合には、春の試験の合格率が既設医科大学に比して低いので、秋の受験者数もそれだけ多くなる、という事である。その他に、新設の私立大学の中には、春の試験の合格率を良くするために、学業があるレベルに達していない学生を3月に卒業させないで、秋に卒業させる、というような細工まで行っているようなので、ますます、秋のス権者数が増える、という事になっている。

 新設医科大学でも、医師国家試験合格率の高い大学もあるし、既設の医科大学でも、医師国家試験合格率の低いい大学もある。次項で、大学別医師国家試験の状況を分析し、私立の新設医科大学を中心に大学別の医師国家試験の合格率を眺めてみよう。

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3.大学別医師国家試験の状況(1979年~1981年)

 ここまで、第1項で、1970年代に入ってから春と秋の医師国家試験の合格率が低下していったが、その原因の一つとして受験者数の増加があり、その背景として、医科大学(または、大学医学部)の新設と、既設医科大学(または、大学医学部)の入学定員増加がある事を見てきた。
 そして、第2項で、1979年~1981年の大学別データに基づいて、大学グループ別・区分別の状況を分析した。その結果、新設医科大学グループの合格率が、既設大学グループと比べて明らかに低い事、さらに、新設医科大学の中でも私立大学グループが国立大学グループよりも低い、と言う状況をみてきた。

 そこで、ここでは、1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の結果について、大学別の状況を眺めてみよう。
 春と秋を別々に分析し、次に、春と秋を統合してその年の状況を分析する事とするが、分析が細部にわたりすぎるので、ここでは、各年ごとに統合した結果のみを扱う事とする。1979年~1980年までの、春と秋、別々に分析した時の、状況については右をクリックしてください: 「1979年~1981年 医師国家試験詳細分析」

 年間を統合した結果の分析に入る前に、春と秋を別々に分析した結果の要約だけを3-1項にまとめる。

3-1.大学別医師国家試験 春と秋の結果から

 医師国家試験が春と秋の2回行われた時代、まず春の試験が脚光を浴びており、各大学の実力を評価するような面があった。そのために、大学によっては、合格率を少しでも良くしようと、学業成績の思わしくない学生の卒業延期とか、留年とかいろんなテクニックを駆使する場合ももあった、と言われている。
 それに対し、秋の試験は、春に落ちた人の再挑戦、および、春に卒業できなかった学生のための試験、と言った色彩があり、合格率は春に比べて大きく落ち込んでいた。


(1)1979年~1981年 春の医師国家試験から

 春の医師国家試験に関する大学別の分析から、その結果、以下の事が見えてきた。

 新設医科大学は、合格率の高いグループと低いグループに明らかに二極化されている。
 合格率の高い私立の新設医科大学としては「自治医科大学」が常にベスト10に入っていて、一頭地を抜いている。
 新設医科大学の中で合格率の高いのは、「自治医科大学」を除けばほとんど国立大学(「筑波大学」、「宮崎大学」、「防衛医科大学校」、「浜松医科大学」)である。ただし、これらの国立大学の中には、留年生(または、中退生)が多数いると思える大学(「宮崎大学」、「防衛医科大学校」)があるが、その実態は項を改めて分析したい。
 合格率の低い新設医科大学は、すべて、私立であり、その中でも「愛知医科大学」、「杏林大学」、「金沢医科大学」の3校は、3年間連続してワースト10に名を連ねている。
 合格率の低い私立新設医科大学の中には、留年生もさることながら、相当数の「国試浪人」があると思われる大学がみられる。とくに、「聖マリアンナ医科大学」、「杏林大学」、「金沢医科大学」の3校では、その数が極めて多いと思われるが、こうした状況は、項を改めて分析したい。

(2)1979年~1981年 秋の医師国家試験から

 秋の試験の受験者は、何度も繰り返しになるが、春の試験の不合格者が中心であり、そこに、春には卒業できなかったが秋にようやく卒業できた学生が加わる、というパターンがほとんどである。このため、秋の合格率が春よりも低くなるのは当然と言える。
 秋の試験においても、新設医科大学の中では私立大学グループが国立大学グループよりも合格率が低い。
 そのほかに、以下の事が見えてきた。
  ⅰ)新設医科大学は、合格率の高いグループと低いグループに明らかに二極化されている。ただし、高いとはいっても、常にベスト10に入るほど高い大学はない。
  ⅱ)一方、合格率の低い新設医科大学の中で、私立の「愛知医科大学」と「杏林大学」の2校は、3年間連続してワースト10に名を連ねている。
  ⅴ)合格率の低い私立新設医科大学の中には、留年生もさることながら、相当数の「国試浪人」があると思われる大学がみられる。とくに、「愛知医科大学」、「聖マリアンナ医科大学」、「杏林大学」、「金沢医科大学」、「兵庫医科大学」の5校
では、秋の試験の受験者数がかなり多いにもかかわらず合格率が低いので、「国試浪人」の数が極めて多いと思われるが、こうした状況は、項を改めて分析したい。

3-2.大学別医師国家試験 春と秋の統合(1979年~1981年)

 ここで、1979年~1981年の春と秋の試験を個々に眺めるのではなく、各大学毎に春と秋の結果を統合し、3年間の統合結果を眺めてみよう。そして、その後で新設大学の状況を眺める事とする。

(1)1979年春と秋の医師国家試験の統合結果

 1979年春と秋の試験に受験生を送り出した医科大学は63校であるが、そ63校での、春と秋の試験結果を統合してベスト10とワースト10の大学、並びに、新設医科大学の状況を眺めてみよう。

(1-1)ベスト10とワースト10

 1979年春と秋の試験について、両者を統合した結果のベスト10の大学とワースト10の大学を以下に示す。
 春と秋を1年間で統合する場合、合格者数は、春と秋の合格者数を足し合わせたが、受験者数については、以下の計算式で算出した。
  1年間の受験者数 = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - 春の試験の不合格者数
              = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - (春の受験者数 - 春の合格者数)
              = 秋の受験者数 + 春の合格者数
 (この式は、春の試験の不合格者は、全員、秋に再挑戦する、ということを前提としている)
 表のベスト順位は、“B1”、“B2”、・・・のように記し、ワースト順位は、“W1”、“W2”、・・・のように記した。

表3-3-1-1 1979年 統合結果 ベスト10 表3-3-1-2 1979年 統合結果 ワースト10
ベスト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
B1 東京医科歯科大学 国立 新八 79 77 97.5%
B2 自治医科大学 私立 新設 101 98 97.0%
B3 旭川医科大学 国立 新設 78 75 96.2%
B4 秋田大学 国立 新設 96 92 95.8%
B5 横浜市立大学 公立 旧制医専 64 61 95.3%
B6 徳島大学 国立 新八 117 111 94.9%
B7 群馬大学 国立 新八 109 103 94.5%
B8 東京大学 国立 旧七帝大 110 103 93.6%
B9 九州大学 国立 旧七帝大 109 102 93.6%
B10 慶應義塾大学 私立 御三家 108 101 93.5%
ワースト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
W1 杏林大学 私立 新設 158 75 47.5%
W2 帝京大学 私立 新設 116 70 60.3%
W3 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 97 60 61.9%
W4 金沢医科大学 私立 新設 116 75 64.7%
W5 愛知医科大学 私立 新設 100 65 65.0%
W6 獨協医科大学 私立 新設 97 67 69.1%
W7 東京医科大学 私立 旧制医専 151 105 69.5%
W8 岩手医科大学 私立 旧制医専 134 94 70.1%
W9 埼玉医科大学 私立 新設 94 68 72.3%
W10 北里大学 私立 新設 153 111 72.5%

 ベスト10の表(上の左)と、ワースト10の表(上の右)を見比べるといくつかの特徴がみてとれる。

 ベスト10には新設医科大学が3校ランクインしているが、私立は1校(自治医科大学)、国立は2校(旭川医科大学と秋田大学)である。なお、ベスト10の10校を区分別にみると、国立が7校でダントツの多さであり、私立は2校、公立は1校となっている。
 一方、ワースト10に含まれている新設大学は7校で、すべて私立大学である。また、区分別では10校すべてが私立であり、私立の、そして新設医科大学の合格率の低さが際立っている。
 ワースト10の中には受験者数が150名を超える大学が3校ある。そのうちの2校は、私立の新設医科大学である。ワーストトップの「杏林大学」は158名が受験して、合格したのは半分にも満たない75名(47.5%)。

(1-2)新設医科大学の状況

 1979年の医師国家試験では、受験生を送り出した新設医科大学は、17校(国立4校、私立13校)である。その17校の春と秋の結果を統合した状況を以下の表に示す。表の順序は、合格率の高い順に並べてある。

表3-3-1-3 1979年 統合結果 新設医科大学の状況
連番 ベス
ト順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
1 B2 W62 自治医科大学 私立 101 98 97.0%
2 B3 W61 旭川医科大学 国立 78 75 96.2%
3 B4 W60 秋田大学 国立 96 92 95.8%
4 B11 W53 愛媛大学 国立 87 81 93.1%
5 B32 W32 山形大学 国立 90 77 85.6%
6 B35 W29 川崎医科大学 私立 131 111 84.7%
7 B40 W24 藤田保健衛生大学 私立 109 90 82.6%
8 B41 W23 福岡大学 私立 91 75 82.4%
9 B49 W15 兵庫医科大学 私立 128 100 78.1%
連番 ベス
ト順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
10 B54 W10 北里大学 私立 153 111 72.5%
11 B55 W9 埼玉医科大学 私立 94 68 72.3%
12 B58 W6 獨協医科大学 私立 97 67 69.1%
13 B59 W5 愛知医科大学 私立 100 65 65.0%
14 B60 W4 金沢医科大学 私立 116 75 64.7%
15 B61 W3 聖マリアンナ医科大学 私立 97 60 61.9%
16 B62 W2 帝京大学 私立 116 70 60.3%
17 B63 W1 杏林大学 私立 158 75 47.5%

 医師国家試験に受験生を送り出した医科大学は全体で63校であり、ベスト順位で32位がちょうど真ん中となる。その真ん中にいるのは、新設医科大学の上から5番目で国立の山形大学。つまり、新設医科大学17校のうち、ベスト順位で真ん中より上はたったの4校、そして、その3倍の12校が真ん中寄り下だった。
 私立の自治医科大学だけが新設医科大学17校のトップだが、他の12校の私立はすべて真ん中より下位である。国立4校と私立12校では、上下に大きく2極化した、という事である。
 ③なお、新設医科大学では合格率トップの自治医科大学は、私立とは言っても、自治省(現:総務省)と都道府県とが共同で運営している大学であり、実質的には国立(あるいは公立)というべき学校であり、こういった事を考慮に入れると、私立の新設医科大学の場合には、合格率が低い学校ばかりである、と言えるであろう。

(2)1980年春と秋の医師国家試験の統合結果

 1980年春と秋の試験では、受験生を送り出した新設医科大学が、前年より6校(国立4校、私立2校)増えたので、全体では69校となった。その69校について、春と秋の試験結果を統合してベスト10とワースト10の大学、並びに、新設医科大学の状況を眺めてみよう。

(2-1)ベスト10とワースト10

 1980年春と秋の試験について、両者を統合した結果のベスト10の大学とワースト10の大学を以下に示す。
 春と秋を1年間で統合する場合、合格者数は、春と秋の合格者数を足し合わせたが、受験者数については、以下の計算式で算出した。
  1年間の受験者数 = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - 春の試験の不合格者数
              = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - (春の受験者数 - 春の合格者数)
              = 秋の受験者数 + 春の合格者数
 (この式は、春の試験の不合格者は、全員、秋に再挑戦する、ということを前提としている)
 表のベスト順位は、“B1”、“B2”、・・・のように記し、ワースト順位は、“W1”、“W2”、・・・のように記した。
 ワースト10の表の学校名欄の背景色が橙色になっている7校は、前年(1979年)に引き続いてワースト10にランキングされた学校である。

表3-3-2-1 1980年 統合結果 ベスト10 表3-3-2-2 1980年 統合結果 ワースト10
ベスト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
B1 防衛医科大学校
国立 新設 40 40 100.0%
B2 川崎医科大学 私立 新設 106 105 99.1%
B3 筑波大学 国立 新設 84 83 98.8%
B4 宮崎大学 国立 新設 72 71 98.6%
B5 群馬大学 国立 新八 109 107 98.2%
B6 浜松医科大学 国立 新設 82 80 97.6%
B7 東京医科歯科大学 国立 新八 81 79 97.5%
B8 三重大学 国立 旧制医専 107 104 97.2%
B9 広島大学 国立 旧制医専 127 122 96.1%
B10 金沢大学 国立 旧六 125 120 96.0%
ワースト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
W1 金沢医科大学 私立 新設 157 91 58.0%
W2 愛知医科大学 私立 新設 136 85 62.5%
W3 杏林大学 私立 新設 179 112 62.6%
W4 帝京大学 私立 新設 127 82 64.6%
W5 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 131 86 65.6%
W6 兵庫医科大学 私立 新設 134 95 70.9%
W7 埼玉医科大学 私立 新設 109 78 71.6%
W8 東邦大学 私立 旧制医専 123 89 72.4%
W9 日本医科大学 私立 御三家 150 109 72.7%
W10 北里大学 私立 新設 155 116 74.8%

 1979年のベスト10・ワースト10と、1980年のベスト10・ワースト10を見比べるといくつかの特徴がみてとれる。

 新設医科大学の中でベスト10にランクインしたのは、5校だが、いずれも前年(1979年)にはランクインしていなかった。このうち、国立の4校は、すべて1980年から初めて受験生を送り出した学校である。残りの1校は私立である。なお、ベスト10を区分別にみると、9校が国立で、1校が私立である。
 一方、ワースト10の10校はすべて私立で、そのうち8校は新設医科大学であるが、そのうちの右記した7校は前年(1979年)に引き続いてワースト10にランキングされた: 埼玉医科大学、北里大学、杏林大学、帝京大学、聖マリアンナ医科大学、金沢医科大学、愛知医科大学。
 今年(1980年)のベスト10とワースト10の一覧表を見ると、新設医科大学が、どちらにも半数以上顔を出している。つまり、新設医科大学と言っても、医師国家試験合格率の面では、完全に二極化している、という事である。より単純化すれば、国立の場合は合格率は高いが、私立の場合には極め低い大学が多い、と言える。
 ④ワースト10にランキングされている大学の受験者数をみると、3校が150人を超えており、その3校はいずれも私立の新設医科大学である。とくに、杏林大学と北里大学の2校は前年に続いての150人超えである。合格率が悪ければ、それだけ「国試浪人」が増え、結果として受験者数が増える、という事になってしまうわけである。

(2-2)新設医科大学の状況

 1980年の医師国家試験では、受験生を送り出した新設医科大学は、前年より6校(国立4校、私立2校)増えて、23校(国立8校、私立15校)である。その23校の春と秋の結果を統合した状況を以下の表に示す。表の順序は、合格率の高い順に並べてある。
 下表でコラム欄を水色になっている6校は、今年(1980年)から医師国家試験に受験生を送りはじめた大学である。

表3-3-2-3 1980年 新設医科大学の状況
連番 ベスト
順位
ワース
ト順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
1 B1 W69 防衛医科大学校 国立 40 40 100.0%
2 B2 W68 川崎医科大学 私立 106 105 99.1%
3 B3 W67 筑波大学 国立 84 83 98.8%
4 B4 W66 宮崎大学 国立 72 71 98.6%
5 B6 W64 浜松医科大学 国立 82 80 97.6%
6 B11 W59 旭川医科大学 国立 90 86 95.6%
7 B16 W54 自治医科大学 私立 115 109 94.8%
8 B17 W53 秋田大学 国立 85 80 94.1%
9 B21 W49 東海大学 私立 62 58 93.5%
10 B34 W36 愛媛大学 国立 86 77 89.5%
11 B36 W34 山形大学 国立 104 93 89.4%
12 B42 W28 福岡大学 私立 105 90 85.7%
連番 ベスト
順位
ワース
ト順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
13 B55 W15 獨協医科大学 私立 123 98 79.7%
14 B57 W13 近畿大学 私立 88 69 78.4%
15 B58 W12 藤田保健衛生大学 私立 138 107 77.5%
16 B60 W10 北里大学 私立 155 116 74.8%
17 B63 W7 埼玉医科大学 私立 109 78 71.6%
18 B64 W6 兵庫医科大学 私立 134 95 70.9%
19 B65 W5 聖マリアンナ医科大学 私立 131 86 65.6%
20 B66 W4 帝京大学 私立 127 82 64.6%
21 B67 W3 杏林大学 私立 179 112 62.6%
22 B68 W2 愛知医科大学 私立 136 85 62.5%
23 B69 W1 金沢医科大学 私立 157 91 58.0%

 今年(1980年)から受験生を送り出した6校のうち、国立4校はいずれもベスト6以上であり、極めて好成績である。
 医師国家試験に受験生を送り出した医科大学は全体で69校であり、ベスト順位で35位がちょうど真ん中となる。、新設医科大学23校のうち、ベスト順位で真ん中より上は9校(前年比5校増)、そして、真ん中より下は14校(前年比2校増)だった。
 前年(1979年)は63校中ベスト2位だった「自治医科大学」は、今年はベスト10から外れたが、それでもベスト16位で、真ん中より上位に留まった。そして、前年(1979年)は63校中ベスト35位だった「川崎医科大学」が、今年はベスト2位でベスト10にランクインした。

(3)1981年春と秋の医師国家試験の統合結果

 1981年春と秋の試験では、受験生を送り出した新設医科大学が、前年より国立が1校増えたので、全体では70校となった。その70校について、春と秋の試験結果を統合してベスト10とワースト10の大学、並びに、新設医科大学の状況を眺めてみよう。

(3-1)ベスト10とワースト10

 1981年春と秋の試験について、両者を統合した結果のベスト10の大学とワースト10の大学を以下に示す。
 春と秋を1年間で統合する場合、合格者数は、春と秋の合格者数を足し合わせたが、受験者数については、以下の計算式で算出した。
  1年間の受験者数 = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - 春の試験の不合格者数
              = 春の受験者数 + 秋の受験者数 - (春の受験者数 - 春の合格者数)
              = 秋の受験者数 + 春の合格者数
 (この式は、春の試験の不合格者は、全員、秋に再挑戦する、ということを前提としている)
 表のベスト順位は、“B1”、“B2”、・・・のように記し、ワースト順位は、“W1”、“W2”、・・・のように記した。
 ベスト10の表の学校名欄の背景色が黄色になっている6校は、前年(1980年)に続いてベスト10にランクインした学校である。
 ワースト10の表の学校名欄の背景色が橙色になっている7校は、1979年~1981年まで3年連続してワースト10にランキングされた学校である。

表3-3-3-1 1981年 統合結果 ベスト10 表3-3-3-2 1981年 統合結果 ワースト10
ベスト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率 1975年
入学者
B1 旭川医科大学 国立 新設 93 93 100.0% 100
B2 筑波大学 国立 新設 104 103 99.0% 100
B3 東京医科歯科大学 国立 新八 80 79 98.8% 82
B4 防衛医科大学校 国立 新設 74 73 98.6% 83
B5 浜松医科大学 国立 新設 96 94 97.9% 100
B6 群馬大学 国立 新八 92 90 97.8% 102
B7 自治医科大学 私立 新設 111 108 97.3% 109
B8 宮崎大学 国立 新設 81 78 96.3% 100
B9 秋田大学 国立 新設 91 87 95.6% 92
B10 大阪市立大学 公立 旧制医専 88 84 95.5% 81
ワースト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率 1975年
入学者
W1 愛知医科大学 私立 新設 121 62 51.2% 118
W2 杏林大学 私立 新設 181 94 51.9% 114
W3 金沢医科大学 私立 新設 199 105 52.8% 122
W4 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 156 88 56.4% 124
W5 兵庫医科大学 私立 新設 144 84 58.3% 126
W6 埼玉医科大学 私立 新設 115 73 63.5% 101
W7 北里大学 私立 新設 137 94 68.6% 126
W8 帝京大学 私立 新設 135 97 71.9% 134
W9 昭和大学 私立 旧制医専 171 123 71.9% 128
W10 獨協医科大学 私立 新設 113 83 73.5% 129

 新設医科大学の中でベスト10にランクインしたのは、7校だが、私立は1校のみで、6校は国立である。新設国立6校のうち4校(筑波大学、防衛医科大学校、浜松医科大学、宮崎大学)は、前年に引き続いてのランクインである。なお、ベスト10を区分別にみると、8校が国立で、公立と私立が1校ずつである。
 一方、ワースト10の10校はすべて私立で、そのうち9校は新設医科大学であるが、そのうちの右記した7校は1979年から1981年まで3年連続してワースト10にランキングされた: 埼玉医科大学、北里大学、杏林大学、帝京大学、聖マリアンナ医科大学、金沢医科大学、愛知医科大学。
 今年(1980年)のベスト10とワースト10の一覧表を見ると、新設医科大学が、どちらにも半数以上顔を出している。つまり、新設医科大学と言っても、医師国家試験合格率の面では、完全に二極化している、という事である。より単純化すれば、国立の場合は合格率は高いが、私立の場合には極め低い大学が多い、と言える。
 ④ワースト10にランキングされている大学の受験者数をみると、4校が150人を超えており、そのうちの3校はいずれも私立の新設医科大学で、昨年に続いての150人超えである。合格率が悪ければ、それだけ「国試浪人」が増え、結果として受験者数が増える、という事になってしまうわけである。
 「受験者数」と、表の最右端にある「1975年入学者数」とを比べると以下の事が言える。
  ⅰ)「受験者数」>「1975年入学者数」の場合: 1974年以前に入学した学生が、留年(か浪人)しながら再度、受験している。
  ⅱ)「受験者数」=「1975年入学者数」の場合: 1975年の入学者が全員卒業できて受験した可能性がある。
  ⅲ)「受験者数」<「1975年入学者数」の場合: 1975年の入学者の中に留年した学生がいる。
 浪人と留年については項を改めて分析する。

(3-2)新設医科大学の状況

 1981年の医師国家試験では、受験生を送り出した新設医科大学は、前年より国立が1校増えて、24校(国立9校、私立15校)である。その24校の春と秋の結果を統合した状況を以下の表に示す。表の順序は、合格率の高い順に並べてある。
 下表でコラム欄を水色になっている6校は前年(1980年)から、黄色になっている1校は今年(1981年)から、医師国家試験に受験生を送りはじめた大学である。

表3-3-3-3 1981年 新設医科大学の状況
連番 ベスト
順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率 1975年
入学者
1 B1 W70 旭川医科大学 国立 93 93 100.0% 100
2 B2 W69 筑波大学 国立 104 103 99.0% 100
3 B4 W67 防衛医科大学校 国立 74 73 98.6% 83
4 B5 W66 浜松医科大学 国立 96 94 97.9% 100
5 B7 W64 自治医科大学 私立 111 108 97.3% 109
6 B8 W63 宮崎大学 国立 81 78 96.3% 100
7 B9 W62 秋田大学 国立 91 87 95.6% 92
8 B11 W60 川崎医科大学 私立 123 117 95.1% 128
9 B12 W59 滋賀医科大学 国立 81 77 95.1% 100
10 B19 W52 愛媛大学 国立 105 99 94.3% 100
11 B23 W48 東海大学 私立 71 66 93.0% 108
12 B28 W43 山形大学 国立 110 101 91.8% 101
連番 ベスト
順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率 1975年
入学者
13 B45 W26 近畿大学 私立 91 79 86.8% 104
14 B56 W15 福岡大学 私立 134 103 76.9% 120
15 B60 W11 藤田保健衛生大学 私立 141 104 73.8% 124
16 B61 W10 獨協医科大学 私立 113 83 73.5% 129
17 B63 W8 帝京大学 私立 135 97 71.9% 134
18 B64 W7 北里大学 私立 137 94 68.6% 126
19 B65 W6 埼玉医科大学 私立 115 73 63.5% 101
20 B66 W5 兵庫医科大学 私立 144 84 58.3% 126
21 B67 W4 聖マリアンナ医科大学 私立 156 88 56.4% 124
22 B68 W3 金沢医科大学 私立 199 105 52.8% 122
23 B69 W2 杏林大学 私立 181 94 51.9% 114
24 B70 W1 愛知医科大学 私立 121 62 51.2% 118

 医師国家試験に受験生を送り出した医科大学は全体で70校であり、ベスト順位で35位と36位がちょうど真ん中となる。新設医科大学24校のうち、ベスト順位で真ん中より上は12校(前年比3校増)、そして、真ん中より下は12校(前年比2校減)だった。
 国立9校はすべて真ん中より上位であり、真ん中より下位の12校はすべて私立である。
 前年(1980年)は69校中ベスト2位だった「川崎医科大学」が今年は70校中ベスト11位でベスト10から外れたが、前年(1980年)は69校中ベスト16位だった「自治医科大学」が、今年は70校中ベスト7位となってベスト10に復帰した。

(4)1979年~1981年 3年間の春と秋の医師国家試験の統合結果

 今まで分析してきた1979年~1981年の3年間の春と秋の試験結果を統合してベスト10とワースト10の大学、並びに、新設医科大学の状況を眺めてみよう。

(4-1)ベスト10とワースト10

 3年間の結果を統合した結果のベスト10の大学とワースト10の大学を以下に示す。
 3年間の結果を統合する場合、受験者数も合格者数も、1979年~1981年までの結果を合計して算出した。

 表のベスト順位は、“B1”、“B2”、・・・のように記し、ワースト順位は、“W1”、“W2”、・・・のように記した。
 下表でコラム欄を水色になっている4校は1980年から、黄色になっている1校は1981年から、医師国家試験に受験生を送りはじめた大学である。

表3-3-4-1 1979年~1981年 統合結果ベスト10 表3-3-4-2 1979年~1981年 統合結果ワースト10
ベスト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
B1 防衛医科大学校 国立 新設 114 113 99.1%
B2 筑波大学 国立 新設 188 186 98.9%
B3 東京医科歯科大学 国立 新八 240 235 97.9%
B4 浜松医科大学 国立 新設 178 174 97.8%
B5 宮崎大学 国立 新設 153 149 97.4%
B6 旭川医科大学 国立 新設 261 254 97.3%
B7 群馬大学 国立 新八 310 300 96.8%
B8 自治医科大学 私立 新設 327 315 96.3%
B9 秋田大学 国立 新設 272 259 95.2%
B10 滋賀医科大学 国立 新設 81 77 95.1%
ワースト
順位
現在の学校名 区分 グループ 受験
者数
合格
者数
合格率
W1 杏林大学 私立 新設 518 281 54.2%
W2 金沢医科大学 私立 新設 472 271 57.4%
W3 愛知医科大学 私立 新設 357 212 59.4%
W4 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 384 234 60.9%
W5 帝京大学 私立 新設 378 249 65.9%
W6 兵庫医科大学 私立 新設 406 279 68.7%
W7 埼玉医科大学 私立 新設 318 219 68.9%
W8 北里大学 私立 新設 445 321 72.1%
W9 日本医科大学 私立 御三家 478 355 74.3%
W10 獨協医科大学 私立 新設 333 248 74.5%

 1979年~1981年の3年間を統合した結果、ベスト10にランクインしたのは、新設医科大学が8校(国立が7校、私立が1校、新八医科大学が2校である。区分別で言うと、国立が9校、私立が1校となっている。
 一方、ワースト10はすべて私立で、新設医科大学が9校、私立御三家が1校となっている。
 つまり、新設医科大学は、ベストとワーストに二極化しているということであり、そして、ベスト側には国立、ワースト側には私立、という二極化になっている。

(4-2)新設医科大学の状況

 24校ある新設医科大学の3年間の結果を統合した結果を以下の表に示す。表の順序は、合格率の高い順に並べてある。
 3年間の結果を統合する場合、受験者数も合格者数も、1979年~1981年までの結果を合計して算出した。

 下表でコラム欄を水色になっている6校は1980年から、黄色になっている1校は1981年から、医師国家試験に受験生を送りはじめた大学である。

表3-3-4-3 1979年~1981年 統合結果 新設医科大学の状況
連番 ベスト
順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
1 B1 W70 防衛医科大学 国立 114 113 99.1%
2 B2 W69 筑波大学 国立 188 186 98.9%
3 B4 W67 浜松医科大学 国立 178 174 97.8%
4 B5 W66 宮崎大学 国立 153 149 97.4%
5 B6 W65 旭川医科大学 国立 261 254 97.3%
6 B8 W63 自治医科大学 私立 327 315 96.3%
7 B9 W62 秋田大学 国立 272 259 95.2%
8 B10 W61 滋賀医科大学 国立 81 77 95.1%
9 B17 W54 東海大学 私立 133 124 93.2%
10 B20 W51 川崎医科大学 私立 360 333 92.5%
11 B22 W49 愛媛大学 国立 278 257 92.4%
12 B34 W37 山形大学 国立 304 271 89.1%
連番 ベスト
順位
ワースト
順位
現在の学校名 区分 受験
者数
合格
者数
合格率
13 B51 W20 近畿大学 私立 179 148 82.7%
14 B53 W18 福岡大学 私立 330 268 81.2%
15 B56 W15 藤田保健衛生大学 私立 388 301 77.6%
16 B61 W10 獨協医科大学 私立 333 248 74.5%
17 B63 W8 北里大学 私立 445 321 72.1%
18 B64 W7 埼玉医科大学 私立 318 219 68.9%
19 B65 W6 兵庫医科大学 私立 406 279 68.7%
20 B66 W5 帝京大学 私立 378 249 65.9%
21 B67 W4 聖マリアンナ医科大学 私立 384 234 60.9%
22 B68 W3 愛知医科大学 私立 357 212 59.4%
23 B69 W2 金沢医科大学 私立 472 271 57.4%
24 B70 W1 杏林大学 私立 518 281 54.2%

 医師国家試験に受験生を送り出した医科大学は全体で70校であり、ベスト順位で35位と36位がちょうど真ん中となる。新設医科大学24校のうち、ベスト順位で真ん中より上は12校、そして、真ん中より下は12校だった。
 国立9校はすべて真ん中より上位であり、真ん中より下位の12校はすべて私立である。
 私立で、上位に入っているのは、「自治医科大学」、「東海大学」、「川崎医科大学」の3校である。
 ④上位12校のうち5校は1980年から、1校は1981年から、医師国家試験に受験生を送りはじめた大学であり、1974年以降開学した新設医科大学は、1校(近畿大学)を除き、いずれも合格率が上位である。
 1970年に開学した私立の新設医科大学は、「川崎医科大学」が上位校であるが、「杏林大学」はワーストトップであり、「北里大学」もワースト8位でワースト10にランキングされている。
 1971年に開学した私立の新設医科大学は3校だが、「愛知医科大学」はワースト3位、「聖マリアンナ医科大学」はワースト4位、「帝京大学」はワースト5位で、いずれもワースト5にランキングされている。
 1972年に開学した私立の新設医科大学は6校だが、「自治医科大学」を除く5校は、下記のごとく、いずれもワースト20までにランキングされている:
  ・「金沢医科大学」はワースト2位、・「兵庫医科大学」はワースト6位、・「埼玉医科大学」はワースト7位、・「藤田保健衛生医科大学」はワースト15位、・「福岡大学」はワースト18位。
 1973年に開学した私立の新設医科大学は、「獨協医科大学」のみだが、この大学はワースト10位となっている。

 春と秋を別々に分析した場合には、これほどはっきりした結果は出なかったが、春と秋の試験を統合すると、1973年以前に開学した私立の新設医科大学は、「自治医科大学」と「川崎医科大学」の2校を除けば、いずれもワースト20位までにランキングされている。
 その年の医師国家試験の不合格者は、自動的に「国試浪人」になるわけだから、合格率が低い、という事は「国試浪人」が多い、という事になる。そこえ、次項では「国試浪人」の状況を眺めてみよう。


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4.国試浪人の状況

 医師国家試験の状況から、新設医科大学の卒業生が試験を受けるようになって以来、合格率が顕著に低下し、一部の私立新設医科大学の合格率が極めて低い、という状況を眺めてきた。医学部の場合、他の学部と違って、「潰し」がきかない。極論すれば、医師国家試験に合格して医師となるのが唯一の進路であり、それ以外の進路はほぼゼロ、とも言えるであろう。もっとも、私の高校の生物学の先生は、医学部卒業で医師国家試験に合格できなかった経歴だったから、先生に転じるとか言う道もあるにはあるのだろう。しかし、それは露骨に言えば「落伍者」の生きる道、と言わざるを得ず、ほとんどの医学部卒業生は、医師国家試験に合格するまで何度でも試験を受け続ける、事となり、このような状況に置かれた医学部卒業生は「国試浪人」と総称されている。
 ここでは、「国試浪人数=秋の医師国家試験の不合格者数」という前提で、国試浪人の状況を分析する。
 注: 実際には、秋の医師国家試験を受験しない不合格者もいると思われるので、ここで算出された「国試浪人数」は最小値と言えるであろう。

(1)国師浪人数の推移(1950年~1984年)

 図1-1で示すように、1946年秋に始まった医師国家試験は、1949年までは受験者数が不安定だったが、1950年以降はほぼ安定してきたと思える。そこで、1950年から、秋の医師国家試験が廃止となった1984年までの「1年間の受験者数」、国試浪人数」、および、「国試浪人率」の推移を以下の図4-1に示す。
 「国試浪人率」とは、国試浪人数」と「受験者数」の比率である。国試浪人数」は、“1年間の受験者数-その年の合格者数=秋の試験の不合格者数”で代替し、その年の医師国家試験の受験者数としては、前項で用いた春と秋の試験を統合した1年間の受験者数で代替して算出した。したがって、「国試浪人率」=「秋の試験の不合格者数」/「1年間の受験者数」である。

図4-1  国試浪人の状況
表4-1  国試浪人の年別データ
受験者数
(10人)
国試
浪人数
国試
浪人率
1950 736.8 271 3.7%
1951 760.8 183 2.4%
1952 541.2 164 3.0%
1953 346.7 215 6.2%
1954 326.8 156 4.8%
1955 362.5 136 3.8%
1956 358.3 125 3.5%
1957 306.0 128 4.2%
1958 325.7 214 6.6%
受験者数
(10人)
国試
浪人数
国試
浪人率
1959 337.4 114 3.4%
1960 325.8 40 1.2%
1961 330.3 72 2.2%
1962 318.4 76 2.4%
1963 316.1 59 1.9%
1964 315.3 26 0.8%
1965 306.1 27 0.9%
1966 311.1 33 1.1%
1967 308.2 34 1.1%
受験者数
(10人)
国試
浪人数
国試
浪人率
1968 312.0 50 1.6%
1969 344.2 95 2.8%
1970 380.7 66 1.7%
1971 379.2 69 1.8%
1972 419.8 235 5.6%
1973 454.9 403 8.9%
1974 464.6 570 12.3%
1975 475.6 461 9.7%
1976 519.3 550 10.6%
受験者数
(10人)
国試
浪人数
国試
浪人率
1977 554.2 605 10.9%
1978 643.7 875 13.6%
1979 730.3 1,300 17.8%
1980 835.7 1,270 15.2%
1981 863.9 1,386 16.0%
1982 878.4 1,287 14.7%
1983 905.7 1,143 12.6%
1984 954.6 1,097 11.5%


 図4-1、表4-1を概観すると以下の事が言える。

 1959年まで、国試浪人数(秋の試験の不合格者数)は100人を超えており、国師浪人率も、1951年を除いて3%を超えていた。
 その後、1960年から1968年までは、1年間の受験者数は3千人前後で安定しており、国試浪人数は100人を切り、国試浪人率も3%未満で、低位安定していた。つまり、国試浪人は極めて少なく、社会問題になることもあまりなかった。なお、年3回行われた1968年の受験者数は、夏の受験者数が最も多かったので、それを使った。
 1972年以降、受験者数が増えるにしたがって国試浪人数も次第に増えてゆき、とくに、新設医科大学の卒業生が受験するようになった1976年以降その増加傾向は一段と強まった。国試浪人数は、1979年に千人を突破した(1,300人)後、1981年に1,386人でピークとなり、その後緩やかに減少しているが、1984年でもまだ千人を超えている(1,097人)。
 ④一方、国試浪人率は1974年に10%を超えて(12.3%)から、1979年に17.8%でピークとなったが、その後は緩やかに低下している。ただし、1984年でも、11.5%であり10%を大きく上回っている。

 このように国試浪人が急増した背景には、新設医科大学の卒業生が医師国家試験に挑戦するようになったためと思われるが、それを立証するために、次項で既設医科大学と新設医科大学別の状況を眺めてみよう。

(2)既設・新設別 国試浪人の状況(1979年~1981年)

 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の結果から、既設大学(1960年代までに設置された大学)46校と、新設大学(1970年代に設置された大学)とに分けて、国試浪人の推移を見てみよう。1校当りの平均値で比較した推移を下の図4-2に示す。(「既設」は44校の平均だが、「新設」は、1979年は17校、1980年は23校、1981年は24校の平均である)。
 ⅰ)受験者数は右の図4-2-1に、国試浪人数は真ん中の図4-2-2に、そして、国試浪人率は右の図4-2-3に示す。
 ⅱ)黒の実線は、既設医科大学の1校当りの平均値を示し、赤の実線は、新設医科大学の1校当りの平均値を示す。

図4-2 既設・新設別 国試浪人の状況
図4-2-1 受験者数 図4-2-2 国試浪人数 図4-2-3 国試浪人率

 ①受験者数: 既設医科大学の1校当り平均受験者数は120人前後。一方、新設医科大学の1校当り平均受験者数は110人前後で、既設が新設より10人前後多い。
 ②国試浪人数: 既設医科大学の1校当り平均国試浪人数は15人前後。一方、新設医科大学の1校当り平均国試浪人数は25人前後で、既設が新設より10人前後少ない。
 ③国試浪人率: 既設医科大学の1校当り平均国試浪人率は13%前後。一方、新設医科大学の1校当り平均国試浪人率は23%前後で、既設が新設より10%以上少ない。
 ④図4-1によれば、1979年~1981年の国試浪人率は15%~18%の間だったが、上記の分析でわかるように、既設医科大学ではこの値を下回っているが、新設医科大学ではこの値を上回っており、新設医科大学の方が多くの国試浪人を生み出している事がみてとれる。

表4-3 新設医科大学の国立・私立別学校数
 1979年  1980年  1981年
 私 立 4校 8校 9校
 国 立 13校 15校 15校
 新設合計  17校
23校 24校


 新設医科大学と一口でいっても、国立と私立では合格率が大きく異なることを図2-2で見てきたので、国試浪人についても同じことが言えるはずである、それをデータで分析するために次項で、新設医科大学の国立・私立別状況を眺めてみよう。


(3)新設医科大学の国立・私立別 国試浪人の状況(1979年~1981年)



 1979年~1981年の3年間に行われた6回の医師国家試験の結果から、新設医科大学(1970年代に設置された大学)を国立と私立とに分けて、国試浪人の推移を見てみよう。1校当りの平均値で比較した推移を下の図4-3に示す。平均を算出するための学校数は、右上の表4-3の通りである。
 ⅰ)受験者数は右の図4-3-1に、国試浪人数は真ん中の図4-3-2に、そして、国試浪人率は右の図4-3-3に示す。
 ⅱ)黒の実線は、私立の新設医科大学の1校当りの平均値を示し、赤の実線は、国立の新設医科大学の1校当りの平均値を示す。

図4-3 新設医科大学の国立・私立別 国試浪人の状況
図4-3-1 受験者数 図4-3-2 国試浪人数 図4-3-3 国試浪人率

 ①受験者数: 私立の場合、1校当り平均値は1979年の102.1人から1981年の117.5人まで直線状に増えている。一方、国立の場合、80人弱から90人強まで変動している。大まかに言えば、30人弱、私立の方が多い、という結果になっている
 ②国試浪人数: 私立の1校当り平均値は30人強から40人強で極めて多いが、国立の1校当り平均値は6.5人から3.2人へと減少傾向で、極めて少ない。私立と国立の差は、1979年には26人強だったのが、1981年には37人強まで急激に膨らんだ。
 ③国試浪人率: 私立は、30%前後であり、1981年には、春の受験者の3分の1強が浪人になるという惨状である。一方、国立の場合は、1979年の8%弱から1981年の4%弱へと減少しており、図4-1で示される全体の国試浪人率(16.8%)を大きく下回っている。
 ④この分析でわかるように、新設医科大学の中では、私立の成績が圧倒的に悪く、そのため、全体の足を引っ張っている、ということがよくわかった。

 次項では各大学別の国試浪人の状況について、浪人数と浪人率のそれぞれのワースト10を眺めてみよう。

(4)国試浪人数ワースト10(1979年~1981年の平均値)

 1979年~1981年の医師国家試験の大学別データに基づき、国師浪人数の大学別ワースト10を下の表4-4に示す。ワーストの順位は、「1979年~1981年の国試浪人数の平均値」の多い順とした。

表4-4 1979年~1981年 国試浪人数ワースト10
浪人数
順位
浪人率
順位
現在の学校名 区分 グループ 1979 1980 1981 平均
受験
者数
浪人

浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率
W1 W1 杏林大学 私立 新設 158 83 52.5% 179 67 37.4% 181 87 48.1% 172.7 79.0 45.8%
W2 W2 金沢医科大学 私立 新設 116 41 35.3% 157 66 42.0% 199 94 47.2% 157.3 67.0 42.6%
W3 W4 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 97 37 38.1% 131 45 34.4% 156 68 43.6% 128.0 50.0 39.1%
W4 W3 愛知医科大学 私立 新設 100 35 35.0% 136 51 37.5% 121 59 48.8% 119.0 48.3 40.6%
W5 W11 東京医科大学 私立 旧制医専 151 46 30.5% 185 43 23.2% 182 43 23.6% 172.7 44.0 25.5%
W6 W5 帝京大学 私立 新設 116 46 39.7% 127 45 35.4% 135 38 28.1% 126.0 43.0 34.1%
W7 W6 兵庫医科大学 私立 新設 128 28 21.9% 134 39 29.1% 144 60 41.7% 135.3 42.3 31.3%
W8 W8 北里大学 私立 新設 153 42 27.5% 155 39 25.2% 137 43 31.4% 148.3 41.3 27.9%
W8 W13 昭和大学 私立 旧制医専 166 44 26.5% 184 32 17.4% 171 48 28.1% 173.7 41.3 23.8%
W10 W9 日本医科大学 私立 御三家 161 43 26.7% 150 41 27.3% 167 39 23.4% 159.3 41.0 25.7%

 国試浪人数ワースト10の10校を「グループ別」に眺めてみると、新設医科大学が7校と圧倒的多数となっている。2校が「旧制医学専門学校」、そして、1校が「私立御三家」となっている。歴史と格式を誇る(はずの)「私立御三家」の一角を占める「日本医科大学」が、ワースト10位でランキングに名を連ねているのは、驚きと言えば驚きである。
 次に、国試浪人数ワースト10の10校を「区分別」に眺めてみると、すべて「私立」となっている。
 国試浪人数ワーストトップの「杏林大学」の場合、3ヶ年平均で、毎年、172.7人が受験して、そのほぼ半数(45.8%)の79.0人が不合格となって国試浪人になってしまう。国試浪人率でも、ワーストトップである。
 国試浪人数ワースト2位は、「金沢医科大学」。3ヶ年平均で、毎年、157.3人が受験して、その4割を超す(42.6%)67.0人が不合格となって国試浪人になってしまう。国試浪人率でも、ワースト2位である。
 国試浪人数ワースト3位は、「聖マリアンナ医科大学」。3ヶ年平均で、毎年、128.0人が受験して、その4割に迫る(39.1%)50.0人が不合格となって国試浪人になってしまう。国試浪人率では、ワースト4位である。
 国試浪人数ワースト4位は、「愛知医科大学」。3ヶ年平均で、毎年、119.0人が受験して、その4割強(40.6%)の48.3人が不合格となって国試浪人になってしまう。国試浪人率では、ワースト3位である。
 国試浪人数ワースト4の4校は、そのまま国試浪人率ワースト4となっている。この4校は前項で分析した医師国家試験合格率でもワースト4であり、合格率が低い分、それだけ、国試浪人も多くなる、という当然の結果となっている。
 国試浪人数ワースト10の10校のうち、下記の8校は、国試浪人率ワースト10にランキングされている。
   杏林大学、金沢医科大学、聖マリアンナ医科大学、愛知医科大学、帝京大学、兵庫医科大学、北里大学、日本医科大学。

(5)国試浪人率ワースト10(1979年~1981年の平均値)

 1979年~1981年の医師国家試験の大学別データに基づき、国師浪人率の大学別ワースト10を下の表4-5に示す。ワーストの順位は、「1979年~1981年の国試浪人率の平均値」の多い順とした。

表4-5 1979年~1981年 国試浪人率ワースト10
浪人率
順位
浪人数
順位
現在の学校名 区分 グループ 1979 1980 1981 平均
受験
者数
浪人

浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率
W1 W1 杏林大学 私立 新設 158 83 52.5% 179 67 37.4% 181 87 48.1% 172.7 79.0 45.8%
W2 W2 金沢医科大学 私立 新設 116 41 35.3% 157 66 42.0% 199 94 47.2% 157.3 67.0 42.6%
W3 W4 愛知医科大学 私立 新設 100 35 35.0% 136 51 37.5% 121 59 48.8% 119.0 48.3 40.6%
W4 W3 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 97 37 38.1% 131 45 34.4% 156 68 43.6% 128.0 50.0 39.1%
W5 W6 帝京大学 私立 新設 116 46 39.7% 127 45 35.4% 135 38 28.1% 126.0 43.0 34.1%
W6 W7 兵庫医科大学 私立 新設 128 28 21.9% 134 39 29.1% 144 60 41.7% 135.3 42.3 31.3%
W7 W11 埼玉医科大学 私立 新設 94 26 27.7% 109 31 28.4% 115 42 36.5% 106.0 33.0 31.1%
W8 W8 北里大学 私立 新設 153 42 27.5% 155 39 25.2% 137 43 31.4% 148.3 41.3 27.9%
W9 W10 日本医科大学 私立 御三家 161 43 26.7% 150 41 27.3% 167 39 23.4% 159.3 41.0 25.7%
W10 W17 獨協医科大学 私立 新設 97 30 30.9% 123 25 20.3% 113 30 26.5% 111.0 28.3 25.5%

 国試浪人率ワースト10の10校を「グループ別」に眺めてみると、新設医科大学が9校ランキングされており圧倒的多数となっている。9位の1校が「私立御三家」グループに属する「日本医科大学」。日本医科大学は、国試浪人数でも国試浪人率でもワースト10にランキングされており、極めて不本意な事であろうと思われる。
 次に、国試浪人率ワースト10の10校を「区分別」に眺めてみると、すべて「私立」となっている。
 国試浪人数ではワースト10を免れたが、国試浪人率ではワースト10にランキングされたのは、「獨協医科大学」と「埼玉医科大学」の2校であるが、いずれも私立の新設医科大学である。

(6)新設医科大学 国試浪人の状況(1979年~1981年)

 1979年~1981年の医師国家試験の大学別データに基づき、新設医科大学の国試浪人の状況を下の表4-6に示す。表の順位は、「1979年~1981年の国試浪人率の平均値」の多い順とした。

表4-6 1979年~1981年 新設医科大学 国試浪人の状況
連番 浪人率
順位
浪人数
順位
現在の学校名 区分 1979 1980 1981 平均
受験
者数
浪人

浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率 受験
者数
浪人
浪人率
1 W1 W1 杏林大学 私立 158 83 52.5% 179 67 37.4% 181 87 48.1% 172.7 79.0 45.8%
2 W2 W2 金沢医科大学 私立 116 41 35.3% 157 66 42.0% 199 94 47.2% 157.3 67.0 42.6%
3 W3 W4 愛知医科大学 私立 100 35 35.0% 136 51 37.5% 121 59 48.8% 119.0 48.3 40.6%
4 W4 W3 聖マリアンナ医科大学 私立 97 37 38.1% 131 45 34.4% 156 68 43.6% 128.0 50.0 39.1%
5 W5 W6 帝京大学 私立 116 46 39.7% 127 45 35.4% 135 38 28.1% 126.0 43.0 34.1%
6 W6 W7 兵庫医科大学 私立 128 28 21.9% 134 39 29.1% 144 60 41.7% 135.3 42.3 31.3%
7 W7 W11 埼玉医科大学 私立 94 26 27.7% 109 31 28.4% 115 42 36.5% 106.0 33.0 31.1%
8 W8 W8 北里大学 私立 153 42 27.5% 155 39 25.2% 137 43 31.4% 148.3 41.3 27.9%
9 W10 W17 獨協医科大学 私立 97 30 30.9% 123 25 20.3% 113 30 26.5% 111.0 28.3 25.5%
10 W15 W15 藤田保健衛生大学 私立 109 19 17.4% 138 31 22.5% 141 37 26.2% 129.3 29.0 22.4%
11 W18 W22 福岡大学 私立 91 16 17.6% 105 15 14.3% 134 31 23.1% 110.0 20.7 18.8%
12 W20 W29 近畿大学 私立 88 19 21.6% 91 12 13.2% 89.5 15.5 17.3%
13 W35 W39 山形大学 国立 90 13 14.4% 104 11 10.6% 110 9 8.2% 101.3 11.0 10.9%
14 W49 W53 愛媛大学 国立 87 6 6.9% 86 9 10.5% 105 6 5.7% 92.7 7.0 7.6%
15 W50 W46 川崎医科大学 私立 131 20 15.3% 106 1 0.9% 123 6 4.9% 120.0 9.0 7.5%
16 W53 W59 東海大学 私立 62 4 6.5% 71 5 7.0% 66.5 4.5 6.8%
17 W59 W61 滋賀医科大学 国立 81 4 4.9% 81.0 4.0 4.9%
18 W60 W60 秋田大学 国立 96 4 4.2% 85 5 5.9% 91 4 4.4% 90.7 4.3 4.8%
19 W63 W62 自治医科大学 私立 101 3 3.0% 115 6 5.2% 111 3 2.7% 109.0 4.0 3.7%
20 W65 W65 旭川医科大学 国立 78 3 3.8% 90 4 4.4% 93 0 0.0% 87.0 2.3 2.7%
21 W66 W66 宮崎大学 国立 72 1 1.4% 81 3 3.7% 76.5 2.0 2.6%
22 W67 W68 浜松医科大学 国立 82 2 2.4% 96 1 1.0% 59.3 1.5 2.5%
23 W69 W69 筑波大学 国立 84 1 1.2% 104 1 1.0% 94.0 1.0 1.1%
24 W70 W70 防衛医科大学 国立 40 0 0.0% 74 1 1.4% 57.0 0.5 0.9%

 連番1~12の12校の平均浪人率ワースト順位と、連番13~24の平均浪人率ワースト順位には明らかに断絶がある。(連番12の「近畿大学」は平均浪人率17.3%でワースト20位、一方、連番13の「山形大学」(国立)の平均浪人率は10.9%でワースト35位(70校のちょうど真ん中)である。つまり、連番1~12までの12校では、国試浪人が多数いるが、連番13~24までの12校の国試浪人は、70校ある医科大学の平均以下という事である。、
 連番1~12の12校はすべて「私立」であり、新設医科大学の国試浪人が多いのは、「私立」のためである、ということが、こうした個別データからも裏付けされた。
なお、この12校は第3項(4)で分析した医師国家試験合格率でワーストとされた12校とまったく同じである。
 一方、連番20~24の5校はすべて「国立」で、ワースト順位も65位以下であり、逆に言うと、ベスト6位以上である。特に、「防衛医科大学校」と「筑波大学」の2校はベスト2である。
 ④連番1~8までの「私立」8校はワースト8であるのに対し、連番20~24の「国立」5校はベスト6に入っている。この結果から、新設医科大学が「私立」と「国立」で明らかに二極化している事がわかる。
 ただし、「私立」の中でも、「自治医科大学」はベスト7位8でベスト10に入っており、「私立」の中でも抜きんでている。

 多くの私立の新設医科大学にはこのように多数の国試浪人がいる、という事がわかったが、私立の新設医科大学の場合、国試浪人のほかに、留年者が多い、という問題もある。そこで、次項では、「1975年の入学者数」のデータと、1981年の「新卒受験者数」のデータとに基づいて、「留年者」の状況を見てみよう。

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5.医科大学の留年者について:1975年の入学者データから

 新設医科大学の場合、医師国家試験の合格率が低いために、多数の国試浪人が生まれる、という問題のほかに、学力不足からスムースに進級できずに、留年してしまう、という学生が多数出ている。もちろん、既設大学でも、留年生はいるわけだが、その数が極めて多いのだ。そこで、「1975年の入学者数」のデータと、1981年の「新卒受験者数」のデータを用いて、「留年者」の状況を見てみよう。
 「留年者」の算出は、以下の仮定で行ったが、その前提となる各大学毎のデータの詳細は、右をクリックしてください: 
1981年新卒既卒別医師国家試験データ
 1975年入学者の中で1981年春に卒業できず留年した学生数(X): 「1975年入学者数」-「1981年春の新卒受験者数」の値がプラスの場合、その値は、このケースの留年者数の最小値、と考えられる。
 1974年以前に入学した学生の中で1981年春までに卒業できずいまだに留年している学生数(Y): 「1975年入学者数」-「1981年春の新卒受験者数」の値がマイナスの場合、その値は、このケースの留年者数の最小値、と考えられる。

(1)留年者の全体人数と既設・新設別人数について(1981年の状況)

 1981年の留年者の状況を下の図5-1に示す。比較しやすくするために。1校当りの平均値を用いて表示した。

図5-1 1981年 留年者の全体と既設・新設別の状況ータ
図5-1-1 入学者数と受験者数 図5-1-2 留年者数

 1975年入学者数の1校当りの平均値を見ると、70校平均では109.4人、新設医科大学の24校平均では111.0人、既設医科大学の46校平均では108.7人。新設医科大学のほうが既設よりも若干多い。
 それに対し、1981年春の新卒受験者数の1校当りの平均値を見ると、70校平均では98.8人人、新設医科大学の24校平均では86.4人人、既設医科大学の46校平均では105.2人。新設医科大学の新卒受験者数が最小であり、留年者が多数いる事をうかがわせる。
 そこで、「1975年入学者の中で1981年春に卒業できず留年した学生数(X)」の最小値を眺めてみると、70校平均では11.3人、新設医科大学の24校平均では24.6人、既設医科大学の46校平均では4.4人。新設医科大学のほうが圧倒的に多い。
 ④次いで、「1974年以前に入学した学生の中で1981年春までに卒業できずいまだに留年している学生数(Y)」の最小値を眺めてみると、70校平均では2.0人、新設医科大学の24校平均では0.08人、既設医科大学の46校平均では3.0人。新設医科大学の場合、1970年以降の開学であり、1974年以前に開学していた大学が少ないので、当然の事ながら留年者数も少ない。
 上記まででわかるとおり、新設医科大学の留年者数は、既設に比べて圧倒的に多い事がわかる

 新設医科大学と一口でいっても、国立と私立では合格率が大きく異なることを図2-2で見てきたので、留年者についても同じことが言えるはずである、それをデータで分析するために次項で、新設医科大学の留年者について国立・私立別状況を眺めてみよう。

2)新設医科大学の国立・私立別留年者の状況

 1981年の新設医科大学の国立・私立別留年者の状況を下の図5-2に示す。比較しやすくするために。1校当りの平均値を用いて表示した。

5-2 1981年 留年者の新設平均と国立・私立別の状況
図5-2-1 入学者数と受験者数 図5-2-2 留年者数

 1975年入学者数の1校当りの平均値を見ると、新設医科大学の24校平均では111.0人、私立大学の15校平均では119.1人、国立大学の9校平均では97.3人。私立医科大学のほうが20人以上多い。
 それに対し、1981年春の新卒受験者数の1校当りの平均値を見ると、新設医科大学の24校平均では86.4人、私立大学の15校平均では84.1人、国立大学の9校平均では88.1人。私立医科大学のほうが国立よりも4.0人少ない。ここまでの比較で、私立の方が国立よりも留年者が極めて多い、という事が予想される。
 そこで、「1975年入学者の中で1981年春に卒業できず留年した学生数(X)」の最小値を眺めてみると、新設医科大学の24校平均では24.6人、私立大学の15校平均では35.0人、国立大学の9校平均では9.4人。新設医科大学のほうが圧倒的に多い。
 ④一方、「1974年以前に入学した学生の中で1981年春までに卒業できずいまだに留年している学生数(Y)」の最小値を眺めてみると、新設医科大学の24校平均では0.08人、私立大学の15校平均では0.0人、国立大学の9校平均では0.22人。新設医科大学の場合、1974年以前に開学していた大学が少ないので、当然の事ながら国立も私立も留年者数は少ない。
 上記までの分析でわかるとおり、私立の場合、国立に比べると留年者数が圧倒的に多い、という事がみてとれる。

 私立の新設医科大学と一口でいっても、個々の大学によって合格率が大きく異なることを第3項で見てきたので、留年者についても同じことが言えるはずである、それをデータで分析するために次項で、70医科大学すべての留年者について大学別ワースト10の状況を眺めてみよう。

(3)1975年入学者 留年者ワースト10

 1981年の留年者の各大学別ワースト10を下の表5-3に示す。ワーストの順位は、「1975年最小留年率(“X”/“D”)」の多い順とした。「1975年最小留年率」とは、1975年に入学した学生が、1981年春に卒業できずに留年している学生の割合である。
 表の最右欄の「1975年入学者合格率」は、「春の新卒合格者数(B)」を「1975年入学者数(D)]で割ったもので、1975年に入学した学生が、6年後の1981年春の試験でどれくらい合格したかを示している。

表5-3 1981年 留年率ワースト10
順位 現在の学校名 区分 グループ 春の新卒
受験者数
(A0)
春の新卒
合格者数
(B)
合格率
(B/D)
1975年
入学者
数(D)
1975年
留年者数
(最小値)(X)
1974年以前
留年者数
(最小値)
1975年
最小
留年率
1975年
入学者
合格率
W1 帝京大学 私立 新設 53 45 84.9% 134 81 0 60.4% 33.6%
W2 愛知医科大学 私立 新設 62 35 56.5% 118 56 0 47.5% 29.7%
W3 獨協医科大学 私立 新設 69 49 71.0% 129 60 0 46.5% 38.0%
W4 東海大学 私立 新設 61 52 85.2% 108 47 0 43.5% 48.1%
W5 近畿大学 私立 新設 63 59 93.7% 104 41 0 39.4% 56.7%
W6 北里大学 私立 新設 80 43 53.8% 126 46 0 36.5% 34.1%
W7 金沢医科大学 私立 新設 89 57 64.0% 122 33 0 27.0% 46.7%
W8 東邦大学 私立 旧制医専 77 57 74.0% 99 22 0 22.2% 57.6%
W8 兵庫医科大学 私立 新設 98 52 53.1% 126 28 0 22.2% 41.3%
W10 宮崎大学 国立 新設 80 75 93.8% 100 20 0 20.0% 75.0%

 留年率ワースト10のうち、9校が新設医科大学で、しかもそのうちの8校は私立である。私立の新設医科大学の学生の学力がいかに低いか、このデータからも推測できる。
 留年率ワーストトップの帝京大学の場合、1975年に入学した学生のうち6年間で卒業できたのは過半数に持たない4割弱(39.6%)で、6割強(60.4%)が6年間で卒業できずに留年している。そして、1975年に入学した学生のうち医師国家試験に合格したのはたったの3分の1(33.6%)に過ぎない。合格率だけをみると、84.9%でかなりの高率だが、これは、学業不振の者を留年させて、なんとか合格率だけを上げようと画策した結果である、とも言える。
 留年率ワースト2位の愛知医科大学も、似たり寄ったりの状況である。最小留年率は5割を切っているので、1975年の入学者の過半数(52.5%)は卒業したが、そのうち医師国家試験に合格したのは6割弱(56.5%)である。結局、1975年に入学した学生のうち医師国家試験に合格したのは3割を切っている(29.7%)。
 ④留年率ワースト3位の獨協大学は、春の合格率は7割強(71.9%)だったが、留年率が5割弱(46.5%)のため、1975年に入学した学生のうち医師国家試験に合格した割合は4割を切っている(29.7%)。
 ワースト4位から10位までの7校を眺めても、どこの大学でも、1975年に入学した学生のうち5人に一人以上が留年しており、3人に一人以上は1981年春の医師国家試験に合格していない、という厳しい現実が見えてくる。
 ただし、留年率でワースト10位の国立の宮崎大学の場合、新卒の春の試験の合格率が93.8%と高いので、1975年に入学した4人のうち3人は合格している。別の見方をすれば、宮崎大学の場合、医師国家試験に合格できない恐れのある学生を卒業させずに留年させたので、合格率は良くなった、とも言える。
 留年率ワースト5位の近畿大学も、春の試験の合格率では93.7%と極めて効率である。近畿大学の場合も、春の新卒の医師国家試験合格率だけを見れば立派なものだが、留年率や、秋の合格率、ひいては、浪人率等を総合してみれば、学力面でかなりの問題を抱えている事がわかる。

 新設医科大学の場合、医師国家試験の合格率が低い、と言う問題のほかに、ここで見たように、合格率は高いが、留年者が多い、という問題を抱えている事がわかった。そこで、次項で、24校ある新設医科大学の留年率を眺めてみよう。

(4)1975年入学 新設医科大学の留年者の状況

 1981年の新設医科大学別の留年者状況を下の表5-4に示す。表の順位は、1975年最小留年率(“X”/“D”)の多い順としたので、ワースト10位の9校までは、表5-3の再掲である。
 表の最右欄の「1975年入学者合格率」は、「春の新卒合格者数(B)」を「1975年入学者数(D)]で割ったもので、1975年に入学した学生が、6年後の1981年春の試験でどれくらい合格したかを示している。

表5-4 1981年 新設医科大学の留年者の状況
連番 順位 現在の学校名 区分 1981年春 新卒 1981年春 既卒 1975年
入学者
1975年
留年者数
(最小値)
1975年
最小
留年率
1975年
入学者
合格率
受験者
合格者
合格率 受験者
合格者
合格率
1 W1 帝京大学 私立 53 45 84.9% 45 20 44.4% 134 81 60.4% 33.6%
2 W2 愛知医科大学 私立 62 35 56.5% 51 13 25.5% 118 56 47.5% 29.7%
3 W3 獨協医科大学 私立 69 49 71.0% 25 17 68.0% 129 60 46.5% 38.0%
4 W4 東海大学 私立 61 52 85.2% 4 4 100.0% 108 47 43.5% 48.1%
5 W5 近畿大学 私立 63 59 93.7% 19 11 57.9% 104 41 39.4% 56.7%
6 W6 北里大学 私立 80 43 53.8% 38 23 60.5% 126 46 36.5% 34.1%
7 W7 金沢医科大学 私立 89 57 64.0% 65 28 43.1% 122 33 27.0% 46.7%
8 W8 兵庫医科大学 私立 98 52 53.1% 40 9 22.5% 126 28 22.2% 41.3%
9 W10 宮崎大学 国立 80 75 93.8% 1 1 100.0% 100 20 20.0% 75.0%
10 W11 滋賀医科大学 国立 81 64 79.0% 0 0 - 100 19 19.0% 64.0%
11 W12 藤田保健衛生大学 私立 102 78 76.5% 30 11 36.7% 124 22 17.7% 62.9%
12 W13 埼玉医科大学 私立 84 41 48.8% 31 13 41.9% 101 17 16.8% 40.6%
13 W15 聖マリアンナ医科大学 私立 105 52 49.5% 45 16 35.6% 124 19 15.3% 41.9%
14 W19 福岡大学 私立 104 60 57.7% 16 9 56.3% 120 16 13.3% 50.0%
15 W20 杏林大学 私立 99 55 55.6% 66 25 37.9% 114 15 13.2% 48.2%
16 W22 旭川医科大学 国立 89 86 96.6% 4 4 100.0% 100 11 11.0% 86.0%
17 W23 川崎医科大学 私立 114 98 86.0% 1 1 100.0% 128 14 10.9% 76.6%
18 W24 防衛医科大学 国立 74 71 95.9% 0 0 - 83 9 10.8% 85.5%
19 W28 自治医科大学 私立 98 95 96.9% 6 5 83.3% 109 11 10.1% 87.2%
20 W31 愛媛大学 国立 92 80 87.0% 9 8 88.9% 100 8 8.0% 80.0%
21 W34 秋田大学 国立 86 77 89.5% 5 4 80.0% 92 6 6.5% 83.7%
22 W35 浜松医科大学 国立 94 87 92.6% 2 1 50.0% 100 6 6.0% 87.0%
23 W36 山形大学 国立 95 79 83.2% 11 6 54.5% 101 6 5.9% 78.2%
24 W47 筑波大学 国立 102 101 99.0% 1 1 100.0% 100 0 0.0% 100.0%

 先頭から19番目までの19校の「1975年最小留年率」は10%を超えている。そのうちの4校は国立であるが、15校は私立であり、私立の新設医科大学の場合は、15校すべてが10%を超えている。。
 なお、24番目の「筑波大学」は、1981年春の新卒受験者数が、1975年の入学者数を超えているが、それは1974年以前に入学して留年した学生が一人以上いた、という事を示している。(筑波大学が開学したのは1974年なので、厳密に言えば、1974年入学者という事になる)。また、「筑波大学」の最小留年者数がゼロなのにワースト順位が47位で70位でないのは、最小留年者数ゼロの学校が24校あるからである。
 筑波大学以外の新設医科大学の場合にも、同じように1974年以前の入学者で留年している学生がいる可能性は高いと思われるので、「最小」留年率、としているわけである。

 表4-6の国試浪人率のワースト順位と、表5-4の留年率のワースト順位とを比べてみると、私立の新設医科大学を中心に以下の三つのタイプがあることがわかる。
  ⅰ)浪人率は高いが、留年率は低い。
  ⅱ)浪人率は低いが、留年率は高い。
  ⅲ)両者の順位にそれほどの差はない。
 こうなっている状況と、その背景を次項で分析してみよう。

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6.新設医科大学: 国試浪人率と留年率の比較から

 第4項で国試浪人、第5項で留年生の状況を眺めてきたが、新設医科大学について、その両者と、第3項で分析した医師国家試験合格率との関係を分析してみよう。3者の関係を分析する上では、ワースト順位をを比較する事で行う。その3者のワースト順位を比較した結果を下の表6-1で示す。

 表6-1の学校名のセルの背景を、以下の区別で色分けした。
  ⅰ)ピンク色: 浪人率は高いが、留年率はそれほど高くない。
  ⅱ)竹色: 浪人率はそれほど高くないが、留年率は高い。
  ⅲ)青色: 浪人率も留年率も高いが、両者の順位にそれほどの差はない。

表6-1 1979年~1981年 新設医科大学 浪人率・留年率・合格率の状況
連番 現在の学校名 区分 ワースト順位 データ 1975
入学
者数
1975
留年
者数
浪人
留年
合格
浪人
1975
最小
留年率
合格
1 杏林大学 私立 W1 W20 W1 45.8% 13.2% 54.2% 114 15
2 金沢医科大学 私立 W2 W7 W2 42.6% 27.0% 57.4% 122 33
3 愛知医科大学 私立 W3 W2 W3 40.6% 47.5% 59.4% 118 56
4 聖マリアンナ医科大学 私立 W4 W15 W4 39.1% 15.3% 60.9% 124 19
5 帝京大学 私立 W5 W1 W5 34.1% 60.4% 65.9% 134 81
6 兵庫医科大学 私立 W6 W8 W6 31.3% 22.2% 68.7% 126 28
7 埼玉医科大学 私立 W7 W13 W7 31.1% 16.8% 68.9% 101 17
8 北里大学 私立 W8 W6 W8 27.9% 36.5% 72.1% 126 46
9 獨協医科大学 私立 W10 W3 W10 25.5% 46.5% 74.5% 129 60
10 藤田保健衛生大学 私立 W15 W12 W15 22.4% 17.7% 77.6% 124 22
11 福岡大学 私立 W18 W19 W18 18.8% 13.3% 81.2% 120 16
12 近畿大学 私立 W20 W5 W20 17.3% 39.4% 82.7% 104 41
連番 現在の学校名 区分 ワースト順位 データ 1975
入学
者数
1975
留年
者数
浪人
留年
合格
浪人
1975
最小
留年率
合格
13 山形大学 国立 W35 W36 W37 10.9% 5.9% 89.1% 101 6
14 愛媛大学 国立 W49 W31 W49 7.6% 8.0% 92.4% 100 8
15 川崎医科大学 私立 W50 W23 W51 7.5% 10.9% 92.5% 128 14
16 東海大学 私立 W53 W4 W54 6.8% 43.5% 93.2% 108 47
17 滋賀医科大学 国立 W59 W11 W61 4.9% 19.0% 95.1% 100 19
18 秋田大学 国立 W60 W34 W62 4.8% 6.5% 95.2% 92 6
19 自治医科大学 私立 W63 W28 W63 3.7% 10.1% 96.3% 109 11
20 旭川医科大学 国立 W65 W22 W65 2.7% 11.0% 97.3% 100 11
21 宮崎大学 国立 W66 W10 W66 2.6% 20.0% 97.4% 100 20
22 浜松医科大学 国立 W67 W35 W67 2.5% 6.0% 97.8% 100 6
23 筑波大学 国立 W69 W47 W69 1.1% 0.0% 98.9% 100 0
24 防衛医科大学校 国立 W70 W24 W70 0.9% 10.8% 99.1% 83 9

 医師国家試験の合格率が、医科大学の評価をある程度左右するので、私立の新設医科大学の場合、その合格率を上げるために様々なテクニックを駆使する。その典型的な方法が、合格しそうもない学生を受験させない(とくに、春の試験には受験させない)という方法であり、そのために、合格しそうもない学生は卒業させないで留年させる、という方法である。このような手段を取ると、合格率は良くなるが、留年生が増えて留年率が悪くなる。このカテゴリーに属する大学は、上表の学校名欄の背景色を竹色にした下記4校である。
  ⅰ)獨協大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト10位(新設医科大学ではビリから9番目)であり、もちろん良いとは言えないが、留年率のワースト3位よりは上である。1975年入学者の少なくともほぼ半数(46.5%)にあたる60人を留年させて、合格率を少しでも良くしている。
  ⅱ)近畿大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト20位(新設医科大学ではビリから12番目)であり、もちろん良いとは言えないが、留年率のワースト5位よりは上である。1975年入学者の少なくともほぼ半数4割(46.5%)にあたる41人を留年させて、合格率を少しでも良くしている
  ⅲ)東海大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト53位と54位でベストの順位で言えば18位か17位で、ベスト20に入っている。ところが留年率ではワースト4位で、1975年入学者の少なくとも4割を超す(43.5%)にあたる47人を留年させて、合格率を良くしている
  ⅳ)宮崎大学:
 浪人率と医師合格率では、ワースト66位でベストの順位で言えば15位で、ベスト20に入っている。ところが留年率ではワースト10位で、1975年入学者の少なくとも2割(20.0%)にあたる20人を留年させて、合格率を良くしている
 留年者が多数いると、大学に在学する学生が増えすぎて、教育環境が著しく悪化してしまう。とくに、私立の場合、経営面を考えて入学定員以上に入学させており、最初から教育環境に無理があった。。そのため、留年生が増えれば増えるほど、ますます、教育環境は悪化し、医学教育水準は低下する、という悪循環に陥ってしまう。
 こうした事態を防ぐために、とりあえず所定の単位を修得し終えたならどんどん卒業させる、という方針を取る大学もある。その結果、留年率は低いが、浪人率と医師合格率は悪くなってしまう。このカテゴリーに属する大学は、上表の学校欄の背景色をピンクにした下記の3校である。
  ⅰ)杏林大学: 浪人率と医師合格率では、ワーストトップだが、1975年入学者留年率は、①で述べた4校よりははるかに低い13.2%で、ワースト20位である。
  ⅱ)聖マリアンナ医科大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト4位だが、1975年入学者留年率は、①で述べた4校よりははるかに低い15.3%で、ワースト15位である
  ⅲ)埼玉医科大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト7位だが、1975年入学者留年率は、①で述べた4校よりははるかに低い16.8%で、ワースト13位である。
 ④このように、どんどん卒業させると、留年者はそれほど増えないが、医師国家試験の合格率が下がり、大学の評価が低下してしまう、という心配がある。また、多数いる国試浪人も頭痛のタネとなる。私立の新設医科大学は、このように、医師国家試験の合格率を気にして留年させるか、留年生の増大がもたらす教育環境の悪化を防ぐためにとりあえず卒業させるかの選択を迫られることになる。
 表6-1で、学校名欄の背景色が青色になっている大学が5校ある。これらの大学は、浪人率(と医師合格率)の順位でも、留年率の順位でもワースト10内に入っており、かつ、その両者にあまり差がみられない大学である。
  ⅰ)金沢医科大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト2位、1975年入学者留年率では、ワースト7位となっている
  ⅱ)愛知医科大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト3位、1975年入学者留年率では、ワースト2位となっている
  ⅲ)帝京大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト5位、1975年入学者留年率では、ワーストトップとなっている
  ⅳ)兵庫医科大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト6位、1975年入学者留年率では、ワースト8位となっている

  ⅴ)北里大学: 浪人率と医師合格率では、ワースト8位、1975年入学者留年率では、ワースト6位となっている
 ここまでに記載した12校の場合、医科大学に入学し、6年後に卒業したものの医師国家試験に合格できず医師にはなれない、または、卒業すらできない学生を多数抱えている、という事である。その原因は、学力不足の学生を入学させてしまった、としか言いようがない。学力不足の学生がなぜ、医科大学に入学できたのか? そこに、一部ではあるが、私立の新設医科大学の発足当時の問題点が潜んでいる。

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7.80年代の私立新設医科大学の問題点

 私立の新設医科大学の大半は、医師国家試験という壁をどう切り抜けるか、大いに苦労していた。入学試験をきちんとやって、学力優先で入学させていれば問題は大きくないはずだが、発足間もない私立の新設医科大学の中には、いわゆる「情実入試」とか「金権入試」のごとき実態があったのだ。そのあたりの状況について、1980年代後半に出版された参考文献8(「新・大学医学部」、保坂正康、講談社文庫)から、いくつかのエピソードをピックアップして紹介したい。

 新設私立医科大学というイメージには“金権”とか“不正入試”というマイナスの像がかぶさるが、そのときその象徴のように言われたのが「愛知医科大学」という時代があった。昭和52年(1977年)5月から12月まで、この大学では徹底的に黒い霧があばかれた。金しだいで決まっていた入学試験、傘下の附属高校からのトンネル入学、・・・、愛知医科大学の学生の中には校名コンプレックスがはびこり、名古屋市内で石を投げられた学生もいるという。
 新設私立医科大学の創設期から3,4年は入学試験もまったく態をなしていなかったのが、実際に国試を迎える段になって、ツケとして容赦なくはね返ってきているのである。愛知医科大学の医師国家試験の合格率の低さは、そのことを存分に物語っている。愛知医科大学と同様に、帝京大医学部もまたそのはね返りを受けているといっていい。この大学には、1975年度に134人が入学している。しかし、1981年度の卒業生は53人(約40%)にすぎない。そして合格したのはわずか45人。(表5-4参照)。新卒者だけの合格率をみると84.9%にもなるが、入学者を見ると33.6%になる。現行の医学教育のなかで医師・医学研究者として育てうるのは、入学者の3分の1強にすぎないという事実を、明確に教えているのである
 ふつう新設私立医科大学では、120人の合格者のうち30番くらいまでは成績本位で合格を認めているといわれている。ここまでは明記された入学金の納付金ですむのだという。ところが上位の成績の者は、他大学にも合格していて“逃げてしまうことも多い”といわれるので、実際は20番前後までが成績優秀者で埋まっていることになるといわれる。この推測(医学会でささやかれている真実味のある風評だが)を土台に論を進めれば、愛知医科大や帝京大にみられるように新設私立医科大学では成績本位で許可しているグループしか6年間の医学教育についていけず、彼らだけが医師免許をうることをもの語っているといえまいか。
 ④新設私立医科大学の父兄は85%以上が開業医なのである。彼らは金に飽かして息子や娘を医学部に送り込んだ。新設私立医科大学では、これらの学生を鍛えあげた。しかしどんどん卒業させた結果が、大量の国試浪人であり、卒業させないでおくと大量の留年者となってしまう。どちらを選んでも新設私立医科大学にとって、頭の痛い問題となっている。
 新設私立医科大学の現在の最大のネックは「留年者対策」にあると言われている。新設私立医科大学の現在の理事長、学長は「まったく箸にも棒にもかからない学生をどのように切っていくか、それが頭が痛い」と嘆いている。彼らは、新設私立医科大学が叩かれたあとに、新執行部として出直していく責任者となった者である。彼らと同じ時期に医学を学び開業医となったかっての仲間が、その既得権を守るために自分の息子や娘を医師にしたいがために、金で教育を買ったのだ。
 設立時(1970年から1973年頃)入学生の一部が、極端に“金権入試”であったことは、金沢医科大学、聖マリアンナ医科大学、愛知医科大などでも認めている。しかし、今は、体制を一新したので、成績重視で入学させている、とどの新設私立医科大学でも口をそろえて言っている。かっての理事者側主導の入学試験は、いまは完全に改めている、というのだ。だからこそ、“金権入試”の後始末に頭を痛めていると正直に告白するのである。

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8.最後に

 今回は、医科大学の系譜:戦後編の2回目として、1970年代末から顕在化してきた国試浪人の問題を中心課題として取り上げた。医学部卒業生の最大の悩みは、医師になる以外、ほかに進路が無い、ということである。したがって、国試浪人は医師国家試験に合格するまで、延々と何回でも試験をうけることになる。ところが、浪人年数が長くなればなるほど、合格率は低下する。国試浪人の悩みは、合格するまで続くのである。

 次回は、医師数が不足なのか、過剰なのか、といった問題を取り上げたい。

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 1947年秋~2013年 医師国家試験データ

1947年秋~2013年 医師国家試験データ
合 計
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
1946 - - - 1 268 137 51.12% 268 137 51.12%
1947 2 1,648 1,364 82.77% 3 251 151 60.16% 1,899 1,515 79.78%
1948 4 951 527 55.42% 5 1,996 1,241 62.17% 2,947 1,768 59.99%
1949 6 3,242 2,035 62.77% 7 3,040 2,642 86.91% 6,282 4,677 74.45%
1950 8 7,208 6,670 92.54% 9 698 427 61.17% 7,906 7,097 89.77%
1951 10 7,438 7,237 97.30% 11 371 188 50.67% 7,809 7,425 95.08%
1952 12 5,352 4,999 93.40% 13 413 249 60.29% 5,765 5,248 91.03%
1953 14 3,447 3,090 89.64% 15 377 162 42.97% 3,824 3,252 85.04%
1954 16 3,229 2,984 92.41% 17 284 128 45.07% 3,513 3,112 88.59%
1955 18 3,625 3,075 84.83% 19 542 406 74.91% 4,167 3,481 83.54%
1956 20 3,534 3,130 88.57% 21 453 328 72.41% 3,987 3,458 86.73%
1957 22 3,010 2,701 89.73% 23 359 231 64.35% 3,369 2,932 87.03%
1958 24 3,204 2,840 88.64% 25 417 203 48.68% 3,621 3,043 84.04%
1959 26 3,297 3,128 94.87% 27 246 132 53.66% 3,543 3,260 92.01%
1960 28 3,163 3,069 97.03% 29 189 149 78.84% 3,352 3,218 96.00%
1961 30 3,259 3,036 93.16% 31 267 195 73.03% 3,526 3,231 91.63%
1962 32 3,155 2,980 94.45% 33 204 128 62.75% 3,359 3,108 92.53%
1963 34 3,108 3,001 96.56% 35 160 101 63.13% 3,268 3,102 94.92%
1964 36 3,120 3,063 98.17% 37 90 64 71.11% 3,210 3,127 97.41%
1965 38 3,040 2,961 97.40% 39 100 73 73.00% 3,140 3,034 96.62%
1966 40 3,096 3,032 97.93% 41 79 46 58.23% 3,175 3,078 96.94%
1967 42 404 377 93.32% 43 2,705 2,671 98.74% 3,109 3,048 98.04%
1968 44 1,165 1,137 97.60% 45 3,120 3,056 97.95% - - -
1968 - - - 46 2,401 2,351 97.92% 6,686 6,544 97.88%
1969 47 3,186 3,060 96.05% 48 382 287 75.13% 3,568 3,347 93.81%
1970 49 3,247 3,179 97.91% 50 628 562 89.49% 3,875 3,741 96.54%
1971 51 3,476 3,359 96.63% 52 433 364 84.06% 3,909 3,723 95.24%
1972 53 3,893 3,650 93.76% 54 548 313 57.12% 4,441 3,963 89.24%
1973 55 4,080 3,627 88.90% 56 922 519 56.29% 5,002 4,146 82.89%
1974 57 4,346 3,574 82.24% 58 1,072 502 46.83% 5,418 4,076 75.23%
1975 59 4,528 3,731 82.40% 60 1,025 564 55.02% 5,553 4,295 77.35%
1976 61 5,015 4,034 80.44% 62 1,159 609 52.55% 6,174 4,643 75.20%
1977 63 5,373 4,159 77.41% 64 1,383 778 56.25% 6,756 4,937 73.08%
1978 65 6,145 4,989 81.19% 66 1,448 573 39.57% 7,593 5,562 73.25%
1979 67 7,010 5,467 77.99% 68 1,836 536 29.19% 8,846 6,003 67.86%
1980 69 7,889 6,341 80.38% 70 2,016 746 37.00% 9,905 7,087 71.55%
1981 71 8,229 6,220 75.59% 72 2,419 1,033 42.70% 10,648 7,253 68.12%
1982 73 8,478 6,055 71.42% 74 2,729 1,442 52.84% 11,207 7,497 66.90%
1983 75 8,643 7,339 84.91% 76 1,718 575 33.47% 10,361 7,914 76.38%
1984 77 9,105 7,829 85.99% 78 1,717 620 36.11% 10,822 8,449 78.07%
1985 79 8,808 7,542 85.63%
1986 80 9,507 7,951 83.63%
1987 81 9,940 8,573 86.25%
1988 82 9,672 7,854 81.20%
1989 83 10,037 8,829 87.96%
1990 84 9,488 7,862 82.86%
1991 85 9,812 8,256 84.14%
1992 86 9,515 7,988 83.95%
1993 87 9,664 8,698 90.00%
1994 88 9,255 7,982 86.25%
1995 89 9,218 7,930 86.03%
1996 90 9,057 8,088 89.30%
1997 91 8,898 7,843 88.14%
1998 92 8,716 7,806 89.56%
1999 93 8,692 7,309 84.09%
2000 94 8,934 7,065 79.08%
2001 95 9,266 8,374 90.37%
2002 96 8,719 7,881 90.39%
2003 97 8,551 7,721 90.29%
2004 98 8,439 7,457 88.36%
2005 99 8,495 7,568 89.09%
2006 100 8,602 7,742 90.00%
2007 101 8,573 7,535 87.89%
2008 102 8,535 7,733 90.60%
2009 103 8,428 7,668 90.98%
2010 104 8,447 7,538 89.24%
2011 105 8,611 7,686 89.26%
2012 106 8,521 7,688 90.22%
2013 107 8,569 7,696 89.81%

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 1979年~1981年 大学別医師国家試験データ

 表中で、Aは受験者数、Bは合格者数、Cは合格率である。また、“-”と記載されているセルは、該当データが存在しない、つまり、その時には医師国家試験を受ける卒業生がまだいなかった、という事を示している。
 下表の“A”は受験者数、“B”は合格者数、“C”は合格率を示す。

1979年~1981年 大学別医師国家試験データ
No. 現在の学校名 区分 グループ 1979 1980 1981
C(%) C(%) C(%) C(%) C(%) C(%)
1 北海道大学 国立 旧七帝大 133 111 83.5 23 4 17.4 130 114 87.7 20 6 30.0 146 124 84.9 23 13 56.5
2 旭川医科大学 国立 新設 78 73 93.6 5 2 40.0 90 84 93.3 6 2 33.3 93 90 96.8 3 3 100.0
3 弘前大学 国立 新八 143 105 73.4 38 15 39.5 136 119 87.5 20 9 45.0 132 108 81.8 28 12 42.9
4 東北大学 国立 旧七帝大 147 131 89.1 14 5 35.7 129 111 86.0 22 12 54.5 132 113 85.6 18 9 50.0
5 秋田大学 国立 新設 96 89 92.7 7 3 42.9 85 77 90.6 8 3 37.5 91 81 89.0 10 6 60.0
6 山形大学 国立 新設 88 70 79.5 20 7 35.0 104 90 86.5 14 3 21.4 106 85 80.2 25 16 64.0
7 筑波大学 国立 新設 80 79 98.8 5 4 80.0 103 102 99.0 2 1 50.0
8 群馬大学 国立 新八 109 95 87.2 14 8 57.1 109 103 94.5 6 4 66.7 92 83 90.2 9 7 77.8
9 千葉大学 国立 旧六 96 82 85.4 15 1 6.7 137 119 86.9 21 9 42.9 133 115 86.5 20 13 65.0
10 東京大学 国立 旧七帝大 106 99 93.4 11 4 36.4 111 98 88.3 12 6 50.0 113 97 85.8 14 10 71.4
11 東京医科歯科大学 国立 新八 78 72 92.3 7 5 71.4 81 74 91.4 7 5 71.4 80 75 93.8 5 4 80.0
12 新潟大学 国立 旧六 132 103 78.0 29 10 34.5 142 121 85.2 19 8 42.1 136 113 83.1 22 10 45.5
13 富山大学 国立 新設
14 金沢大学 国立 旧六 133 118 88.7 18 7 38.9 121 103 85.1 22 17 77.3 128 111 86.7 22 13 59.1
15 福井大学 国立 新設
16 山梨大学 国立 新設
17 信州大学 国立 新八 98 78 79.6 19 9 47.4 96 88 91.7 13 7 53.8 107 96 89.7 13 7 53.8
18 岐阜大学 国立 旧制医専 85 75 88.2 12 2 16.7 86 79 91.9 10 2 20.0 77 67 87.0 14 4 28.6
19 浜松医科大学 国立 新設 82 79 96.3 3 1 33.3 96 88 91.7 7 6 85.7
20 名古屋大学 国立 旧七帝大 107 92 86.0 17 7 41.2 108 96 88.9 16 6 37.5 111 97 87.4 14 8 57.1
21 三重大学 国立 旧制医専 105 93 88.6 16 8 50.0 106 99 93.4 8 5 62.5 110 102 92.7 7 3 42.9
22 滋賀医科大学 国立 新設 81 64 79.0 17 13 76.5
23 京都大学 国立 旧七帝大 129 111 86.0 15 5 33.3 128 118 92.2 14 3 21.4 140 121 86.4 20 7 35.0
24 大阪大学 国立 旧七帝大 134 116 86.6 18 8 44.4 132 122 92.4 13 1 7.7 136 119 87.5 19 9 47.4
25 神戸大学 国立 旧制医専 128 101 78.9 34 8 23.5 143 123 86.0 30 10 33.3 135 103 76.3 36 17 47.2
26 鳥取大学 国立 新八 120 92 76.7 32 8 25.0 141 99 70.2 45 23 51.1 127 95 74.8 33 15 45.5
27 島根大学 国立 新設
28 岡山大学 国立 旧六 132 103 78.0 29 9 31.0 145 117 80.7 29 12 41.4 124 105 84.7 19 8 42.1
29 広島大学 国立 旧制医専 112 84 75.0 27 11 40.7 127 120 94.5 6 2 33.3 135 112 83.0 22 13 59.1
30 山口大学 国立 旧制医専 111 86 77.5 25 10 40.0 114 84 73.7 30 10 33.3 121 99 81.8 32 19 59.4
31 徳島大学 国立 新八 117 109 93.2 7 2 28.6 135 100 74.1 34 14 41.2 151 118 78.1 33 17 51.5
32 香川大学 国立 新設
33 愛媛大学 国立 新設 86 76 88.4 11 5 45.5 86 71 82.6 15 6 40.0 101 88 87.1 17 11 64.7
34 高知大学 国立 新設
35 九州大学 国立 旧七帝大 108 94 87.0 15 8 53.3 133 120 90.2 15 9 60.0 132 114 86.4 20 8 40.0
36 佐賀大学 国立 新設
37 長崎大学 国立 旧六 135 99 73.3 44 14 31.8 145 114 78.6 46 22 47.8 150 96 64.0 61 26 42.6
38 熊本大学 国立 旧六 129 94 72.9 39 12 30.8 145 118 81.4 44 19 43.2 145 114 78.6 32 15 46.9
39 大分大学 国立 新設
40 宮崎大学 国立 新設 72 71 98.6 1 0 0.0 81 76 93.8 5 2 40.0
41 鹿児島大学 国立 新八 111 86 77.5 25 9 36.0 147 117 79.6 30 14 46.7 131 105 80.2 24 11 45.8
42 琉球大学 国立 新設
43 防衛医科大学 国立 新設 40 38 95.0 2 2 100.0 74 71 95.9 3 2 66.7
44 札幌医科大学 公立 旧制医専 100 79 79.0 21 10 47.6 105 90 85.7 15 4 26.7 106 85 80.2 20 11 55.0
45 福島県立医科大学 公立 旧制医専 89 71 79.8 17 4 23.5 70 56 80.0 14 3 21.4 95 73 76.8 21 10 47.6
46 横浜市立大学 公立 旧制医専 64 56 87.5 7 5 71.4 59 53 89.8 7 4 57.1 67 56 83.6 10 7 70.0
47 名古屋市立大学 公立 旧制医専 68 56 82.4 14 6 42.9 66 62 93.9 3 1 33.3 89 76 85.4 14 4 28.6
48 京都府立医科大学 公立 旧制医大 103 92 89.3 9 3 33.3 113 99 87.6 13 6 46.2 117 101 86.3 16 10 62.5
49 大阪市立大学 公立 旧制医専 90 75 83.3 14 3 21.4 82 71 86.6 15 7 46.7 82 79 96.3 9 5 55.6
50 奈良県立医科大学 公立 旧制医専 79 47 59.5 33 12 36.4 78 62 79.5 15 4 26.7 66 48 72.7 18 9 50.0
51 和歌山県立医科大学 公立 旧制医専 81 56 69.1 26 13 50.0 85 66 77.6 19 3 15.8 79 57 72.2 20 11 55.0
52 岩手医科大学 私立 旧制医専 133 84 63.2 50 10 20.0 132 92 69.7 39 12 30.8 128 87 68.0 41 15 36.6
53 自治医科大学 私立 新設 97 97 100.0 4 1 25.0 115 108 93.9 7 1 14.3 104 100 96.2 11 8 72.7
54 獨協医科大学 私立 新設 68 57 83.8 40 10 25.0 105 71 67.6 52 27 51.9 94 66 70.2 47 17 36.2
55 埼玉医科大学 私立 新設 94 64 68.1 30 4 13.3 109 72 66.1 37 6 16.2 115 54 47.0 61 19 31.1
56 北里大学 私立 新設 143 95 66.4 58 16 27.6 139 105 75.5 50 11 22.0 118 66 55.9 71 28 39.4
57 杏林大学 私立 新設 146 59 40.4 99 16 16.2 164 96 58.5 83 16 19.3 165 80 48.5 101 14 13.9
58 慶應義塾大学 私立 御三家 108 99 91.7 9 2 22.2 18 11 61.1 90 85 94.4 6 3 50.0 96 91 94.8
59 順天堂大学 私立 旧制医専 87 78 89.7 10 2 20.0 94 79 84.0 15 9 60.0 101 76 75.2 25 17 68.0
60 昭和大学 私立 旧制医専 152 110 72.4 56 12 21.4 170 137 80.6 47 15 31.9 168 104 61.9 67 19 28.4
61 帝京大学 私立 新設 89 57 64.0 59 13 22.0 91 68 74.7 59 14 23.7 98 65 66.3 70 32 45.7
62 東海大学 私立 新設 62 55 88.7 7 3 42.9 65 56 86.2 15 10 66.7
63 東京医科大学 私立 旧制医専 129 87 67.4 64 18 28.1 154 120 77.9 65 22 33.8 162 109 67.3 73 30 41.1
64 東京慈恵会医科大学 私立 御三家 126 109 86.5 17 7 41.2 147 119 81.0 30 14 46.7 137 105 76.6 29 13 44.8
65 東京女子医科大学 私立 旧制医専 115 93 80.9 22 3 13.6 124 101 81.5 21 3 14.3 133 101 75.9 32 17 53.1
66 東邦大学 私立 旧制医専 98 73 74.5 41 14 34.1 119 80 67.2 43 9 20.9 110 69 62.7 50 22 44.0
67 日本大学 私立 旧制医専 145 112 77.2 35 9 25.7 157 122 77.7 34 16 47.1 164 121 73.8 43 21 48.8
68 日本医科大学 私立 御三家 155 102 65.8 59 16 27.1 139 91 65.5 59 18 30.5 140 109 77.9 58 19 32.8
69 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 76 51 67.1 46 9 19.6 95 72 75.8 59 14 23.7 150 68 45.3 88 20 22.7
70 金沢医科大学 私立 新設 108 67 62.0 49 8 16.3 114 69 60.5 88 22 25.0 154 85 55.2 114 20 17.5
71 愛知医科大学 私立 新設 93 57 61.3 43 8 18.6 125 78 62.4 58 7 12.1 113 48 42.5 73 14 19.2
72 藤田保健衛生大学 私立 新設 109 79 72.5 30 11 36.7 121 92 76.0 46 15 32.6 132 89 67.4 52 15 28.8
73 大阪医科大学 私立 旧制医専 120 99 82.5 22 7 31.8 107 81 75.7 25 9 36.0 133 97 72.9 36 18 50.0
74 関西医科大学 私立 旧制医専 124 94 75.8 35 9 25.7 152 112 73.7 42 12 28.6 135 94 69.6 45 15 33.3
75 近畿大学 私立 新設 80 55 68.8 33 14 42.4 82 70 85.4 21 9 42.9
76 兵庫医科大学 私立 新設 115 80 69.6 48 20 41.7 123 75 61.0 59 20 33.9 138 61 44.2 83 23 27.7
77 川崎医科大学 私立 新設 106 100 94.3 31 11 35.5 101 97 96.0 9 8 88.9 115 99 86.1 24 18 75.0
78 産業医科大学 私立 新設
79 久留米大学 私立 旧制医専 134 91 67.9 43 17 39.5 174 138 79.3 35 20 57.1 158 119 75.3 40 22 55.0
80 福岡大学 私立 新設 83 66 79.5 25 9 36.0 95 83 87.4 22 7 31.8 120 69 57.5 65 34 52.3

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 1981年新卒既卒別医師国家試験データ

 表中で、A0は新卒の受験者数、Aは既卒の受験者数、Bは合格者数、Cは合格率を示す。
 “D-A0”がプラスの場合、1975年に入学した学生のうちまだ卒業していない(つまり留年している)学生がいるという事であり、それを「1975年入学者 留年者数(最小値)」として示した。最小値としたのは、“A0”の中には1974年以前に入学して6年間で卒業できず、1981年になってようやく卒業できた学生も含まれている可能性があるからである。
 “D-A0”がマイナスの場合、6年前(1975年)に入学した以上に卒業した、という事であり、その絶対値は、1974年以前に入学して6年間で卒業できずに1981年になってようやく卒業できた学生の最小値を示している、と考えられる。そこでその絶対値を「1974年以前入学者 留年者数(最小値)」として示した。最小値としたのは、1975年に入学したが1981年春には卒業できなかった学生もいる可能性があるからである。
 注(***): 慶應義塾大学の場合、1981年は秋に卒業生が集中したので、秋の受験者数を春の新卒受験者数として代替した。

1981年春 新卒既卒別医師国家試験データ
No. 現在の学校名 区分 グループ 新卒 既卒 1975年
入学者数
(D)
1975年
入学者
留年者数
(最小値)
1974年
以前入学者
留年者数
(最小値)
A0 B C A B C
1 北海道大学 国立 旧七帝大 134 119 88.8% 12 5 41.7% 121 0 13
2 旭川医科大学 国立 新設 89 86 96.6% 4 4 100.0% 100 11 0
3 弘前大学 国立 新八 123 106 86.2% 9 2 22.2% 122 0 1
4 東北大学 国立 旧七帝大 123 109 88.6% 9 4 44.4% 116 0 7
5 秋田大学 国立 新設 86 77 89.5% 5 4 80.0% 92 6 0
6 山形大学 国立 新設 95 79 83.2% 11 6 54.5% 101 6 0
7 筑波大学 国立 新設 102 101 99.0% 1 1 100.0% 100 0 2
8 群馬大学 国立 新八 91 83 91.2% 1 0 0.0% 102 11 0
9 千葉大学 国立 旧六 120 109 90.8% 13 6 46.2% 120 0 0
10 東京大学 国立 旧七帝大 105 94 89.5% 8 3 37.5% 91 0 14
11 東京医科歯科大学 国立 新八 78 73 93.6% 2 2 100.0% 82 4 0
12 新潟大学 国立 旧六 124 108 87.1% 12 5 41.7% 122 0 2
14 金沢大学 国立 旧六 121 109 90.1% 7 2 28.6% 122 1 0
17 信州大学 国立 新八 100 92 92.0% 7 4 57.1% 102 2 0
18 岐阜大学 国立 旧制医専 71 64 90.1% 6 3 50.0% 84 13 0
19 浜松医科大学 国立 新設 94 87 92.6% 2 1 50.0% 100 6 0
20 名古屋大学 国立 旧七帝大 101 91 90.1% 10 6 60.0% 109 8 0
21 三重大学 国立 旧制医専 105 100 95.2% 5 2 40.0% 102 0 3
22 滋賀医科大学 国立 新設 81 64 79.0% 0 0 - 100 19 0
23 京都大学 国立 旧七帝大 127 117 92.1% 13 4 30.8% 122 0 5
24 大阪大学 国立 旧七帝大 124 113 91.1% 12 6 50.0% 100 0 24
25 神戸大学 国立 旧制医専 114 96 84.2% 21 7 33.3% 119 5 0
26 鳥取大学 国立 新八 105 85 81.0% 22 10 45.5% 122 17 0
28 岡山大学 国立 旧六 109 99 90.8% 15 6 40.0% 122 13 0
29 広島大学 国立 旧制医専 131 112 85.5% 4 0 0.0% 120 0 11
30 山口大学 国立 旧制医専 104 92 88.5% 17 7 41.2% 121 17 0
31 徳島大学 国立 新八 132 108 81.8% 19 10 52.6% 126 0 6
33 愛媛大学 国立 新設 92 80 87.0% 9 8 88.9% 100 8 0
35 九州大学 国立 旧七帝大 126 113 89.7% 6 1 16.7% 125 0 1
37 長崎大学 国立 旧六 127 82 64.6% 23 14 60.9% 116 0 11
38 熊本大学 国立 旧六 120 101 84.2% 25 13 52.0% 120 0 0
40 宮崎大学 国立 新設 80 75 93.8% 1 1 100.0% 100 20 0
41 鹿児島大学 国立 新八 116 98 84.5% 15 7 46.7% 125 9 0
43 防衛医科大学 国立 新設 74 71 95.9% 0 0 - 83 9 0
44 札幌医科大学 公立 旧制医専 95 80 84.2% 11 5 45.5% 100 5 0
45 福島県立医科大学 公立 旧制医専 84 69 82.1% 11 4 36.4% 78 0 6
46 横浜市立大学 公立 旧制医専 63 55 87.3% 4 1 25.0% 63 0 0
47 名古屋市立大学 公立 旧制医専 87 75 86.2% 2 1 50.0% 84 0 3
48 京都府立医科大学 公立 旧制医大 110 99 90.0% 7 2 28.6% 101 0 9
49 大阪市立大学 公立 旧制医専 81 75 92.6% 1 4 400.0% 81 0 0
50 奈良県立医科大学 公立 旧制医専 55 43 78.2% 11 5 45.5% 60 5 0
51 和歌山県立医科大学 公立 旧制医専 63 53 84.1% 16 4 25.0% 66 3 0
52 岩手医科大学 私立 旧制医専 100 77 77.0% 28 10 35.7% 104 4 0
53 自治医科大学 私立 新設 98 95 96.9% 6 5 83.3% 109 11 0
54 獨協医科大学 私立 新設 69 49 71.0% 25 17 68.0% 129 60 0
55 埼玉医科大学 私立 新設 84 41 48.8% 31 13 41.9% 101 17 0
56 北里大学 私立 新設 80 43 53.8% 38 23 60.5% 126 46 0
57 杏林大学 私立 新設 99 55 55.6% 66 25 37.9% 114 15 0
58 慶應義塾大学(*) 私立 御三家 96 91 94.8% 5 3 60.0% 113 17 0
59 順天堂大学 私立 旧制医専 95 74 77.9% 6 2 33.3% 89 0 6
60 昭和大学 私立 旧制医専 137 96 70.1% 31 8 25.8% 128 0 9
61 帝京大学 私立 新設 53 45 84.9% 45 20 44.4% 134 81 0
62 東海大学 私立 新設 61 52 85.2% 4 4 100.0% 108 47 0
63 東京医科大学 私立 旧制医専 119 97 81.5% 43 12 27.9% 131 12 0
64 東京慈恵会医科大学 私立 御三家 121 100 82.6% 16 5 31.3% 125 4 0
65 東京女子医科大学 私立 旧制医専 115 97 84.3% 18 4 22.2% 115 0 0
66 東邦大学 私立 旧制医専 77 57 74.0% 33 12 36.4% 99 22 0
67 日本大学 私立 旧制医専 146 118 80.8% 18 3 16.7% 147 1 0
68 日本医科大学 私立 御三家 99 93 93.9% 41 16 39.0% 111 12 0
69 聖マリアンナ医科大学 私立 新設 105 52 49.5% 45 16 35.6% 124 19 0
70 金沢医科大学 私立 新設 89 57 64.0% 65 28 43.1% 122 33 0
71 愛知医科大学 私立 新設 62 35 56.5% 51 13 25.5% 118 56 0
72 藤田保健衛生大学 私立 新設 102 78 76.5% 30 11 36.7% 124 22 0
73 大阪医科大学 私立 旧制医専 116 92 79.3% 17 5 29.4% 120 4 0
74 関西医科大学 私立 旧制医専 104 84 80.8% 31 10 32.3% 118 14 0
75 近畿大学 私立 新設 63 59 93.7% 19 11 57.9% 104 41 0
76 兵庫医科大学 私立 新設 98 52 53.1% 40 9 22.5% 126 28 0
77 川崎医科大学 私立 新設 114 98 86.0% 1 1 100.0% 128 14 0
79 久留米大学 私立 旧制医専 141 108 76.6% 17 11 64.7% 132 0 9
80 福岡大学 私立 新設 104 60 57.7% 16 9 56.3% 120 16 0

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参考文献: 1.我が国の医学教育・医師資格付与制度の歴史的変遷と医学校の発展過程
        2.「帝国大学の誕生」、中山茂、中公新書
        3.「大学の誕生(上)」、天野郁夫、中公新書
        4.「大学の誕生(下)」、天野郁夫、中公新書
        5.「高等教育の時代(上)」、天野郁夫、中公叢書
        6.「高等教育の時代(下)」、天野郁夫、中公叢書
        7.「日本の大学制度」、草原克豪、弘文堂
        8.「新・大学医学部」、保坂正康、講談社文庫
        9.「大学医学部の危機」、保坂正康、講談社
       10.「物語 大学医学部」、保坂正康、中公新書ラクレ
       11.「学閥支配の医学」、米山公啓、集英社新書
       12.「医学部受験の闇とカネ」、長澤潔志、経営者新書
       13.医学部の発展と変容



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大学の出世力・就職力に関するコラムは以下の通り。

154.大学の出世力(1):社長輩出力(1)
155.大学の出世力(2):社長輩出力(2)
156.大学の出世力(3):社長輩出力(3)
157.大学の社長輩出力:総括
158.大学の出世力(4):役員輩出力(1)
159.大学の出世力(5):役員輩出力(2)
160.大学の出世力(6):役員輩出力(3)
161.大学の役員輩出力:総括
162.大学の出世力:総括
163.大学の就職力(1):キャリア合格
164.大学の就職力(2):旧司法試験
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167.弁護士需要と法科大学院の問題点
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169.大学の資格力(1):医師国家試験合格率ベスト30
170.大学の資格力(2):医師国家試験合格率ワースト30
171.大学の資格力(3):医師国家試験現役合格率ベスト30
172.医科大学の系譜(1):戦前編



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