2005年夏・南イタリア旅行記
  〜アマルフィ〜
 今日は、ナポリから少し足をのばし、地中海を想わせる美しい海岸線で知られる「アマルフィ海岸」を目指す。また違ったイタリアの風景が見られるはずだ。今回の旅行ではぜひ行ってみたかった所。
 アマルフィは、ローマから約200Km、ナポリからだと40Kmほど南東にある海岸線にそった海洋都市である。まだ日本人には馴染みが薄いかも知れない。ナポリからの行き方はいくつかある。イタリア鉄道ではサレルノへ、私鉄または船ではソレントから入る。サレルノ−ソレント間のいわゆるアマルフィ海岸はバスまたは船の移動となる。(↑地図をクリックすると拡大図)
 今回のルートは、いろいろ考えてみたが、ナポリ湾の海岸線をそって走るベスビオ周遊鉄道でソレントに行き、バスに乗り換えてアマルフィへ立ち寄り、サレルノからイタリア鉄道でナポリにもどるオーソドックス(?)な日帰りの周遊コースを選んだ。
 行きのベスビオ周遊鉄道は、ナポリ中央駅(地下)からも乗車できるが、混雑をさけて1つ先のガリバルディ通りに面した始発駅(Napoli Porta Nolana)から乗る事にした。
(時刻表) (路線図)

 時刻表によるとソレント行きは、20〜30分間隔くらいで出発しているようだ。
乗車券は、カンパーニャ州の公共交通機関は、「UNICO CAMPANIA」を使用する。エリアと時間で料金が決められ、ナポリからソレントだと「エリア5」となり180分間有効で3.2ユーロだ。バスも共通なのでうまく乗り継ぎするとアマルフィまで行ける可能性もある。窓口で乗車券を買って、改札で刻印機を通し、ホームに着くと、ちょうど7時39分発のソレント行きに間に合った。
発車直前であったが始発駅なので余裕で座れた。座席は、あのポンペイやエルコラーノを大噴火で消失させたベスビオ火山が眺望できる進行方向左側を選んだ。一方右側からはナポリ湾が時折観る事ができる。

 ナポリからソレントまでは1時間少々の旅。終点ソレントに8時前に到着した。ここからはアマルフィ行きのバスに乗り換える。乗り場は駅前のスロープを1段さがったとこ
ろにバス停があった。バス会社は「シータ」でこのアマルフィ海岸を往復している貴重な交通機関だ。観光客だけでなくもちろん地元住民も利用する。次のアマルフィ行きの9時
15分発に乗車。
(時刻表 QUADRO 14)
 こちらも始発なのでうまく座れたが発車直前にはほぼ満席となった。座席はもちろん海が観れる右側を確保。ソレントの市内を抜けるとすぐにティレニア海が見えてきた。もっと低い海岸ぞいの通りに道があってそこを走るのかと思ったら、ずいぶん標高の高い断崖の上を走って行く。道は結構狭く、カーブが続く。おまけに夏休み期間でもあり違法駐車が多い。そこをすり抜けて行く運転テクニックはなかなかのものだ。

 アマルフィ海岸は、ティレニア海に面したサレルノまでの約50kmの美観地区。世界遺産にも指定されていて内外の観光客でいつも賑わっている。南国情緒豊かなこのあたりは。やはり特に夏場がピークらしい。
 強い日差し、青い空と海、切り立った断崖そして山沿いにそって密集する住宅のコントラストは絵画のような美しさ。特に、ソレントから1時間ほど行った「ポジターノ」は、まさに絶景である。白を基調とした建物が重なるように海から山にむかって建てられている。できる事なら、途中下車をして散策をしてみたいが、時間がないのでしばし車窓から景色を楽しんだ。

 このあたりから渋滞ぎみとなってきたが、景色を楽しむ分には都合がよい。渋滞の原因はやはり違法駐車だ。もともと道が狭い上に、山側に列をなして駐車しているものだからバスがなかなか進めない。特に夏場はひどいらしい。←ドライバーも結構、熱くなっている。アマルフィ手前の難所もやっとの事で過ぎ、ソレントから2時間少々かかってようやく終点アマルフィの町(バスターミナル)に到着した。
 アマルフィは、中世、ローマ帝国の時代、イタリアで最も早く貿易海洋都市として栄えた場所で歴史ある古都である。現在は、人口6000人くらいだがアマルフィ海岸観光の中心地でいつも賑わっていて活気のある町だ。海岸ぞいのバス停からすぐにマリーナ門があって、ここを入ると町中となる。マリーナ門の横にはタイル画で中世のイタリアから中東付近の貿易地図が描かれていて、かつて海洋都市だった事を思わせる。

 マリーナ門をくぐると、すぐにアマルフィの象徴、ドゥオーモ(大聖堂)がそびえる広場に出た。こじんまりとした広場だが、すぐに目に入るのが大きな階段につづくドゥオーモ。港町だけに漁師の守護神、聖アンドレアがまつられている。細かな石片でみごとにモザイクを構成し、また左にそびえる鐘楼は、ミドリと黄のタイルで美しく飾られている。アラブ・イスラム様式の影響を受けた建築で
アマルフィの象徴だ。やはりその存在感はすごい。
 広場には噴水があって、レストラン、カフェテラス、土産物屋があり観光客で賑わっている。一休みしたいところだが、まずはドゥオーモに入ってみる事にした。階段を上がっていくと正面だが、見学用の入り口は、左側にある。入場券(2.5ユーロ)を購入して中に入ると、まず、天国の回廊(Chiostro del Paradiso)と呼ばれる教会の中庭を囲むよう
にシンメトリックに造られた白い回廊がある。1268年のものらしい。奥に進むと一部、フレスコ画の跡が残されている。その先は、教会の博物館になっていて、ここにもフレスコ画が残っており立派な聖棺も展示されていた。さらに進むと薄暗い地下聖堂があり、ここには聖アンドレアが納骨されているとの事。そこを過ぎると最後にようやくドゥオーモの聖堂に出た。ここはバロック様式の造りで落ち着いた静かな空間である。

 朝早くから電車とバスを乗り継いだせいか結構お腹がすいてきた。ドゥオーモ広場のあたりでレストランを捜すと階段のすぐ横に、その名も「S.ANDREA」というお店があったので、さっそくテラス席に腰をおろした。ウエイターの話しではティレニア海でとれた新鮮なムール貝がオススメという事なので、そのムール貝のスパゲティーを注文。そしてやはりピッツアも追加。しばらくしてようやく出来上ったスパゲティーをさっそくいただいた。言うまでもなくうまい。濃厚なムール貝の味と触感。そしてほのかなトマトの香りと酸味。麺のかたさもちょうどいい。スパゲティーを食べに来た訳ではないがアマルフィに来てよかった。と、こんなところで満足したりする。
 ドゥオーモ広場から賑わいをみせている1本のメインストリート(ロレンツォ通り)があり歩いてみる事にした。この通りがアマルフィでは唯一の繁華街らしい。両側には土産物屋、パスタ、フルーツ、パンなどの食品、酒屋、雑貨、BARといろんなお店が軒を並べている。店の飾り付けも工夫していてカラフルで見ているだけでも飽きない。

 中でもアマルフィの特産と言えば、レモン。日本のものよりやや大きめでしっかりしている。そしてこのレモンの皮から作ったお酒が、最近よく知られるようになった「レモンチェッロ」だ。アルコール度数は35度くらいだから結構強い。酒屋で少し試飲させてもらったが、甘口のリキュールでレモンの香りがすばらしい。よく冷やしてストレ
ートで飲むのが基本との事。このあたりでは何種類ものレモンチェッロがあちこちで売られている。凝ったビンでなければ10ユーロ程度で買えるのでそう高くはない。もちろん買って帰る事にした。また、よく見掛けるのがカラフルなタイル画だ。アマルフィをイメージしたタイルがたくさん店先にかけられ楽しませてくれる。このあたりは陶器、タイル工芸も盛んで家の表札や番地表示などもよくタイルが使われている。

 ロレンツォ通りを一通り楽しんだ後は、アマルフィの全景を見るため高台を目指す。ただ道はかなり複雑だ。これも港町として外的から守るための工夫かも知れない。かなり狭い道や階段が入り組んでいて、地図を持っていないと、へたをすると、また元のところに戻ってしまう事もある。民家を尋ねるような狭い道をなんとか上へ上へと上がって行くと囲まれた狭い空間からようやくパッと開けたところに出た。下はレモン畑で展望台とはなっていないが、アマルフィの町を一望でき
場所だ。あれだけいた観光客もここには誰もいない。鐘楼
鐘の音を聞きながら静かにゆっくりと景気を楽しむができた。


 アマルフィからの帰路は、船を利用する事にした。ちょうど午後3時15分に「Metro del Mare」のサレルノ行きがあった。サレルノへはSITAのバスでも行けるが、
時間が合えば、船が早くて便利だ。しかしサレルノ港からイタリア鉄道のサレルノ駅まで海岸道路を2キロくらい歩かなければならないのが難点。
 埠頭で切符を購入。船は定刻より若干遅れて到着したが無事乗船。一路サレルノへ向かう。バスだと定刻で1時間15分かかるが船だと20分くらいのもので快適だ。ただ船便は本数が少ない。また、アマルフィに接岸する埠頭が2つあり、直前に予定と変わる事があるので要注意だ。
 波もおだやかで揺れる事もなくサレルノ港についた。アマルフィに比べるとずいぶん都会であるが夕時なのか静かな雰囲気である。港から少し山側に海岸通りがあり東へまっすぐ25分ほど行くとようやくイタリア鉄道のサレルノ駅に到着した。ここからナポリへは約1時間。車内では腰を降ろしたとたん心地好く眠ってしまった。
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