***** ポンティアック ファイアーバード *****






PONTIAC FIRE BIRD ( 1970 year )


我が家のファイアーバードは 1970 年に登場した 2 代目の初年度モデルとなります。当時父は日英自動車(株)から、初代ファイアーバードのカタログを見せられて、これより一回りも小さくなり、ヘッドライトが4灯から2灯式に変更になる新型が発売されるという話を聞いて、実車も見ずに発注をしたという、良くも悪くも思い出深いいわくつきのクルマであったようです。日本に輸入された 1970 年モデルのファイアーバードには 350CI ( キュービックインチ )= 5.7L の排気量を持つポンティアック製の V8 エンジンが搭載されていましたが、日本向けのモデルではこれが標準仕様であったようです。確かサイドに赤文字で 350 と書かれたバッチが付いていたと記憶しています。( 本国ではオプション設定モデル )この 350CI の V8 エンジンは、255hp ( SAE - gross )を発生して、当時の姉妹車であるカマロのシボレー V8 ユニットよりもパワーがあり、アメリカ車の中ではスポーティーな V8 エンジンだったという事です。残念ながら、1970年型ファイアーバードの正確なデータは入手できていないのですが、車重は凡そ1500kg 前後で、3段オートマチックながら最高速度は 200km/h
近くをマークしていたのでは無いか?と思われます。

( 直列6気筒OHV 4L エンジンを搭載する、ベーシックモデルでは1450kg、170km/h の、公表データです。 )
これは、現在でも十分に通用する数値で、当時ではスポーティーなポテンシャルを持っていたと想像します。
この性能を知る手がかりとしては、同じエンジンを搭載して、排気ガス規制を受けた上級モデルである、
1974 year PONTIAC GTO 3AT( 350CI、V8 )の 155 hp 版が、0-60mph = 9.4sec、SS1/4mile = 16.5sec という実測値を残しており、これがひとつの判断基準になると思います。従って、排気ガス規制を受けず 100 hp も公表馬力が大きく、小型軽量であった70年型のファイアーバードは、これを容易に凌ぐポテンシャルである事は明白です。ちなみに当時のカーグラフィック誌では、排気ガス対策が施された 1971年型のトランザム( V8、455CI ユニットの 8.4:1 「レギュラーガス仕様」、335HP/4800rpm、66.2kgm/3600rpm )をテストしていますが、0-100km/h:8.2sec というパフォーマンスであったようです。当時の日本では KPGC10 スカイライン HT 2000GT-R のレギュラーガス仕様( 155PS/7000rpm、17.6kgm/5600rpm )が、0-100km/h:9.4sec、 0-400m:16.6sec を記録しています。これは 1974 year GTO の3ATモデルに相当する数字なので、排気ガス規制を受けていない 350CI、V8を搭載した1970 year ファイヤーバードは、当時の国産最速クラスより速かった事が判ります。( 60mph = 96km/h )


    1970 year 400 RamAir IV TRANSAM ! 未だボンネットに「 火の鳥 」は描かれていません!。

 PONTIAC Firebird TRANS-AM V8 455CI HO 3-Automatic ( 1971year JAPAN Spec )
Motor   V8 OHV 7456.085cc( 455CI ) 8.4:1 ( 105.4x107.0mm )
MaxPower   335HP/4800rpm  ( SAE ) regular-gas
MaxTorque   66.2kgm/3600rpm ( SAE ) regular-gas
Final Gear   3.08
L W H   4867mm 1864mm 1280mm
0-60mph   8.2sec ( 0-100km/h )
Weight   1800kg
当時のCG誌の記事によれば、1970 year PONTIAC GTO には同じ 455 ユニットでも 10.25:1 というハイコンプレッション仕様が
搭載されていたという事です。この GTO は同じ 455CI から 360hp というパワーを出していたようですが、
ひょっとしたらSD455 未対策ユニットの事かも知れません・・・?。


1970年モデルのエスプリ及びフォーミュラー400 は全長 4885mm、全幅 1865mm、全高は 1280mm と発表されています。同じく1970 年のトランザムでは全高のみ 1255mm と低くなっています。トランザムが他のモデルより車高が低いのは納得行くのですが、その他数値でもトランザムのみ数値が異なっています。また日本向けの71年型 TRANSAM でも数値が異なっています?。また、ファイヤーバードの V8 ユニットは初年度の1970year モデルのみ 350CI( 5.7L )および、400CI( 6.6L )という排気量で統一されており、1971 年から 455CI HO ( 7.5L )の大排気量モデルがトランザムに標準エンジンとして登場しています。ちなみにエスプリの上位モデルであるフォーミュラー400は、400CI( 6.6L )という排気量が名称の由来です。

1970年型のフォーミュラー400のスペックは 400CI、V8 HO ユニットから 335hp/5000rpm、43kg/3400 rpm を発生していたようです。( ※ HO とは High Output = 高出力という意味だそうです )。1970年型のトランザムには( Ram-Air = ラムエア )と呼ばれる名作ユニットが搭載されて居たのですが、これはフォーミュラー400 の 400CI、HO と同じ排気量を持つ V8 エンジンですが、( RamAir IV )と呼ばれ、ハイカムや鍛造ピストン、異なる燃焼室形式と軽量バルブ、吸排気チューンを施したスペシャルユニットであったという事です。発生するパワーは、370hp/5500rpm、44.5kgm/3900rpm、というものですが、実馬力は優に 400hp を超えていたという事です。また1970年モデルのトランザムに限っては、僅か50台の限定生産モデルが存在しており、エンジン形式も( RamAir V )と呼ばれるラムエアモデルの最終発展型が搭載されていたという事です。この限定モデルは 400CI の同じ排気量から公称出力は 375hp となっていますが、本来のレースベース用に仕立て直すと( チューンでは無い )、8000rpm迄廻り、525hp!! を発生していたという事です。また、アメリカ本国に残されている計測データーを見ると、400CI RamAir IV の V8 ユニット( 370hp )を搭載するトランザムでも、SS1/4mile:13.9sec、0-60mph:5.6sec! という実測記録が残っており、当時では世界的に見てもトップクラスのパフォーマンスを誇っていました。
1971年からトランザムは、フォーミュラー 400 に搭載される、400CI、V8 HO の発展モデルとなる 455CI、V8 HO ユニットを搭載して、335hp/4800rpm、48kgm/3600rpm、のスペックになりました。( 日本仕様とは排気ガス規制の影響なのか、トルクの表記数値が異なるようです )。しかし性能は 1970 年の標準モデルのトランザムより大幅に排気量アップしたにも係わらず、ほぼ同じ状態に留まっており、ss1/4mile=13.9sec、0-60mph=5.9sec の性能となています。また、これに伴い、初代ファイヤーバードから継続されていた名作エンジン( Ram-Air  )が消滅してしまうこととなります。トランザムの象徴的なパワーバルジは、これ以降は飾り物となってしまうのです。



  1973 year SD 455 TRANSAM  and  Formula 400 HO!。

    この 「 Super Duty 」 から「 火の鳥 」が復活しました!。

その一方で、1973年から SD ( Super Duty )と呼ばれる名作エンジンが復活する事になります。この( スーパーデューティー 「 Super Duty 」 )とは、よくサスペンション等によく使われる( ヘビーデューティー 「heavy duty」 = 激しい労働や過酷な使用状況に耐え得る実用性の高い物 )に近い意味合いだと想像しますが、恐らくヘビーデューティーよりさらに高度なものを指すと思います。その意図は、エンジンユニットが過酷なレースチューンに耐えうるスーパーな作り?というような意味合いだと思われます。この SD ユニットは、1960年代のストックカーレースで大活躍したエンジンのリバイバルユニットだと言う事です。
1973年よりトランザムに搭載された「 SD 455 」ユニットは、1970年代の不遇の時代にも関わらず、310hp をマークしていました。1974年式の SD455トランザムの実測値は、ss1/4mile=13.5sec という記録が残っていますが、これはマスキー法によるエミッションコントロール( 排気ガス規制 )を装備した状態での記録であり、レース用のホロモゲーションユニットである 455 SD のポテンシャルの高さを端的に表しています。 この Super Duty ユニットは鋳造時に発生する歪みを修正してから製作される純然たるレースベースエンジンなのです。さらに4ボルトメインベアリングキャップ強化ブロック&ダクタイル鋳鉄製クランク、ドライサンプに対応したオイルライン、鍛造ピストン&強化コンロッドを標準採用というレース前提のスペシャルパーツ満載のユニットであったので、エミッションコントロールをキャンセルする(圧縮比などを正規の状態に戻す)だけで、ss1/4mile でも12秒台は容易に記録出来たのは無いかと推測します。

従って、近年のワイルドスピードという映画で30年前のアメリカンマッスルカー達が、日本のチューンドカーに負けない走りをするのも、あながち真っ赤な嘘では無い訳で...。例を挙げて見ると、イギリスではBCNR33 GT-R は 0-60mph:5.0秒となっています。う〜ん、マジで負けそう(爆)。








1970 year Firebird esprit ( PONTIAC V8 350CI、255hp  )






1970 year Firebird std ( 1450kg L6、250CI、155hp、170km/h  )





1970年の発表時の写真です。初代のファイアーバードは特徴的なシングルリーフを採用したリヤサスペンションや、基本モデルに搭載されていた直列 6 気筒 SOHC ユニットが特徴的な先進的なモデルとしてポンティアックのイメージモデルを担っていました。しかし 2代目では平凡なOHV ユニットに戻される一方、全車にフロントディスクブレーキを標準装備するなどの拡充も行われ、よりスタイリッシュなクーペボディへ変貌した結果、5人乗車の初代モデルから4人乗りのパーソナルクーペとなり、スペシャリティーカーとしてのイメージが明確にされました。このファイアーバードの開発メンバーがフォードに引き抜かれた為、急遽新型として発表して販売が半年も早められたという逸話が残っています。


CG誌でテストされた1971年型のトランザムです。日本向けの71年モデルという理由からか、ターンシグナルランプが追加されています。

定かな記憶では無いのですが、我が家の 1970年型ファイヤーバードには後つけのウインカーは無かったように思います( 不鮮明ながら残っている写真でも確認出来ません )。ちなみに1970年モデルのトランザムは正規輸入されていないようです。排気ガス未対策のファイヤーバードは希少だったかも知れません(笑)。







これは、1970年型トランザムと同一のボディを持つ、1980年型のトランザムターボです。エンジンは、V8 OHV、301CI(4.9L)に縮小されているのですが、パワー不足を補う為にターボを装着したスペシャルバージョンです。結局このボディは、マイナーチェンジを繰り返しながら、何と1982年迄生産されて、12年間もの長い間、アメリカンマッスルカーの伝統を後世に語り継いだのです。 しかし、恥ずかしくなるくらいハデだねぇ(!)。









ファイヤーバードの宿命のライバルと云えば、フォードマスタング(笑)。その中でも2代目のマスタングで「BOSS 351」と名づけられた、1971年のスペシャルモデルは日本にも多くのファンが居ると思います。実は、このマスタングをデザインした人物が2代目のファイヤーバードをデザインした人物であるようです(驚)。








1970年初頭の日本の風景。これは大分県の城島高原の近くにある峠の休憩所です( 2、3年前にこの道を通った時は既に封鎖されていましたが、このドライブインの建物はまだ残っていました )。まず目を引くの「Nコロ」の多さですね。上級クラスの普通車よりも良く走ると一世を風靡したホンダ N360 が実際にヒット商品であった事を如実に物語るショットになっています(笑)。130セドリックワゴンと510ブルのバンが止まってる前に、G15 ユニットを搭載した S57 スカイラインが佇んでいるのが象徴的な構図ですが、タクシー以外はすべて日産車という所が good です(爆)。




1976yesr PONTIAC firebird V8 350ci MODEL )。