大分きのこ会会長挨拶

会長あいさつ 平成26年度

村上康明

今年も方々でアミガサタケの便りが聞かれるようになってきました。きのこの季節が始まったことを実感する次第です。まず昨年度の活動について、次に今年度の計画について皆様にご紹介したいと思います。

大分きのこ会では、毎年観察会と会員報告会を開催していますが、2013年には6回の観察会と会員報告会を行いました。

623日には年度当初の総会と柞原神宮(シイ・カシ林)観察会を行いました。ここでは定点観察として毎月1回の観察会も行っていますが、例年6月の梅雨の時期になると、ベニタケ、テングタケ、イグチ等きのこの発生が増えてきます。この日もテングタケ、ウラグロニガイグチ等の菌根性きのこの発生が見られました。チチタケ属のきのこでは、柄の部分から枝分かれして別の傘ができている(1つのきのこに傘が2つ)という珍しいものも見られました。倒木にはアラゲキクラゲやホウライタケ属の一種が発生していました。
 77日は宇佐神宮のシイ・カシ林の観察会でした。例年宇佐地域の自然観察のグループの方々と一緒に観察しており、今回もコケがご専門の大塚政雄先生にお世話になりました。例年多数のきのこを見ることができる会ですが、今回もベニタケ属、イグチ属など多くのきのこが発生していました。特にチャタマゴタケの群生は印象に残りました。途中から雨が降り出し、鑑定会の時は土砂降りになる始末でしたが、雨宿りをしながら皆さん熱心に採集したきのこの鑑定をしていました。会が終了した頃には雨がやみました。
 921日は黒岳のブナ・ミズナラ林の観察会でした。ピンクのツリフネソウが咲く中を、中腹のかくし水を目指して登っていったところ、大きなブナの立ち枯れ木に一面にツキヨタケが発生しているのを見つけました。しかもそのツキヨタケはほとんど白色で、遠目にはヒラタケに見えました。中毒が多いきのこなので、注意が必要です。その他タマシロオニタケ、オニタケなどを見ることができました。その後希望者は宿泊合宿を行い、ツキヨタケの発光を観察しました。宿泊については会員の矢原様に大変お世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。

108日には初めての場所として、高崎山で観察会を行いました。この日は朝から雨模様で、しとしと降り続く中を山頂目指して登っていきました。途中はきのこがほとんどなかったですが、雨で警戒心が薄れていたのか、多数のニホンザルに出会うことができました。山頂のシイ・カシ林では結構な数のきのこを見ることができました。主なものとして、コテングタケモドキ,ニセクロハツ、カラカサタケ、アイタケ、テングタケなどがありました。この日も帰りには青空が覗いていました。

1020日も新しい観察地として、東山いこいの森を見ました。駐車場周辺はカラマツの植林地とクヌギ等の広葉樹林でしたが、上の方はクヌギ・コナラ林が広がっていました。クヌギ・コナラ林に入るときのこが目につき始め、アラゲキクラゲ、ミヤマタマゴタケ、クリイロムクエタケ、モエギタケ、チシオタケ、ハラタケ属の一種等が発生していました。

1117日は奈多海岸松林のショウロ発生地を見ました。当日は乾燥のせいかきのこが少なかったですが、皆で歩くうちにハツタケ、ハマシメジ、ベニタケ属の一種などを見つけることができました。ショウロの発生にはまだ少し早かったようですが、最後に砂田事務局長が1個だけ発見して、皆に披露してくれました。

128日には大分市のコンパルホールで会員報告会を開催し、各自が2013年に見たきのこを発表しました。珍しい発光性きのこの写真を見せていただいたり、(きのこはほとんど見られなかったものの)ヒマラヤトレッキングのすばらしい風景(ならびに苦労談)を報告いただいたり、私の方からはトリュフ近縁種(日本新産種で、甘いきのこ)の写真を見ていただいたりと、有意義な一日を過ごすことができました。

大分きのこ会では昨年に引き続き、今年度も6回の観察会と会員報告会を計画していますので、皆様ふるってご参加ください。なお、総会に際しては「大分県森林づくりボランティア支援センター」(旧:高尾山管理事務所)を使うことができるようになったのに伴い、第一回の観察会ならびに総会を高尾山で開催いたします。そして昨年から継続して観察する場所として宇佐神宮、黒岳、東山いこいの森(由布岳近傍)を設定し、祖母山、長者原を新しい観察地(ただし、以前には観察したことあり)として取り入れました。観察地についても、皆様からの積極的なご提案をお待ちしています。
          (事務局よりのお断り:写真は除いております。会報をご覧ください。)

平成25年度観察会の開催にあたって

会員の皆様にはいつも会の運営にご協力いただき、感謝いたします。また、幹事の皆様には観察会の立案、現地案内など、ご苦労をおかけします。さて、H24年の観察会も無事に終了し、H25年の観察会を開始する時期になってきました。H24年の観察会については、特筆すべきことが一つありました。それは、当会顧問である遠藤先生のご提案によって定点観察を始めたことです。特に「柞原神宮の森」での継続観察の必要性についてご提案を受けたのですが、幹事で話し合った結果、比較対照としてもう一箇所加えて定点観察をしようという結論に達しました。場所については、柞原と同日に観察できる照葉樹林ということで、以前何回か観察会を実施したことのある「上野の森」を選定いたしました。両方の森を昨年一年間(毎月1回、第4日曜日)観察して、興味深いことがわかってきました。常緑樹が生い茂って、一見同じように見える両者ですが、きのこ相がかなり異なっていました。そう思って上を見上げてみると、植物相も違っていました。柞原はコジイ(スダジイ)が優占する森林ですが、上野にはコジイはほとんどなく、アラカシが優占していました。また、遊歩道にやたらと丸い石が目立ちます。詳しい方から、大野川河川敷、または川底だったのが隆起した結果であるとの意見を聞きました。また、上野の森の観察会に良く参加してくださる池松さん(大分上野の森の会)が現地に長く住む方々に問い合わせてくださった結果、上野の森は昔は森林ではなく、畑や果樹園(ミカン畑)であったとのこと。その後に植林され、市民の憩いの場として森が整備されたそうです。丸石を運んできて置いたという話もありました。現在成立しているきのこ相には、昔からの地質や森林の歴史が深く関わっているということを考えさせられた次第です。

通常の観察会では、きのこが多く見られた会と、ほとんど見られなかった会がありました。その中で印象に残ったのは、宇佐神宮でした。昨年は特にイグチ類が多く見られましたが、その中に変わったきのこがありました。一つはウラグロニガイグチに似て柄の根元が赤みを帯びている種です。小型だし、傘の色合いも微妙に異なっていたので、新種かもしれないということで、「ウサノウラグロニガイグチ」と仮称で呼びました。あとで調べてみたところ、柄の根元や胞子の特徴から、「コウラグロニガイグチ」であるとわかりました。大分県初であり、全国的にも記録が少ない種であると思います。もう一種印象に残る大型のイグチがありました。傘が淡褐色、孔口に青変性をもち、黄色の地に淡褐色の網目を有していました。一番近いのはアカジコウですが、再度採集して昨年のものが典型的だったのか調べ、幼菌の状態なども観察してみたいものです。

平成24年度観察会開催にあたって(照葉樹林のきのこ)
                   大分きのこ会会長  村上康明

 昨年は6回の観察会と会員報告会、有志勉強会等を実施しましたが、怪我等のトラブルもなく、無事に終えることができました。
 観察会で特に印象に残ったのは7月10日の上野の森でした。梅雨の雨が降った後、きのこ発生にちょうど良い時期に当たり、チャタマゴタケ、仮称ハマクサギタマゴタケ等のテングタケ類、ヤマドリタケモドキ、キクバナイグチ等のイグチ類、ヤブレベニタケ、クサハツ等々夏のシイ・カシ林を代表するきのこが多数発生していました。
 キタマゴタケに似たきのこも見られましたが、色合いが微妙に異なっており、「チャタマゴタケの黄色型」ではないかと思われました。
 このときは会員さんが他所で採集して持ち込まれたきのこも多数に登り、仮称ハマクサギタマゴタケ、ベニイグチ、クリカワヤシャイグチ、コオニイグチ等を見ることができました。

さて、今年は本会顧問の遠藤先生のご提案により、県内の照葉樹林に発生するきのこを定期的に調査することにしました。
 具体的には、柞原の森(午前10時〜)と上野の森(午後1時頃〜)を月に一回ずつ調査します。調査ルートを決めておき、2箇所を1日で見て回る予定です。真冬も含めて、毎月第4日曜日に実施しますので、皆さんふるってご参加ください。

上記の調査の他、例年通り6回の観察会(5〜11月)と会員報告会(12月)を予定しています。詳しくは日程表を参照してください。今年も楽しくきのこ観察をしましょう。

 
平成23年度観察会開催にあたって
大分きのこ会会長  村上康明

今年は3月の東北大震災に続く原発事故で皆様不安な日々を過ごされていることと思います。被災地の一刻も早い復興を祈っております。

 さてH22年の観察会は、幹事さんや会員の皆様のご協力のおかげで無事終了いたしました。ただ夏に高温乾燥が続き、秋になってもなかなか雨が降らなかったため、発生不良の状態が長く続きました。観察会でも、きのこの姿をあまり見ることができませんでした。

 そんな中にあって7月の宇佐神宮では久しぶりにきのこの大発生に出会うことができました。梅雨の雨に恵まれたためと思われますが、テングタケ類、イグチ類、ベニタケ類が足の踏み場もないほど群生していました。

 9月の黒岳も、限られた場所ではありますがきのこが発生しており、多くの種を見ることができました。詳しくは観察きのこのリストを参照ください。

 今年も6月〜10月にかけて6回の観察会を計画しております。

 皆様それぞれで目標または「調べたい、覚えたい」事などの目的を持つなり、作るなりして充実したきのこ観察会にしたいものです。

  幹事さんたちもそれに対してできる限りのサポートをお願いします。

 さらに12月には、最近恒例となった会員活動報告会を計画しております。皆様ふるってご参加ください。
 
 開催場所等の詳細は後日ご案内します。
 
 また、昨年寄せていただいた皆様からの原稿は、会報の「30周年記念・会員の声特集号」として編集中です。
 
 12月の会員報告会までにはお配りする予定ですので、もうしばらくお待ちください。

                                       会長 村上 康明

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