白石谷・十八丁尾根(お勧め度★☆☆) 北六甲【2-24】

裏六甲の深きところに位置する白石谷、訪れる人も少ない十八丁尾根、
これら裏六甲のマイナーなルートを辿ってみた。

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説明が青色文字の写真はクリックで拡大します。

 六甲山上の後鉢巻山から北に下る尾根に、白水尾根と十八丁尾根がある。
 この十八丁尾根は、山と高原地図(昭文社)や六甲全山縦走マップ(神戸市生活文化観光局)ではルート表示がないが、ミウラ折り六甲摩耶(ゼンリン)では破線のルーとして紹介されている。
 今回(平成22年5月29日)は、そのマイナーなルートの十八丁尾根に、厳しい谷歩きの白石谷をからませて、静かな裏六甲を歩いてみようと思う。
 有馬温泉から紅葉谷軽由で白石谷を詰めて最高峰に至り、そこから十八丁尾根を下る計画である。
有馬温泉からスタート
有馬温泉からスタート
鼓ケ滝公園  有馬温泉駅を10時10分にスタートする(写真上)。
 まずは六甲有馬ロープウェイの有馬温泉駅を目指して、温泉街の細い道を進む。路地は観光客で賑々しい。
 ロープウェイの駅の南側には有馬六景のひとつに数えられる有馬の名勝「鼓ケ滝公園」がある。
 今日はその公園に寄り道してみた。
 午前中の公園は観光客もまばらで静かな佇まいだ。もみじの新緑が目にまぶしい(写真左)。
鼓ケ滝公園
 静かな公園も奥に進むと一変する。鼓ケ滝から流れ落ちる水の音が周辺にこだまして大きな音をたてている。今日の鼓ケ滝は水量が多いようだ(写真右)。
 落ちる滝の音が山々にこだまして、鼓を打つ音に似ていたので鼓ケ滝の名がついたとされるが、洪水等により岩が崩れ、形が変ってしまった現在の滝からは鼓の音を聞くことはできない。
 公園を散策した次は、有馬の名水「高塚の清水」を訪ねることにする。
鼓ケ滝
鼓ケ滝
高塚の清水への入口  六甲有馬ロープウェイの有馬温泉駅まで戻り、紅葉谷を目指して林道を登っていると、右手側に木の階段が下っているのに気が付いた。そこはロープウェイの駅から7分ほど歩いた地点だ。
 ちょうど「落石注意」の表示がある場所である(写真左 写真は南から北の方向を向いて写したもの)。
 掲示板で「森の旅人」さんから教えていただいた「高塚の清水」の入口に間違いないと思い、階段を下っていった。
 階段を下り、踏み跡に従い少し上流の方に歩き、次に右折して水の流れる方に進むと飛び石渡しが登場した。
高塚の清水への入口
 水量が多く、飛び石渡しを越えるのに苦労したが、何とか流れを渡った。
 そこから踏み跡に従い山裾まで進むと兵庫登山会の白い看板が目に飛び込んできた。それは「高塚の清水」を示す案内表示だった(写真右)。
 兵庫登山会の看板の隣には「有馬保勝会」の案内看板も設置されていた。
 それらの看板の後方に、小さな滝のようになって清水が流れ落ちていた。それが「高塚の清水」であった。
 ここは射場山砂防堰堤の少し下流に位置する。
高塚の清水の説明
高塚の清水の説明
高塚の清水  高塚の清水は湯槽谷山山麓からの湧水のようで、冷たく澄んでおり、名水といわれるのも納得である。樋がかけられ、水を手に掬いやすくしてある。
 高塚の清水も確認できたので、次は白石谷を目指すことにする。
 高塚の清水から4分程で元の林道に戻ってきた。その林道を南に進む。すぐ右手側に射場山砂防堰堤が現れた。高度感のある堰堤だ。その堰堤の対面は湯槽谷山の山域となっている(写真下)。この山がろ過の役目をして、高塚の清水の名を高めているのだろう。
高塚の清水
 射場山砂防堰堤を越えて更に進むと左手側に「癒しの森」の入口が登場する(11:10)。「癒しの森」は平成19年に整備された道である。
 更に進むと、湯槽谷との分岐点に至った(11:13)。直進が湯槽谷で、左が紅葉谷である。
 湯槽谷を詰めると湯槽谷峠を越えて横谷に至るが、今日は、この分岐を左に進み紅葉谷に入る。
 紅葉谷に入ってすぐ、右手側に真新しい堰堤が現れた。紅葉谷を登るのは久しぶりで、このあたりは工事でだいぶ様子が変っている。
湯槽谷山を望む
湯槽谷山を望む
白石谷入口  湯槽谷と紅葉谷の分岐点から15分ほど進んで白石谷の入口までやってきた。ここには白石谷の表示柱がある(写真左 11:29)。
 その案内柱では、白石谷は「熟練者向け・危険な岩場あり」とされている。
 白石谷一帯は有馬四十八滝で有名だが、この谷道は川床を伝い、ガレ場や崩落の進む斜面の道などが多く、熟練者向きのルートとされる。当方も気持ちを引き締めて白石谷に入る。
白石谷入口
 白石谷に入るとすぐに流れを渡る。流れは水量が多く、ここで少々手間取る。
 次に白石第三堰堤が表れる。二段構えになった堰堤を左から越えて、堰堤内の広場状のところに降り立った(写真右 11:41)。
 そこには兵庫登山会のコース案内が掲げてあった。それによると、ここは白石谷と百間滝、似位滝を擁する谷の分岐点のようである。
 すぐ左手側には白石滝が流れ落ちていた。新緑の繁った谷底は日差しが弱く、白石滝は露光不足で綺麗に写らなかった(写真右下)。
白石滝手前の広場
白石滝手前の広場
 次に、百間滝、似位滝方面の谷筋にも少し踏み込んでみた。しかし、こちらの谷は足場が悪く、進行に相当難儀をする感じだ。すぐに遡行を諦め、また白石滝のところまで戻ってきた。
 白石谷の遡行路は白石滝の右側の斜面を登っている。この道は白石滝を右から大きく巻いて進んでいるのである。白石滝のちょうど上あたりで、上流から下ってきた人に出合った。今日、白石谷で初めて人に会った。
 その方は当方に「ここから有馬に下れるか。」と聞かれた。「川床は踏み跡がなく、道に迷ったのではないかと不安になっていた。」とのこと。やはり、白石谷は熟練者向きのルートのようだ。
白石滝
白石滝
白竜滝  白石滝から7分ほどで白石谷第四砂防ダムに到着した。この堰堤は右から大きく巻いて越え、堰堤内に下りる。
 このあたりから川床を伝ったり、岸を歩いたりと、ルートファインディングに苦労する。先程お会いした方が「道に迷ったかと思った。」と言われたのが頷ける感じだ。
 今日は水量が多く川床を遡行するのは大変だ。おまけに倒木で行く手を塞がれた所も多い。数年前一度この谷を歩いたことはあったが、あまり記憶になく、当方も「道は間違ってないか」不安と共に進んでいたが、何とか白竜滝まで登ってこれた。(12:30 写真左)。
白竜滝
雄大な白竜滝 深く静かな白石谷
雄大な白竜滝 深く静かな白石谷
崩壊の進む白石谷  白竜滝で7分ほど休憩して、遡行を再開する。
 白竜滝を右から大きく巻いて越える感じで道が続いている。
 白竜滝越えの道は岩壁登りのような場所もありスリル万点である。
 白竜滝の上部に出ると道は普通の山道になる。このあたりで次々と4人のハイカーとすれ違った。その中の一人に「今日は水量が多いか?」と聞かれた。その方は、白石谷は水量が多いと、走行に困難を伴うことを熟知しておられるようだ。
崩壊の進む白石谷
 その後も、白石谷は不安定な川床歩き、急斜面の登り、崩落の進む山腹道(写真上)と、苦難のポイントが次々に登場し、気を抜けない歩行が続く。
 なお、白石谷遡行中に何箇所か写真右のような案内表示があった。道に迷ったのではないかと、不安になりかけたところでタイミングよく登場するこの案内表示には何度も助けていただいた。
白石谷はこの案内が目印
白石谷はこの案内が目印
白石谷から魚屋道に合流  最後に流れを渡り、右岸から山土の急斜面の登りとなった。この急勾配は半端ではない。おまけに土の斜面は滑りやすい。この急勾配を登りきって、標高は一気に上がったが、心拍数もうなぎのぼりであった。
 笹が見えてくると道は平坦となり、そのまま東に進んで魚屋道に合流した。
 合流地点にも「白石谷 熟練者向き 危険」の表示が掲げられていた(写真左 13:25)。白石谷は「危険」の表示があることから、あまりハイカーには会わないだろうと思っていたが、以外にも多くの人とすれ違った。怖いもの見たさの山人が多いということだろう。
白石谷から魚屋道に合流
 魚屋道合流地点に近い吉高神社にお参りして(13:30)、次に六甲最高峰にも寄ってみることにした。
 今日は晴天で、最高峰に至る舗装路から素晴らしい景色を望むことができた(写真右 13:38)。写真は芦屋の奥池とゴロゴロ岳、その後方は阪神間の町並みと大阪湾である。遠く生駒の山並も霞みの中に浮かんでいる。
 絶好のハイキング日よりの今日は、六甲最高峰も多くの人で賑わっていた(写真下 13:41)。
最高峰からの景色
最高峰からの景色
賑わう六甲最高峰 後鉢巻山を望む
賑わう六甲最高峰 後鉢巻山を望む
治山工事通行止め  六甲最高峰から東側に位置する後鉢巻山を確認する(写真上 13:44)。
 頂きに鉄塔の立つ山が後鉢巻山で、今日の下山路である十八丁尾根は、この後鉢巻山の北側から有馬街道に向けて下っているのである。
 六甲最高峰から車道まで下り、車に気をつけて更に東に進む。トンネルの手前で後鉢巻山を左から巻くように道が分岐している。この道は旧車道であるが、今は草木が繁り当然車は通れない。
 しばらく進んで「立入禁止」の看板が現れた(写真左 13:58)。アレレ・・・!何の工事??と思いながら更に進んで行くと・・・
治山工事通行止め
 そこでは、後鉢巻山の北側斜面の治山工事が行われていた。工事用の重機と工事関係の車が数台止められているが、機械は動いておらず物音一つしない。変だぞと思い、車の中を覗くと、ちょうどお昼休みだったようで、工事関係の方は車中で昼寝中だった。
 これはチャンスと思い、急いで十八丁尾根の入口を探しまわると、カーブミラーの立つところのガードレールに黒ペンキの表示があり、そこから古い木の階段が下っているのを発見した(写真右)。そこが十八丁尾根の入口と確信し、ガードレールを跨いで尾根に入った(14:04)。
十八丁尾根入口
十八丁尾根入口
 スタートは木の階段を下る。その階段は古く傷みも激しいが、踏み跡は、はっきりしている。
 少し進むと道が左右に分岐する。左に下る道はロープでふさがれている。
 次に尾根道はものすごい笹の道になった(写真右 14:07)。笹は膝位の背丈である。この笹の中にしっかりと踏み後が続いている。
 少し進んでまた道が分岐した。ここではテープや赤ペンキの表示が右に進むことを示している。次に尾根道は激下りとなった。ロープが設置されたところもあり、これにつかまり慎重に下っていく。
笹の繁る十八丁尾根
笹の繁る十八丁尾根
東側には白水山が 十八丁尾根(赤い印が続く)
東側には白水山が 十八丁尾根(赤い印が続く)
 急な下り道の木々の切れ目から東側を望むと、白水尾根の連なりが確認できた(写真上 14:11)。ちょうど白水山のピークあたりか。また、ここでは電線が谷に向かって下っているのが確認できた。この十八丁尾根のルートはこれら電柱の看視路なのかもしれない。そう考えると、入口に古い木の階段が作られていたことも頷ける。
 更に十八丁尾根を下っていく。この尾根道には踏み跡と供に、随所にテープやペンキの表示がつけられている(写真右上)。これらに従い、ほぼ忠実に尾根筋を進んでいく。
砂防堰堤の連なる瑞宝寺谷西尾根
砂防堰堤の連なる瑞宝寺谷西尾根
後鉢巻山を振り返る  左手側に景色が開けたところでは、瑞宝寺谷西尾根の崩落現場に砂防堰堤が連なる様子が確認できた(写真上)。急な斜面に土砂崩れの跡が残っている。作業条件の劣悪なこの堰堤工事は難工事であったろうことが窺われる。
 更に下って後方に視界が広がる箇所があった。後鉢巻山のピークが遥か上の方に見えている(写真左 14:34)。もうだいぶ下ってきている。
 しばらく進むと、いったん鞍部に降り立つ。この鞍部では少々ルートを見失いそうになるが、良く見ると木にペンキの印がつけられている。
後鉢巻山を振り返る
 鞍部からは、また、すぐに登り返して尾根道に出る。
 その尾根道を進んでいると、急に前方が開け芦有道路に合流した(写真右 14:37)。車道がトンネルを抜け、大きく右にカーブする場所だ。
 芦有道路に接するのはこの一箇所だけであり、又、すぐ山道になる。写真右の中央に写る小山の中に十八丁尾根道が続いているのだ。
芦有道路に合流
芦有道路に合流
十八丁山のピーク  芦有道路から再び山道に入り(14:40)、しばらくは尾根沿いに登っていく。
 やがて、笹が繁るピーク状の場所に至った(写真左 14:48)。
 ここが恐らく十八丁山のピークと思われる。ネットで確認してみると、古くはここに兵庫登山会の標識「十八丁山 717m」があったらしい。
 十八丁山のピークでは道がT字型に分岐している。右に進んでみると古い電信柱が放棄してある。そこから先は、道がなくなる。左にはテープ表示がある。よってここは左に下る。
十八丁山のピーク
 十八丁山のピークから左に下ると、やたら倒木が目に付くようになった。しかし通行を極度に妨げる感じではない。
 更に進むと尾根道は多少のアップダウンを繰り返しながら、岩の多いエリアに入っていった(写真右)。テープ表示に従いながら、大岩を迂回しながら下っていく。
 この岩の多いエリアはやや踏み跡が薄れ、ルートを見失った感じを受けるが、良く見るとペンキの表示がある。一部尾根筋を迂回するところもあるが、概ね忠実に尾根を下る感じで進めばいいだろう。
岩が連なる十八丁尾根
岩が連なる十八丁尾根
白水峡のバッドランド  次に尾根道は激下りとなり、一気に十八丁川まで下っていく。ちょうど流れに向かって右側に堰堤が見えるところに下り付いた(15:28)。ここからは前方上部に白水峡の荒涼とした山肌も一部見えている(写真左)。十八丁川の清水で手を洗い、尾根道が終了したことを実感する。
 ここからは林道のような幅広の道を北に進む。
 やがて右側に大きな堰堤が見えると林道がコンクリートの道となる。このあたりは、道の上を水が川のように流れ、歩き難いことこの上ない。
白水峡のバッドランド
 林道はゲートのところで有馬街道に合流した(写真右 15:44)。バスはなかなか来そうにないので、そこから車道を有馬温泉まで戻ることにした。
 途中、松尾橋のバス停を通過した。このバス停は、民家一つない山中にぽつんと停留所の表示が置いてある。
 こんな所でバスを利用する人がいるとは到底思われない。このバス停には何の必要性があるのだろう・・・と悩みながら車道を進み、有馬温泉まで歩く。
 神鉄の有馬温泉駅には16時10分の到着であった。このコースは最後に山中の車道を30分弱も歩かなければならないのが難点だった。
有馬街道に下りつく
有馬街道に下りつく
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