白山・お花松原
2005年(平成17年)7月24日


メ モ
今年の6月は雨が少なく空梅雨と思われていたが、7月に入るとそれを埋め合わせるかのように一転して各地で豪雨が降り、青空も忘れてしまうほどに何日も曇り空が続いた。しかしその梅雨空も7月なかばを過ぎると流石に終焉を迎える気配がしてきた。梅雨が明けるまでの間にササユリやニッコウキスゲが咲く赤兎山山行の計画を立てたりしていたが、梅雨が明けて夏本番となってしまうとその時期を逸してしまい、やはり3000m級の山へと言うことになる。しかし今年は北海道にも行く予定にしているので、日本アルプスなどというわけにはいかない。
そこで思いついたのが白山だが、室堂周辺だけだとあまり変わり映えがしないので、少し強行軍だがまだ行ったことのないお花松原までの日帰り登山に挑戦することとした。

お花松原まで日帰りで行くには未明から登り始めるのが大前提となり、そのためには深夜のうちに登山口に着く必要がある。となると数ある登山道のうち条件に叶うのは大白川からの平瀬道のみということになる。大倉尾根を辿るこの平瀬道を初めて登ったのは平成10年の7月のことだったが、ちょうど高山植物の最盛期で色とりどりの花々を堪能した山行だった。この尾根道の後半は花が多く、また眺めも変化に富んでいて歩きやすいので、その後3度白山の日帰り登山に利用した。平成14年に登った時は御前ヶ峰を越えて中宮道の取り付きまで行って眼下にお花松原を望んだが、時間的な不安もあって行くのを断念した経緯がある。
お花松原へは大白川から往復12時間近くかかるため、遅くとも午前3時半には登山口を出発する必要がある。そのため23日の午後9時前に家を出発し、名神と東海北陸道を走って24日の午前零時15分に荘川ICを出て、登山口の大白川には1時5分に着いた。途中、各務ヶ原から郡上八幡あたりまでは雨が降っていたが蛭ヶ野高原を過ぎるとそれも止み、ここ大白川の駐車場は煌々と輝く月明かりの中にあった。駐車場には既にかなりの数の車が留めてあった。まだ時間があるので少し仮眠を取る。しばらく微睡んで、3時前に起きて支度をしていると何人連れかのパーティが出発していった。随分早いなと思ったが、僕も急いで定番の朝食を取り、ヘッドランプをつけて3時半に出発した。


行 程
国土地理院地図

 
大白川−大倉山−室堂−中宮道−ビルバオ雪渓−お花松原(往復)

天 候 晴れ後曇り


登山口の鳥居を潜るとすぐにつづら折りの登りが始まる。1時間ほどして2km地点を過ぎ、笹原の中にダケカンバが生える尾根の南斜面をジグザグに登って行くうちにようやく空が白み始める。尾根の稜線に戻って午前5時に3km地点に着くころにはまわりはすっかり明るくなった。

やがて道は平坦になり、程なく右前方に夜明け前の御前ヶ峰と剣ヶ峰が双耳峰のように並んでいるのが眺められた。

最初のガレ場を過ぎて尾根の南側を巻くころにご来光を迎える。

今日は空は晴れてはいるが、別山方面の稜線は雲に覆われており、また東の方も雲海が広がっているため残念ながら北アルプスなどの中部山岳の展望は得られなかった。

再びガレ場に出る。このガレ場付近は樹林帯を抜け出て高山帯に移る位置にあり、また時間的にも何時も日の出のころに通るため、早朝の高山の清々しい気分を味わえるところです。

ガレ場を通り過ぎて大倉山の山頂の側を歩いて行くとやがて避難小屋に着く。時刻はちょうど5時半になる。

小屋の手前からは朝日に輝く御前ヶ峰と剣ヶ峰が高く大きく望まれ、
その左手にはこれから登って行く大倉尾根の上部が認められた。

小屋から平坦な道をしばらく行くと後半の登りが始まり、まわりは灌木帯になりそのうちハイマツも現れてくる。
この尾根の登りの楽しみはこれからで、道の脇に幾種類もの花々が見られるようになる。


登山道脇に咲いていたミヤマキンポウゲ。
同じ夏でも時期によって咲いている花は異なるが、今日は夏の前半ということで、
ニッコウキスゲやミヤマキンポウゲ、オタカラコウ、イブキトラノオ、ハクサンフウロ、ヨツバシオガマ、キヌガサソウ、サンカヨウ
などを見ることができました。


オタカラコウ、イブキトラノオ、ハクサンフウロなど

ニッコウキスゲ(ゼンテイカ) ハクサンフウロ
つづら折れの道を登り、小さな雪渓を横切ってしばらくして午前6時15分にカンクラ雪渓が望める所に出る。
早朝にもかかわらず、例年より多そうな残雪を覆い隠すように早くも雲が湧き始めている。


カンクラ雪渓展望所から歩き始めてガレ場のお花畑を通るころにはまわりはすっかり霧に包まれてしまった。
霧のような小雨がぱらつく中を、階段の急登を終えて賽の河原に着いたのは6時50分。
この付近にもハクサンフウロやイワカガミ、クルマユリ、コバイケイソウなどの花が咲いていた。
特にコバイケイソウの群落はこの付近では初めて見るものだった。

ハクサンコザクラやクロユリが咲く登山道を歩いて室堂には午前7時丁度に着いた。
多くの人が屯する神社前の広場をとおり抜け、白山荘の側を通ってお池巡りの道に入る。
背の高いハイマツの中の道を進んで行くと立ちこめていた霧が晴れてきて青空も覗き始め、前方に水屋尻雪渓が現れてきた。
雪渓のまわりにはハクサンコザクラやミヤマキンバイの群落があり、
青い空に白い雪、色とりどりの花と、まさに夏山の真っ只中にいる爽快感を味わった。

起伏の少ない登山道のまわりにはその後もハクサンコザクラや
イワカガミ、ミヤマキンバイなどの群落が随所に見られた。

イワカガミ(お池巡り道)

大汝峰とミヤマキンバイ(お池巡り道)

水屋尻雪渓付近で一時は晴れ上がった空も再び霧に覆われ始め、
千蛇ヶ池手前の登りを終えて大汝峰が望めるところに出てもその頂上付近は白い霧に覆い隠されたままだった。
大汝峰への道を左に、御前ヶ峰への道を右に分けて中宮道目指して進んで行くとやがて道は緩い下りになり、
晴れていれば眼下にお花松原が望めるところに立つ。
前はここまで来て引き返したのだが、今日は意を決してそのままビルバオ雪渓へと下る。時刻は午前8時。

ハイマツの中の道を急降下して行くとやがて大汝峰側の涸れ沢に出る。しばらく沢に沿って下って行くとビルバオ雪渓が現れてくる。雪渓を下って平坦になった道を進んでようやく目的地の“お花松原”に到着。時刻は午前8時半頃で、思ったよりも早く着いた。

しかし残念ながら霧のために期待した白山主峰群の眺めは得られなかった。
お花松原のまわりにはハクサンコザクラ、ミヤマキンバイ、クロユリなどの花が咲いていた。

ミヤマキンバイ

クロユリ

中でも素晴らしかったのは随所に咲くアオノツガザクラの群落だった。
これで天気が良くて白山の主峰群が眺められれば言うことはないのだが、天候だけは如何ともし難いものいだった。


アオノツガザクラの群落 ミヤマキンポウゲの咲く道
まだ時間もあるのでミヤマキンポウゲが咲く道を進んで行くと前方に北弥陀ヶ原へと続く尾根道が見えてきた。
その中ほどに岩が露出しているところがあったので、とりあえずそこまで登ってみることにした。
見た目ほど時間はかからず、午前8時40分頃にその岩のあるところに着く。
休むのには打ってつけのところで、ここで大休止し、持ってきたお弁当を戴いてしばらくの間霧が晴れるのを待つ。


時々霧が晴れてお花松原が望めるが、稜線付近まではどうしても晴れない。
9時過ぎまでそこで頑張っていたが、状況は変わらないので諦めて9時10分にお花松原に戻ることにした。
 お花松原で少し時間を過ごした後、室堂目指して出発する。
途中かなり霧が晴れて剣ヶ峰の全容が現れかけたが、山頂部にまとわりついた霧は遂に晴れることがなかった。

ハクサンフウロ(帰途大倉尾根) ニッコウキスゲとイブキトラノオ(帰途大倉尾根)
帰りはきつい登り返しを覚悟していたが案外短時間で尾根の降下点まで戻ることが出来た。
大汝峰の分岐には午前10時45分着。その後お池巡り道を戻って室堂には午前11時30分に帰り着いた。
冷たい水で顔を洗い、ペットボトルを満タンにして大白川目指して大倉尾根を下って行った。

帰途、大倉尾根から白水湖を見る コバルトブルーの白水湖
途中、カンクラ雪渓を望むところと避難小屋を過ぎたガレ場で休んだ以外はひたすら下り続けて、
登山口に戻ったのは午後2時40分。往復11時間の山行だった。
温泉に浸かってさっぱりとしたところで3時20分に大白川を出発し、途中で休憩することなく家に戻ったのは午後7時30分だった。
 お花松原までの日帰り山行が充分可能なことはこれで分かったが、
次回は室堂で1泊して、残された七倉山や四塚山までの山行を含めた余裕のある山歩きをしようと思う。



コースタイム
往 : 大白川(3:30)−避難小屋(5:30)−室堂(7:00)−下降点(8:00)−お花松原(8:30)
復 : お花松原(9:40)−大汝分岐(10:45)−室堂(11:30)−大白川(14:40)

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