(さあ、娘よ、行くぞ。時間だ。)

――主が来られました。

(今日は約束しておいた、地獄にいるクリスチャン達を見せてやろう。)

 

主はどんなに悲しいでしょう。

彼らは一度は主を受け入れ、主の十字架の贖い(あがない)によって救われた者達です。

主よ……。私は言葉もつまり、主に話かける事が出来ません。

(どうした。娘よ。)

私の様子に気づかれた主は、私に聞かれました。

 

「いいえ。主よ。心が痛くてたまらないです。私がこうなのですから、

主はもっともっと、たとえる事が出来ない位なのでしょう…?」

 

(あなたに見せる必要があるんだよ。

あなた自身がこれから見るものによって戒めを受け、

わたしから離れて生きるなら、死後どうなるかを心に刻むため。

又、あなたと同じように御国を目指して歩むクリスチャン達が、同様に戒めを受けるため。

もう一つはクリスチャンでさえ従わないなら、こういう所へ落ちるんだと、

世の人々に知らせ、悟りを与えるためだ。 行こう。)

「――はい。」

私達は出かけて行きました。

 

暗いトンネルのような所を抜けて行きます。

時々コウモリが襲ってきます。

もっと進んで行くと、小舟に乗っている鬼のようなサタンがいました。

霧がかかっています。

霧の中から1そうの舟が現われ、近づいてきました。

たましい達がたくさん乗っています。怯えながら、……裸でした。

サタンは罵声を浴びせかけ、打ちたたきながら、舟から次々とたましい達を降ろしました。

 

たましい達が、連れて行かれます。

………何処へ? この先には何があるの?

ここは何もないわ。――とても寂しい世界よ…。

 

(娘よ。彼らは地獄に向かっているんだよ。

ああやってサタンが遣わされ、あちらこちらから、たましいを集めてくるんだ。

空っぽで出て行ったあの舟は、たましい達を乗せて、又ここに戻って来るだろう。)

 

あれ……、ここは何処だろう?

ギャーギャーッと、気味の悪い鳥の声が聞こえる。

なんて気味の悪い所、歩きたくないわ…。地面を見て、恐くて泣きだしました。

あちらこちらに たましい達が倒れ、その体を真っ黒い鳥達が来てついばんでいます。

なんて鋭く固そうなくちばし。目つきの悪い鳥だわ。爪が長くて鋭いわ。

 

「イェスさま。イェスさま。恐すぎて歩けません。

こんなに倒れていては、まるで戦場に倒れた死体の中を歩くようです。

恐くて、吐き気がして、涙が出て…、主よ。助けて下さい。助けて下さい。」

 

すると、二人の天使が近づいて来ました。

(娘よ、今は目を閉じるがよい。わたしたちが両腕を支え、連れて行こう。)

私は目を閉じました。

私の震える体を支えて下さる天使達が導くままに、歩き出しました。

あぁ、悲鳴が聞こえるわ。

恐い!! 恐い!! 助けて!! あぁ、主よ。大粒の涙が次々とこぼれます。

 

(娘よ。目を開けてごらん。)

おそるおそる目を開けると、大勢のたましい達が立っていました。

サタンが偉そうに語っています。

ある者は殴られ、地に何人も倒されました。「おまえだ。おまえにしよう。」

サタンは彼を、十字型の木に はりつけにしました。

 

「うわっはっはっはっ」 ――いかにも楽しそうに、笑うサタン。

「ざまぁみろ!! ざまぁみろ!! おかしくて笑いがとまらんわっ。

あーっはっはっ。これがクリスチャンと言われた者だったとは。

愚か者めが。ばか者めが! わ――っはっはっ。」

サタンは何人もの者たちを選び、十字架にはりつけにしました。

他のたましい達は、非常に怯えました。「わ――っはっはっ」 

あちらこちらから、この上なく喜ぶサタンの笑い声が起こります。 

「クリスチャンだった者を痛めつける事ほど、大きな快感はないわい。うはははは――っ。」

はりつけにされた たましいは怯えました。

主のように、釘で刺されることはないです。ただ縛られただけです。

 

「われらの友よ。さぁ、群がって来い。食事だ。」

「えっ!!? ……きゃ――っ!!!」

 

真っ黒の鳥たちの群れが、やって来ました。

「エサだ!! うまそうだ」 そう聞こえてきます。

翼で飛び交いながら、肉をむしって むさぼり喰う様は――、

あぁ、どれほど残酷でしょうか。叫び声に耐えきれず、

「いや〜〜〜っ!!」私は耳を覆って、しゃがみこみました。

「いや〜〜っ!! いや〜〜っ!! 帰りたい!! 帰りたい!! 

助けて! 恐い!!」パニックを起こしかけました。

主は黙って私を抱きしめ、(見る事が出来ないなら、声を聞きなさい。)

「いや〜〜っ!! いや〜〜っ!! もう たくさんだわ。こわいの。

こわいの。帰りたい!!」

主は私の目に触れました。すると、目が閉じられなくなってしまいました。

(娘よ。伝える使命があるんだ。我慢しなさい。)

私は大泣きしました。

 

これがクリスチャンだった人なの? 

なぜ?? なぜ?? 彼らは天国へのぼれなかったの?

どうして最後まで、信仰を守り通せなかったの?

すると、私の近くにいたたましいが、この場から逃げ出そうとしました。

「おまえっ!!!  次は、おまえだ。」

「ひぃ〜〜っ!! やめて下さい。やめて下さい。

私は何も悪い事はしなかった。イエスさまを信じて仕えた十数年だった。

なぜ私が天国へのぼれないのか、理解出来ない。

私は毎週教会にも通ったし、献金もささげた者だ。何故だ!

こんな事があっていいはずはない。助けてくれ!! 助けてくれ!!」

 

「知らないのか?聖書を読んだことがないのか?

わたしに向かって『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではないと

書いてあるのを読まなかったのか?」サタンは嘲笑いました。

 

おまえのような中身のない信仰生活をしている者達は、ごまんといるぞ。

ただ教会へ行けばいい、献金をささげればいい。―お決まりの信仰生活だ。

しかしおまえらは、みことばに従って歩まなかった。

主人のみこころ通りに歩まなかった者達だ。

 

みこころ通りに従って生きた者達に、われらは非常に腹立たしいが、触れる事はできない。

しかし、おまえらのような表面だけはクリスチャンの仮面をかぶり、世を愛して、

主人を喜ばせなかった者達は、たとえ葬儀がクリスチャン式であったとしても

何の関わりもない。

みことばを愛さなかった者達は、あのイエスを愛さなかったのと同じだ。

世を愛して世に仕えた者達、自分を愛して自分を十字架につけなかった者達は、

今ここに連れて来られて、俺たちの手で十字架につけられるんだ。

 

ばか者達よ、浅はかな者どもよ。

宗教的な儀式に、何の力があるのか?!

イエスを愛した者達は、間違いなく天国行きだが、

そうでない者達が何をわめこうと、ここに来た以上われらの支配下にある。

逃げ出す事は、できんぞ!!」

 

たましいは捕まえられ、叫び声をあげながら十字架につけられました。

他に何人か人々の中から選ばれ、……。……えっ、子供??? 子供がいる…。

大人じゃないわ。なぜ? 10代はじめ位でしょうか。

なぜ? なぜ? あなたがいるの?

こんなに若すぎるたましいも地獄へ落ちるのね…。残酷すぎるわ。ひどすぎるわ。

私は子供達をかばって、逃げたい気持ちでした。

 

「おまえっ!!」私が指さされました。

「子供が、かわいそう―か?! 

それなら、その子供を十字架につけてやろう」

 

「やめて―――っ!! いや〜っ!! やめて、やめて!!」

天使が、飛び出そうとした私の腕を離しませんでした。

「ダメ!! ダメよ!! やめて!! なんて事するのよ!!!」

私はサタンを足で蹴飛ばそうとしました。

サタンはすごい目で私を睨みつけましたが、

イェスさまがそばに立っておられるので、手出し出来ませんでした。

子供は泣きました。「いやだ―っ、いやだ―っ」

「イェスさま、何とかしてください!!」

分かっているのに――、私は愚かにも口に出してしまいました。

ここは、地獄なのです。天国じゃない!!

あぁ、天国だったら……どんなに良かったか。

 

やがて十字架につけられたたましい達の所に、又 別の方角からたくさんの鳥の群れが

飛んで来て、真っ黒い群れはたましいを むさぼり喰いました。

私はそこで、倒れてしまいました。

 

(―娘よ、) 主の呼ぶ声が聞こえます。

気がつくと、そこは火の池――燃える火の地獄でした。

(わが子よ。クリスチャンだった者達と、
そうでなかった者達の行き先は別の場所だ。

地獄は広い。
いくらでも、たましいが連れて来られるのだ。

ここでまだ、あなたに見せたいものがある。)

 

私の目はまだ閉じる事が出来ません。

瞬きが全然出来ないまま、残酷な……あまりにも残酷な有り様を見るしかありません。

 

歩いて行った所は、深くて広い穴でした。

ここに、多くのたましいが入れられていました。

穴から逃げ出さないように、剣を持ったサタンがまわりを取り囲んでいます。

広い穴の中のたましいは騒いでいます。悲鳴をあげています。

穴の中にはサタンはいないのに、何も脅かすものは見えないわ。

いったい何から逃げているの?

「主よ。何がいるのですか?彼らはいったい何から逃げているのですか? 

何も見えないですが。」

(わが子よ、読まなかったのか?みことばにあろう。彼らを喰らう うじだ。)

「えっ………。」

 

よく見ると、うじは身体のあちこちに貼り付いてあります。

――でも地上にいるうじと違うのは、そのうじは一度貼り付くとなかなか離れず、

すぐに食い破って、たましいを非常に苦しめることです。

こんな事が、――あるの?? 

地上にいるうじと、同じように考えていたわ。

地獄のうじは、地上のものと比べものにならないわ。

うじは目の中にも入り、口の中にも入り……。

「あぁ……」私は目を押さえて しゃがみこみました。

 

「あんたにも…あんたにも、このうじをつけてやろう…。」

一人のたましいが近づいて来て、私にそのうじをつけようとしました。

なんと、そのうじには口があり、牙がついてあるのです!!

サタンはすぐにやって来て、そのたましいを穴に蹴落としました。

「あぁ〜〜〜っ」

男は叫びながら落ちる途中についた無数のうじに、とりつかれました。

悲鳴をあげています。

 

(娘よ、もう充分だ。今日はこれで帰ろう。

さあ、目を閉じられるようにしてあげよう。)

主が目にさわられると、その時私の目が再び、瞬きが出来るようになりました。

あぁ、どんなに有難い事かしら。瞼があっても閉じられなかったら、

どんなに大変かなんて、思った事もなかったわ。

「本当に、本当に、主よ。閉じられるようにしてくださって、どうも有難うございます。」

 

ルカの福音書12:16〜21

それから人々にたとえを話された。

「ある金持ちの畑が豊作であった。

そこで彼は、心の中でこう言いながら考えた。

『どうしよう。作物をたくわえておく場所がない。』

そして言った。『こうしよう。あの倉を取りこわして、もっと大きいのを建て、

穀物や財産はみなそこにしまっておこう。

そして、自分のたましいにこう言おう。「たましいよ。

これから先何年分もいっぱい物がためられた。

さあ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」』

しかし神は彼に言われた。

『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。

そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』

自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」

 

人は何のために生きるのか、よく考えなさい。

自分の終わりを気に留めず、今だけを楽しもうと生きる者には、

突然の終わりがその人を襲うとき、――悲惨だ。

クリスチャンでさえ、みこころを気にかけず自分を楽しまそうと生きるなら―、

気をつけなさい。

パリサイ人達、律法学者達がマタイの福音書で目のみえぬ者、まむしのすえども

と言われた事を、心に留めなさい。

彼らはそろって宗教熱心な者達であり、うわべを飾り見栄をはる者達であった。

救い主を十字架につけたのも、このような者達であり、白く塗った墓のような者達である。

 

マタイの福音書7:21〜23

わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではなく、

天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです。

その日には、大ぜいの者がわたしに言うでしょう。

『主よ、主よ。私たちはあなたの名によって悪霊を追い出し、

あなたの名によって奇蹟をたくさん行ったではありませんか。』

しかし、その時、わたしは彼らにこう宣告します。

『わたしはあなたがたを全然知らない。不法をなす者ども。わたしから離れて行け。』

 

ヨブ記24:19〜20

ひでりと暑さは雪の水を奪い、よみは罪を犯した者を奪う。

母の胎は彼を忘れ、うじは彼を好んで食べ、彼はもう思い出されない。

不正な者は木のように折られてしまう。


 

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 幻と啓示・天国と地獄
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