
<MACDライン>

12日指数平滑平均値 − 26日指数平滑平均値のグラフを 「MACDライン」 という。
<そのままの意味>

MACDとは、Moving Average Convergence Divergence の略である。
2本の
MACD は、1970年代に Gerald Appel によって確立された手法らしい。
ただし、このページの終わりの方に出てくる MACDヒストグラムは、1986年に Thomas Aspray によって開発された指標である。
<勾配的意味>

1番目の式は、
比例定数がつくものの、本質的に、
ということになる。の傾き = MACDライン
は、En と EN の交点で極大・極小になるような平均線であり、MACDラインはその傾きを表している。
<速度的意味>
ΔP(i) = P(i) - P(i+1) を、株価の速度とみて V(i) と書くことにする。
また、
を計算する際の係数を f(i) とおく。
r = (n-1)/(n+1)、s = (N-1)/(N+1) とおいて、f(i) を明示したのが次の式。
このとき、MACDラインは以下のように書ける。
頭の (N-n)/2 を除くと、これは、速度の平均である。
右図は、途中から株価が一定の速度で下落する場合。
茶色の点線は、その速度に対応するMACDラインの値。
このまま一定の速度で下落し続ければ、MACDラインは茶色の線とほぼ一致するようになる。
途中で下落のが止まったので、MACDラインは、ゼロに戻っている(厳密にはゼロを漸近線としている)。
これは、一定の速度で下落した後、一定の速度で上昇した場合。
茶色の点線は、それぞれの速度に相当するMACDラインの値である。
これは、株価が放物線状に下落する場合。
放物線は、加速度が一定なので、MACDラインは、ほぼ直線的に下げている。
厳密には、この加速度に相当する傾きを持つ直線が漸近線になる。
<数式的意味>
r = (n-1)/(n+1)、s = (N-1)/(N+1) とおくと、M = Er[P] - Es[P] である。
これに、Δ を作用させたのが次の式。
基本方程式を再掲すると、
である。これを (1) に適用して、
を得る。この式に Δ を作用させたのが次の式。
さて、(2)、(3) から、P を消去すると、
となる。
これが、株価とMACDラインを直接結び付ける差分方程式である。
【注】 もっとスマートに導けるのだろうが、方法がわからなかった。
後記:わかった。見たい人はここをクリック。
定数 A、B は、初期条件(すなわち、“ある時点” 以前の株価)から決まる。
は、次第に小さくなり、M(i) は、漸近的に M0(i) に近づいていくことになる。
【注】 もともと i は 「i日前」 を表していた。ここでは、i = 0 の基準日を決めておき 、そこから先の i<0 を許容して考えている。
<シグナルライン>
MACDラインの指数平滑平均をシグナルラインという。9日指数平滑平均がよく使われる。
下図は、このページの最初の図に、シグナルラインを追加したもの。

つまり、頭の比例定数を除くと、シグナルラインは株価の 「平均の平均の平均」 線の傾きを表している。
<MACDヒストグラム>
MACDラインとシグナルラインの差を棒グラフ状に図示したものをMACDヒストグラムという。
この差はわずかだから、差を何倍かして図示することになる。
下の図の赤線がMACDヒストグラム(差を3倍して描いた)。

この式で、P のかわりに M を代入する。
Ek[M] はシグナルラインだから、先ほどの式を使って、
となる。

<周期>
上の方の図を見ると、株価が底を入れるのとほぼ同時に MACDラインが底を打っているように見える。
これは偶然である。
MACDラインの底は、上で述べたように、
の変曲点で起こる。
ところが、
は、株価の動きより遅れている。
その遅れとは、おおむね SFT であり、次のように計算される。
サインカーブは、変曲点から 1/4 周期のところで底を打つ。たまたま、上の図で使ったサインカーブの周期が SFT の値のほぼ4倍だったので、MACDラインの底が株価の底とほぼ同時になっていたのである。