めぞん一刻を読み返すとわかること


■■ 響子さんはいつから五代のことが好きになったのか?

 

153話「契り」で響子さんが言った「本当はね・・ずっと前から五代さんのこと好きだったの」は「好き」と自覚したと思える第68話「宴会謝絶」と思っています。

それは全編を通じてこの時が一番、五代に対する気持ちを響子さんが考えたと思えるからです。「ヤキモチを妬いた」と初めて自分が言ったことで否応なく五代に対しての気持ちを考えざるを得なかったし、キスしたい衝動に駆られるぐらい気持ちの高ぶりが抑えきれなくなっている様子からもそう思います。


 また
その後の第73話「がんばってくださいね」で「1年くらい私待ちますから・・」と結婚を考えるような発言をし、第75話「スーツでおつかい」では五代が好きでいてくれることを両親に知られてもいいと思っていること、そして第77話「春の墓」で「惣一郎さんを自然に忘れる時が来ても・・」と素直な気持ちで独白していることからそう思っています。

 その前から好意はあるんですが、あくまで響子さんの生真面目な性格や過去を見渡して一番心に残る出来事という観点からこの発言の「ずっと前」は「好き」を自覚した時と整理しています。 実際のところは甘えて言った言葉でしょうが(笑)

 

響子さんの五代への想いの変遷を次のように考えています。

1.気が合う弟のような人(隣は何を〜惣一郎の影)

2.好きと言ってくれた人(アルコール・ラブコール〜メモリアル・クッキング)

3.気になってしまう人(複雑夜・・〜私は負けない!!)

4.自分の気持ちをわかってくれる人(混乱ダブルス〜SOPPO

5.好意を持っている人(ふりむいた惣一郎〜落ちていくのも)

6.好きで結婚してもいいと思える人(宴会謝絶〜シルエット・ロマンス)

7.好きで結婚したいと思える人(夢一夜〜)

 

 では本当はいつから「好き」になっていたのでしょう?

 これは第35話「ふりむいた惣一郎」だと思っています。それ以前にも「複雑夜」「桃色電話」でヤキモチ的な感情を出し、「帰らざる彼」では帰省から帰ってこないことに寂しがるシーンもあるためもっと前なのではないかという考えもあります。

 そうなると「アルコール・ラブコール」&「三鷹、五代!!」となりますが、これは五代が酔って「好きじゃあああ」と叫んだり三鷹さんに対抗して「好きです」と言った場面であり、響子さんから見るとまだ「本気度」がわからないというところでしょう。まだ「好き」という感情にまでなるとは思えません。

 

 「ふりむいた惣一郎」で「惣一郎おじさまのことまだ覚えてる?」との郁子ちゃんの問いに響子さんがこう答えるシーンがあります。


 「そうねえ、でも・・このごろは痛くなくなったみたい。ちょっと前までは惣一郎さんを思い出すとね、このあたりが、きゅ〜っと痛くなっちゃって・・」


 坂道を惣一郎(犬)と歩く五代の姿を見て惣一郎さんとの思い出をダブらせてしまう前のシーンなのですが、すでに惣一郎さんを失ったことによる「心に空いた穴」はかなり埋まっていると感じられます。
埋めたのは当然、五代なのですが、次の3つの出来事が響子さんの気持ちを動かし「心に空いた穴」を埋めたのだと思います。


「アルコール・ラブコール」等で「好き」と言ってくれたこと

「混乱ダブルス」で「管理人さんは惣一郎さんをまだ愛しているから・・まわりが勝手にさわいだってしょーがないんだ」との言葉に「私の気持ちを理解してくれる」と思ったこと

「三年待って」で「あと三年 三年は管理人やっていて欲しい・・・」との言葉に「本気なんだ」と思ったこと


 ふとした瞬間や出来事で「あ、この人いいなあ」というような感覚を覚えることがあります。いつしか「心に空いた穴」を埋めてくれていた五代。その五代を惣一郎さんと見間違えたことで、「心に空いた穴」はほぼふさがり、それまでの気になる存在から好意に変わったのではないでしょうか。

 

ちなみに「ふりむいた惣一郎」の次話「ショッキング・ジョッキ」では五代に背負われて帰るのですが、心を開いて甘えている様子が感じられます。その次の「祭りの暗い片すみで」では五代とこずえちゃんが揃って歩く姿をみんなが「お似合い」とはやしたてる様子に寂しげな表情をし、三鷹さんから迫られた際は五代からもらった金魚をチラッと見て初めて五代に頼りたい気持ちを出しています。明らかにそれまでとは態度が違うのです。

 これらを総合して、「ふりむいた惣一郎」で実は好きになっていたと思っています。

※ ちなみにアニメの方ではいつから好きなのでしょう?原作は秋から始まったのに対し、アニメは春の番組改編から始まったため第27話以降はかなり順番が変わっています。ただ視聴者に対し制作サイドから遊びでヒントのようなものを出していたところがあります。

 第34話〜第52話のエンディングテーマはピカソの「ファンタジー」です。映像的には響子さんと三鷹さん、五代くんとこずえちゃんのデートシーンに響子さんと五代くんがすれちがうような映像が織り交ざるものですが、最後のカットが実は4種類あります。
 第38話「五代くん失恋? こずえが三鷹に急接近!?」までは竹ボーキを持った響子さんは五代くんに背を向けて離れています。
 第39話「恋はガッツで勝負! 五代のバイト大作戦」ではその距離が近づきます。
 第40話「優しさがせつなくてX'マスは恋の予感!」から第50話「響子が一目惚れ?! 一刻館にヘンな奴登場」ではふたりは半分重なり笑顔で正面を向いた形になります。
 第51話「四谷さんもびっくり一刻館が消える日!?」から第52話「許して惣一郎さん!響子涙の再婚宣言!!」では響子さんの位置が五代の左側になり、少し離れてすねたような形になります。


 第
39話と第40話はアニメオリジナルの話で惣一郎さんからプレゼントされた石をめぐっての話でこのあと第4243話が骨折事件の話になります。制作サイドとしてはこの2話のオリジナルストーリーでふたりの距離が縮まったとしたかったのではないかと思っています。

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