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茨城県道280号線 
茨城県笠間市
2008・2・24 来訪

岩間駅付近より道祖神峠へ向かうr280.
しかし、峠1km前にして地図に記載された通り、
2車線舗装路は消え、車道とは認められぬ作業道クラスのショボイ道となった。

が、しかし本当にバイクも含めた全く車両が通ることの出来ぬ道なのか?
これより、真相に迫る。

後方100mはりっぱな2車線道だというのに、一気に作業道クラスに転落した県道。
とは言え、前方には軽トラと思しき轍が幾つもあり、この時点では全く不通の道では無いとも言える。
ここは画像で見る印象以上に急傾斜で、しかも解けた雪によって路面がグチャグチャ。
途中、ぬかるんだ泥に嵌って立ち往生状。
アクセルを回しても後輪が泥を掘るだけで空回りするのみ。
仕方なくバイクから降りて、押しと軽いアクセルで泥から脱出。
脱出後にはいい具合の深さの溝が。

一仕事終えてふーやれやれと、スタンド立てて一息つこうとする。
が、スタンドがまるまる埋まって、そのままセローさん横倒しなり。

うがー。
急勾配・泥ヌタゾーンの先にはフラット路面の九十九折れ。
ここはわりと幅員もあり、路面もフラットなので四輪でも安心だろう。
あくまで林道クラスで考えるならだが。
九十九折れを2回ほど越えて進んだ後、大きく開けた場所にでる。
切り株の表面が真新しい事から、つい最近伐採が行なわれたようで、途中にあった軽トラの轍もこの時に刻まれたのであろう。
点線道ではあるが一応、現役の『林道』として使われているようだ。

・・・しかし、忘れちゃいけない。
切り株に混じってポツンと立つこの境界柱。
この小さなコンクリの柱が示す真実。
ここちゃんと茨城県が認めた県道なんですよ。

まあ、たしかに公に「県道」と言えた規格ぢゃない・・・
って、茨城にはこんな県道もあるんだよなw

しかし、あちらは曲がりなりにも一度は県道として開削している。
が、この道のこの先は・・・。
先に言えば、あの『伐採地点』が車道としての終端である。
『伐採地点』のすぐ先にこのような分岐があるのだが、左側は車道としては狭すぎ、更に急勾配。
どちらかと言うと登山道と言った感じだ。
一方、右側の方は何となくまだ四輪が入れそうだが・・・
ちょっと入り込むともうこんな感じ。
ジムニーとかならともかく、普通に考えて四輪の通る道じゃ無い。
路面中央部はV字の溝が出来ており、雨天ではここは沢と化しているだろう。
100mちょい進んだところで先ほど分岐した道と再合流。
先ほど登山道に見えた右側の道だが、登りきった先は意外にも道幅が広い。
木々になにやら赤や白のラインが引かれ、他にも測量か何かの作業をした後がある。
もしかしたら、こっちの方が県道として正しいルートだったのかも知れない。

しかし、やはり分岐直後の上り坂は徒歩でもキツイ勾配で、
車道化するためには何らかの加工が必要となってくる。
他にも此処までの道程を見ると、キチンとした2車線でそれなりの規格の道を
開通させるには幾つか山肌を削ったり橋(もしくは桟橋)を架けたりしなければムリだろう。
だが、果たして茨城県にそんな予算があるのだろうか?

重要都市を結ぶ主要道のバイパスの為なら予算投下の価値もあるだろうが
どれだけ経済効果があるかわからん道に金をかける訳にもいかんだろう。
『険道』規格で良いのなら金もかからんだろうが、
安全にうるさい今の時代にそれも難しかろう。

よって、今の時点でr280の全通は無いとしか言い様が無い。
事実、『作業』の跡はこの場所以降は現れなかった。
そして、道は完全に登山歩行者道規格となる。
車道としては未通のr280だが、登山道としては非常に状態が良い。
道は踏みしめられ歩きやすいし、勾配もそれほどでもない。
雪道には沢山の足跡や自転車の轍なんかもあり、結構な交通量がある事が分かる。
地元の人々の散歩コースとなっているのであろう。
と言うか実際にこの場所で犬の散歩に来ている人とすれ違い、「何で此処にバイクがいんの?」的な目で見られちょっと恥ずかしいw
離台山という山の頂上への登山道との分岐点。
行き先看板は茨城県観光物産課によって立てられたものだそうだ。
『観光地』と言った感じではないが、やはり地元ハイカーがちょこちょこ来ているのだろう。

しかし登山歩道に佇むセローさんの存在はイマイチ違和感。
というか登山者にとっちゃ迷惑モノ以外何者でもないだろう。

取りあえずゴールは近そうだし、そそくさと抜けたい。
薄暗い杉林のストレート。
パリパリと霜柱をへし折りながら、勾配のある下り坂を駆け抜ける。
開けた場所が見えてきた。
終端は近い。
r42合流手前で、南の方へ向かう林道と合流。
少しだけこの林道を走ったが、フラットダートで走りやすいそれなり良い道だった。
通り抜けできない行き止まり林道だが、そういうのに拘らないダートフリークなら楽しめるかも。
さて、r42と合流である。
木陰に隠れて見えにくいかもしれないが、キチンと二輪車通行止め標識が立てられている。

実はr280をムリヤリ抜けなくても、西側のr64から分岐して峠へ登ってくる舗装林道があるので
一応現在でもバイクでもこの峠に登って来る事は出来るのである。

しかし、登ってきたからと行って別に観光名所や素晴らしい景色があるわけでもなく、
ただ通り抜けるための道があるだけ。
先程の行き止まり林道へどうしても行きたい!っていうオフ屋さんなら使う意味もあるが
そこまで魅力的な道でもなかったなァ・・・。

よって『道祖神峠』と言う峠自体に魅力があるわけでもなく、
この峠に繋がったから便利!と言う事も無くr280の全通はやっぱり無いな、と思うに至りました。

さてこの後、峠を降りるにあたり来た道を戻るのもなんだし(登山道だしな)、
r42は通れないので前述の西へ向かう舗装林道を抜ける事にしたのだが、
何気にr280を抜けるより大変だった事を付け加えておく。

凍結舗装路こわひ・・・w(3回ぐらいコケた)

特別ふろく
茨城県道280号線」
のルートが良く分かる動画

動画作成 パヤパヤ氏


追記
茨城県道280号線、衝撃の事実

「この道は車道として完成していない。」

自分はこの道を通りぬけ、そう考えるしかなかった。
だってそうでしょ?
このレポを読んでまさか
ほぼ登山道である道をバイクで行った自分を咎める人はいても、
「四輪が峠まで抜けられる道」
なーーんて考える人はまずいないはず。


しかし、その思考を全否定するようなメールが届いたのだ!

つくばーど 雷蔵氏から送られた衝撃の内容に自分は震えた。

以下、雷蔵氏よりのメールを転載。

茨城県道の280号線は、昭和40年代、父親の410ブルーバードに乗せられ 、何度 か野宿遊びで入ったことがあります(歳がばれるなあ)
当時は、峠の先の吾国山まで、悠々と走れるフラットダートの山道でした。
昭和40年代当時は、同地域の森林伐採が一段落した頃と思われ、山からの切り 出し木 材は国鉄岩間駅近くの製材所(現在はスーパーマーケットになっていますね)に 搬出さ れていました。 これが、馬車による輸送でした。
野宿でテント設営しているところを、木材を載せた大八車のようなトレーラーを 引く馬 を見ております。
野営地から買い出しに降りる際、そのあとをついて行くと、製 材所が 巨大な丸鋸で丸太を裁断していて、隣には、馬の蹄鉄を換える小屋があったのを 覚えて います。
280号線の現在の舗装終点から先は、吾国山近辺に至る直前まで、ほぼはげ山 に近い ダートだったと記憶しています。
おそらく、昭和50年代までに林業が衰退し、ルートの手入れも行われなくなり 、廃道 化していったと思われます。
アタックレポートの写真には、記憶とはかけ離れた超狭隘なV字区間もあるのが 、謎と 言えば謎なのです。
ひょっとすると、どこかに幻の道路痕跡が埋もれているのか ? と も考えましたが、あの当時と比べると、現在の樹木の育成状態があまりにも変わりすぎ ています。
それについての考察はやめておきます。
しかし、このルートはなかなか雄大であったはずで、以下のような路線が現実に 存在し ました。
岩間側から山へ分け入り、道祖神峠から吾国山を経由し、加波山登山道入り口へ と、未 舗装区間が続いていました。
もちろん、当時の加波山は一本杉峠まで全線未舗装 。
そこ から筑波山へ続く北筑波稜線も全てダート。
そのまま湯袋峠、上曽峠を横断し、 筑波山 中の風返し峠や仙郷林道へとつながる未舗装ロングルートだったわけですね。


つくばーど 雷蔵


茨城県道280号線はかつて車道として峠まで通じていた。

この事実だけでもかなりの衝撃だが、
他にも雷蔵氏のメールから県道に関する一つの仮説が立てられる。
このr280は林業促進の為に指定された県道であると言う事だ。
道祖神峠周辺の山々は以前から林業の盛んな地域で、
氏のメールにもあるよう輸送の為の馬車の施設が置かれたり
トロッコ軌道が岩間駅近くまで引かれていたりして、
今より大規模な伐採が行われていたようだ。

しかし、林業が衰退した現在はゴルフ場と採石場がある所まで整備され
それ以降はルートはほぼ破棄されたような形となり
山内の一部少数の林業者が立ち入る程度で
あとは徒歩道化してしまったと思われる。

で、あのV字溝ゾーンはアレはやはり本来の県道の区間ではない気がする。
なんというか通った時にもあそこだけ他の区間違う感じがした。
と、すると県道ルートは激坂登板ルートとなるが、
どう考えてもジムニーでもない限り車両が上れる勾配ではない。
ちょうどルート分岐手前まで何らかの地形改変が行われているようだ。

しかし、まさかあの道が全線車道であったとは。
未通県道は奥が深い。



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