著者 スティーヴン・キング 訳者 芝山 幹郎 |
●ストーリー メイン州の田舎町キャッスルロックに、新しく骨董屋が開店した。リーランド・ゴーントという謎の人物が経営するその店は、普通の骨董屋とは違っていた。そこを訪れた客は必ず“自分に絶対必要な品物”を見つけられる。しかし、その品物を手に入れるには、ある条件があった。 価格はただ同然で手に入れられるが、その代わりにちょっとした「悪戯」をすることを約束させられるのだ…。 |
●感 想 キング作品に度々登場する架空の町“キャッスルロック”。『スタンド・バイ・ミー』で少年たちのひと夏の冒険の舞台となり、『デッド・ゾーン』でジョン・スミスが連続殺人犯を追跡し、『クージョ』では狂犬病のセントバーナード、『ダーク・ハーフ』ではホラー作家スタークの恐怖に見舞われ、そして『サン・ドッグ』では異界の情景を写すカメラが恐怖を呼ぶ。その町“キャッスルロック”に、ついに恐ろしい破局が訪れる…。これはキャッスルロック最後の物語。主人公は『ダーク・ハーフ』で怪事件の目撃者となった保安官アラン・パングボーン。これまでのキング作品に登場したキャラクターや地名も出てきてファンは楽しめる。『スタンド・バイ・ミー』で登場した不良グループのリーダー、エース・メリルも悪者として再登場。全体的にそれほど怖くはないが、キャッスルロックストーリーの最後を締めくくる大作で読み応えあり。この作品単体でも充分楽しめるが、やはり他のキャッスルロック関連作品を読了後、最後に読んだ方がいいと思う。 |
製作年度 1993年 製作国 アメリカ 上映時間 120分 |
●感 想 フレイザー・C・ヘストン監督の映画版『ニードフル・シングス』、原作がボリュームあるので、原作と比較してしまうと後半が少々中途半端な感じ。まあキングの長編は書き込みが凄いので2時間の映画だと印象弱くなりがちですが。でも映画版もそれなりに楽しめるB級ホラーにはなっている。あんまり怖くないけど…。謎の骨董屋店主リーランド役のマックス・フォン・シドーはさすがの貫禄で原作のイメージにピッタリ。エド・ハリスのアラン・パングボーン保安官もカッコいい。クライマックスは原作と比べると盛り上がりには欠ける…というかキャッスルロック壊滅してないし。パングボーン保安官の“反撃”もカットされているが、これは『ダーク・ハーフ』から続く流れなので、この映画で再現されないのは仕方ないか。街の破壊がたいしたことないので、リーランドさんの悪事もスケール小さく感じてしまう。全体的に手堅くまとまってはいるが、ちょっとインパクトが弱い。 |