発掘された文化財

「発掘品」 区分 種別 所在地
生出塚埴輪窯跡出土人物埴輪4体 県文 有形 中央1-1
装身具・水瓶・銅鉄器類 市文 有形 中央1-1
装身具・須恵器 市文 有形 中央1-1
装身具・銅鉄器類 市文 有形 中央1-1
人象埴輪頭部 市文 有形 中央1-1
馬室埴輪窯跡 県文 記念物 原馬室2915-2
箕田古墳群 市文 記念物 箕田1260外

生出塚埴輪窯跡出土人物埴輪4体(おいねづか はにわかまあと しゅつど じんぶつはにわ4たい)

生出塚埴輪窯跡出土埴輪

生出塚遺跡は、約6万平方メートルの面積を持ち、先土器時代、縄文時代、古墳時代、鎌倉から江戸時代までの、様々な遺構や遺物が発見されており、中でも古墳時代を中心とした遺跡で、関東でも最大級の埴輪製作跡です。

埴輪は大きく2種類に大別され、人物、器財、家、動物などの形をした、形象埴輪(けいしょうはにわ)と、円筒埴輪があります。

文化財として指定されている埴輪は、人物埴輪と呼ばれる形象埴輪で、武人1体、文人3体、内1体は頭巾をかぶり、2体は振り分け髪(男子正装とも云われている)をしています。高さはそれぞれ130cm前後で、同規格に作製されています。

埴輪釜跡からの出土は大変珍しく、当時の埴輪生産を知る上で貴重な資料となっています。

装身具・水瓶・銅鉄器類(そうしんぐ・すいへい・どうてっきるい)

水瓶(文化財地図より)

(水瓶:文化財地図より)

馬室古墳群又は小支群と呼ばれる、馬室小学校のある台地上から出土したもので、勾玉、管玉、切子玉と玉類が多く採集され、他に直刀、刀子、鍔、鉄鏃(てつぞく)、土師器、須恵器などがあります。

遺跡は小学校校庭内にあるため、すべて消滅していますが、昭和57年(1982)に幅2m程の周溝の一部が検出され、さらに埴輪片が採取されています。

これらの出土品から、6世紀後半に古墳が築造されたものとみられています。

装身具・須恵器(そうしんぐ・すえき)

須恵器はそう(鴻巣市史より)
(須恵器はそう:鴻巣市史より)

箕田9号墳の石室から検出されたもので、切子玉、管玉、丸玉、棗玉(なつめだま)、須恵器はそうがあります。

写真の須恵器はそうは、器高11.8cm、胴部最大経8.8cm頸部は細長く、はそうとしては後期に属します。

また、胴部上位と胴部斜位に刺突文がめぐり、注孔はわずかに突出して作られ、全体的に青黒色で、部分的に自然釉(ゆう)があります。

装身具・銅鉄器類(そうしんぐ・どうてっきるい)

銅鉄器類(文化財地図より)
(銅鉄器類:文化財地図より)

浅間塚古墳の石室から出土した副葬品で、金環1、銀環1、鈴環2、直刀1、鍔1、刀子4、鉄鏃(てつぞく)13、留金具2が採集されました。

浅間塚は常勝寺境内にあり、昭和31年に開墾中発見され、浅間塚古墳と名付けられました。

玄室は2.4×2.4の正方形に近い、胴張り両袖型石室で、埴輪は使用されず、副葬品や玄室の構造から、7世紀代の古墳とされています。

人象埴輪頭部(にんしょうはにわとうぶ)

鴻巣駅から東へ約3kmの、鴻巣市立笠原小学校の北側、水田中から、配水工事の際に出土したもので、人物の他、馬の埴輪片、円筒埴輪片、土師器などが発見されました。

埴輪の造形から生出塚埴輪窯跡で作られたものと見られ、黒色土中から発見されたことから、古墳の周溝と考えられ、6世紀後半のものとされています。

馬室埴輪窯跡(まむろ はにわ かまあと)

馬室埴輪釜跡1
馬室埴輪釜跡2
復元予想図
(復元予想図:案内板より)

埴輪(はにわ)には様々な形をしたものがありますが、焼き方には大きく二通りの方法があります。

  1. 地面に浅い穴を掘り、焚き火の様に焼く野焼き
  2. 斜面を利用し、のぼり窯で焼く

野焼きは古くから行われており、4世紀頃には盛んに行われていました。のぼり窯で焼く方法は、5世紀頃、朝鮮半島から伝えられた技術で、6世紀に入ると広く普及します。

馬室埴輪跡は、昭和7年に正式な発掘調査が行われ、古墳時代の埴輪生産の様子を知る上で貴重なことから、県指定史跡に指定されました。

馬室の保存地区では10基以上の埴輪窯跡(のぼり窯)が確認され、埴輪工人たちの集落も発見されています。

ここで生産された埴輪は、荒川流域の古墳に運ばれたものと考えられます。

箕田古墳群(みだ こふんぐん)

箕田の古墳群は、大宮台地の北端部に位置し、東西800m、南北800mの広い地域に分子し、龍泉寺・富士山・宮前・稲荷町の4つの支群を形成しています。

古墳はままで9基の古墳の所在が明らかになっていますが、1号墳、3号墳は消滅しており、現在は7基が残されています。

昭和3年以降発掘調査が行われ、須恵器有蓋高杯(すえきゆうがいこうはい)、埴輪、金環(かなわ)、切子玉(きりこだま)、丸玉、鉄鏃(てつぞく)などが出土しています。

古墳群の築造年代として、6世紀初期から7世紀中期にかけて築造されたことが判明しています。

箕田2号墳

箕田2号墳

直径23m(長径27m)高さ3mの円墳(えんふん)で、現在は公園となっています。

昭和58年の調査では、周溝(しゅうこう)が確認され、築造当時は32mの大型古墳であったことや、出土品から、築造年が6世紀末であることが判明しています。

この古墳に接して氷川神社の故地があり、「新編武蔵風土記」には「社(氷川神社のこと)の後に小塚あり、高さ六、七尺幅十二、三間、往年土人此塚を穿ちしに、古鏡太刀などの朽腐せしものを得たり、これ古へ貴人を葬埋せし古墳なるべしといへり」と紹介されています。

また、この古墳の南側一帯が箕田源氏の館跡と伝承されており、それに関連して源仕(みなもとのつこう)と妻子の墓とされる記述が「武蔵郡村誌」に見られますが、築造年からみても事実とは考えられず(源仕は10世紀の人物)、時代とともに両者が結びついて伝承されたものと推測されます。

箕田4号墳

満願寺の南約150mの位置にあり、長径16m、短径12m、高さ1.7mの円墳。

墳丘頂に稲荷小祠があり、東側に階段が設けられています。 伝承や石材の露出は見られず、個人の敷地内にあり、詳しい調査は行われていません。

箕田5号墳

箕田5号墳

五号墳は、東から南にかけて大規模に削り取られており、半円形になっていますが、昭和61年の測量調査で、直径32m、高さ5mの鴻巣市最大規模の古墳であることが確認されています。

埴輪片や周溝は確認されておらず、古墳ではないという説もありあます。

墳丘の頂には浅間神社が奉られています。

箕田6号墳

箕田浄水場の北約100mの位置にあり、5号墳と7号墳を結ぶ直線状の中間に位置します。

墳頂に「かん虫封じ」の神祠が祀られており、かつては参詣者も多かったと云われています。

昭和61年(1986)の測量調査によれば、直径15m、高さ2mの小円墳ですが、南側と東側を大きく削平されており、また北側は前方部を削ったものだということから、もっと大規模な前方後円墳であったことが推測されます。 東側は道路となっており、道路工事の際に円筒埴輪片が出土しています。

伝承や石材の露出は見られず、個人の敷地内にあり、詳しい発掘調査は行われていません。

しかし、円筒埴輪などから、6世紀後期に築造されたとみられます。

箕田7号墳

箕田7号墳

地主さんの立て看板「立ち入り禁止」が立っています。

小円墳で、水田面との比高が僅か数十cm。

昭和3年に発掘され、金環、瑠璃玉(るりだま)、直刀、管玉、軽石、象形埴輪部分等の出土が伝えられています。

箕田郷土史には、玄室は長径2.3m、短径2.1mの「三味線胴型(しゃみせんどうがた)の横穴式石槨(よこあなしきせきかく)」と記されています。

箕田8号墳

箕田8号墳

8号墳は富士山支群に属しており、南方50mに7号墳が現存しているのみですが、周囲には多数の古墳が存在していたと思われます。

正式な調査は行われておらず、玄室(げんしつ)や遺品は明らかになっていません。頂に御稲荷様の祠があります。

長径16.7m、短径10.5mの楕円形で、西側斜面裾から3.1mを測り、西側から望むと大きく見えるように配置されています。

周囲の状況から周溝が存在するものと思われ、直径20m以上の円墳と推測されています。

築造年代は、円墳の裾から採集された円筒埴輪(えんとうはにわ)から、6世紀頃とみられています。

箕田9号墳

箕田9号墳

宮登神社の裏にある古墳で、別名宮登古墳。直径20m、高さ2mの円墳。

昭和34年に発掘調査が行われ、石室は角閃安山岩(かくせんあんざんがん)を使用した胴張り型横穴式石室で、玄室(げんしつ)の長さ2.9m、幅1.3m、高さ1.6mとなっています。

玄室から、須恵器(すえき)、鉄鏃(てつぞく)、切子玉、管玉(くがたま)、丸玉などが出土し、これら遺物から7世紀前半から中期にかけて築造されたものと考えられています。また、埴輪類は出土されていないことから、埴輪の風習が行われなくなった以降のものとされています。

石室に使用されている角閃安山岩は、群馬県榛名山の爆発によって出来た岩石で、利根川流域に分布しているため、わざわざこの地まで運んできたものと思われます。

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