株式会社の設立(発起設立)


1.現在の事業内容や今後の事業計画をうかがいます。その上で、会社の種類(株式会社か合同会社かその他か)、機関設計(取締役の人数、取締役会を設置するかどうか、など)、資本金の額として妥当と思われる金額などをご提案します。

2.株式会社を設立することに決まった後、商号(会社名)、本店所在地(本社の場所)、会社の目的(事業内容)など、会社の基本事項を決めます。

3.定款の案を作ります。当事務所では、よくありがちな定款の雛形をそのまま使うのではなく、事業主様の創業の思いが取引先や従業員の皆様、後世の経営陣にも伝わる工夫を、ささやかながらご提案します。定款は、発起人(会社設立手続の当事者である事業主様)の全員が署名します。個人も法人も、設立の発起人となり、株主となることができます。

4.会社の実印を作って下さい。設立登記の申請と同時に、法務局に印鑑届をします。以後、会社の代表者が使用する印鑑として、会社の実印となります。

5.公証人役場で定款の認証をしてもらいます。電子定款の場合は収入印紙代4万円がかかりません。当事務所も電子定款に対応しています。
なお、認証手数料5万円は、書面の定款と同様にかかります。

6.出資を履行します。発起人が複数名の場合、経営に関与しない人でも、全員必ず1株以上引き受け出資をしなければならず、設立時の初代株主となります。

7.設立時の初代役員(取締役など)を、選任します。

8.所定の手続を経て、設立登記を申請します。

9.登記が完了することで、会社が成立します。

会社が成立した日から、会社が契約主体となって会社の名において各種取引(仕入、販売、事務所の賃借、内装工事の発注など)ができるようになります。


Q1.日本に住所が無い外国人でも、日本で会社を設立できますか?
A.できます。
 かつては、会社を代表する人の内、少なくとも一人は日本に住所がある人でなければなりませんでした。
 しかし、2015年3月23日にこの要件が緩和されました。今では、株主、代表取締役、取締役、監査役などの会社の幹部の全員が外国に住んでいても、日本で会社を設立できます。

Q2.会社の名称には何か制限がありますか?
A.あるにはありますが、許容範囲はとても広いです。基本的に自由に会社名を決められます。

 商号を決めるにあたり気を付けるべきことをいくつか挙げます。
 外国文字についてはお気を付けください。当事務所へのお問い合わせが多い例として、中国語の簡体字で日本語の字体とは異なる場合、日本語の字体でないと登記ができません。
 また、株式会社であれば、商号の最初か最後に「株式会社」の字がなければなりません。
 業務内容に関連する制限もあります。たとえば、銀行ではない者は銀行を名乗ることはできません。
 有名なブランドや著名人の名前、大手企業と類似の名称も避けるべきです。確かに、本店所在地か商号が1文字でも異なれば登記はできてしまいます。しかし、有名ブランドや業界大手の企業名に似た商号の会社を設立してしまうと、差止請求を受けるなどのリスクが生じます。

 当事務所では、事業主様が商号を決めるにあたり、事業主様のご希望を最大限尊重しつつ、他の商号・商標とのバッティングを避ける配慮もしています。

Q3.本社の場所は、賃貸の事務所でもいいですか?
A.賃貸物件でも「登記手続では」まったく問題ありません。オフィス物件のほか、居住用アパートの一室などでも本店所在地として登記をすることができます。
 ですが、居住用物件の場合、賃貸借契約上、そこで事業を営むことが「大家さんとの関係で」許されるかどうかお気を付けください。本店として会社設立登記はできても、用法順守義務違反で賃貸借契約を解除される事態となれば、経営の基盤を失いかねません。

Q4.目的は制限がありますか?
A.まっとうな事業であれば、ほぼ制限はありません。
 将来開始する可能性がある事業もすべて目的に加えて設立登記をされるようおすすめしています。後から目的を追加する変更登記もできますが、その場合は新たに登録免許税3万円がかかります。設立登記に際してまとめて登記をしてしまった方が税金を圧縮できます。また、登記により貴社の事業目的を広く社会に示すことで、「近い将来この事業も始める目標」を常に意識できます。

Q5.資本金の額の最低額はいくらですか?
A.資本金は1円から登記できます。
 しかし、会社としての財産的基礎は会社の社会的信用に関わります。特に、銀行、信用金庫、日本政策金融公庫などから事業資金の融資を受ける予定のある方は、ある程度の金額の資本金を計上し、登記するべきです。具体的な金額は業種や事業形態により前後すると思われますので、税理士の先生の意見も参考にしつつ決めていただければと思います。
 また、外国人オーナー様が経営管理の在留資格(ビザ)を取得するためにも、ある程度の規模の資本金の額を計上するべきです。一般的には500万円が目安とされています。

Q6.会社が成立した後にも登記手続は必要ですか?
A.はい、必要です。
取締役の任期は会社法の原則では約2年(※)です。定款自治により、最長約10年まで延ばせます。
いずれにせよ、任期が満了すれば、次の人を選任します。
同じ人を選任した場合は、重任登記を申請します。
他の人を選任した場合は、前の人の退任登記と、新しい人の就任登記を申請します。
任期中に辞任や死亡などの事態が生じた場合、退任登記を申請します。
ただし、辞任または任期満了の場合で、新任者を補充しなければ、退任登記が申請できない(申請しても却下される)場合があります。役員の任期につきご不明なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

また、会社の事業規模に合わせて資本金の額を増やしたり減らしたりすることもできます。
その際は、資本金の額の変更登記を申請します。

廃業をお考えの際は、解散登記、清算人の就任登記をし、清算事務を完了させて上、清算結了登記を申請します。

(※)取締役の任期につき「約2年」「約10年」と書いたのは、会社法の規定を前提としています。会社法332条1項では取締役の任期につき「選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」と規定されています。よって、2年間ぴったりになるとは限りません。

Q7.株式会社を合同会社など他の形の会社に変更できますか?
A.できます。
 組織変更の手続により、株式会社から持分会社(合同会社、合資会社、合名会社)に変更することができます。持分会社から株式会社になることもできます。
 他方、有限会社が株式会社に移行することはできますが、株式会社が有限会社にはなれません。

その他、ご不明なことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。