
| ミュージカル:BLOOD BROTHERS(ブラッド・ブラザース)について |
リンダ、バーニー、デニス、モーリンがイギリス各地で"ジョンストン夫人"役で熱演してきた(している)ミュージカル「ブラッド・ブラザース」について少々参考程度にお読みください。
まずは解説から
ロンドン・ミュージカルは80年代からヒット作を多く生み出し、世界中で人気を得るようになりました。なかでもウィリー・ラッセルの「ブラッド・ブラザース」は1983年にイギリス・リバプールで初演されて以来、現在までロング・ラン上演されている代表作の一つになっています。(1983年、オリヴィエ賞を受賞)何故に英国人に根強い支持を受けているのかは、イギリスの階級社会を背景に物語っているからでありましょう。港町のリバプールを舞台に双子の兄弟の物語がナレーターの語りで進行する中、母と子の絆や、兄弟の絆が描かれながらの劇的な運命と悲劇的な終幕。そして、この劇を盛り上げ、感動的にさせる楽曲群の素晴らしさがあります。そのサウンドとは60年代のビートルズを代表とするマージービート系の、甘くほろ苦いサウンドであり、目と耳で(五感で)、英国人の心を熱く掴んでいる作品なのです。
作者:ウィリー・ラッセルについて
60年代にリバプールでシンガーソングライターとして活躍。その後、ミュージカル作家としてマージービートを多用した作品「ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ&バート」でデビュー。ロンドン演劇批評家賞を受賞。その後も製作・脚本・音楽を担当した映画「ブライダル・シャワー」を発表。この作品にもマージービートが重要な要素として取り入れられました。
簡単なあらすじ
成り行きで結婚してしまったジョンストン夫人は7人の子持ち。さらに夫は失踪中のなか双子の子供が誕生します。貧しい生活のなか、雇い主で子宝に恵まれないライオンズ夫人は、一人を養子に欲しいと切り出します。説得に負けたジョンストン夫人。ライオンズ夫人の養子になったエディとジョンストン夫人のミッキーは、全く違う環境で育って行きます。二人が7才になった頃、エディは下町に遠出をします。そこで知り合った子供たちの中にミッキーやリンダがいました。エディとミッキーは息投合し、互いの腕を傷つけ、腕をからませ血を付け合い、義兄弟の誓いを立てます。エディがミッキーと知り合ったことを知ったライオンズ夫人は二人を引き離すため引越しをしてしまいます。14才になった頃、リンダが偶然、エディと出会います。そこで、リンダ、エディ、ミッキーの3人は昔のように親しく付き合うようになります。やがて、エディは大学に進学するが、ミッキーは就職につき、ここでも環境の違いが出てきます。しかし、二人ともリンダに惹かれていたのです。リンダはミッキーと結婚しますが幸せもつかの間で、社会は不況の嵐が吹き荒れ、ミッキーは仕事を解雇され経済苦に陥ります。ミッキーは兄のサミーに誘われ、強盗をしたあげく逮捕され、刑務所に。出所後はうつ病にかかり、クスリに手を出すようになり生活は乱れるばかりです。その反面、エディは市会議員になっていました。リンダは困ったあげくエディのもとに相談に行きます。しかし、二人の中をミッキーは疑うようになります。淡い恋が芽生えたエディとリンダがキスを交わしますが、その現場をミッキーは見てしまったのです。嫉妬に狂ったミッキーはエディに銃口を向けます。警官が駆けつけるがもはやミッキーにはどうにもなりません。駆けつけたジョンストン夫人の「2人は双子の兄弟なのに!」と告白の叫び声もむなしくミッキーはエディに発砲してしまいます。その瞬間、警官の銃はミッキーを撃ち抜いてしまうのです。同時に息途絶えた双子の兄弟。愛する息子の前で悲しみくれるジョンストン夫人でありました。
CD「BLOOD BROTHERS」について
キャスト・レコーディングによるCDは数種発売されています。代表的なCDを紹介します。
![]() |
THE ORIGINAL LONDON CAST Barbara Dickson 盤 |
![]() |
1988 London Revival Cast Kiki Dee 盤 |
![]() |
1995 London Cast Stephanie Lawrence 盤 |
![]() |
1995 London Studio Cast PETULA CLARK 盤 |
![]() |
ジャパニーズ・キャスト 盤 1992 Japanese casts Recording ( POLYDOR POCP-1250 5) |
ジャパニーズ・キャストの公演歴です
| 公演年 | ジョンストン夫人役 | 双子の兄弟役 |
| 1991 | 喜屋武マリー | 柴田恭平、三田村邦彦 |
| 1992 | 喜屋武マリー | 柴田恭平、国広富之 |
| 1995 | 喜屋武マリー | 柴田恭平、太川陽介 |
| 2003 | 島田歌穂 | 坂本昌行、赤坂晃 |
SONG LIST: 1992年、ジャパニーズ・キャスト CDより
| 01:OVERTURE (オーヴァーチュア) 02:MARILYN MONROE (マリリン・モンロー)−ジョンストン夫人 03:MY CHILD (わたしの子)−ジョンストン夫人、ライオンズ夫人 04:EASY TERMS (楽な話)−ジョンストン夫人 05:SHOSE UPON THE TABLE (テーブルに靴)− ナレーター 06:KIDS GAME (子供の遊び)−ミッキー、リンダ、子供たち 07:SHOSE UPON THE TABLE(REPRISE)(テーブルに靴)− ナレーター 08:LONG SUNDAY AFTERNOON/MY FRIEND(長い午後の日曜日)−ミッキー、エディ 09:BRIGHT NEW DAY (明るい新しい日)− ジョンストン夫人 10:MARILYN MONROE(2) (マリリン・モンロー(2))−ジョンストン夫人 11:THAT GUY (あいつ)− ミッキー、エディ 12:I'M NOT SAYING A WORD (一言も言わない)− エディ 13:TAKE A LETTER MISS JONES (ミス・ジョーンズ)− ライオンズ夫人 14:MARILYN MONROE(3) (マリリン・モンロー(3))−ジョンストン夫人 15:LIGHT ROMANCE (小さなロマンス)−ジョンストン夫人 16:MADMAN (狂った男)− ナレーター 17:TELL ME IT'S NOT TRUE (嘘だといって)−ジョンストン夫人 |
ノーランズファンの見どころ聴きどころ:
なんと言ってもジョンストン夫人の出番の多さと歌唱の多さが目を引きます。階級の壁や夢とは程遠い貧しい生活を歌「マリリン・モンロー」で、コミカルに現実を払拭する場面や、ラストシーンの「嘘だといって」の感動的な重厚なバラードなど、ジョンストン夫人は相当に歌唱力が問われる役どころと言えるでしょう。そして9人の子持ちという演技力。その役をリンダ、バーニー、デニス、モーリンがどのように熱演・熱唱してきたのか...ファンとしては気になりますね。
現在ジョンストン夫人で活躍中のリンダ、モーリンを含むロンドン・キャストの来日公演は是非実現して欲しいです。