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星新一 (ほし・しんいち) 1926〜1997。 Wikipedia


 ● 極私的 『星新一』 ベスト3 ●  1位…「生活維持省」  2位…「おーい でてこーい」  3位…「夕ぐれの車」



愛用の時計 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。K氏が愛用している腕時計。五年前に買ったその時計を大切に扱い、大げさに形容すれば愛してもいた。それなのに、時計の故障のせいで旅行に行くバスに乗り遅れてしまったK氏は、仕方なく旅行を中止し、修理のため、時計店に行くが…。「へんですね。どこも故障なんかないようです」──。こんな愛らしい時計、私も欲しい〜。

悪魔 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。厚く氷の張った湖に小さな穴をあけて釣りを楽しむエヌ氏。釣り上げた古いツボのフタを開けてみると、中から悪魔が登場。「なんでもできる。なにをやってみせようか」。悪魔にお金を出してくれと要求するエヌ氏。「ついでですから、もう少し」。いい気になって大量の金貨を出させるエヌ氏だが…。際限のない人間の欲を皮肉る。

おーいでてこーい (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。台風で流された社(やしろ)の跡から発見された底なしの穴。「おーい、でてこーい」。若者が穴にむかって叫んでみたが、何の反響もない。「埋めてしまいなさい」。原子炉のカス…、省庁の機密書類…、元恋人の写真…。格好のゴミ捨て場と化した穴は、都会の住民たちに安心感を与えるが…。大量消費社会への警鐘!

おみやげ (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。人類誕生以前の地球にやって来たフロル星人。「(将来の人類の為に)おみやげを残して帰るとしよう」。宇宙船の設計図、若返りの薬、平和に暮らす方法…。タマゴ型の容器を砂漠に残し、地球を去るフロル星人。果たして人類は「おみやげ」を発見し、活用する事ができるか? 愚かなる人類、その愚かさに気づかず…。

 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。悪魔を捕まえることに成功した共働きの夫婦。「そんなにいじめないで下さい。帰らせて下さい」。情けない顔つきの悪魔をいじめることで、日頃のストレスを発散させる二人。悪魔のおかげで、夫は昇進を果たし、夫婦仲も良くなるのだが…。「十三日の金曜日」の報い…。ストレスと加虐性の顛末を描いたホラー小説。

危険な年代 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
掌編。若者による傷害事件の裁判を傍聴する社会評論家・アール氏は、「危険な年代」による犯行に怒り心頭になる。「おれじゃない。おれはなにもしていないんだ」。被告の青年の無実の叫びを聞いたアール氏は、この事件は冤罪(えんざい)ではないかと確信するが…。「危険な年代」とは実は?──人間のエゴを描いた社会派。

協力的な男 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
掌編。「わたしがやったんです」。警察に自首してきた一人の青年。難航していた事件が解決し、ほっとする刑事たち。「刑事さんたちに喜んでもらえて、わたしもうれしく思いますよ」。しかし青年は、事件があるたびに「わたしがやりました」と自首してくる常連だった。「なんというやつだ。さあ、早く帰れ」──。「おおかみ少年」逆バージョン。

殺し屋ですのよ (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。別荘でくつろぐ大会社の経営者・エヌ氏のところへ現われた若い女の殺し屋。「ま、まってくれ。たのむ。殺さないでくれ」、「誤解なさらないでいただきたいわ。殺しに来たのではございませんのよ」。商売がたきの社長を病死させてみせるという女。半信半疑で依頼するエヌ氏だが…。なるほどと納得する殺害方法とは?

昇進 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
短編。ごく普通の学校を卒業し、ごく普通の会社に入社した、ごく普通のアパートに住む平凡きわまる青年。そんな平穏無事な人生に不満を抱く彼の前に現れた中年男。会社で注目を浴び、昇進できる方法があるという。ウソの強盗を追っ払い、尊敬され、一躍社内で有名になった彼は、社長室に呼ばれ…。平凡すぎる男の悲喜劇。

生活維持省 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。今日も同僚と一緒に外回りに出かける“生活維持省”に勤める主人公の役人。「内勤になったら、結婚して、あんな家に住むつもりなんだ」、「平和だなあ」、「平和だ」。生存競争と戦争の恐怖のない社会は平穏そのもの、たった一つのことを除いて…。精神的恐怖が味わえるショートショートの傑作。オチがお見事。

月の光 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。「こんなにすばらしいペットを持っているものは、ほかにだれもいないだろうな」──。月の光が流れ込む広い静かな部屋で、ペットである混血の少女を飼う紳士。言葉は愛情を薄めると考える彼は、言葉を一切使わずに少女を育て、毎日、甘い夢のような夜を過ごすのだが…。平和と幸福にあふれた家の崩壊を描く。

尾行 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
掌編。「事情があって身分はあかせませんが、仕事を依頼したいと思いまして」。身元不詳の男性から、ある若い女を尾行してほしいと依頼された私立探偵のエヌ氏。約束の一週間、旅行に出掛けた女を尾行するも、彼女は何ら不審な行動を示さなかった。依頼人の目的とは一体?──立派な(?)推理小説として楽しい。

ボッコちゃん (新潮文庫)
掌編。バーのマスターが作った美人ロボット・ボッコちゃん。ホステスとしてすっかり人気者になったボッコちゃんだが、客は誰一人としてロボットとは気づかず、彼女に酒を飲ませ、マスターは彼女の体から回収した酒を客に飲ませるのだが…。傑作ショート・ショート集の表題作。美少女ロボットつながりで蘭郁二郎「脳波操縦士」も。

夕ぐれの車 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
短編。身代金目的の誘拐事件を実行する二人組の男(二郎と三郎)だが、間違えて違う家の女の子を誘拐してしまう。どこの家の子か言わない女の子に振り回される二人。女の子が輸血を必要とする病気であると知った二人は…。コミカルなロードムービーのような味わいで楽しい。 →新美南吉「花のき村と盗人たち」

雄大な計画 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。R産業の入社試験に最高の成績で合格した三郎は、スパイとして、競合会社のK産業へ入社するよう命じられる。「わたしをみこんで、そうまでおっしゃるのでしたら…」。使命感に燃える彼は、異例の出世を遂げ、ついにはK産業の秘密を全て知りうる立場(つまり社長)に辿り着くが…。「スパイはドライでなければならぬ」。

ゆきとどいた生活 (新潮文庫「ボッコちゃん」に収録)
掌編。生活の全てがオートメーション化された世界に住むテール氏。「さあ、きょうもお元気に、いってらっしゃいませ」。起床、シャワー、朝食…、全て機械によってなされ、自動的に乗り物に乗車し、出社する彼だが…。「おはよう、テール君。どうしたんだい、ばかに顔色が悪いじゃないか」。どんでん返しのラスト。機械化の功罪を描く。

夢と対策 (新潮文庫「エヌ氏の遊園地」に収録)
掌編。十三日の金曜日に飛行機が墜落するという夢を見た会社員・エヌ氏。飛行機に乗るのを恐れた彼は、急の出張を断り、早退することに。出張する上役の事を思うと気が咎める彼だが…。「これでいいのだ。飛行機というものに乗りさえしなければ、問題のおこりようがないのだから」──。「教訓」付きのオチが面白い。



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