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 この「物理教育」では、私が蓄積したオリジナルな高校物理の生徒実験の紹介と、物理の教師を対象に授業の参考となる話題の提供を考えています。 まだ準備段階ですが、順次内容を増やしていくつもりでいます。PDFでのプリントのダウンロードも考えています。

物理教育 序論

物理の奥深さ

 この私のページは「受験のための物理」を全く意図しては居ません。 しかし、真摯に物理に関する疑問を持たれている方や物理教育の実践方法を模索されておられる方には有益だと思います。
 物理教育の歴史は長く、ほぼ完成された分野と思われがちですが、私は決してそうは考えていません。 抜け落ちた視点、誤解や理解不十分な取り扱いが随所に見られる分野だと思います。
 それほど物理は「深く」かつ「難しい」のです。 実際私自身まだ分からないことが山ほどあります。それがまた物理や物理教育の魅力なのです。
 私は高校理科の教師として、理科の他科目「化学」「地学」「生物」を教えた経験がありますが、 高校で教える内容の範囲では、いずれもほぼ完結した知識内容をもち、少し工夫しさえすれば(勿論その工夫の仕方が教師の力量ではあるが)、 ほとんど「良心の呵責なし」に機械的・断定的に「知識伝授」の授業をすることが可能です。(勿論、「高校物理」も受験物理に限れば、他科目と同様なことが言えますが。)
 私の専門は物理なのですが、他科目を教える方が遥かに楽でした。これは単に「盲者蛇におじず」の例えを述べているのではありません。
 物理が他科目と本質的に異なるのは、基本的な事項ほど深い謎を含んでいることです。 受験物理の足元に危険なクレバスのよう広がるこれら深い謎の数々も順次紹介していくつもりです。

物理実験は魔術ではない。

 このページでは、私のオリジナルな生徒実験も紹介しますが、私が演示実験より生徒自身に行わせる実験にこだわってきた理由を少し述べておきたいと思います。
 近年、「理科離れ」が叫ばれ、生徒達の理科に対する関心を引き留める手段として、むずかしい理屈より生徒に興味をもたせる理科実験が大切だと云うことで、 様々な所で「実験中心の授業」が試みられています。
 しかしそれらの多くは、理科室の教卓での演示実験が多く、興味を惹き、生徒達を驚かすような実験、 あたかも教師がマジシャンを演じるかのような「魔術的な実験」が好まれ、本来の科学精神に逆行していることに気付かない、あるいは鈍感な教師が多く見られます。
 近代的な科学の特徴は、思考だけでは迷路に陥るという過去の反省の上に立ち、自ら実験という手段を使って徹底的に自然を調べる実践的・能動的な行為だと思います。 また探究に際しては知性を最大限に発揮する必要があります。この基本は「調べれば、自然は必ず何らかの答えを出してくれる。」という 「自然に対する信頼感」を醸成することだと思います。日本の教育に欠けているのはまさにそのことです。

一般教育としての物理実験

 「理科離れ」を心配している一部の人々は、その心配する理由を「このままでは、科学・技術立国を掲げる日本の明日を担う若者が育たないから。」と云います。 それなら所謂「理科系人間」の養成しか、あるいはその目的のために人的裾野を広げることしか考えていないと自白しているようなものです。 私はそれについては余り心配はしていません。なぜなら日本の教育制度にしっかりと「理系コース」が組み込まれているからです。
 私はむしろ「文理」の枠を超えた「国民教育」の柱に上述の「自然に対する信頼感」を醸成する教育が欠けていることこそが問題だと考えている者です。 教育一般の問題なのです。その証拠に欧米諸国に比べて、科学が学問の柱であると考えて科学を重視する国民の割合が極端に低いのです。 やはり科学は上に述べた「魔術に近い特殊なもの」と考えているのではと想像せざるを得ません。「魔術」のように一見みえるのは、 我々が生きている世界そのものが不思議なだけです。科学に限らず突き詰めて考えるとすべてが不思議な、そういう世界に生きているのに普段気付かないだけです。 しかしそこは探究すれば何かを見つけることができる世界なのです。その結果が学問であり科学です。科学が学問の柱と云うのはそういう意味です。
 そこで、あたかもテレビ番組を見ているかのように、先生のデモ実験をながめているだけでは、科学を体験したとは云えません。 (勿論、講義の流れの中で、その現象を実際に示しながら説明することは、科学の授業に必須で非常に大切であることは論を待ちません。)
 私はそれに加えて、自ら手を下して自然を調べることには、別の本来の実験の意義があると考えています。つまり行為を通した「リアリティ」の再発見です。
 私は単純な実験に喜々として取り組む多くの生徒達をみてきました。実は大人達が想像する以上に彼らは「健全」です。 逆に教師が「もっと驚かすような実験を見せなければ彼らの興味を惹けないのでは。」と勝手に想像して腰が引け、「魔術」のような実験を見せる教師がいます。 確かに生徒達の関心を惹くことが出来ます。しかしその内彼らは飽きて来て、もっと驚かすような実験を要求してきます。 これが「マジシャン化した教師」を生み出すことになるのです。そんな心配は要りません。単純な生徒実験だけで多くの生徒達には新鮮なのです。
 私が「文理」の枠を超えた一般物理としての生徒実験にこだわる理由はここにあります。私の紹介する実験はそういう視点に基づいて作ったものです。

物理教育


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