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 日本国民は、朝鮮半島からの核兵器の排除、同時に、ならず者国家の核兵器の廃絶をも要求する。
 朝鮮半島の核廃絶のみが強調されているが、本質は、世界からの核兵器の廃絶問題である。日本政府は国民に向けてしきりに、北朝鮮の核兵器の脅威のみを煽り続けるが、日本国民にとって、いや、世界の人々にとっては、ならず者国家が保有する莫大な数の核兵器の方が脅威であると感じることであろう。ならず者国家とは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国のことである。



朝鮮半島からの核兵器の排除、同時に、ならず者国家の核兵器の廃絶をも要求する(2018年6月)



 ならず者国家とは、ここでは、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国を意味する。
 日本政府が北朝鮮の核兵器保有のみを固執して騒ぎ立てているが、本質は、世界の国からの核兵器廃絶であるから、そのことを主張しつづける必要があり、日本国民は、現日本政府が核兵器の扱いに対してもアメリカの政策に終始隷属している現状を強く非難するものである。

 国連の常任理事国は、自分達には特権的に核兵器を保有することが認められる核兵器国とし、それ以外は非核兵器国と位置づけることにしているが、NPTに加盟していない国については、核兵器の保有についての法的な規制が及ばないことになる。
 核兵器国である常任理事国も核不拡散条約(NPT)に加盟しており、それらの国も履行義務がある核軍縮に向けた話し合いを真摯に履行してきていない。(米・ロの戦略兵器削減交渉及び条約締結は段階的に実施されてきているが、戦術核兵器は含まれず、また、配備されていない核兵器は対象外とされている。)
 核兵器保有の問題点は、いづれの国の保有であっても、使用の目的は、戦争に於いて使用するための兵器であり、それらが使用された場合のその破壊規模は絶大であり、計り知れない尊い数多の生物の生命を奪うこと、長き時間を掛けて築きあげてきた文明・社会の秩序あるシステムを一瞬にして崩壊させ、敵対国を壊滅状態にすることである。核兵器保有国が自国の利益を極限まで追求する過程で、それに大きな障害となるときに、自国第一主義を貫き通すと、戦力を背景にした究極的な選択に行き着いてしまうことが容易に想定される。また、核戦力を背景にした互いの恫喝に対して、敵視する立場の国からの核による先制攻撃を危惧して、その前に先手を打つ攻撃を行うことが自国の利益に繋がると判断するだけで、いつでも核兵器の使用が可能となっている世界の情勢である。
 核兵器を所有することに於いては、防衛上、敵対国からの攻撃を抑止する効果があると一般的によく言われている。国が核兵器をある個数以上保有しているだけで、仮定として敵対国からの核攻撃を受けて国のほとんどが壊滅しても、潜水艦やミサイル基地からの核による反撃によって同様の壊滅的な打撃を与えることができるとする理論でもって、相手国の核攻撃を抑制・躊躇させる効果があるなどと期待・希望を持って自らを精神的に安心させる説明を耳にするが、筆者にはこのような論理が全く通用しない。
 核兵器保有国のトップや軍の中枢の人物の思想・信条、思考で簡単に決定され、ゲーム感覚で攻撃されることが起こりうる国の安全保障の実態があり、このような、不安定で、危険極まりない状態の地球上の一つの世界で、我々人類はそのことを常に脅えながらの生活を余儀なくされているのである。本当に由々しき問題である。
 次に示す核兵器を保有したならず者国家のルールに反する強引な態度、攻撃的な態度を見れば、実際的な危機意識を持つようになるであろう。


ならず者国家アメリカ、イギリスのイラク戦争の場合


 アメリカ、イギリスなどによるイラクへの先制攻撃によるイラク戦争が該当する。(他の参戦国は、基本的に核兵器を保有していないと見なすために、ここでは触れない)
 第二次世界大戦後、世界の秩序を守る方法として国連を設立して役割を担わせて、世界の国々の諸問題の解決をはかることを打ち出したのである。この国連についての詳細は省くが、安全保障の問題は、安全保障理事会に義務を負わせる代わりに、国連加盟国には、会議の決定に受諾と履行の義務を課しているのである。安全保障理事会の表決は、常任理事国の一致した賛成投票を含む9理事国の賛成投票によって行われる(但し、紛争当事国は投票を棄権しなければならない場合の条項がある)としているために、常任理事国の利害が影響して、ほとんどの事案に於いて機能不全な状況になっているが、国連加盟国はこれを改善しようとはしない。

 イラク戦争(2003年〜)とは、イラクの大量破壊兵器が世界の危機をもたらすとして、アメリカなどが攻撃についての安保理決議を求めたが、国連の安保理決議で攻撃の承認の採択が得られないので、有志連合国として、アメリカ、イギリス、スペインなどによるイラクへの一方的な攻撃によってイラク政権を崩壊させ、国土を破壊、多くの市民を犠牲にした戦争であった。(死者の数値については、10万人とも50万人とも、避難民の死亡を含めると更に増えるとしている資料など存在している状態である。国防省が2013年資料として公表しているアメリカ兵の死者:約4400人に対して、民間人の犠牲者が莫大であることは間違いない。)
 イラク戦争については、イラクとクウェートとの戦争及びいわゆる湾岸戦争から整理しておく必要がある。
 イラクは、クウェートなどが協定を無視して大量に原油を生産していることによって原油価格が値下がりしてイラクが経済的な打撃を受けていると主張すると共に、クウェートが行っているイラクとの国境付近にある油田での生産拡大は埋蔵油田の盗掘状態にあたるなどと主張していた。これに対してクウェートはイラクに対する過去の支援金のことを持ち出したために両国の関係がさらに悪化した。イラクはこの状況が解消されなければ攻撃について示唆していた。これらの詳細な経緯に関しては関係する資料を別途参照してください。
 イラクは国境付近に軍を集結させ、1990年8月に遂にイラクがクウェートへの侵攻を行った。これがイラク・クウェート戦争である。
 このイラクのクウェートへの侵攻、駐留事件に対しては安保理がイラクに撤退を要求したが、イラクはこれに従わなかった。これに対して、安保理決議により、多国籍軍が、1991年1月からクウェートに侵攻したイラク軍への攻撃を開始し、3月には停戦に至った。湾岸戦争と一般的に呼ばれている戦闘事件である。
 この敗戦を受けてイラクは、生物化学兵器などの廃棄、賠償、捕虜の解放、その他を定めた安保理決議(1991年の687決議)を受け容れるとした。

 その後、イラク国内で関係機関による査察調査が継続されるが、遅々として進展しない状態であった。一方、アメリカはイラク北部の飛行禁止区域を設定し、これを不服としたイラクとの間で領空侵犯に対しての米軍などの爆撃が行われていた。査察機関は、UNSCOM(国際連合大量破壊兵器廃棄特別委員会査察機関)から、UNMOVIC(国際連合監視検証査察委員会)へと継承されて査察が実施されてきていたが、イラクが資料の提出を遅らせることや、記入漏れなどがあり、アメリカはイラクの非協力的な態度を問題視した。
 そのような状況の中で、2001年9月に米国に於いてアルカイダによる同時多発テロが発生。アメリカのブッシュ大統領は、イラク、イラン、北朝鮮をテロ支援国家の悪の枢軸国と名指しして敵視していた。国連では、安保理決議で最後通告の決議案(2002年国連安保理会議4644における1441決議案)が採択された。この内容の概要は、イラクに対してUNMOVIC、IAEAの査察に妨害を行わないこと、無条件、無制限での立ち入りを認めることを要求し、イラクに対して、化学、生物、核兵器、弾道ミサイル、その他の運搬システム、関連物資と装備の在庫の保有物と正確な位置、その研究、開発、製造施設の場所と作業内容、計画などについて完全に申告を要求するとし、その内容を安保理会議に報告するとし、安保理は査察を続行してこのイラク問題に今後も関与することを決定するとした内容である。

 イラクは、アメリカなどの強硬な態度を危惧して、これまでの査察への非協力を改め、全面的に査察を受け容れることを表明した。そして、当時、イラクは定められた期限ぎりぎりに大量の資料を提出する状態であった。
 そのイラクの資料には多くの間違い、矛盾が存在していたため、アメリカなどはイラクによる事実の隠蔽に当たると主張し、イラクには大量破壊兵器があり、この拡散による世界的な脅威になると危機に言及。アメリカなどがイラクへの攻撃に対する安保理決議案を提出したが、フランス、ロシア、中国が反対して採択されず。アメリカなどが、改めて提出したが、受理される見込みがないと判断して取下げ、有志連合国として攻撃の準備を行い、イラクへの攻撃の通告を行った。これに対しては、フセイン大統領は対決姿勢を表明した。遂に2003年3月に有志連合国は一方的にイラクへの攻撃を開始したのであった。
 
 有志連合国の近代的、圧倒的な軍事力でイラク軍を打破し、バグダッドは陥落した。ブッシュ大統領は2003年5月には一旦戦闘の終結を宣言したが、その後もあちこちで戦闘状態が継続していた。この戦争はイラク政権のみならず統制されていた部族、宗教間の安定を破壊し、イラクの国家秩序そのものを根幹から混乱させることになってしまったのであった。有志連合国は、更に戦闘の継続を余儀なくされ、アメリカによる実際的な戦争終結宣言はオバマ政権が2011年12月に行った。
 イラク戦争は、アメリカなどが攻撃のために表面的に主張した理由は大量破壊兵器の拡散を阻止することを目的とした戦争であったが、しかし、イラクには大量破壊兵器の存在が確認されず、その攻撃の根拠とされた大量破壊兵器の存在をうかがわせる資料は、その後の調査で情報源の信頼性が薄いことが判明し、誤った情報にもとづいた間違った選択の戦争であったことが明らかになった。
 これに対して、アメリカ政府は謝罪していない。


ならず者国家アメリカ、イギリス、フランスのシリアへの攻撃の場合


 シリア国は、アサド大統領と大統領を支持する議員が支配的に政権を掌握する独裁的体制が築かれている。
 イラク戦争後には、周辺の独裁的な政権が支配する国々に於いて民主化を求める運動が盛んになり、それらの国々で政権の交代が行われたが、シリアでも抵抗運動が激しくなった。これを制圧するためにアサド政権は軍事力を行使して民衆を制圧するようになり、これに対抗して、民主化の反政府運動を掲げて抵抗する勢力の中にも武器をとって抵抗するようになり、内戦状態に陥った。
 このような混乱の中で、イスラム思想のもとイスラムの国家建設を目指すとする過激的な勢力であるイスラム国(IS)が武力行使を行ってイラクやシリアの町を次々に征服して支配地域を拡大しつつあった。これらが入り混じり、殺戮、破壊が日常的に行われている内戦状態が続き、アメリカなどはISに対して空爆を行い、アサド政権側は反政府勢力が存在する区域において、一般市民を巻き込む無差別な爆撃も行っていることが伝えられていた。ロシアはシリアのアサド政権を支援しており、ロシア空軍の戦闘機、ヘリコプターや戦車がシリア国内の基地に配備されていて、ロシア戦闘機はイスラム国の勢力が支配する地域を爆撃するとしているが、かつて、政府に抵抗する反対勢力にも爆撃を行う状況が報告されていた。

 イラクで勢力を拡大していた過激派組織のイスラム国(IS)はほぼ掃討され、2017年以降、シリアのISは弱体化。2018年時点で、シリアでは、YPG(クルド人の人民防衛隊)、反体制派、アサド政権が支配する区域に分かれている。アサド政権は、反体制派の支配区域に爆撃を加えていた。
 シリアの内戦では、2013年頃から化学兵器を使用した疑惑があり、国連の関係機関の調査結果では、使用者は特定しないが、化学兵器が使われたと報告が為されている。
 2017年4月には、シリア北西部のイブリン県で空爆があり、住民が呼吸困難に陥っていたことが報道されていた。また、2018年4月にダマスカス近郊の東グータ地区での空爆があり、住民が呼吸困難になっている状況が報道されていた。
 これらに対して現地調査や制裁決議について、安保理は常任理事国全員の承認が得られず、実際的には機能不全であり、軍事的な強行的な措置を講じることができない状態となっていた。しかし、ルールを無視して、2017年4月の事案では、米・中会談日程の晩餐会中に、アメリカ単独でシリアに対してミサイル攻撃を実行した。また、2018年4月の事案では、化学兵器の使用の有無を調査に入るとしている前日に、しかも、シリアに対しての攻撃について国連決議を得ずして、アメリカ、イギリス、フランスがミサイル攻撃などを実行したのであった。これは、国際的なルールに反する行為であり、武力による先制攻撃は犯罪に相当する。
 トランプ大統領は、攻撃前に、シリアによって化学兵器が使用された確かな証拠があると発言したが、その内容は公開しないとした。筆者から見れば、これは正にイラク戦争開始時の大量破壊兵器の存在の根拠としたものが誤った情報であり、これを言い訳にした戦争であった状況と同じであり、懲りずに同じことをやっていると見なし得る事案である。
 それらについて、アメリカ軍によるシリアへの攻撃(2017年4月)、アメリカ軍による北朝鮮への先制攻撃について 主権国家に対する卑劣な戦争開始宣言と同じ、及び 国連決議によらないアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍によるシリアへの武力攻撃(2018年4月)は、シリアがそれらの国を攻撃していない限り、国際法上犯罪行為に相等に記述した。

 化学兵器が使用されたかどうかについて、調査で確認する手続きを行い、化学兵器使用の痕跡が調査結果で得られた場合には、安保理で攻撃の妥当性の決議の採択を求める手続きが必要となる。これが為されて妥当性が得られることが前提であり、もし得られなければなければ、攻撃の正当性はない。安保理の採択決議が得られない勝手な攻撃は許されないのである。正義の正当性は無いことになる。これが、現状の国際的な秩序の手続きの枠組みである。


ならず者国家ロシアによる、ウクライナが反対するウクライナに帰属するクリミア自治共和国の編入


 主権国家に対する侵略に関しては、ロシアがウクライナのクリミア半島に位置するをクリミア自治共和国を軍事力を梃子にしてロシアに併合(行政上は編入扱い)した事実が存在する。

 筆者の理解の範囲の概要と断わっておくが、概ね次のようなことである。

 ウクライナはロシア革命後に独立し、ソ連邦に属することになり、第二次大戦後にはソ連邦のウクライナ共和国の領域となった。1991年にソ連が崩壊すると、ウクライナはウクライナ共和国として独立することになった。

 クリミアはロシア領であったが、ロシア革命後にソ連邦ロシア共和国の所属になった。その後、1954年にソ連のフルシチョフによってソ連邦ウクライナ共和国へ友好の証として割譲された。
 クリミア半島の先端部には旧ソ連(現ロシア)の黒海艦隊の港があり、行政上、特別市セヴァストポリとなっていた。1991年のソビエト連邦の崩壊後、ウクライナがセヴァストポリに駐留する黒海艦隊の一部の所有権を主張するようになった。このため、ロシアとウクライナの間で対立が発生。クリミア半島には、当時タタール系の住民、ロシア系の住民が住んでおり、ロシア系住民を中心に分離独立を求めるようになったが、結果的にはクリミア自治共和国としてウクライナに属することで決着した。
 
 一方、ウクライナでは、ウクライナがEUとの関係強化を求めて2013年にEUとの政治・貿易協定の仮調印まで済ませたが、親ロシア派のヤヌコビッチ大統領がロシアとの関係を受けて調印しない状況となった。これに対して大規模な反政府デモが発生して国内は混乱した。2014年に大統領は首都キエフから脱出して東部に向かったとされる。ウクライナは親EU派のトゥルチノフ大統領代行が当時政権を引き継いだ。
 ウクライナの東部地区は親ロシア派の勢力域であり、武装した反政府部隊が存在しており、その武器の入手に関してはロシアからの提供・支援を受けていると見られているが、2014年代になって強硬派は独立を主張して政権側と武力衝突を起こすようになった。このとき、ウクライナの国境沿いにロシア軍が集結する状況が報じられていた。ウクライナは東部地区と西部地区の政権側との武力衝突の内戦状態となっていた。この東部地区での戦闘攻撃によって多くの学校施設なども破壊されてしまっており、教育に支障がでていることが報道されていた。
 このような状況下、クリミア半島に反政権の民兵と見られる武装した部隊が進入して島を制圧した。(所属を明らかにしない武装勢力は、実際はロシアの特殊部隊と見られることが噂されていた。)
 この2014年にクリミア半島で住民投票が実施され、ロシアへの帰属に賛成する結果が得られたとしている。その後、クリミア自治共和国及び特別市セヴァストポリの独立宣言を行い、編入要望の決議が実施され、ロシアへの編入手続きが開始されたのであった。しかし、この住民投票では、実際に住民投票に参加した住民の数の割合が低く、実際的な賛成票の割合が低いことになるほか、そもそも、住民投票の手続き、島のみの住民投票でウクライナの帰属からロシアへの帰属を移転させる手続きを行うことについての国の手続き上の違反の問題がある。
 しかし、ロシアのプーチン大統領は、このクリミアの住民投票は有効であるとして、ロシア国内で行政上の編入手続きを進め、クリミア自治共和国のウクライナ大統領特別代表、セヴァストポリ特別市の代表及びロシアとの三者間で調印を行って正式にロシアの帰属となったと説明している。 
 
 この行為に対して、アメリカやヨーロッパ諸国の多くは、クリミアのロシアへの編入を承認しないとしており、ロシアが対応を見直さないので、西欧諸国はロシアに対して協調的に経済的な制裁を行うことで一致しており、この状況は2018年現在も継続している

 

南沙諸島における広範な領域の帰属を主張して一方的な環礁の埋め立て及び軍事基地化を進めている中国に対して、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所の司法の場で、中国の主張する「九段線(牛舌線)」の領域としての法的根拠がないとする裁定が為された。しかし、中国はこれを受け容れず、無視して実効支配を継続して人工島の要塞化を止めないでいる。


 南アジアの海域において、台湾、フィリピン、中国、ベトナム、マレーシア、ブルネイ周辺に存在する島、環礁などの領土に関して、島の状態であるものについては、台湾、フィリピン、中国、ベトナム、マレーシアが既に実効支配している箇所があり、その国のもとに管理・整備がなされてきている。
 中国は、過去にベトナムとの間の環礁の領有権争いがあり、当時ベトナムが支配していた環礁のいくつかを武力を背景にして奪い取った歴史がある。
 近年、中国によって南シナ海に存在する環礁を中国の国益のために一方的に埋立てる行為が発生した。フィリピン周辺の海域でフィリピン漁船が漁を行う際に、中国の監視船が体当たり的に排除することなども行われており、フィリピンでは危機意識を持つようになっていた。この南シナ海への中国による強引に進められる海洋進出に危機を抱いて、2013年にアキノ・フィリピン大統領が国際的な司法の場、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所に提訴したのであった。その判決が2016年7月12日に行われたもので、その判決について、2016年7月13日付けの朝日新聞の記事(1面)より以下に引用して示す。

「南シナ海 中国の権利否定」
 独自境界「法的根拠なし」 仲裁裁判判決 人工島正当性認めず

 中国や周辺国が争う南シナ海問題で、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は12日、中国が独自の権利を主張する境界線「9段線」に国際法上の根拠はない、との判決を出した。南シナ海問題を巡る初の司法判断で、提訴したフィリピンの主張をほぼ全面的に認める判決となった。中国は反発しており、周辺国や米国などとの緊張が高まる可能性がある。
中国 受け入れず 
 判決によって、中国が進める人工島造成は正当性の法的な根拠を失った。フィリピン政府は判決を「歓迎する」と述べたが、中国外務省は「(判決は)無効で拘束力はなく、中国は受け入れない」との声明を出した。上訴はできず、9段線などの国際法上の判断は定まるが、仲裁判決を強制的に履行させる手段はない。
 仲裁裁判は2013年1月に提訴。中国が歴史的権利として、南シナ海のほぼ全域に権利が及ぶと主張する「9段線」が国際法上認められるかどうかが最大の焦点だった。判決は「歴史的権利」について、「(中国がこの範囲の海域を)排他的に支配してきた証拠はない」と退け、「法的な根拠がない」と結論づけた。
 そのうえで、中国が9段線の内側の南沙(英語名スプラトリー)諸島の 7 つの岩礁や浅瀬を埋立てて築いた人工島は排他的経済水域(EEZ、200カイリ以内)大陸棚が認められる「島」ではないと判断。そのうち 3 箇所は、満潮時に海に沈んでしまう「低潮高地」で、領海12カイリも認められないとした。
 南沙の海域に、そもそも法的な「島」はないと判断した。
 中国は仲裁手続きに参加しなかった。ただ、14年2月に自国の立場を表明する文章を公表したため裁判所はこれを判断材料に加えた。
 判決は各国の主張が絡んで複雑化した問題に国際法という基準をあてはめた。ベトナムなどほかの国々との権利の調整でも基準となるとみられる。(マニラ=佐々木学、ハーグ=吉田美智子) (以上、2016年7月13日朝日新聞より引用)


 判決では、中国が埋立てや妨害活動をする海域の一部がフィリピンのEEZ内に入っているとも認定。「中国はフィリピンのEEZ内で主権を侵している」とした。 中国が進める埋め立てを、違法な環境破壊だとするフィリピンの訴えも認めた。中国は珊瑚礁を破壊して人工島をつくっており、国際海洋法条約の定める環境保護義務に違反していることを認定した情報について、同様に2016年7月13日の日本経済新聞に記載されている。

 フィリピンでは2016年6月30日にドゥテルテ大統領が就任した。ドゥテルテ大統領は戦争をするつもりはないとし、中国からのフィリピンへの支援の提案を最大限に利用するとともに、一方ではアメリカに対しては同盟国としての対応を表明して、両者からフィリピンにとって有益となる条件を引き出す狡猾さを見せている。これによって、当面は中国とフィリピンとの軍事的な衝突に至ることは避けられそうだ。
 一方中国は、常設仲裁裁判所の裁決が中国にとって不利になることを予想して、既に中国が経済・軍事支援する多くの国々に説明を行い、友好国からの支持集めを進めてきていると見られている。
 中国は国際的な司法の裁定判断を無視し続け、強硬に南シナ海の低潮高地にあたる環礁を大規模に埋めたてて造成を進め、飛行場の滑走路、建物、港、灯台、住居施設、軍事施設などの整備も展開しており、中国が主張する領海への他国の船舶、航空機などの不当な侵犯に対しては自国の権利を行使する趣旨の攻撃的な態度の表明を行っている。2018年の南シナ海のならずもの中国の脅威の現状である。

 筆者から見ると、この中国のならず者の性格は、2018年の日本の安倍政権の憲法無視の強引な政権運営・軍事化と構図が全く同じに映る。
(2018年6月) 


   
(参考)
 オランダのハーグの平和宮に国際司法裁判所(ICJ)と常設仲裁裁判所(PCA)がある。国際連合の機関としているのはICJであり、PCAは別機関であり、その性格を異にしている。(筆者は、この2つの機関が異なるという知識がなかった。)
 仲裁裁判所は現在、国家間、それ以外の当事者(国際機関、民間主体あるいは個人など)にも、幅広い紛争解決手続(事実認定、調停および各種の仲裁)を提供しており、商業・金融関係の紛争の裁判、海洋の領域、その他の問題にも関わっていることが示されている。
 常設という名があるが、常に開設されている機関ではない。詳細については、それぞれの機関についての資料を参照のこと。


項       目

国連決議によらないアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍によるシリアへの武力攻撃(2018年4月)は、シリアがそれらの国を攻撃していない限り、国際法上犯罪行為に相等現行憲法では自衛隊は憲法違反であることは明らか朝鮮半島からの核兵器の排除、同時に、ならず者国家の核兵器の廃絶をも要求する
日本国民は、河野外相がアメリカの核態勢見直し2018年の内容を高く評価するとしたことを厳しく非難する駐留米軍機の事故&沖縄の地方選挙に対する権力を私物化する安倍政権現行憲法九条内容を変えずに自衛隊保有を明記すると条項自体が非論理で無効となる
国会での与党、野党の質疑時間の配分を改めることを主張する若手自民党議員。国民から見たその解決策について。日本国憲法第九条の不備 国民主権の立場から改正が必要官僚:忖度。希望の党小池代表の発言:排除します。国民の決意2018年:排除します。
民進党の解党・希望の党への合流。仕組まれた罠にはめられた民進党。第48回衆議院選挙の国民の選択 立憲・法令順守主義を否定、政府の犯罪や違法な国民への裏切りを野放しにする放置国家を容認か?憲法改正問題:自民党が訴える憲法改正について、その必要性の説明不足。
普天間飛行場移設 名護市辺野古の沿岸部埋立てによる飛行場建設に反対安倍総理が自民党総裁として言及した憲法改正を促すための9条改正案の例示 論理破綻 歴代内閣による安全保障関連の説明の論理が瓦解する国民が第48回衆議院選挙に求めるものとは・・・。その前に安倍政権の独裁的な手法による数々の暴挙を止めなければならない。
安倍政権による緊急事態法の制定は戦争目的及び自衛隊のクーデターへの対応ほか加計学園の獣医学部新設に係わる手続きの不正の疑惑。南スーダンでの自衛隊の活動の日報データと稲田防衛大臣の認識や答弁内容の真偽の問題。政府の国民への裏切りの問題。安倍総理による衆議院の解散・総選挙、2017年の国民の審判の争点は・・・
靖国神社に閣僚が参拝。高市早苗総務大臣が2014年4月に参拝。昭和天皇の戦争責任が糾弾されねばならない。安倍総理、側近、友人 森友、加計学園問題。内閣府の関与について、国民は黒とみなし、関与があったものと評価する。国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約及び協定 共謀罪法 テロ等準備罪法
教育勅語とは、明治天皇が天皇国家に従う臣民としてのあるべき姿、実践すべき姿を説いた内容アメリカ軍によるシリアへの攻撃 アメリカ軍による北朝鮮への先制攻撃について 主権国家に対する卑劣な戦争開始宣言と同じ安倍総理夫人による総理公務補助の支援する夫人付き官房職員(内閣事務官)、選挙運動で総理夫人が自民党候補者を応援する際にも同行
MV-22 オスプレイが墜落・大破。空中給油での機体の安全性の懸念(2016年12月)日米首脳会談(2017年2月10日ワシントンにて)の共同声明。一般的な日本国民が受け入れ難い点について。天皇の退位 国民から見た論点整理
核兵器の法的禁止条約締結交渉を始めるように国連総会に勧告する核軍縮ジュネーブ部会決議に日本政府拒否表明(2016年8月)昭和天皇万歳、民主主義国家ドイツのヒトラー万歳、安倍総理万歳、ナチ党万歳、自民党万歳、習近平万歳、金正恩万歳。核抑止力? それでも、日本は平和外交に徹すべき。安倍政権の憲法改正の真の目的。9条改正ではない。
日本国憲法改正。天皇制の廃止は必然。国民の人権が蹂躙される根源は昭和天皇戦争犯罪に対する戦争犯罪特別訴追条項を刑法に規定することについて 靖国神社に高市総務大臣、丸川五輪大臣、山本農林大臣、萩生田官房副長官閣僚が参拝。2016年8月。政府高官として資質を欠く。昭和天皇の戦争責任が糾弾されねばならない。天皇制廃止への加速。
熊本地震 大規模災害の救助支援 救助体制について日本の積極的平和主義日米同盟とは その本質
2015年安倍内閣の暴走 憲法違反の戦争法案の安全保障関連法案の制定 日本の戦争への道 ★マイナンバー制度 戸籍の登録方法の見直し。選択的夫婦別姓による婚姻、親子登録・証明など ★北朝鮮のミサイル発射 政府が電波停止に言及した時点での捉え方 ★
川内原発再稼動問題 再稼動の要件 福島原発事故の教訓より原発は18年以内に廃止する前提第47回衆議院議員選挙 総選挙 安倍総理と自民党の計略、愚かな日本国民日本の存立の危機。安倍政権の集団的自衛権行使容認の閣議決定は憲法違反、諸々の安全法制整備法案は憲法違反。
日本の集団的自衛権の行使、2013年現行憲法が有効下、認められない。もし、政府が集団的自衛権を行使した戦闘行為に参戦した場合、日本国民は政府の独裁化及び日本軍隊の暴動と見做して臨む。昭和天皇とマッカーサーと日米安全保障条約 政府の犯罪 自民党国会議員 訴追逃れに幇助 集団的自衛権の行使容認へ発展
靖国神社に閣僚が参拝。2013年4月21日。政府高官として資質を欠く。昭和天皇の戦争責任が糾弾されねばならない。 福島第一原発事故 放出された放射性物質、その循環 放射性物質のホットスポットなど 参議院議員選挙2013年 自民党憲法96条問題 日本の真の主権回復 戦後レジームからの脱却 日米安全保障条約の解約
原発再稼動の問題、安全基準の見直し必須 原発事故後の防災対策重点地域 避難範囲30kmの妥当性が問題他 武器輸出三原則の緩和政策:国民の政治・政府不信を益々加速させる 原発安全対策の改善が不十分。第46回衆議院議員総選挙 国民の意思表示:脱原発、原発廃止
核持ち込み introduction:核配備は事前協議 entry:核持ち込み(飛来、寄航、貯蔵)は事前協議対象外容認 密約調査 何も変わらない北朝鮮 ミサイル発射 日本の核保有論 日米同盟 アメリカの核による抑止 ミサイル防衛 核 密約問題 沖縄返還時点の核再持込み密約の疑惑 現在進行形の機密事案か?
日本の平和 日本国憲法 第九条 日米安全保障条約 日本の未来 自衛隊 合憲?違憲? 文民統制 シビリアンコントロールは名ばかり 政府と自衛隊内部との意識のずれ

見出しのメニュへコラム 危ない 忍び寄る危機1 ,  危機2  ,  危機3 日本国憲法改正草案の比較自衛隊各国の国防費
The matter of the Acts of Security for Aggressive Pacifism 2015日本が危ない 日本の危機
Japanese Democracy collapsed in July 2014地球&我ら地球人 情報The Islands of Japan (2012)
日米地位協定第2条に基づく 在日米軍施設、区域(平成22年1月1日時点 日本全国)砂川事件の最高裁の判決 判決理由に述べている・・・9 条で禁止しているのはわが国の戦力・・・
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