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フィデリオ
【作 曲】
【初 演】
【台 本】
【原 作】
【演奏時間】
【時と 場所】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
1814年(第3版、以下同)
ウィーン、ケルントナー・トーア劇場
トライチュケ(ドイツ語)
ブイイの小説『レオノール』
第1幕 80分
第2幕 50分 合計 約2時間10分
16世紀、スペインのセヴィリャ
【登場人物】
レオノーレ(S)
フロレスタン(T)
ピツァロ(Br)
ロッコ(Bs)
マルツェリーネ(S)
ヤキーノ(T)
ドン・フェルナンド(Br)
ほか
=フロレスタンの妻
=セヴィリャの政治家
=刑務所長
=看守
=ロッコの娘
=門番の青年
=司法大臣
【第1幕】
時は16世紀。舞台はスペインのセヴィリャから数マイル離れた刑務所。この刑務所の所長ピツァロは悪人で、自分の不正を政治家フロレスタンにあばかれそうになると、彼を無実の罪でひそかに逮捕して、地下牢に幽閉しました。ここで立ち上がったのがフロレスタンの妻レオノーレです。彼女はまず「フィデリオ」と男の名前を使い、そして男装して、刑務所の看守ロッコの下で働くことにします。ロッコの娘マルツェリーネは、フィデリオのまじめな働きぶりを見て、彼との結婚を望みました。門番の青年ヤキーノが心を寄せていたにもかかわらず、です。父親のロッコも結婚を承認するほどフィデリオは2年間懸命に働いて、信用を得たのでした。こうして地下牢に入るチャンスを伺っていたのです。
あるとき、刑務所の悪い噂を聞いた大臣ドン・フェルナンドが、視察に来ることとなります。ピツァロは自分の悪事が表に出ることを防ぐために、フロレスタンを殺害して全てを無かったことにしようと企むのでした。
【第2幕】
まず墓を掘っておくようにとピツァロに命令されたロッコは、地下牢に入ることを許可されたフィデリオとともに薄暗い地下牢で穴を掘っています。このときフィデリオは、そこに幽閉されて心身ともにボロボロとなっている囚人こそが、夫のフロレスタンだと気が付くのです。
そして、ピツァロが地下牢に現れ、囚人のフロレスタンを剣で刺し殺そうとしたとき、フィデリオが割って入ります。自分はフロレスタンの妻レオノーレだと言って立ちはだかったのです。
その瞬間、大臣フェルナンドの到着を知らせるトランペットが鳴り響きます。フェルナンドは行方不明で死んだと思っていた盟友のフロレスタンを見て喜び、そしてピツァロを逮捕します。その後フェルナンドは、レオノーレにフロレスタンの手錠の鍵を解くようにうながし、夫婦愛と正義を讃えるのでした。
【1】 ベートーヴェン唯一のオペラ
※『フィデリオ』は、ベートーヴェンの真摯な性格がよく出たオペラです。ドイツ・オペラの先駆けとして、数あるオペラの中でも独特の存在を誇っています。主題も「夫婦愛」や「正義」といったまじめなもので、恋愛や笑いとは縁遠い。いい意味でも、悪い意味でも、ベートーヴェンらしいオペラに仕上がっています。
【2】 アリアは大変な難曲
※ベートーヴェンは歌の部分を器楽曲のように作曲してしまったので、このオペラは非常に歌いにくくなっています。歌には滑らかなメロディーが必要ですが、ベートーヴェンは随分デコボコさせてしまいました。そのためか逆に、歌手の力量を試すにはちょうどよく、レオノーレのアリアやフロレスタンのアリアなどの難曲がどのように歌われるか、特に注目です。
【3】 熟考された音楽
※ベートーヴェンは、このオペラの全体を3回も書き直していて、ラストシーンについては10回も訂正しているそうです。ひとつひとつの音楽は、さすがに凝縮されて密度の濃い音楽となっていて、聴き応えがあります。第1幕の「囚人たちの合唱」や、第2幕に間奏曲のように挿入される「レオノーレ序曲」など、音楽の楽しみにあふれています。
【C D】
バーンスタイン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、
ウィーン国立歌劇場合唱団
ヤノヴィッツ(S) コロ(T) ゾーティン(Br) ユングヴィルト(Bs)
ポップ(S) ダッラポッツァ(T) ディースカウ(Br)
(1978、Deutsche Grammophon)
※バーンスタインが望みうる最高のキャストを揃えて、完璧な演奏を実現しています。特にフロレスタンのコロが、悲哀に満ちた痛烈な歌唱を披露しています。フェルナンドにディースカウを配置しているのも納得。オペラ全体が引き締まりました。
【C D】
ブロムシュテット指揮
ドレスデン・シュターツカペレ、ライプツィヒ放送合唱団
モーザー(S) キャシリー(T) アダム(Br) リッダーブッシュ(Bs)
ドナート(S) ビュヒナー(T) ポルスター(Br)
(1977、Berlin Classics)
※通常演奏される版と違う原典版。タイトルも「レオノーレ」となっています。ブロムシュテットがベートーヴェンの理想的な音の響きをオケから引き出しています。また、歌手陣も健闘していて、良質な演奏となっています。2枚目以降のコレクションにおすすめ。
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