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コジ・ファン・トゥッテ
(女はみんなこうしたもの)






オペラ・データ

【作曲】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1789〜90年)

【初演】
1790年1月26日 ウィーン、ブルク劇場

【台本】
ロレンツォ・ダ・ポンテ(イタリア語)

【原作】
ダ・ポンテの書き下ろし 『コジ・ファン・トゥッテ、または恋人たちの学校』

【演奏時間】
第1幕 80分
第2幕 80分  合計 約2時間40分



あらすじ

【時と場所】 
おそらく18世紀当時、ナポリ

【登場人物】
フィオルディリージ(S): ナポリの貴婦人
ドラベッラ(Ms): フィオルディリージの妹
デスピーナ(S): 姉妹に仕える女中
フェルランド(T): 士官、ドラベッラの恋人
グリエルモ(Br): 士官、フィオルディリージの恋人
ドン・アルフォンソ(Bs): 老哲学者

【第1幕】
時は18世紀、舞台は地中海に面したイタリアのナポリ。カフェの店先で、二人の士官フェルランドとグリエルモが、老哲学者ドン・アルフォンソと言い争いをしています。若い二人は、彼らの恋人が自分たちを裏切るようなことは決してないと信じていますが、アルフォンソは、そんなことはない、人間なら女性でもふとした出来心はあると、彼らの純真さを笑います。そこで、どちらの言い分が正しいか賭けをすることになりました。アルフォンソの策略が始まります。
まずアルフォンソは、海辺の庭園にいたフィオルディリージ(グリエルモの恋人)と、その妹ドラベッラ(フェルランドの恋人)に、彼女たちの恋人二人が急に戦争に行かなくてはならなくなったと伝え、士官二人には実際に船に乗って出発するふりをさせます。恋人がいなくなって悲しむ姉妹。その上でアルフォンソは、士官二人にひげを付けたり帽子をかぶせたりして変装させて、姉妹に別人として紹介し誘惑させようとします。
姉妹の家で変装した二人を紹介する際には、アルフォンソは女中のデスピーナにあらかじめ小遣いを与えておき、協力させました。変装した二人は姉妹に言い寄りますが、このときはまだ見向きもされません。
 
【第2幕】
しかし、しばらくして女中デスピーナが部屋で姉妹の世話をしながら、男遊びもいいものよと浮気を勧めると、姉妹は、もし選ぶならこっちの人かしら、と話し始めます。お互い元の恋人と違う相手を選んでいました。
そしてとうとう変装したグリエルモは、フェルランドの恋人ドラベッラを口説き落とします。逆にフェルランドも、グリエルモの恋人フィオルディリージを口説くことに成功します。フェルランドとグリエルモは、恋人の裏切りに激怒しますが、アルフォンソになだめられました。“女はみんなこうしたもの”だと。
さてその後は・・・。姉妹は変装した二人と結婚契約書を交わしますが、そこへ戦争に行ったはずの士官二人が帰ってきて、その契約書を見て怒ってみせます。そうしておいてから、慌てふためく姉妹にフェルランドとグリエルモは種明かしをしました。
姉妹は許しを請い、士官二人はもう恋人を試すようなことはせずに信じると誓います。老哲学者ドン・アルフォンソは、みんな笑い飛ばしてしまおうと恋人たちをねぎらうのでした。



解説(ポイント)

【1】 遅咲きの名作
 
恋人たちが織りなすたわいもない物語のせいか、このオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』は、モーツァルトの『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』といった他の作品に比べて評価の低いオペラでした。この作品の価値が見直されてきたのは、初演から200年近くたった20世紀も後半に入ってからです。最近では、このオペラの音楽の美しさからか、モーツァルトのオペラの中で最も好きだと言う人も多くなってきました。
 
【2】 美しきアンサンブル・オペラの決定版
 
登場人物を見てみると、女声3、男声3の同数、しかもソプラノからバスまでバランスよく配置されています。これらの登場人物が、いろいろな組み合わせで二重唱から六重唱まで披露していきます。モーツァルトが書いた非常に繊細なアンサンブルは、きっと客席で聴く私達の心をとらえることでしょう。
 
【3】 「コジ・ファン・トゥッテ」ってどういう意味?
 
「コジ・ファン・トゥッテ」とは、人の心の移ろいやすさをあらわしています。もともと『フィガロの結婚』の中で、バジリオの台詞に出てきた言葉です。『フィガロの結婚』を観た皇帝ヨーゼフ二世が、この「コジ・ファン・トゥッテ」という言葉をテーマに新たなオペラを書くようモーツァルトに依頼したとされています。いかにも作ったかのような物語が軽薄に感じられますが、よく考えてみると、人の心の機微を見事に描き出したオペラだというのがわかります。



おすすめディスク

【CD】
ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
ヤノヴィッツ(S) ファスベンダー(Ms) グリスト(S) シュライアー(T) プライ(Br) パネライ(Bs)
(録音1974年、Deutsche Grammophon)
 
指揮者カール・ベームが80歳の誕生日のときにザルツブルク音楽祭で演奏したライブ録音です。往年の名歌手が揃い、しかも、それぞれが生き生きとした歌を披露しているので、舞台の上の熱気が伝わってくるかのようです。


【CD】
ショルティ指揮
ヨーロッパ室内オーケストラ、ロンドン・ヴォイシズ
フレミング(S) フォン・オッター(Ms) スカラベッリ(S) ロパルド(T) ベーア(Br) ペルトゥージ(Bs)
(録音1996年、DECCA)
 
こちらは指揮者ゲオルグ・ショルティが84歳で急死する1年前のライブ録音。このオペラの音楽の美しさをショルティの硬質な指揮が描き出します。歌手陣はアンサンブル・オペラにふさわしく実力派を揃え、透明感のあるさわやかなモーツァルトの音楽が楽しめます。







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