政治学用語



▲数字 ▲あ行 ▲か行 ▲さ行 ▲た行 ▲な行 ▲は行 ▲ま行 ▲や行 ▲ら行

5条事態
日本に対し武力攻撃がなされている状態のことで、この場合日米安全保障条約第5条に基づき日米が共同で対処する。だが、実際に米軍が対象するかどうかはわからない。
*日米安全保障条約第五条(共同防衛)
1.各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
2.前記の武力攻撃及びその結果として執った全ての措置は、国際連合憲章第五十一条の規定に従つて直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し維持するために必要な措置を執つたときは、終止しなければならない。


6条事態
安保条約6条に基づき極東地域の平和と安全のために米軍が日本から出動する状況のこと。冷戦後は5条事態よりもこの6条事態の重要性が増したといわれ、たとえば、台湾有事などは6条事態である。
*第六条(基地の許与)
1.日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持の寄与するため、アメリカ合州国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。
2.前記の施設及び区域の使用並びに日本国における合州国軍隊の地位は、千九百五十二年二月二十八日に東京で署名された日本国とアメリカ合州国との間の安全保障条約第三条に基づく行政協定(改正を含む。)に代わる別個の協定及び合意される他の取極により規律される。
アニムス・ドミナンディ Animus Dominandi
"優越せんとする悪意を伴わずにはいない意思"と訳され、モーゲンソーが唱えた。これにより、"教会は政治団体へ、革命は独裁へ、郷土愛は帝国主義へ形を変える"という(*1)。人間は勢力拡大(power)を求めるという前提。
*1 Morgenthau,Scientific Man, pp. 194-195

インターオペラビリティ
異なる国家の軍の装備や補給品に互換性があること。これが高ければ高いほど効率的だと一般に言われる。

脅威均衡論 Balance of Threat
各国は他国の脅威に対抗して同盟を結んだりするという理論、バランスオブスレッドともいう。脅威とはその勢力と侵攻意図の二つから成り立つと考えられ、例えばB国からみてA国の軍事力が非常に強大であっトも侵攻意図がなければB国はA国を脅威とは捉えずにA国に対抗する同盟は結ばネい。ワた逆同カナA国からみてC国はA国に対し侵攻する意図があったとしてもC国の軍事力が弱体であればA国はC国を脅威とは見なさず、C国へ対抗する同盟は結成しない。そして脅威は勢力(軍事力)と侵攻意図の二つから形成されるのであればD国は軍事力がA国よりも大きく、A国に対する侵略意図がある場合A国はD国に対し同盟を結成する。
もちろんこれは一つの理論で、各国が合理的に動くという前提の基になりたっているので実際にこのように動くとは限らない。

核の傘
日本たいする攻撃などを米国の核兵器によって抑止しているという状況のこと。この考え方でいけば現在日本に核兵器がないのは米国が代わりに肩代わりしているだけということになり、将来日本も核保有が必要となる。拡大抑止と呼ばれる場合もある。

基盤的防衛力構想
1976年に三木内閣が防衛計画の大綱を閣議決定したもの。内容は国際情勢が当分の間は大きく変化しないという前提で、日本にたいする軍事的な脅威に直接対抗するよりも、自らが力の空白となって日本周辺の地域における不安定要素とならぬように独立国としての必要最低限度の防衛力を保持するというもの。これは自衛隊は限定的で小規模な攻撃を排除するだけの力を保有しているが、それを超えるものについては米軍に頼るというものであった。

国民総生産(GNP)1%枠 1% of GNP limit of Defense Spending
国防費を国民総生産の1%以内に限定しようとしたもので、昭和51年三木内閣時に作成されたが、中曽根内閣時(1987年)に一時に1%枠を超え、枠ははずされたがそれ以後現在に至るまで1%の枠内に収まっている。効果としては出来るだけ軍事費にお金を回さず、経済発展にまわせる、他国に日本は大きな軍事支出をして軍事大国化しないなどのアピールとなって信頼醸成措置として役立ったらしい。
下の図は各国のGNPと軍事費の割合。日本だけが突出して少ない。
 
19851995199719981999
日本1.01.01.01.00.9
アメリカ6.53.63.43.13.1
フランス4.03.33.02.82.7
ドイツ*3.21.81.61.51.6
イギリス5.23.02.82.72.6
中国7.95.75.75.35.4
韓国5.13.73.32.43.0
*1985年のドイツは西ドイツの数字
Sources. Data come from International Institute for Strategic Studies, The Military Balance 1998/99, and The Military Balance 2000/01,Table 46,297;and Table 38,297,respectively.


小選挙区制 Single-member constituency system
一つの選挙区に一人の当選者を選ぶ選挙制度のこと。長所は与党が勝利しやすく政治の安定につながることなどで、短所は死票が多くなり民意が反映されにくいことや、ゲリマンダー(自党に有利な選挙区割り)が発生しやすい。選挙区が狭いので、候補者と有権者が密接になってコミュニケーションが取りやすい反面、腐敗も起こりやすい。

シーレーン Sea Lane
船が航行する海のルートのこと。日本においてはマラッカ海峡、台湾海峡が石油輸入ルートとして非常に重要となる。台湾が中国に侵略されるようになると台湾海峡を使えなくなり危機に陥る可能性もある。なお日本の石油の90%以上が台湾海峡を通っている。

信頼醸成措置 Confidence Building Measures
平時に信頼を高めておき、偶発的な戦闘状態を回避するために宣言、情報公開などにより信頼をたかめること。また信頼を高めることで他国を自分陣営に加えようとすることもある。例えばA国とB国とがあり、軍事力はどちらもほぼ同じ場合にC国というより弱い国があるとすれば、A国はC国から見た場合にB国よりも信頼できるという印象を与えればC国はA国の陣営に入る可能性がでてくる。C国がA国の陣営にはいって場合A+C国の勢力はB国を上回ることになる。また逆にC国からみてB国が脅威だと見なされると、C国は自発的にA国陣営に加わる可能性もあることから、信頼醸成措置は地味であるが重要な場合もある。
平成13年度(2001年)の防衛白書には「偶発的な軍事衝突を防ぐとともに、国家間の信頼を醸成するとの見地から、軍事情報の公開や一定の軍事行動の規制、軍事交流などを進める努力が行われている。これは、一般的に信頼醸成措置(CBM)と呼ばれている。(*)」と書かれている。
*ソース元
http://www.jda.go.jp/j/library/wp/2001/honbun/at1301020302.htm

勢力均衡論  Balance of Power
各国はその勢力に応じて均衡を図るという考え方、バランスオブパワーともいう。脅威均衡論とは違い侵略意図のある無しにかかわらず、大きな勢力を持つ国に対抗する同盟をつくる。脅威均衡論同様に各国は合理的に動くという前提がある。

専守防衛 Defensive Defense
相手から攻撃されて始めて報復攻撃を行い、自分からは絶対に攻撃しないというもの。例えば、北朝鮮が日本を攻撃するためにミサイルに燃料を注入していたとしてもミサイル攻撃があるまでこちらからは攻撃しないというもので、他国からの無用の脅威をそぐには多少やくだったかもしれないが、今後は変更が迫れる。

ソフトパワーsoft power
ジョセフ・ナイの提唱。文化、イデオロギー、制度など目に見えづらい力のことで相手を取り込む力といわれる。逆に経済力や軍事力、技術力などはハードパワーと呼ばれる。

ただ乗り論 Free Ride
経済学にもあるただ乗り(フリーライド)で戦後日本はアメリカの軍事力を国防を任せるというただ乗りしている、つまり国防をアメリカに依存していて、その国防コストをアメリカが払っていて日本は払っていないというもの。アメリカからは日本はただ乗りをしているのでもっと負担を分担すべきたというバーデン・シェアリング(Burden Sharing)の訴えることもある。また冷戦中には日本の左翼方面から日本は攻撃をされない国なのだが、アメリカが攻撃されない日本を基地として使うことによって日本が攻撃を受ける恐れがでてきたのでただ乗りをしているのはアメリカだという意見もあった。
また多少のコストは日本は払っているのでやす乗り論 (Cheap Ride)だとの声もある。

「覇権後」の理論  After Hegemony
覇権安定論が核兵器の登場などのように覇権戦争がなりたたなくなり、覇権安定論ではうまく説明できないようになったので出てきたもの。コヘインが提唱した。覇権安定論では覇権国は国際秩序安定のために国力を消耗するが、「覇権後」の理論では一度できた国際秩序にはそれを構築するときにかかったようなコストは不必要であり、覇権国の国力が弱体化したしたら、他の大国が支援すれば既存の国際秩序は保てるというもの。
だが、これは覇権国にのみ有利な理論であるという批判もある。

覇権安定論
ロバート・ギルピン (Robert Gilpin) などにより提唱されたもの。国際関係は覇権国、大国、準周辺国、周辺国などに分類でき国際秩序は挑戦国や覇権戦争により変容するというもので、覇権国は他国と比べ軍事力や経済力が非常に強く、国際秩序の枠組みを設定するという。覇権国はよって枠組みを構成し、維持するためにコストを負担する。大国は覇権国の構成した秩序の中で自国発展を優先させ、覇権国にたいしてフリーライドするという傾向にある。覇権国はコスト負担をするゆえに国力を消耗するので、大国の中で覇権国に挑戦するだけの国力がついた国は自ら中心の秩序のつくるために覇権国に対し挑戦するようになる、このような覇権国に挑戦する大国は挑戦国と呼ばれる。ここでの対立から挑戦国は新しい秩序を、覇権国は自らの秩序の現状維持を求める戦争が起こり、この戦争のことを覇権戦争という。

反軍国主義文化 Anti-militarism Culture
日本が再軍備しないのは日本おいて反軍国主義文化が形成されているというもので、トマス・バーガー (Thomas Berger) が唱えた。反軍国主義文化は大東亜戦争などの集団的記憶から軍隊が戦争を起こすので軍隊がなければ戦争が起こらないと錯覚したことから戦後日本は極端は反軍国主義文化に陥ったと考えることが出来るというもの。この実証例としては湾岸危機のさいに米国にフリーライドするつもりなら、すぐに人的貢献すべきなのにそれをしなかったということはフリーライドが第一義ではなくて反軍国主義文化が存在するからではないのかという仮説。"反軍国主義の文化"ということもある。

非核三原則 Three Non-Nuclear Principles
核兵器を「もたず・つくらず・もちこませず」というもので、日本は核兵器を決して持たないと述べたもの。核兵器を持たないことをアピールし、ある程度の信頼醸成には成功したかもしれなが、今後廃止が望ましい。

比例代表制 Proportional representation
選挙の制度で政党毎に投票し、得票数に応じて各政党に議席を比例配分する。特徴は死票がすくなる傾向にあり、政策でもってして投票しやすくなり、小党乱立にはなりにくい傾向にある。だが、同程度の力をもった政党が複数ある場合に各政党間に政策の一致などがないと政争によって政局が不安定になりうるという欠点が指摘される。

ビンの蓋 Cap-in-the-bottle
米軍が日本の国防を守ることによって、日本の再軍備を妨害するというもの。もし、米軍がいなくなったら日本人は危機意識を持ち自らの国は自らの力で守ろうとするはず。米軍の存在がビンのフタであり、瓶の中に日本があるとする。ビンそれ自体は何であるかは問わない。
ビンのフタ理論は、米軍がいなくなれば、日本は軍事大国化する傾向がある悪い国なので、アメリカがビンのフタとして機能することは望ましいという解釈する説もあるが、ビンのフタ理論は一般的にはそのようなものではなく、日本が国防をアメリカにフリーライドしているだけなので、フリーライドすべき米軍がいなくなれば自ら国防するのが常識であるので、日本は悪い国だから米軍がフタとして機能しているという解釈は本来間違っている。

福田ドクトリン Fukuda Doctrin
福田政権時の1977年8月にマニラにおいて成立したもので、1970年代の貿易不均衡による対日イメージの悪化の改善やヴェトナム戦争後のアジア・太平洋地域により協調的な関係を構築することが目的である。内容は日本は軍事大国にならない、ASEAN諸国をより重視し、ASEAN諸国へのODAの強化など。これにより経済的手段による外交路線が定着したとされる。

文民統制 Civilian Control
選挙によって選ばれた者(文民)が軍隊の最高指揮権を持つ制度のこと。軍事に対する政治優先のこと。シビリアン・コントロールともいう。

ホストネーションサポート
ある国が他国の軍隊を自国領内に受け入れるさいに行われる支援のこと。例えば在日米軍への「思いやり予算」など。2004年には思いやり予算は2440億円もあり、在日米軍の必要性の議論も必要であると思われる。

巻き込まれる恐怖  Entrapment
あるくにと同盟を結ぶことによって本来は安定するのだが、その国が戦争をすると自分もその戦争に巻き込まれるのではないかという、同盟に関する一つの逆説。戦後日本ではアメリカと同盟することによってアメリカが起こした、またはアメリカが攻められた戦争に巻き込まれるのではということもあった。
イラク戦争に日本は巻き込まれたという説もある(*)。なぜなら自衛隊イラク派遣で得るものがないから。
* ポール・ミッドフォード「第6章ブッシュに「ノー」と言える日本」、『ブッシュを採点する』/ 亜紀書房 2004

民主主義の平和 Democratic Peace
民主国家同士は戦争をしないという考え方。民主国家は世論が政治を動かすので世論は戦争を嫌がるので戦争は起こらないと言うもの。だが実際には民主国家同士の戦争は起こっているし、世論はかならず戦争を嫌うとも言い切れない。なぜなら、扇動された世論は復讐という名の下に戦争を行う可能性もある。

吉田ドクトリン Yoshida Doctrin
吉田政権の方針を後に吉田ドクトリンと呼ぶようになっただけでこれが、吉田ドクトリンという宣言などはないが、内容としては、反共・親米・軽武装路線により経済発展を優先させるもの。戦後日本外交の柱となったが米国に依存しすぎるがゆえに自主性を喪失することにもつながった。

ライセンス生産
武器移転の一種の形態であり、武器の設計や製造法、ノウハウなどのライセンスを有償で供与して相手国がそれにもとづき武器を生産するという仕組み。技術力をもたない国が技術的に発展している国から技術を入れる際の方法でもある。

両用技術
民間用と軍事用で両方に使用可能な技術のこと。軍事技術を民間用に応用し民間技術を向上させることをスピンオフ効果といい、民間技術を軍事移転することをスピンオン効果という。スピンオフ効果の例としてはカーナビなどがある。


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