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「電人ザボーガー」 1974年4月6日〜1975年6月29日 全52回 フジテレビ系列放送 原案:小池一夫 製作:ピー・プロダクション |
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かつて、ピー・プロダクション(ピープロ)という特撮番組の製作会社がありました。いや、正確には現在も存在している会社なの ではありますが、1975年の「冒険ロックバット」を最後に表舞台からは遠ざかり、近年流行の懐かしの特撮番組懐古ブームというものに 乗って登場したDVD-BOX、解説本の出版などに伴う版権で細々と生き長らえているような会社となってしまっているのです。 今回紹介する「電人ザボーガー」は、そんなピープロが1974年に制作した特撮番組です。1974年といえば「帰ってきたウルトラマン」、 「スペクトルマン」、「仮面ライダー」などの登場によって生まれた第2次特撮ブームの後半期にあたる時期で、まさしく百花繚乱、 様々な番組が乱れ飛んでいた頃でありました (ちなみに、「スペクトルマン」もピープロ作品だったり)。 このような過当競争の時代となると、ちょっとやそっとの作品では生き残るのは難しいというのは、どのような業界でも同じこと。 もちろん特撮番組の世界も例外ではなく、この時期には1〜2クール程度の短命で終わってしまう作品も多く出現するようになりました。 そのような中で「電人ザボーガー」は、途中でタイトルや放送時間帯が変更される、なぜか再放送が2クール挟まるなどの出来事に 見舞われながらも、全52話、約1年3ヶ月に渡る長期の放送を成し遂げたのでした。 ところがこれまた妙なものでして、それだけ長期に渡って放送されたのならさぞかし知名度も高かろうと思いきや、それほど人々の 間で騒がれているという様子もありません。つまり、現在では(当時からかもしれませんが)どちらかというとマイナーな番組という レッテルを貼られているわけです。 はたして、そんな「電人ザボーガー」とはいかなる作品だったのか…? いきなりですが、「電人ザボーガー」は非常にユニークな作品です。どこがユニークなのかといわれると、これがいくつか ありまして一言にまとめるのは無理なので、以下に一つずつ書き出していってましょう。 まず、主人公の設定がユニーク。「電人ザボーガー」というタイトルでザボーガーという名前のロボットが登場するとなると、普通は このロボットが主役だと思いがちですが、ところが主人公は大門豊という生身の人間なのです。では、ロボットアニメのように大門が ザボーガーに乗り込んで操縦するのかというと、これも違うのです。 驚くことにザボーガーは大門の命令によって動く等身大のロボットであり、さらに面白いことには、大門自身も 徒手空拳によって悪の軍団と戦うという設定になっているのです! いまいち理解できない方は、生身の本郷猛と仮面ライダーが 一緒になってショッカーと戦っている様子を思い浮かべてください。かなり異様な場面だと感じられるでしょうが、それこそが「電人 ザボーガー」の世界。このような設定の特撮番組は本作だけですし、おそらく日本のアニメでも数えるほどしか存在していないでしょう。 ちなみに、主人公の大門が生身で戦闘員と戦うというアイデアは1973年に公開された大ヒット映画「燃えよドラゴン」から着想を 得ているそうで、このあたりはピープロの機を見るに敏なところが分かるのではないでしょうか。 次に、ザボーガーのギミックがユニーク。マイナーとはいえ52話も放送されたわけですからして、本編の内容は知らずとも ザボーガーがバイクに変身してしまう というギミックを(後追いであっても)聞いたことのある人は 多いのではないでしょうか。 マンガやアニメでは当たり前となっているロボットの変形も、実際に動かさなければならない特撮番組では珍しいこと。それも ロケットや飛行機ならまだしも実際に俳優がまたがるバイクに変形してしまうのですから、かなり無理のある変形(どう考えても、 あの車輪が胴体に収納できるはずがない)だとしても思わずオオッとなってしまうわけです。 他にもザボーガーはロボットらしく全身これ武器のカタマリとなっており、このギミックもなかなかに楽しいものです。中でも速射 破壊銃はその独特の名前とともに(筆者個人としては)印象深い存在となっていると思います。 そして最後は少し細かい話になりますが、「電人ザボーガー」は他のピープロ作品と比べるとアクション娯楽に徹した内容となって いることがユニーク。どちらかというと社会問題、人間ドラマを盛り込んだハードな内容というのがピープロ作品の特徴なのですが、 本作のシナリオからはそのような色が目立たず、大門のアクション、ザボーガーのギミックが前面に出たケレン味のある作品となって いるのです。 このようにピープロとしては異色の作品に仕上がったのは、実質的な番組制作を友映社(「ガメラ」、「大魔神」などで知られる 大映社が1971年に倒産した後、同社の松原久晴氏が設立した会社)が担当していたからだとか。言われてみればなるほど、あのケレン味は 大映ゆずりのものだったのかもしれません。 さて、このような特徴をもつ「電人ザボーガー」は先述したように途中でタイトルが変更されています。正確に書くと3クール 第39話までが「電人ザボーガー」、それ以降から「電人ザボーガー対恐竜軍団シリーズ」とサブタイトルが付けられているのです。 これはタイトルからも分かるとおり、大門とザボーガーの戦う敵が変更されたことによるものですが、つまるところ視聴率の低迷に 対する番組のテコ入れという一面もあるわけです。 というわけで、ストーリーやキャラクターの紹介に関しては通常編と恐竜軍団編とに分けて書いていこうと思います。 ところで少しばかり余談になりますが、特撮番組が視聴率を稼ぐために採用する強化策といえば、「イナズマン」のようにヒーロー 自身がパワーアップするか、または過去シリーズのキャラクターを登場させるというパターンが一般的でしょう。ところが本作では ザボーガーがロボットであることを利用して、ザボーガーにオプションを追加してパワーアップさせるという手法がとられているのです。 ロボットアニメでなら「マジンガーZ」のジェットスクランダーのような例がありますが、実写の特撮番組でこのような手法が試み られているということは注目に値します。 さて、何から「電人ザボーガー」前編の紹介を始めようかと思いましたが、まずは主要キャラクター紹介から書いて いこうかと思います。一部のレギュラーキャラを削除してありますが、ご了承くださいませ。 | |
大門豊
| 地中海のコルタ島にて訓練を受けた秘密刑事。だが、そのことは警視総監と新田刑事しか知らない。亡き父の
遺産であるロボット、ザボーガーと共に悪の組織白cと戦うことを決意する。 超人的な身体能力の持ち主で、必殺技は飛竜三段蹴り。なお、その心臓には特殊な回路が埋め込まれていて、怒りの感情を表す ことでザボーガーを起動させる”怒りの電流”が流れる仕組みとなっている。 |
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ザボーガー
| 大門勇博士が息子のパートナーとして開発した犯罪捜査ロボット。大門豊とは一心同体とでも言うべき存在で、
彼の”怒りの電流”が流れることで起動する。一応、自律プログラムで動くようだが、大門の曖昧すぎる命令が優先されている。 凶悪犯に立ち向かうために数多くの武器を装備しており、バイクに変形することも可能。エネルギー源は大門博士の発見した ダイモニウム。 |
悪之宮博士
| 世界で暗躍する秘密殺人強盗組織煤i長いなぁ…)こと白cを指揮する悪の科学者。世界中の美術品、宝石類の
強奪、さらには世界征服を企んで様々な殺人メカを製造する。ダイモニウムを手に入れるため大門博士を暗殺した。 顔の右半分は機械に覆われ、左手は義手、さらに車椅子を使って移動する姿はまさに悪の科学者と呼ぶに相応しい。 |
ミスボーグ
| 悪之宮博士によって生み出された女性型ロボットで、白cの実質的な実行部隊長として活躍する。
博士の片腕とでも言うべき存在だったが、大門とザボーガーの前に何度も苦渋を飲まされる。結果、その責任をとらされて
博士自身の手によって破壊されてしまう。 普段は美しい女性の顔が覗くが、戦闘モードに変身すると悪鬼のごとき外見となる。が、評判が悪かったのか最初の2回以外では 変身した姿を見ることは無かった。 |
秋月玄
| 大門を抹殺するために悪之宮博士が呼び寄せた青年。格闘技に優れ、マシーン・ホークと呼ばれる特殊なオート
バイを愛用している。必殺技はサンダーパンチ、ハリケーンパンチ。 鷹の飾りがついた頭部のリング、後に登場するブレスレットは”鉄の輪”と呼ばれ、悪之宮博士の命令に反した行動をとると 秋月に大きな痛みを与える仕組みとなっている。 |
| 次項からは「電人ザボーガー」のストーリーなどについて触れていきます。 |
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