「淫獣大戦 KITORA」
 2001年6月29日発売
 全4話(DVD2巻組)
 発売:ホットエンターテイメント


 高度経済成長期以降に生まれた日本人にとって、特撮作品というものは生まれたときから当然のように存在する代物です。 それは幼い日に刷り込まれる共通言語であり、その束縛から逃れることは不可能と言ってもいいかもしれません。そのような 世代が作り手となった現在、彼らの生み出す漫画、アニメ、ゲーム等々にかつての特撮作品のテイストが紛れ込んでくるのは 仕方の無いことだと思われます。
 ゆえに、自らのフィルムに特撮のテイストをミックスしようという考えが、現在のAV製作者たちの間に生まれることも自然な 成り行きだったのかもしれません。同人レベルではなく、一般の流通経路の乗った商品として製作された初の特撮AVとされている 「愛の戦神パルテオン」が1999年のことでした。

 その後、この路線は様々な作品を生み出しました。
 女性の柔肌に妖しく絡みつく触手が素晴らしい出来ながらも、肝心のシーンが脱力モノだった「実写版・淫獣学園」。 永井豪氏の超有名漫画を実写化してしまった「けっこう仮面」3部作。
 そして2001年、特撮AVの決定版として人々の前に姿をあらわした作品が、今回紹介する「淫獣大戦 KITORA」です。
 ちなみにAVというのはオーディオビジュアルのことではありません。言うまでもなくアダルトビデオの略。女体(別に男でもいいの ですが)がまさぐられ、「あふぅ…ん」という吐息がステレオ音声で響いてくる、18歳未満の方は見ちゃダメよというアレのことです。

 閑話休題。上にも書いたとおり、「KITORA」はAVでございます。ゆえに真面目に内容を紹介しても面白くないと思いますので、 今回はいつもと少し違ったノリでいってみようと思います。
 ところで、特撮AVと聞いてどのような映像を思い浮かべるでしょうか。いわゆるコスプレをした姉ちゃんが裸にひん剥かれて アレコレされちゃうようなもの?…と想像するなら、残念ながらハズレ。「KITORA」は、そういうものとは少し趣が異なっています。
 それでは「KITORA」がいかなる作品なのか。第1話「死神戦士キラーボーン」編を例にして紹介していきましょう。




第1話「死神戦士キラーボーン」
 この作品、まずパッケージ表面にデカデカと記されている売り文句からして目を見張るものがあります。

 「しっかり抜ける特撮AV大作登場!!」

 うむ、AV視聴者ににとってヌケることは何よりも大切なこと。このように力強く堂々と宣言してくれているとは、なかなかに 頼もしいことではございませんか。ということで、はやる心を押さえながらソフトをセットし、スイッチオン。ちょっと底抜けな 導入部に続き、ガツンとオープニング・ソングが響き渡ります(もちろんヘッドフォンの中で)。
 おおおお…これはカッコええ。曲のタイトルは「I Stay With You」。お世辞抜きで、全年齢特撮作品のOPソングといっても 通用しますぜ、これは!
 さらにはCGの炎をバックに、これまたCG処理された「KITORA」のタイトルがカットイン。予想以上のカッコ良さに、これがAVで あることを忘れてしまいそうになります。

 …と、OPのキャスト紹介に気になる名前が。

 薩摩剣八郎! (ゴジラの2代目スーツアクター。プルガサリも演じた)
 破季拳竜! (「ゴジラVSキングギドラ」のキングギドラ役)

 ちょっと待て、なんだこの豪華キャストは!?
 いや、破季拳氏は「パルテオン」にも出演されていたことから考えれば不思議ではないのですけど、さすがに薩摩氏となると…。 いくらゴジラ役を引退されたとはいえ、なんでこんな作品に出演しとんねんと、思わず画面に向かって突っ込みを入れてしまい たくなります。


 ま、それはそれとして、物語のあらすじに話を移しましょう。

 平和な世界の裏側で、闇に紛れて暗躍する者達がいた。その名は悪の組織ガイアス。彼らは遥かな昔に眠りについた邪神オロチを 復活させ、世界をその手中に収めようと画策していた。
 そしてガイアスは悪魔のような人体実験の末、ついに人間を特殊能力に優れた怪人へと改造することに成功していたのであった!

 ちなみに、この邪神オロチは 男と女がアレした後の混ぜ合わさった液体を二万回塗りたくれば見事に復活する という想像しただけでも妙な匂いが立ち籠めてきそうな設定になっています。そこでガイアスの面々は夜な夜な女性を拉致っては 秘密基地(どこかの雑居ビルの一室)で輪姦しまくり、「オオッ…出るっ!」と イッたら、「出来ました」と挙手しながら その場で上官に報告する という非常に困った活動を行っています。

 では、次に物語の主人公である”神谷しずか”について紹介しておきましょう。

 神谷しずかは大学に通う普通の女性。
 ところが20歳の誕生日を迎えた夜、彼女は夢の中で何者かに犯され、その証拠として勾玉の首飾りを授かることになる。その話を 聞いたしずかの母は、娘にある重大な秘密を打ち明けるのだった。
 はるか古来より、神谷家は巫女として神に仕えてきた聖なる一族であった。一族の血を引き継ぐ女は、20歳の誕生日を迎えた 日に荒ぶる神から特別な力を授かるのである。そして日本を邪悪な影が覆わんとするとき、女は荒ぶる神”KITORA”をその身に 宿すことによって大いなる力を得ることができるのだ。
 この力は5年の間続く。だが、もしその間に邪な心を持つ者と交われば悪の心に染まってしまい、その身体は脆くも崩壊して しまうのである…。

 本作のタイトルにもなっている”キトラ”という名前は、おそらく奈良県明日香村にあるキトラ古墳から頂戴したものでしょう。 キトラ古墳の星宿図がマスコミを賑わせたのが1998年でしたから、時間的なものから考えても間違いないと思われます。
 これに加え、依代としての女性に神が憑依するというアニミズム的な神谷家の宿命も含めて日本的でユニークな設定になっている、 といいたいのは山々なのですが…。

キトラの勇姿
 この神様ってのが 唐獅子のごとき白髪のカツラをかぶった白面の者 という御姿でして、しずかとの交合シーンは ほとんど暗黒舞踏(by 麿赤児) の世界。いくら艶かしい喘ぎ声が響き渡ろうが、あまりに面妖さゆえに勃つモノも勃ちゃしません。


 それはそれとして。この後、しずかと彼女の親友はガイアスが女性をさらう事件を目撃してしまい、親友が身代わりとしてさらわれて しまうのです。これを助けるため、しずかは神を憑依させ、キトラに変身してガイアスと戦うというわけです。

 こうして、ついに正義の戦士キトラとガイアスの怪人の戦いが始まります。第1話の怪人は死神戦士キラーボーン。 パッケージの解説によれば、”ペ○スも硬い骨で出来ており性欲は人一倍ある”という世にも恐ろしい怪人でございます。
 二人は人気の無い造成地へ戦いの場を移し、すぐさま刃を交えた…と思っていたら、いきなりキトラはキラーボーンの 投げ手枷足枷に体の自由を奪われて地面に押し倒されてしまいました。

キラーボーンの勇姿

 キラーボーン 「ほぉ…いい体してんな。たっぷり可愛がってやるよ」
 キトラ 「や…止めなさい。お願い…止めてっ!」
 キラーボーン 「チューしようぜ、チュー」
 キトラ 「いやっ、いやぁっ」

 そう、本作の一番の見所はこの特撮ヒロインと怪人によるSFXファ○ク・シーン。人肌の露出は一切無し。 着ぐるみのままでヤッてしまうのです。 これぞまさしく、特撮AVの醍醐味!!(なんだ、そりゃ)

 哀れキトラはま○ぐり返しの体勢で言葉嬲りを続けられた後、ついに黒いパンティ(なぜか履いているのだ!)を引きちぎられて しまいます。…と、キトラの下腹部にモザイクが!
 なんでしょう、造形担当の方々はキトラのアノ部分まで精巧に作成されたということなのでしょうかね?  それはともかく、キラーボーンは絶妙な(?)タッチで下腹部を責めていき、キトラは羞恥のあまり悶絶するしかないのでありました。

恥かしがるキトラ
 書き忘れましたが、このあたりのシーンになると普段は口を閉じているキトラのマスクが 口の開いている別バージョン に替わっていて、なかなか芸が細かいと感心します。

 しばらくするとキラーボーン君、「さあ、いよいよ本番だぜ!」とばかりに立ち上がります。すると、その股間からニョキニョキと 角状の物体がせり出してくるではありませんか。そしてキトラの顔を両手で抱え込み、イマ○チオの体勢に持ち込みます…と、 今度はキトラが咥えた途端、キラーボーンのアレにモザイクが!
 よく分かりませんが、モロ出しの状態ではOKだけど咥えた状態ならモザイク、というのがビデ倫の判断基準なんでしょう。

 やがて、もう辛抱たまらんという心境になったキラーボーン君はキトラを押し倒し、その上にのしかかって刺し貫いてしまいます (ここで、ブシュウッ!という剣で切り裂くときの例の効果音をセレクトした音響さんのセンスが素敵!)。念願かなった キラーボーン君、あまりの気持ちよさに 「おおっ、たまんねぇよ…気持ちいい」 と腰を振り続けるのでございました。
 それにしても、ただの着ぐるみであるにもかかわらず、キラーボーン君の顔に恍惚の表情が浮かんでいるように見えるのは 俳優の演技の賜物でしょうか、それとも単なる気のせいでしょうか。いや、冗談抜きでキラーボーン君がとろけそうな表情を 見せてくれるのですよ、これが!

 そんなこんなでバック責めに移ったキラーボーン君、フィニッシュを迎えようと腰の動きを速めたところに隙が生まれてしまったのが

刺し貫かれるキトラ


気持ち良さげな表情
運のつき。キトラに逆転の必殺剣をお見舞いされ、哀しくも爆発四散、塵と消えてしまいましたとさ。
 こうしてキトラは初めての戦いに勝利した。しかし、ガイアスは目的を達成しようと再び怪人を送り込んでくるだろう。 ガイアスの魔の手から日本の明日を守るため、戦えキトラ、頑張れキトラ!

 …って、あれ? そういえば邪な者と交わったのにKITORAの身体が崩壊しておりませんが。もしかして、中出しされなければ 大丈夫 とかいう好都合な設定だったりしますか?



 以上が、第1話「死神戦士キラーボーン」のストーリーです。だいたい、どのような内容なのかご理解いただけたのでしょうか。
 ちなみにこの作品、全部で4部作ということになっております。今後の参考までに、他の3体の怪人たちを下に列挙して 本項を締めくくりたいと思います。



淫獣戦士ガマゲドス


凶暴戦士カマキラー


破壊神オロチ



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