「行け!ゴッドマン」
 1972年10月5日〜1973年9月28日
 放送回数不明  日本テレビ系列放送
 原作:?  製作:東宝企画



 それでは前項に引き続き、ゴッドマンの能力紹介です。「ゴッドマン」における見せ場の 一つ、”ゴッドマン拡大”を紹介してみましょう。
 ”ゴッドマン拡大”とは、その名の通りゴッドマンが巨大化するための技(?)。大きくなるから”ゴッド マン拡大”という、小学生でも恥ずかしくて考えつかないような安直なネーミングセンスに感動してしまいます。

これがゴッドマン拡大だ!

「ゴッドマ〜ン」

「…かく〜」

「〜だい!」

拡大!
(1) 腕を広げて、「ゴッドマ〜ン」…
(2) 手を体につけるようにして、「かく〜」…
(3) へっぴり腰の状態で目一杯手を突き上げ、「〜だい!」
(4) ゴッドマンが拡大する

 ここでポイントとなるのは、「ゴッドマ〜ン…かく〜だい!」は「拡大!」ではなく「かく〜だい!」とひらがな表記で、しかも 真ん中を伸ばすこと、「ゴッドマ〜ン」と「かく〜だい!」の間に溜めが入ること、そしてポーズは必ずへっぴり腰になって いることの3点です。
 何故ひらがな表記にしてあるかというと、ゴッドマンの掛け声がそれだけ気合の抜けたものとなっているからです。こればかりは 耳にしていただくほかありませんが、もう少し腹から声を出しましょうと言いたくなるような掛け声となっています。




 ゴッドマン自身の紹介も終わりましたので、次に作品のあらすじをご紹介しましょう。

 …と思ったのですが。一応、「全怪獣怪人大事典」の解説によると、ゴッドマンはファイヤーゴッド星からやって来た正義の超人で、 地球がピンチになると空から飛んでくる、というストーリーになっているのだそうです。ですが、前項で”短時間怪獣バトル”と書いた ようにゴッドマンと怪獣が殴り合うというだけなので、本編からは何も分からないという状態になっているのです。
 それでも強引に、1話「ゴッドマンVSキンガー」を例にとって紹介してみますと…。

その1  造成地で遊んでいる子供たちの前にキンガー登場。何をしたわけでもないのに子供たちは逃げ、 「ごっどま〜ん」と叫ぶ。ゴッドマン登場。ゴッドマンとキンガーが殴りあう。
その2  ゴッドマンとキンガーの殴り合い。少しゴッドマンが劣勢。
その3  ゴッドマンとキンガーの殴り合い。相変わらず劣勢のゴッドマン、たまらず凶器(ゴッドクラッシュ)を取り出す。 なぜかほのぼのBGMに。
その4  ゴッドマンとキンガーの殴り合い。凶器攻撃を続けるゴッドマンがなぜか劣勢になる。たまらずゴッドマンはゴッド サークルを使用。しかしキンガーはテレポート(?)で姿を消す。
その5  ゴッドマンとキンガーの殴り合い。ゴッドサークルでキンガーの尻尾に火をつける。慌てふためくキンガーに襲い掛かる ゴッドマンだが、やはりキンガーに組み負けてマウントポジションで殴られ続ける。
その6  ゴッドマンとキンガーの殴り合い。倒れたキンガーにゴッドスパークを乱射するも一発も当らない。最後の切り札 ゴッドマン超音波によってキンガーを爆発させ、ゴッドマンが勝利する。

 …と以上のように、ただただ殴り合いの連続。要するに、その2〜その5までをシャッフルして入れ替えても話の展開に支障がない という無茶苦茶な構成となっているのです。怪獣も登場して何か悪さをするわけでもなく、ただ姿を現しただけなのにゴッドマンに 攻撃されてしまうという悲惨な役回りとなっています(一応、例外あり)。
 しかも前項で書いたとおり、BGMは基本的に主題歌のインスト版のみ。たまに違う曲がかかった としても、ハウス名作劇場のような異様にほのぼのとした曲をバトルの真っ最中に流すという理解不能な演出を見せてくれます。

 ところで上掲の第1話をご覧になって、やけにゴッドマンが劣勢になる展開だと思われたのではないでしょうか。そう、実際に ゴッドマンが一方的に勝利したという話はほとんどありません(それだと、その6まで話がもちませんから)。
 となると、素手では敵わないからこそゴッドマンは凶器攻撃に頼っているのだという見方もできるわけです。よくよく考えれば、 とんでもないヒーローではありませんか。




 それでは、最後に「ゴッドマン」の必見エピソードのご紹介で締めくくりたいと思います。先に同じような展開 と書きましたが、それでも多少のバリエーションはありまして、それらの中でも特に印象的なものを選んでみました。

「ゴッドマン対グリーンマスク」
(その1)
 仲良く小道を歩く2人連れの少年たちの前にグリーンマスクが出現、なんと子供の1人をさらってしまいました。 「ごっどま〜ん」という子供たちの悲痛な叫び声を聞いてゴッドマン到着。ゴッドマンはグリーンマスクに対し、ジェスチャーで 子供を返せと迫ります。当然のようにグリーンマスクは首を横に振り、子供を連れたまま草原の中へ逃げてしまいます。

子供を…

返しなさい!

イヤでーす
 それを追いかけるゴッドマンはゴッドサークルで攻撃。すると、あっけなくグリーンマスクは白旗を 揚げて降参するのでした。それならばよろしいとゴッドマンが隙を見せた途端、卑怯にもグリーンマスクはタックル攻撃。 ところがゴッドマンから反撃の往復ビンタを喰らい、これはかなわんとグリーンマスクは尻尾を巻いて逃げてしまいました。

(その2)
 姿を消したかのように見えたグリーンマスクでしたが、それは罠。ゴッドマンの後ろから現れて不意打ち攻撃を行います。 が、いかんせん格闘センスが無いので、ゴッドマン有利で戦いは進んでいきます。
 これはかなわんと、再び白旗を揚げるグリーンマスク。もちろんこれもフェイクで、グリーンマスクはスタコラと逃げ出して しまいました。こうして野原を舞台とした、グリーンマスクとゴッドマンの楽しげな追いかけっこが始まるのでした。

(その3)
 グリーンマスクとゴッドマンの追いかけっこが繰り広げられていましたが、しかしながら体力には定評の無いグリーンマスク、 ついに息切れを起こして、その場にへたり込んでしまいました。
 それを見たゴッドマンは子供を返すようにジェスチャーで迫ります。しかし、それでもなおグリーンマスクは首を縦に振りません。 ついに業を煮やしたゴッドマンは、グリーンマスクに”お尻ペンペンの刑”を執行するのでした。

お尻ペンペン!
 たまらずグリーンマスクは降参。何度も土下座するとチチンプイプイと呪文のようなものを唱え、今までにさらった子供たち (どうやら余罪があったらしい…)を差し出しました。
 こうしてゴッドマンと子供達は仲良く帰っていきました。その後ろでは、グリーンマスクがいつまでも謝り続けていたのでした。


 …ということで、説明に困ってしまうような内容の「グリーンマスク対ゴッドマン」でした。白旗を使っての不意打ちはともかく、 お尻ペンペンのシーンを見たときには思わず頭を抱えてしまったものです。
 ちなみに、この回は(その3)までで終わっています。バリエーションをつけるためでしょうか、ときたま今回のように3回で 終わる作品を2つ流すという形式になっていることがあるのです。正直、あまり効果があったとは思えませんが。




 さて、最後になりますが、ここまでさんざん「ゴッドマン」を貶すようなことを書いてきました。それでは、本当に誉める 部分はないのか?
 …困ったことに、これが見当たらないのです。ですから、今後ご覧になる機会に恵まれた方は相当の意気込みで臨んで 下さい。そうでなければ、「ゴッドマン」の魔力に人間として大切な何かを奪い取られかねませんので。



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