「行け!ゴッドマン」
 1972年10月5日〜1973年9月28日
 放送回数不明  日本テレビ系列放送
 原作:?  製作:東宝企画

 今回紹介する「行け!ゴッドマン」(以下、「ゴッドマン」)は、前回で紹介した 「ウルトラファイト」 の流れを汲む短時間怪獣バトルの特撮作品です。
 しかしながら本放送の後、ソフト化はおろか再放送すらされなかったために永らく幻の特撮番組として名前だけ伝えられてきた 存在でした。それが誰の酔狂からなのか、2002年になってCS放送で取り上げられることとなったのです。

 こうしてついに30年の時を経て人々の目に触れることとなった「ゴッドマン」。それは噂以上に強烈なインパクトを 持った代物で、視聴者の度肝を抜いてくれたのでした。なるほど、これは幻のままにしておいた方が幸せだったかもしれません。
 この凄い作品としか表現のしようがない本作を、今回はじっくりと紹介していきたいと思います。


 では、「ゴッドマン」とは如何なる作品なのか、というところから話を始めましょう。
 本作は絶大な人気を博した(らしい)「ウルトラファイト」、「レッドマン」の後番組として、日本テレビ系の朝の子供向け番組 「おはよう!こどもショー」において約1年にわたって放送された作品で、形式は前2作品と同じく番組内の5分枠を使用して放送 されたそうです。

 ただし、前2作品が1話完結方式だったのに対して、本作は月曜日〜金曜日までの5回放送で1話が完結する、言い換えれば、20分弱の 番組を5分割して放送した、という方式になっている所が最大の違いとなっています。
(【注釈】:週5回放送と書きましたが、2002年のCS再放送時には6回放送という形式で放送されていまして、これは再編集した際に6回 放送という形式に修正されたのか、それとも元々6回放送だったものが誤って5回放送番組だったと伝えられているのか、この点が今一つ よく分かりません。そのためか、放送期間に関するデータは残っているのですが、なぜか放送回数のデータが残っていません。 むろん筆者は再放送版しか見たことがありませんので、今回の文章はそれを元に記述しております。その点、ご了承ください)

 また、製作会社は前2作品の円谷プロから東宝企画に移っており、そのため東宝の特撮映画に登場した怪獣が友情出演(?) していることもポイントとなっています。とはいえ、ゴジラやモスラのようなメジャー級ではなく、「決戦!南海の大怪獣」のカメーバ、 「キングコングの逆襲」のゴロザウルスなど、マニア以外は存在すら知らないような怪獣ばかりなのが残念なところですが。


 以上が「ゴッドマン」に関する、簡単なデータです。
 この「ゴッドマン」もまた前2作品と同様に人気番組となり、この後「行け!グリーンマン」、「行け!牛若小太郎」という”行け! シリーズ”と呼ばれる(いや、実際には呼ばれていないのですが)作品群へと続いて行くのでした。

 …なのですが。
 この「ゴッドマン」、現在の目で見ると冒頭で書いたようにトンデモナイとしか形容できない、正直に申し上げるなら エド・ウッドjr.作品と比肩しうる駄作にしか見えないのです。
 なぜか? その最大の理由は、本作がゴッドマンと怪獣との単純なバトル物でありながら6話で完結するという形式になっている ところにあります。
 たしかに1日5分、しかも朝の慌ただしい時間に子供が見るぶんには問題無いのだとは思いますが…再放送版で6回連続、20分近くに わたって延々と繰り広げられるゴッドマンと怪獣の殴り合いとなると、同じBGMが流れ続けるということもあって拷問に近くなって きます。下手すれば、あまりの単調さにその場で寝てしまう人もいるかもしれません。


 さらにやるせなさを倍化させるのが、あまりに緩慢なアクションと怪獣のデザイン。
 まずアクションシーンに関してですが、元々ゴッドマンがヘッポコな動きしかできず(基本的にミドルキックすらできません)、 しかもわざわざスローモーションをかけているので、結果として故・ジャイアント馬場の晩年の試合にも劣るのではないかと 思われるじゃれ合いが繰り広げられることになります。
 このスローモーション演出はおそらくゴッドマンや怪獣の重量感を出すためのものだとは思うのですが、はっきり言って逆効果 にしかなっていないのが厳しいところ。おかげさまで背中のチャックから中にいるスーツアクターの姿がよく見えてしまいます。

 次に怪獣のデザインですが、これは利光貞三氏の手によるデザインといわれています。氏は初代ゴジラの雛形を作成したことで 知られる人物ですが、「帰ってきたウルトラマン」でサータンという凄まじい怪獣を手がけられた前科…ではなく経験があり、その 手腕が本作でも炸裂。どう見てもチ○コに手足がついたようなドンゴラー、マ○コが頭になったような ギャッドラー(「全怪獣怪人大事典」ではギャッドと書かれています)など、人間の頭で考え出したと思えない超絶デザイン には思わず言葉を失ってしまいます。


 なお悪いことにOP主題歌までもが腰砕け。以下に歌詞を引用してみましょう。

おーいゴッドマン 聞こえるか
おーいゴッドマン とんでこい
SOS、SOS、SOS、SOS
地球があぶない
SOS、SOS、SOS、SOS
ゴッドマン ゴッドマン ゴッドスパーク!

 企画会議中に10分間で作ったのではないのかと思ってしまうくらい何も考えてなさそうな文章は、涙なくしては読めません。SOSと 連呼していますが、そもそも作品自体がSOSです。仮にも番組主題歌なのですから、もう少しくらい気合の入った歌詞にしようとは 思わなかったのでしょうか。
 ちなみにこの主題歌を熱唱されているのはアニソン・特ソン界の帝王こと水木一郎氏なのですが、奇妙なことにこの歌を 歌ったときだけは山本一郎と別名を使用しています。こんな歌は別名を使わないと歌う気になれなかったのではないか、と ゲスの勘繰りをしてしまいますが、真相は闇の中となっています。




 大まかな「ゴッドマン」の概要については以上で終わりです。次に作品の主人公であるゴッドマン自身について少し 紹介しておきましょう。

これがゴッドマンだ!
ゴッドマン
 ファイヤーゴッド星から地球の平和を守るためにやって来た正義の超人(ということに、一応はなっている)。
 子供たちの呼び声に応じて空の彼方から登場し、様々な武器や必殺技を駆使して戦う。「ゴッドマン拡大」を使うことで、 巨大化(このときの身長は38mに達するとか)することもできる。
 髪の毛があるというのは、日本の特撮ヒーローには珍しいデザイン。目の部分はゴーグルか?
ゴッドクラッシュ
 ゴッドマンの必殺武器その1。左腕に装着されたブレスレットから取り出す(映像からの推測入り)トゲ付 フレイルのような武器で、主に中盤あたりで使用される。
 カメーバの甲羅を破壊したところを見るとそれなりに威力はあるようだが、その真の力が発揮されることは少ない。それどころか ゴッドマンの格闘スキルが低いため、相手の怪獣に奪われて逆襲されるというケースが多い。
ゴッドサークル
 ゴッドマンの必殺武器その2。左腕に装着されたブレスレットから取り出す(映像からの推測入り)円盤状の 爆発物で、ゴッドマンは手裏剣のように投げていた。主に中盤〜終盤戦で使用される。
 登場回数は多いのだが、ゴッドマンの投擲スキルが低いのか命中度が低く、どちらかというと威嚇用の武器という印象が強い。
ゴッドスパーク
 ゴッドマンの必殺武器その3。突き出した左手から発射される爆弾のようなもの。ブレスレットから ではなく、拳から直接発射されているように見える。
 ゴッドサークルに比べて命中率が高く、また威力も勝っているようで、怪獣にトドメを刺す際に使用されることが多い。 たまに、これの直撃を受けても平気な奴がいる。
ゴッドマン超音波
 ゴッドマンの最強必殺技。胸の前で腕をクロスさせて繰り出す超音波攻撃(と思われる)。
 ゴッドマンの伝家の宝刀とでもいうべき存在の技で、これを受けた怪獣は確実に爆発四散する。超音波で爆発というのは 電子レンジと同じような仕組みなのだろうか?(電子レンジは電波ですけど)



 ゴッドマンに関するストーリー紹介などは、次項にて!



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