「さて、後編だ。」
「・・・。」
「なんだ、題字をまじまじと見て・・・。」
「いや、中編とか書いてやしないかと思ってね・・・。」
「そ、ソンナコトアルワケナイジャナイカ、ハハハ。」
「表情を見せなさいよ。」
「と、とにかく本題を始めましょうか。」
「ああ、今回はいきなり奈良大淀病院事件について紹介する。まずは経過からだ。」
「あら?いつもは新聞記事を紹介してからじゃない?」
「今回はその新聞報道の検証がメインだからな。実際どんな事件だったか紹介してから、新聞記事をチェックすることにしよう。」
「オッケ〜〜まあ舞台は奈良の大淀病院で間違いないのね。」
「う〜む、舞台としては大淀病院というか、奈良県全体というかな。まあとにかく紹介しよう。
2006年8月、奈良県の大淀町立大淀病院でとある妊婦の分娩中、妊婦が頭痛を訴えて意識を失ったんだ。そこで担当の産科医は、子癇(しかん)発作と診断して、その処置を行いつつ奈良医大病院に搬送しようとした。」
「子癇発作?」
「妊娠,分娩,産褥期に出現する強直性あるいは間代性痙攣と昏睡を主症状とする特殊型妊娠中毒症である.このうち分娩子癇が最も多い.妊娠中毒症の早期発見・治療により,子癇の発症は減少した.1,000〜2,000分娩に1件といわれている.前駆症状として脳症状,眼症状,胃症状が出現する.高血圧,蛋白尿,浮腫は高度であるが,時にこれらの症状がみられないこともある.まず,意識が消失し,強直性あるいは間代性痙攣がみられる.痙攣がおさまった後に昏睡がしばらく続く.脳・肝臓内の出血がよくみられる.予後は速やかな治療法により改善されてきているが,母児ともに非常に危険であることに変わりはない」
「わかんねーっつの!」
「妊娠中にも分娩中にも産褥期に、主に突然の昏睡と痙攣が症状として起こる。分娩1000〜2000に1件の割合で起こり、母児ともに非常に危険な発作で、もし治療しなければほとんど致命的だが、速やかな治療を施すことによって改善されてきてはいる。
」
「まあ、なんとかわかるかな。」
「子癇発作のように重大な症状の場合、高次病院・・・つまりもっとすごい病院にすぐ搬送しなくてはならないのはその4の加古川心筋梗塞事件の紹介のときにもやったとおりだ。ところがここでまずいことが起こった。」
「へ、何?加古川事件の時みたいに時間がかかったとか?」
「あの事例では5件ほどの病院に断られて、約70分かかったんですけどね。」
「ところがこの奈良大淀事件では、18件の病院に断られ、最終的には19件目の国立循環器病センターに搬送された。依頼を開始してから搬送先決定まで2時間ほどかかったという。」
「えーっ18件!なんでそんなに?」
「まずこの件、起きたのが深夜なんだ。深夜は病院以外でもどこでも行きにくいってのは誰でもわかる話だろう。」
「まあそれ自体はね。けど病院ってなると事情が違うんじゃ・・・」
「同じですよ。単純に日中と深夜じゃ、病院にいる医師の数も看護師の数も違います。」
「ま、深夜でも昼間と変わらない治療が出来る病院ってのは理想的だ。出来れば欲しいのは山々だろうが・・・そんなことが出来るほどの医師数も医療費も無いってのはその1やその2でやった通りだな。」
「オンコールといって、すでに家に帰って寝てる医師を呼び出すこともあるんですが、当たり前ですがものすごい負担です。実際に呼び出されるのも大変ですけど、呼び出されなくても「いつ呼び出されるか」という不安があっては落ち着いて休めませんよ。」
「酔って病院に行くわけにはいかんから、晩酌もできないしな。」
「そ、それはつらい・・・。」
「身に染みてわかっていただけて嬉しい。本題に戻るぞ。
もちろん深夜だからってただそれだけで18件に断られたんじゃない。どこの病院もすでにベッドがいっぱいだったり、すでに手術中だったりしたんだ。つまりとても受け入れられる状態じゃなかった。」
「ベッドがいっぱい??なによそれ、緊急事態なんだしベッドがいっぱいだったら床に布団でも敷いて対応しなさいよ。」
「・・・ま、そのあたりは誤解が根強いところですね。救急搬送で「ベッドが無い」ってのは、「対応できる医師・スタッフがいない」って意味なんですよ。物理的にベッドが空いてるかどうかは別問題です。」
「え、そうなの?」
「普通に考えても、例えベッドだけ空いていたとしても、治療できる医師がいなかったらただほっとかれるだけになっちゃうだろ。だったら手が空いてるスタッフがいる病院に行ったほうがいいのは自明の理だな。」
「ああ、そりゃそうね。」
「でだ。なんとか搬送は完了したが、循環器病センターに到着してからCTを撮ってみると実はこの妊婦は脳内出血を起こしていた事がわかった。すぐに帝王切開と開頭手術が行われ、児は奇跡的に助かったが、妊婦は残念ながら亡くなっている。」
「ちなみにこの分娩中の脳出血は子癇と併発することも多いらしいのですが、それでも子癇発作から脳出血にまで至る例は1%も無くて、先に言った様に子癇発作自体が1000〜2000分娩に一つなものですから、分娩中に脳出血を起こすのは極めてまれと言えますね。」
参考資料:wikipedia 子癇
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%90%E7%99%87
脳血管疾患
妊娠中の脳出血はまれな疾患であるが、その多くの割合が子癇に続発するものである。アメリカにおける疫学調査では、全妊娠中で脳出血を起こす危険度は10万対で7.1(=0.0071%)であるが、その3〜4割が子癇や子癇前症に続発するものであり、オッズ比で言えば10倍にもなる[1]。フランス[2]、タイ[3]等の疫学調査の結果も同様であった。
また、妊娠中の脳梗塞の発生率は10万対で4.3だが、その4割もやはり子癇や子癇前症に続発するものである[2]。また一過性盲が見られ、一過性脳虚血発作も起きているものと考えられる[4]。
従って、子癇と診断された患者に後になって脳出血が発見されたとしても、それのみを以って誤診と決め付けることはできない。こうしたことから、
マグネシウムに反応しない
意識障害が遷延する
巣症状を認める
などの症状を呈した患者にはCT撮影を推奨した研究もある[5][6]。 しかし疫学の節で述べた子癇の発生率から逆に計算すれば、子癇発作の中でも脳出血に発展する確率は1%にも満たない。前述の通り、子癇発作の直後は体動や光などわずかな刺激で再度の痙攣発作を誘発し、生命に関わる。そのため子癇の状況で、特別脳出血を疑う所見がない限り頭部CTなどは原則として撮ることはない。
「そして残念ながら、脳出血も致命的な症状だ。この件では妊婦は亡くなっているが、例え救命できてもまず間違いなく植物状態。児が助かっただけでも奇跡と言われている。」
「なるほどね。これまでのコンテンツの大野事件とか加古川事件に当てはめたら、まあ残念な事例ではあるけどしょうがないっていうか、病院とか医師の側からすれば精一杯やってるんじゃないかとは思うわね。」
「ふむ。それじゃあ新聞報道でこの件がどう取り上げられたか見てみようか。まず初期の報道だな。」
参考資料:2006年10月17日 MSN毎日インタラクティブ
(現在はリンク切れ)
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、分べん中に意識不明に陥った妊婦に対し、受け入れを打診された18病院が拒否し、妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容されたことが分かった。脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け男児を出産したが、妊婦は約1週間後に死亡した。
遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
「まあ、典型的な医療報道だな。」
「え、どういう点が?」
「基本的に、患者の側からしか事情を見ない。病院側の都合を知らずにこれだけを読んだら、なんだかサボっていたように感じるだろう。」
「患者側の主張はそのまま載せただけでしょうが、他の部分でも「拒否」とか「ようやく」とかの細かい言葉の使い方でいかにも病院が悪かったかのような文章を作っていますね。」
「そうだ。受け入れは理由無く拒否したんじゃなくてどうしても無理だったんだし、ようやくと言っても全力で処置や連絡をしつつの搬送だったんだ。」
「あれっ、さっきの解説では「依頼を開始してから搬送先決定まで2時間ほどかかった」ってあったけど・・・記事では6時間になってるわよ?」
「それは、妊婦が意識を失ってから搬送が完了するまでの時間だ。搬送要請にかかった時間だけなら2時間ほどで、他の時間は診断や治療、それと移動そのものにかかっている。それを無視して6時間と書くのは、いかにも「たった60km動かすのに6時間かかった」と思わせるだろう?」
「なるほど・・・巧妙ね〜。けどあんた自身が典型的だって言ってる通り、これくらいなら無知なマスコミのスタンダードでしょ。これだけではこの奈良の件が、それほど酷いマスコミ報道だとは思えないけど?」
「うむ、なかなかの毒舌だな。そして確かに、この件の報道には続きがある。次は日刊スポーツの記事だ。」
参考資料:2006年10月24日 日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」
http://blog.nikkansports.com//nikkansports/writer/archives/2006/10/post_565.html
命を救ってこそ病院:井上真
命にかかわる緊急事態で医師の治療が切迫しているのに、受け入れ病院が決まらず焦る。誰でもいいからすがり付きたい。わらにもすがる思いだ。
今年8月、奈良県大淀町の町立大淀病院で出産中の妊婦が意識不明の重体になった。受け入れ先の病院を探すも、18病院に「満床」を理由に拒否され、妊婦の高崎実香さん(32)は19カ所目の病院で脳内出血と診断された。緊急手術で男児出産も約1週間後に死亡。意識を失ってから処置を受けるまで6時間かかった。
激しい怒りが込み上げる。拒否した病院の無責任さ、受け入れ先を見つけられず手間取った病院の無能ぶりに対してだ。該当する18病院は高崎さんの死をどう受け止めるのか。「我々以外の17病院も拒否した。責任は18分の1だ」とでも言うのか。「18病院もが受け入れできなかったのだから致し方ない。非常に残念です」。そんな空々しいコメントが容易に想像できる。
後日、実は新生児集中治療室(NICU)が満床ではなかった病院の存在が明らかになった。その病院は切迫早産で入院中の妊婦のためベッド確保の必要があった、と説明している。理由はあるだろう、いくらでも。後から探せば何とでも言える。できない理由など100でも1000でも探せる。
難しくても急を要する患者を、厳しい条件下で受け入れ、でき得る限りの治療を施すのが医療人の使命であり義務だ。時間的余裕もあり誰でも治せて、助かる確率が高い患者だけを選んでいるのか? 18病院が受け入れの姿勢を見せていれば、助かる確率は19番目の病院到着時よりも高かった。その事実をどう思うか。
以前、家族が意識を失い救急車で搬送された。付き添った救急車の中で驚いた。受け入れ先が見つからない。1時間は待っただろう、家の前で。救急車は停車したままだ。隊員は困った表情で「ベッドがいっぱいで入院はできないそうです。どうしますか?」と、1病院ごとにこちらに判断を求めてきた。
精神的なゆとりはわずかにあったが、緊急搬送の実態を知って焦りは倍増した。「ベッドがどうかは気にしないでください。まず治療を受けられる病院に、それも一番近いところに運んでください」と伝えて、ようやく走りだした。
信号を無視して突っ走る救急車に乗りながら、ものすごく矛盾を感じた。「ここで急ぐことよりも、もっと根本のところが間違っている」。
18病院は大淀病院がどの順番で打診したかを知りたがるだろう。そして、早くに打診された病院は「我々に打診された時はまだ重篤ではなかったはず」と言い逃れ、最後の方の病院は「自分たちよりも前に打診された病院の責任が重い」と主張するだろう。
高崎さんが亡くなり、これだけずさんな実態があらわになった。死に至らないケースはもっとある。とても人を助けるどころじゃない。命を救うのが病院ではないのか。命を見捨てた18の病院に言いたい。恥を知れ。
「恥を知れとは・・・すごい言いようね。」
「この記者は、助からなくてもいいから受け入れろ、と言ってるんだろうか?この妊婦は確かに不幸な転帰をたどったが、この妊婦を助けるためなら他の切迫早産の妊婦は見殺しにして良かったと言うんだろうか。」
「まあ本当にそんなことしたら、その時マスコミはその切迫早産の妊婦の方を取り上げて病院を批判するでしょうね。批判のネタなんか100でも1000でも探せます。」
「それと一つ言っておくが、この件は大野病院事件の後の出来事だ。産科業界にあの事件のショックが生々しく残っている時、いちかばちかで引き受けないなんて恥を知れ、と言えるか?福島地検はまさに、「いちかばちかでやってもらっては困る」と言って医師を逮捕したんだぞ!」
「そもそもこれって病院の責任なのかしらね?18の病院がそれぞれ、夜間なのにものすごく忙しい状態だったってのは個々の病院じゃなくて、もっと広い意味での医療体制の問題よね。」
「その通りです。医師や病院は、目の前の患者さんに対応するので精一杯です。たくさんの患者さんがいても、それに対応できるだけの医療システムを作るのは病院じゃなくて国や自治体の責任です。」
「こんなこともわからず調べもせずにこんな記事を書く記者のほうによっぽど恥を知れと言いたいよな。で、実際にそんなことを言った人は大勢いて、実は同じ記者から弁明記事も出ている。」
参考資料:2006年11月3日 日刊スポーツ記者コラム「見た 聞いた 思った」
http://blog.nikkansports.com//nikkansports/writer/archives/2006/11/post_575.html
医療現場の声聞いて:井上真
厳しい意見をいただきました。前回、奈良の町立病院で妊婦が出産中に意識を失い、18病院が受け入れ不可能と判断、約6時間後に男児を帝王切開で無事出産も母親は死亡したことで、私は医療を批判しました。そして医療関係者から、実態を知らずに書いたことへの抗議と、現状を知らせるメールがたくさん届きました。
多くは「感情むき出しの批判の垂れ流し」との声でした。その通りです。改善策も示さず、感じたままを文字にしました。
医療がどれだけ混乱しているかを、どんな形であれ読んだ人に痛烈に、思い知ってもらいたいと思いました。主観を前面に、一方的な視点で言葉を投げることにしました。なぜなら、私のように無知でも、病院は救ってくれるんだと信じ、医者にすがるしかない人が、どれだけ深く絶望したかを、そのまま伝えたかったからです。読んですぐ忘れられてはいけないテーマと思い扱いました。読む人の心に石を投げ込むように書きました。
「知りもしないで」との声もありました。知る→書く、知らない→書かない。これは論理的なことです。我々の仕事は、知る→取材→書く→検証、の連続です。一方でこうしたコラムに臨む時、大きな驚きや失望に接した時「知らない」「取材していない」の理由で書かないことには疑問があります。問題が起きたその時に、伝えたいものがあるのなら、事実を踏まえてどれだけ提起できるか。これも求められると思います。
今回のケースは<1>産婦人科、脳外科、麻酔科、小児科などの医師、大勢のスタッフが必要な非常に難しい状態だった<2>地域に対応可能な高次医療機関の不足(社会保障への国、地方行政のあり方も関連)<3>度重なる訴訟で、助けられそうにない患者は引き受けない、いわゆる「防衛医療」への加速化、などが背景に考えられます。
訴えられるケースが増え、産科医、小児科医などへのなり手の減少もあります。病院の能力以上の患者を受け入れ、それ以前の入院患者への対応が不安視される時、病院は「引き受け不可能」と判断する。現場の生々しい言葉でした。
まるで診察をするように、私への感情を抑え、静かに真実を伝えようとする文章がありました。現場には「助けたい」と懸命に働く人が多いことも今さらながら十分に分かりました。
医療現場の病巣は深く、いつ、どこで、誰が同じ目に遭うか、不安はみんなが抱えています。知れば知るほど絶望します。「なぜ助けてくれないの」。私は弱い側のやり場のない悔しさを医療へ向けて投げました。そして「救いたくても救えないんだ」の声を聞いたその先に、強いはずの医療が実はもろく、その崩れ方を知らずに「助けてもらえる」と信じていた現実を知りました。
医療が命を救う、その根元が折れそうです。人は必ず医療の力を必要とします。例外なく誰もが、この混乱を「冷静」に見つめて行くしかないと自戒を込めて感じました。
「ま・・・医師たちの心に石は投げ込めたんじゃないか?そうとうの棘付きだったが。」
「これって、以前のはまるで調べもせずに感情的に書きなぐっただけの文章だったって認めてるのよね。」
「ムカついたら、調べてなくてもとりあえず書いておくほうがいいだろう、って意味ですかね。」
「まっ弁明するだけマシかもね〜抗議の内容にもちゃんと一理は見出せたようなことも書いてるし。」
「それにしても「恥を知れ」は無いと思いますけどね・・・。」
「反省の態度を見せるだけで偉いと判断されるマスコミってのもよく考えたらすごいがな。反省するマスコミ人ってのはヤンバルクイナより少なそうだし・・・。
そして次が、いま話題の毎日新聞だ。さっきのは所詮スポーツ新聞のコラムだが、毎日と言えばもうすぐ潰れる恐れもあるが一応五大紙の一つ、クオリティペーパーだぞ。」
参考資料:2006年10月17日 毎日新聞
<分べん中意識不明>18病院が受け入れ拒否…出産…死亡
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月、分べん中に意識不明に陥った妊婦に対し、受け入れを打診された18病院が拒否し、妊婦は6時間後にようやく約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に収容されたことが分かった。脳内出血と帝王切開の手術をほぼ同時に受け男児を出産したが、妊婦は約1週間後に死亡した。遺族は「意識不明になってから長時間放置され、死亡につながった」と態勢の不備や病院の対応を批判。大淀病院側は「できるだけのことはやった」としている。
妊婦は同県五条市に住んでいた高崎実香さん(32)。遺族や病院関係者によると、出産予定日を過ぎた妊娠41週の8月7日午前、大淀病院に入院した。8日午前0時ごろ、頭痛を訴えて約15分後に意識不明に陥った。
産科担当医は急変から約1時間45分後、同県内で危険度の高い母子の治療や搬送先を照会する拠点の同県立医科大学付属病院(橿原市)に受け入れを打診したが、同病院は「母体治療のベッドが満床」と断った。
その後、同病院産科当直医が午前2時半ごろ、もう一つの拠点施設である県立奈良病院(奈良市)に受け入れを要請。しかし奈良病院も新生児の集中治療病床の満床を理由に、応じなかった。
医大病院は、当直医4人のうち2人が通常勤務をしながら大阪府を中心に電話で搬送先を探したがなかなか決まらず、午前4時半ごろになって19カ所目の国立循環器病センターに決まったという。高崎さんは約1時間かけて救急車で運ばれ、同センターに午前6時ごろ到着。同センターで脳内出血と診断され、緊急手術と帝王切開を実施、男児を出産した。高崎さんは同月16日に死亡した。
大淀病院はこれまでに2度、高崎さんの遺族に状況を説明した。それによると、産科担当医は入院後に陣痛促進剤を投与。容体急変の後、妊娠中毒症の妊婦が分べん中にけいれんを起こす「子癇(しかん)発作」と判断し、けいれんを和らげる薬を投与した。この日当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。
緊急治療が必要な母子について、厚生労働省は来年度中に都道府県単位で総合周産期母子医療センターを指定するよう通知したが、奈良など8県が未整備で、母体の県外搬送が常態化している。
大淀病院の原育史院長は「脳内出血の疑いも検討したが、もし出血が判明してもうちでは対応しようがなく、診断と治療を対応可能な病院に依頼して、受け入れ連絡を待っていた」と話した。
一方、高崎さんの遺族は「大淀病院は、総合病院として脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。適切な処置ができていれば助かったはずだ」と話している。【林由紀子、青木絵美】
「最初の毎日インタラクティブの記事より詳しく書いてあるようね。」
「どこが・・・。まあより無言のうちに病院を非難するようにはなっているな。各病院が搬送依頼に応じなかったとか、断ったとか・・・けど満床や処置中だったら受け入れられないのは当然なんだよ。」
「これだけ読むと、医師の誤診が原因だと思わせるような書き方ですよね。しかし子癇に対してはちゃんと対処していたし、脳出血を併発する可能性は非常にまれであることは最初に説明したとおりです。子癇発作中は、軽々しくCTなどを撮らない事も指摘しました。」
「それとな、この記事には後に繋がるような酷い誤報があるんだよ。」
この日当直の内科医が脳に異状が起きた疑いを指摘し、CT(コンピューター断層撮影)の必要性を主張したが、産科医は受け入れなかったという。
「こんな事実は無いんだ。内科医はその時、CTを撮らなきゃなんて一言も言ってないんだよ。」
「っはあああ?記事の捏造じゃない!」
「確かにもしCTを撮っていれば脳出血が判明した可能性はあります。しかし子癇発作には光などの刺激を与えると続けて痙攣が起こり、なおさら致命的な症状になることがわかっていますし、CT室までの移動にはこれまた振動なども伴いますので危険です。」
「そもそもCTなんて、スイッチを入れたらすぐ動き出す機械じゃないんだよ。動かすのは専門の技師なんだが、夜中の病院でCTをスタンバイ状態でずっと待機させておくわけがない。CTが動くまでに1時間くらいはかかるんだ。もしCTの技師がいなきゃ不慣れな医師がマニュアル片手に動かすことになるしな。」
「こ、こいつ、動くぞ!?」
「違うから・・・。」
「ちなみにこの部分には当初、当時の大淀病院には深夜にCT技師は待機していなかったと書いてあったんですが、どうも夜間でも技師はちゃんといたようです。もっとも、それでもCTを撮るまでに50分はかかるらしいので全体のお話に影響はありませんが、この部分をなくすとガンダムネタが消えちゃうのでやや苦しく改変しました。ご理解のほど宜しくお願いいたします。」
「なるほど、当時の状況では、CTは撮らなくて正解だったのね。そりゃ後出しじゃんけんで見れば、外れに見えるけど。」
「だいたいCTって検査であって、治療じゃないからな・・・CT撮ってたってしょせん、絶望的な症状が判明しただけに終わっただけかもしれん。
というわけで記事に戻るが、ここも酷いぜ。」
一方、高崎さんの遺族は「大淀病院は、総合病院として脳外科を備えながら専門医に連絡すら取っていない。適切な処置ができていれば助かったはずだ」と話している。
「いや、話しているだけならいいさ。けど妊娠中の脳出血なんて、悪いけど、起きた時点でもうほとんど助からないんだよ。」
「それともう一つ、脳外科医がいれば脳出血に対応できるわけではありません。当時の大淀病院で子癇を判断して脳出血までは診断できなかったのは誤診とはいえませんが、それでも仮に脳出血まで診断できていたとしても、それに対処するには
産婦人科医
脳外科医
小児科医
麻酔科医
ICU(集中治療室)の空き(当然スタッフも)
NICU(新生児集中治療室)の空き(当然スタッフも)
看護師たち
・・・とまあすごいスタッフが必要なわけですが・・・。」
「しかも脳外科医と言っても、分娩中の妊婦の手術なんて経験は無いだろう。少なくとも一人で対処できる事例じゃないだろうな。つまりこれらのスタッフが一人ずついたくらいでは、とてもじゃないけど太刀打ちできないんだ。」
「まあ対応は限りなく不可能なわけね。じゃあやっぱり、できる施設へ搬送しようとした判断は正しいんじゃないの。」
「とにかく「診断ミス・医療ミスがあったに違いない」と言う予断を持って書けばこんな記事になるって見本みたいな文章になっちゃってるんだよ。それは後日書かれた記事からも明らかだ。」
参考資料:2006年10月22日 毎日新聞
支局長からの手紙:遺族と医師の間で /奈良
今年8月、大淀町立大淀病院に入院した五條市の高崎実香さん(32)が容体急変後、搬送先探しに手間取り大阪府内の転送先で男児を出産後、脳内出血のため亡くなりました。
結果的には本紙のスクープになったのですが、第一報の原稿を本社に放した後、背筋を伸ばされるような思いに駆られました。
「もし遺族に会えてなかったら……」
というのは、今回の一件はほとんど手掛かりがないところから取材を始め、かなり時間を費やして事のあらましをどうにかつかみました。当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。なにより肝心の遺族の氏名や所在が分からない。
「これ以上は無理」
「必要最低限の要素で、書こうか」
本社デスクと一時はそう考えました。
そこへ基礎取材を続けていた記者から「遺族が判明しました」の連絡。記者が取材の趣旨を説明に向かうと、それまでいくら調べても出てこなかった実香さんの症状、それに対する病院の対応が明らかになりました。それがないと関係者にいくつもの矛盾点を突く再取材へと展開しませんでした。
さらに、患者、遺族は「名前と写真が出ても構わない」とおっしゃいました。「新聞、テレビ取材が殺到しますよ」と、私たちが気遣うのも承知の上の勇気ある決断でした。
情報公開条例や個人情報保護法を理由に県警、地検、県、市町村などの匿名広報が加速するなか、記事とともに母子の写真、遺族名が全国に伝わり、多くの反響が寄せられています。それは実名と写真という遺族の「怒りの力」によるものに他なりません。
支局の記者たちも、ジグソーパズルのピースを一つずつ集めるような作業のなかで、ぼやっとしていたニュースの輪郭がくっきりと見えた感覚があったに違いありません。手掛かりある限り、あきらめないで当事者に迫って直接取材するという基本がいかに大切で、記事の信頼性を支えるか。取材報告を読みながら、身にしみました。
「あのな。」
当然ながら関係した病院のガードは固く、医師の口は重い。何度足を運んでもミスや責任を認めるコメントは取れませんでした。なにより肝心の遺族の氏名や所在が分からない。
「なんでこの記者、医療ミスがあったなんて前提で見てるんだ?ミスがなければミスを認める発言なんか無くて当然だろう。」
「それに、医師や病院には守秘義務があるのを知らないはずが無いと思うんですけどね。遺族の氏名や所在なんて、軽々しく言う方が問題ですよ。」
「マスコミなんて、取材源の秘匿にはチョーうるさいくせにね〜〜。」
あきらめないで当事者に迫って直接取材するという基本がいかに大切で、記事の信頼性を支えるか。取材報告を読みながら、身にしみました。
「病院側の都合を無視して遺族にだけ取材して、それで記事の信頼性なんて得られるものか・・・何が身にしみたんだろうな。」
「そして次の記事ですね。」
参考資料:2006年10月26日 まいまいクラブ −記者の目−
https://my-mai.mainichi.co.jp/mymai/modules/weblog_eye103/details.php?blog_id=254
「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局)
◇「人と予算」伴った対策を――医師だけを問責するな
奈良県大淀町立大淀病院で今年8月8日、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん(32)が、19病院から搬送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターで男児を出産し、8日後に亡くなった。私は取材を通じ、出産前後の医療システムについて考えさせられた。「財政難」を理由にその整備を怠ってきた奈良県と、深刻な医師不足で激務を強いられている医療現場双方が、「次の実香さん」を出さないよう、今こそ「人と予算」の伴った対策をとるべきだと言いたい。
取材は8月中旬、高崎さん一家の所在も分からない中で始まった。産科担当医は取材拒否。容体の変化などを大淀病院事務局長に尋ねても、「医師から聞いていない。確認できない」。満床を理由に受け入れを断った県立医科大学付属病院(同県橿原市)も個人情報を盾に「一切答えられない」の一点張りだった。
搬送先探しが難航した背景は根深い。取材を進めると、緊急かつ危険な妊婦を処置できる「総合周産期母子医療センター」は8県(秋田、山形、岐阜、奈良、佐賀、宮崎、長崎、鹿児島)で未整備だった。危険な母体を大阪府などに送る奈良の県外依存は、ここ数年3〜4人に1人の割合で推移する。県医務課の釈明は、「看護師不足や財政難がある」。ただ、新生児集中治療室(NICU)が40床あることを挙げ「この病床数は大都市を除いて多い」と、整備を急ぐ構えは感じられなかった。
「だったら、なぜ妊婦は県外に送られたのか」「遺族はこの現実をどう思うか」。実香さんの遺族にたどり着けたのは10月だった。義父の憲治さん(52)は当初、「実香ちゃんの死を汚す結果にはしたくない」と、取材への不安を口にした。「県内の実態を改善させるよう継続的に取材する」と伝えると、憲治さんの話は5時間以上に及んだ。
実香さんは頭痛を訴えた直後に意識不明に陥った。家族は脳の異状を疑い「CT(コンピューター断層撮影)を」と主治医にすがったが、分娩中にけいれんを起こす子癇(しかん)の判断は変わらず、搬送先探しが優先された。結局、死因は脳内出血。「担当の先生は、息子(実香さんの夫)も取り上げてくれた。『親子でお世話になれるな』と喜んでいた。病院の説明があったとき、事務局長に『誰のために働いてる』と聞いたら『町、病院のため』と答えたよ」。憲治さんの言葉には、信頼する医師の下で起きた事態へのやりきれなさがあふれていた。
その取材から3日後、実香さんの実父母、夫の晋輔さん(24)にも話を聞いた。「脳内出血の処置を受けているのに、母乳がたまっているのか胸が張ってね……」。意識のない中、実香さんは母であろうとしたのだ。その後、遺影の実香さんと、生後2カ月で愛くるしい笑顔の長男奏太(そうた)ちゃんに対面した。一家は考えた末、取材が殺到するのを「覚悟してます」と、実名と写真の掲載に同意した。
報道以降、多数のファクスやメールが届いている。「医師の能力不足が事態を招いた印象を与え、一方的だ。医療現場の荒廃を助長する」という医師の声も少なくない。だが、記事化が必要だと思った一番の理由は、医師個人を問題にするのではなく、緊急かつ高度な治療が可能な病院に搬送するシステムが機能しない現状を、行政も医師も、そして私たちも直視すべきだと思ったからだ。居住地域によって、助かる命と失われる命があってはならない。
NICUに9床を持つ県立奈良病院(奈良市)では、緊急処置の必要な妊婦受け入れに対応できるよう、正常分娩の妊婦を開業医に移す自助努力を重ねてきた。また、今回の問題を受け、県医師会の産婦人科医会も母体を産科以外で受け入れるなどの対策を打ち出した。医師の研修制度改正や産科医不足から、県内でも過去2年間で3病院が分娩を取りやめるなど影響は深刻だが、可能な限り、知恵を絞らねばならないと思う。
一方、県は医師会の対策をなぞるように、県内の民間2病院へ搬送受け入れを要請。だが、これは本来のセンター整備の遅れを補うに過ぎない。現時点で県は、人員確保を含めた体制作りを09年度中としているが、前倒しすることも検討すべきだろう。
初めて大淀病院に行った時、私は待合室で2カ月先まで分娩の予約が埋まっているとの張り紙を見た。「地域の妊婦がこの病院と医師を信じ、通っている」。憲治さんは「やがては実香ちゃんの死に意味があったと思いたい」と訴えた。失われた実香さんの命を見つめ、医療従事者、行政は同じ過ちを繰り返してはならない。
「青木絵美記者や毎日新聞には、さぞかし相当の批判が届いたんだろうなと思わせる記事だが。」
「ほとんど遺族への取材だけでかかれた記事と言うのは変わっていませんが、いきなり「医師だけを問責するな」というスタンスに変わっていますね。」
「医師だけを問責したのは、そもそもこの記者の方じゃないの?」
「それともう一つ、前の記事では内科医が薦めたはずのCT撮影を、この記事では家族が薦めたことになってるな。」
「え・・・てことは、記事の捏造を何の謝罪も訂正もせずにしらばっくれたって事?医師には100%の正確さを要求する割には、自分たちのミスはオッケーなのね。」
「そして、医師や病院を叩きまくっておいて、反論が寄せられたら「いや、医師だけを問題にしたわけじゃなくて、システムの問題なんだ」って・・・どの口が言ってるんだ!って感じですよね。」
「この記事で記者は、医療システムを整備しなくちゃダメだと言っているだろう。そして実は実際に、この報道の後に大淀病院がある奈良県南部ではお産の事故の発生がゼロになったんだ。素晴らしい成果だろう?」
「ええっそうなの!?すごいじゃない!なんで??」
「・・・なんかネタにマジレスされたような恥ずかしさだな。」
「な、なによ。」
「突然だが、ニセ科学の主張に騙されないための初歩を一つ教えよう。ゼロとか100%とか言われた時はとりあえず疑え。疑うためには、分母と分子にいったいどんな数字が入るか具体的に想像してみろ。」
「えー・・・この場合、仮に100件の分娩で1件の事故があったとしたら1/100で1%とすると・・・ゼロって事は0/100よね?あれ??」
「分子じゃなく、分母がゼロになったとしたらどうだ。」
参考資料:asahi.com 2006年12月22日 奈良・大淀病院、分娩対応中止へ 県南部のお産の場消える
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200612220048.html
奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、重体になった妊婦(当時32)が計19病院に搬送の受け入れを断られた末、大阪府内の病院で死亡した問題で、同病院が来年3月で分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止することがわかった。同病院の産婦人科にはこの妊婦を担当した常勤の男性医師(59)しかおらず、長年にわたる激務や妊婦死亡をめぐる対応で心労が重なったほか、別の産科医確保の見通しが立たないことなどが理由とみられる。
県などによると、同病院は来年3月末で産科診療を休止し、その後は婦人科外来のみ続ける方針。スタッフの拡充を検討したが、県内の公立病院に産科医を派遣してきた奈良県立医大の医師不足などから、新たに医師が確保できず、分娩対応の継続ができないと判断した。病院側は同日、院長名で事情を説明する文書を張り出した。
男性医師は県立医大から非常勤医師の応援を得ながら、年間150件以上のお産を扱っていた。宿直勤務は週3回以上で、妊婦が死亡した後、「ここで20年以上頑張ってきたが、精神的にも体力的にも限界」と周囲に漏らしていたという。
県南部では、県立五條病院(五條市)が4月に産科医不足から分娩取り扱いを中止しており、大淀病院がお産を扱う唯一の病院だった。県幹部は「早急に県内の周産期医療のあり方を見直さねばならない」と話す。
「県南部から産婦人科そのものが無くなったんだ。だったら分娩事故なんか起こりようがないだろう。」
「ああっそうか!システムがうまく整備されたわけじゃなくて、システムそのものが消滅したのね。」
「おかげで奈良県南部の妊婦さんは、北部や県外などの遠隔地で出産することを迫られています・・・もちろん不便ですし、事故自体も増えていますよ。周辺の地域・・・大都市である大阪でも、産科医療の手はとても充分とはいえませんからね。」
「このように、医療そのものがなくなることによって医療事故が消滅することを、No doctor,no errorと言うことがある。」
「はー、これこそまさに医療崩壊よね。マスコミが医療を潰すって、本当にあるのね。」
「ちなみに関連記事はほかにもあるが、これらの奈良大淀事件の報道に対して毎日新聞の当該記者・グループは
第11回新聞労連ジャーナリスト大賞の特別賞
第14回坂田記念ジャーナリズム賞
を受賞している。」
「奈良県の産科医療を崩壊させた功績でしょうか・・・。」
「ま、毎日新聞には懲罰的昇進ってのがあるらしいから、これだってきっと懲罰的褒賞なんじゃないの?」
「今ならそんなことも言えるかもなぁ。この当時はさすがに、昇進した方が責任も増えるのである意味罰則でもある、とまで言い出すとは夢にも思わなかったしな。」
「で、実はこの大淀事件はこれでもまだ終わらず、訴訟にまで発展し、現在係争中です。」
「さらに、産経新聞などのマスコミからはほとんど流行語にも近くなった「医療機関のたらい回し」という表現まで飛び出し、様々な場所で医療システムが限界を見せてくる。そして奈良県でまた、産科医療業界の側面の一つを思わせる事件が起きるんだ。」
「へぇ〜、じゃあまず裁判の話から教えてよ。」
「うん・・・次回にな。」
「えええっ!?」
「新聞記事の引用が多いからだが、すでにこのテキストは歴代最長だ。」
「・・・と言うことは、次回も大淀病院やるってことで・・・やっぱりこれって事実上中篇になるんじゃないの!!」
「いやいやいや、今回と前回はマスコミ報道編だろ?次回からはマスコミ編と言うよりむしろモンスターペイシェント編なんだ。扱う事件は同じでも、側面が違うんだなぁ〜。」
「く、苦しそうな言い訳・・・じゃあマスコミはあんまり関係ないのね?」
「う・・・急に胸が苦しく・・・AMIちゃんかな・・・。」
「AEDをぶん投げて、ぶつけて治して差し上げるわね。」
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