Language : Japanese


Wheel


 ホイールは弦をこすって音を出すという役割を担っており、見かけは地味ですが非常に重要な部分です。名前はホイールですが、言ってみれば楽器のエンジンに当たります。
 このパーツにとって重要なのは以下の点だと思います。


 ホイールが凸凹していたら、当然いい音は出ません。また、木の切り口が木の繊維に沿っているか、繊維を横切る方向に入っているかで弦にかかる摩擦は違ってきます。自然の材料を使っているので、完全に均質というのは無理ですが、できるだけムラのない素材を選ぶ必要があります。
 良質な素材を使って腕のいい職人が作ったものを買えばいいのですが、必ずしもそうはいかないものです。中級の楽器だったら、一枚板ではなく、合板のホイールを使ってあるものを選ぶ手もあります。厚手のベニヤ板のような合板だったら、切り口(弦との接触面)は全円周で均質になるはずです。また、充分ねかせてない木を使うと、時間が経ってねじれが出てくる可能性もあります。日本の気候は湿気が多いので要注意です。合板はこの木の変形を防ぎます。私の楽器はホイールの中心と外周で違う木を合わせてねじれを防いでいます。買ってから20年程になりますが、日本・タイの気候によく耐え、ねじれは出ていません。


 完成品の楽器を買えば、原則として、削ったり、やすりをかけたりしなくても、すぐに弾けるようになっているはずです。買ったばかりのときからホイールがゆがんでいたら不良品です。しかし、次のような場合は、自分で弦との接触面を削ったり磨いたりする必要があります。


 磨く程度なら、目の細かいサンドペーパーを、平面になるように木切れか何かといっしょに持って、ホイールを回転させて磨きます。少し削ってやる必要があるなら、ガラスの切り口とかカッターナイフの背(刃のないほう)などを当てながらホイールを回転させて、極くわずかずつ表面を削っていきます。決して刃のあるほうでガリガリ削らないように。そして、最後にサンドペーパーで磨きます。仕上げで注意するのは、ホイールの縁を、90度のままではなく、少し丸めることです。
以上、弦との接触面の修正法です。
 ホイール自体が軸から歪んでふらつきがひどくなったものは、楽器を分解して修理するしかないでしょう。こうなったら楽器修理の専門家に任せるしかないと思います。

 ホイールに対する心掛けとしては、弦との接触面にはできるだけ触れないようにすることです。特別に脂性の人ではなくても、ホイールに脂分がついたりします。汚れがつくと、すぐ音に影響が出るので分かります。演奏中は、汗などがかからないようにホイールカバーをしておいたほうが安全です。(弦の状態が見えるので、カバーをはずして弾いている人も結構いますが)
手の脂ぐらいなら、ティッシュか何かでよく拭いて松ヤニを塗れば大丈夫ですが、拭いて落ちないような液体をこぼしたり、傷をつけたりしないように気をつけてください。サンドペーパーで磨くか、削り直すかしなければならなくなります。

 演奏の際、ホイールには松ヤニをつけます。バイオリンなど擦弦楽器用の松ヤニを使います。私は一時期、画材の粉末の松ヤニを使っていたことがありますが、量の加減がむずかしいし、飛び散って楽器にくっつくので、今は固形のものを使っています。資料によっては、松ヤニの品質について色々言っているものもありますが、私は特に気にせず適当に選んで買ってきた物を使っています。松ヤニに詳しい人は、Vielleに合っていそうだと思うものを選んで試してみてください。
つける松ヤニの量は、多すぎるとギチギチいうし、少なすぎると弦がうまく振動しません。松ヤニで楽器がダメージを受けるということは(よほど特殊な松ヤニを使わない限り)ないので、各自で試行錯誤してください。

Made : April,1998
Last update : November,1998


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